この戦国時代の、とくに奥羽地方の諸豪族の利害関係なんて、ほかの地方の人には馴染がないし、ピンとこないところも多々あったりするのですが、そこをOP前の豆知識コーナーで現代のご当地事情と絡めて紹介したり、ご当地大河のさきがけとなったのがこの「政宗」でした。
が、やはりよく知らない地方の込み入った歴史ってものは、ついていくのに苦労するもの。この「政宗」では、そのあたりをショートカットしたりせず、中央の歴史とは別系統のローカル歴史としてじっくり丁寧に描いたところにも、独特の面白さの一因があるように思います。ローカルに踏み止まる。これは、一昨年の「風林火山」でもしっかり踏襲してたことでした。安直に現代の社会や家族愛なんかに擬したりしてないほうが、より濃く、語り継がれるような大河ドラマになるんじゃないか…と思うのですが。どうなんでしょう。
というわけで、だんだん地方の独特の事情も込み入ってきます、15,16話を見ます。
第15話「めごとねこ」
ふしぎなサブタイトルです。メゴトネコ、って何。これはつまり、正室「愛姫」と、側室として登場する「猫御前」の、ふたりのバトルが勃発する話で、ずっと男だらけの硬派な世界できた「政宗」に初めて女のたたかいが挿入されます。
前回、二本松城を手に入れて奥羽平定の覇業にむけ前進した政宗(渡辺謙)。そんなおり、妻の愛姫(桜田淳子)の実家の父=三春田村家の田村清顕が病死します。愛姫は田村家の一人娘で、伊達家に嫁ぐにあたっては生まれる男の子のひとりを、田村の世継ぎとして引き取るのが前提だったんですね。ですが、11歳で結婚してから7年、愛姫には妊娠の兆候もなく、田村家の嫡流は絶えてしまいます。
政宗はこの田村家に、ふたりに子供が生まれるまでの繋ぎとして弟の竺丸(岡本健一)を送りこもうとします。が、これにはお東の方(岩下志麻)が大反対。「かわいいお竺をあんな小国の、それも繋ぎに出すなんて! キー!!!」というわけで、マザコン政宗は逆らって押し切ることができません。深い溜息をつきながら、とりあえず、三春の当主代行となった愛姫の実母に、「伊達家を立てて万事意向にしたがう」という念書を書かせることにします。愛姫ママは伊達家の宿敵・相馬の出身なので、相馬寄りになるのを警戒したんですね。
が、その旨を愛姫から手紙に書かせようとしても、姫は「どうして疑うんですか?母はそうすると思います」、実の母にそんな命令口調の手紙は書きたくないと抵抗。「殿に逆らえばわたしがどうなるか母はわかってますから」と。
「どうなるというのだ?」「離縁させられます」と答えた愛姫を、政宗は甘ったれるな!!と一喝。お前は人質だ、意に沿わなければ成敗するだけだ!!と。夫のこの言葉にショックを受けた愛姫は、その日いらい引きこもり、政宗の顔を見ず、夜の生活も拒否するようになってしまいます。
そこへ、こんどは大国・会津芦名家の幼君が急死してしまい、こっちも世継ぎ問題が勃発。芦名を乗っ取るチャンス到来、遺された姫の婿に竺丸を送り込もうと、急遽、路線変更です。ブランド好きのお東の方も、芦名ならばと大満足。が、その前に最上の伯父さんの意見もきいてみないとね、という言い草に政宗は「伊達は最上の子分じゃない!!」とブチ切れます。
…というわけで、なにかと面白くない政宗のところに、ひとりの美女がおくりこまれて来ました。対面のまえに廊下でネズミを取って喜んでいたこの娘は、ちょっと天然はいった不思議ちゃんで、そのパッパラかげんが政宗のツボにはまって気に入られ、側室第一号となります。飯坂の局、呼び名は猫御前。演じるのは、当時この手のパッパラ美人を十八番の芸風にしていた秋吉久美子。ついでに猫御前の実父を演じているのは故・東八郎だあ!
猫御前といると、愛姫とではちょっと出来ない痴態を演じてしまう政宗。垣間見えるバカップルぶりに愛姫の気鬱はひどくなり、さらにその傷口に、お東の方が塩をなすりつけます。めごとねこのふたりを自分の前に呼んで対面させ、婦道について説教をきかせたりするんですね。
そんなおり、田村家では「万事伊達家に従います」という旨の誓約をよこして、一時緊張した両家の間は雪解けムードに。喜びの宴が催されることになり、愛姫もひさしぶりに笑顔になりますが、よりにもよってその当日に、伊達家親族衆で成実(三浦友和)の父の伊達実元(竜雷太)が急死します。宴はとりやめ。愛姫も政宗と仲直りの機会を失ってしまいます。…
第16話「南北の敵」
前の回から登場した猫御前(秋吉久美子)ですが、異様にムカつく女です。なぜか臨月のお腹をして廊下をしゃなりしゃなり歩いていて、愛姫(桜田淳子)と遭遇しても態度が大きいんですが、猫が懐妊!!と聞いた政宗(渡辺謙)が狂喜してすっ飛んでくると真相は「ウソ。お腹に詰め物をしただけ」と。猫が妊娠したらどーいうリアクションになるか見たかった…ということで、不妊のコンプレックスをコケにされた愛姫はショックです。
すっかり滅入っている愛姫は、寝室でも「三春へ帰されるならそれでもいいです。このまま虚しく朽ち果てていくよりは…」と陰気なことを繰り返し、こんどは政宗のほうが夜の生活を拒否ということになり、夫婦仲はすっかりこじれてしまいます。
そんな折、伊達領の北の国境で、鮎貝忠旨が叛乱を起こしたと、その父の鮎貝日傾斎(辻村真人)が注進におよびます。鮎貝城の叛乱には、山形の最上義光(原田芳雄)のテコ入れがありました。しかも、叛乱には伊達家親族の国分守重(イッセー尾形)が呼応する手はずになっていたんですね。政宗は守重を呼び出して難詰しますが、最上派の家臣が暴走して苦労している、本家が行き届かないせいでわたしのせいじゃないと開き直ります。
政宗はこの叔父を脅しに脅して絞り上げ、必ず家中をまとめると誓わせますが、あまりの政宗の苛烈さに、守重は嘔吐してしまったほど(!)でした。政宗は紛争の黒幕となっている最上を攻める決意をします。
ふたたび戦の季節となりますが、柱とたのむ成実(三浦友和)は二本松、小十郎(西郷輝彦)は大森と、ともに南の会津国境の城に赴任しており、最上攻めには参加させずに南の守りに専念させることにします。政宗が将に選んだのははベテランの泉田重光(高品格)でした。老練の泉田の進言により、最上をもろに攻める戦はいまは得策ではない、そのかわり最上の本家筋の大崎が家中の内紛を起こしているので、そこに介入し、義光を牽制するのがよいのではないか…と。
このあたり、奥羽の豪族地図はたいそうゴタゴタ込み入っているんですが、とにかく、義光の鼻をあかすため、政宗は大崎に兵を繰り出します。これにお東の方(岩下志麻)が大反発。どうしても最上と弓矢を構えるなら母を殺してから行くが良い!とか言って政宗を辟易させます。
伊達の出兵は、義光にとっては好都合。おりからの豪雪で動きがままならぬところへ、周辺の豪族の寝返りなどの工作で伊達勢を孤立させてしまいます。大崎攻めは思いもかけずこじれ、政宗は泉田の軍を救出するため、家中を上げて出兵を決意します。
が、またぞろお東の方が、最上と争って母が困れば嬉しいのか、とか、わからぬことを言い始めます。あなたは小さいころからいつも母の嫌がることばかりする。どうして?かあさんがそんなに嫌いなの、教えて!…とバカ母丸出しの理屈で話を低次元に引きおろし、それに政宗がつい売り言葉に買い言葉で、母上こそ私を嫌ってたじゃないですか!「母上はいつもお家大事、伊達家より最上が大切。だいたい私が疱瘡をわずらって死にかけたとき母上は最上におられた!!」…と。これで母子に決定的な亀裂が入ってしまいます。話を打ち切ってしめた障子のむこうで、「母上、憎んでなどおりません。ずっとお慕いしておりました…」と呟く政宗が、泣かせる…。
おかあさんへの意地にもかけてあとへは引けない政宗。ところが、大崎に出馬しようというそのとき、南の国境を侵して会津軍、それもあの因縁の相手・大内定綱(寺田農)が率いて侵攻したとのニュース。南北の敵に挟まれて、絶体絶命の窮地に陥った政宗の運命やいかに!
(つづきます)
が、やはりよく知らない地方の込み入った歴史ってものは、ついていくのに苦労するもの。この「政宗」では、そのあたりをショートカットしたりせず、中央の歴史とは別系統のローカル歴史としてじっくり丁寧に描いたところにも、独特の面白さの一因があるように思います。ローカルに踏み止まる。これは、一昨年の「風林火山」でもしっかり踏襲してたことでした。安直に現代の社会や家族愛なんかに擬したりしてないほうが、より濃く、語り継がれるような大河ドラマになるんじゃないか…と思うのですが。どうなんでしょう。
というわけで、だんだん地方の独特の事情も込み入ってきます、15,16話を見ます。
第15話「めごとねこ」
ふしぎなサブタイトルです。メゴトネコ、って何。これはつまり、正室「愛姫」と、側室として登場する「猫御前」の、ふたりのバトルが勃発する話で、ずっと男だらけの硬派な世界できた「政宗」に初めて女のたたかいが挿入されます。
前回、二本松城を手に入れて奥羽平定の覇業にむけ前進した政宗(渡辺謙)。そんなおり、妻の愛姫(桜田淳子)の実家の父=三春田村家の田村清顕が病死します。愛姫は田村家の一人娘で、伊達家に嫁ぐにあたっては生まれる男の子のひとりを、田村の世継ぎとして引き取るのが前提だったんですね。ですが、11歳で結婚してから7年、愛姫には妊娠の兆候もなく、田村家の嫡流は絶えてしまいます。
政宗はこの田村家に、ふたりに子供が生まれるまでの繋ぎとして弟の竺丸(岡本健一)を送りこもうとします。が、これにはお東の方(岩下志麻)が大反対。「かわいいお竺をあんな小国の、それも繋ぎに出すなんて! キー!!!」というわけで、マザコン政宗は逆らって押し切ることができません。深い溜息をつきながら、とりあえず、三春の当主代行となった愛姫の実母に、「伊達家を立てて万事意向にしたがう」という念書を書かせることにします。愛姫ママは伊達家の宿敵・相馬の出身なので、相馬寄りになるのを警戒したんですね。
が、その旨を愛姫から手紙に書かせようとしても、姫は「どうして疑うんですか?母はそうすると思います」、実の母にそんな命令口調の手紙は書きたくないと抵抗。「殿に逆らえばわたしがどうなるか母はわかってますから」と。
「どうなるというのだ?」「離縁させられます」と答えた愛姫を、政宗は甘ったれるな!!と一喝。お前は人質だ、意に沿わなければ成敗するだけだ!!と。夫のこの言葉にショックを受けた愛姫は、その日いらい引きこもり、政宗の顔を見ず、夜の生活も拒否するようになってしまいます。
そこへ、こんどは大国・会津芦名家の幼君が急死してしまい、こっちも世継ぎ問題が勃発。芦名を乗っ取るチャンス到来、遺された姫の婿に竺丸を送り込もうと、急遽、路線変更です。ブランド好きのお東の方も、芦名ならばと大満足。が、その前に最上の伯父さんの意見もきいてみないとね、という言い草に政宗は「伊達は最上の子分じゃない!!」とブチ切れます。
…というわけで、なにかと面白くない政宗のところに、ひとりの美女がおくりこまれて来ました。対面のまえに廊下でネズミを取って喜んでいたこの娘は、ちょっと天然はいった不思議ちゃんで、そのパッパラかげんが政宗のツボにはまって気に入られ、側室第一号となります。飯坂の局、呼び名は猫御前。演じるのは、当時この手のパッパラ美人を十八番の芸風にしていた秋吉久美子。ついでに猫御前の実父を演じているのは故・東八郎だあ!
猫御前といると、愛姫とではちょっと出来ない痴態を演じてしまう政宗。垣間見えるバカップルぶりに愛姫の気鬱はひどくなり、さらにその傷口に、お東の方が塩をなすりつけます。めごとねこのふたりを自分の前に呼んで対面させ、婦道について説教をきかせたりするんですね。
そんなおり、田村家では「万事伊達家に従います」という旨の誓約をよこして、一時緊張した両家の間は雪解けムードに。喜びの宴が催されることになり、愛姫もひさしぶりに笑顔になりますが、よりにもよってその当日に、伊達家親族衆で成実(三浦友和)の父の伊達実元(竜雷太)が急死します。宴はとりやめ。愛姫も政宗と仲直りの機会を失ってしまいます。…
第16話「南北の敵」
前の回から登場した猫御前(秋吉久美子)ですが、異様にムカつく女です。なぜか臨月のお腹をして廊下をしゃなりしゃなり歩いていて、愛姫(桜田淳子)と遭遇しても態度が大きいんですが、猫が懐妊!!と聞いた政宗(渡辺謙)が狂喜してすっ飛んでくると真相は「ウソ。お腹に詰め物をしただけ」と。猫が妊娠したらどーいうリアクションになるか見たかった…ということで、不妊のコンプレックスをコケにされた愛姫はショックです。
すっかり滅入っている愛姫は、寝室でも「三春へ帰されるならそれでもいいです。このまま虚しく朽ち果てていくよりは…」と陰気なことを繰り返し、こんどは政宗のほうが夜の生活を拒否ということになり、夫婦仲はすっかりこじれてしまいます。
そんな折、伊達領の北の国境で、鮎貝忠旨が叛乱を起こしたと、その父の鮎貝日傾斎(辻村真人)が注進におよびます。鮎貝城の叛乱には、山形の最上義光(原田芳雄)のテコ入れがありました。しかも、叛乱には伊達家親族の国分守重(イッセー尾形)が呼応する手はずになっていたんですね。政宗は守重を呼び出して難詰しますが、最上派の家臣が暴走して苦労している、本家が行き届かないせいでわたしのせいじゃないと開き直ります。
政宗はこの叔父を脅しに脅して絞り上げ、必ず家中をまとめると誓わせますが、あまりの政宗の苛烈さに、守重は嘔吐してしまったほど(!)でした。政宗は紛争の黒幕となっている最上を攻める決意をします。
ふたたび戦の季節となりますが、柱とたのむ成実(三浦友和)は二本松、小十郎(西郷輝彦)は大森と、ともに南の会津国境の城に赴任しており、最上攻めには参加させずに南の守りに専念させることにします。政宗が将に選んだのははベテランの泉田重光(高品格)でした。老練の泉田の進言により、最上をもろに攻める戦はいまは得策ではない、そのかわり最上の本家筋の大崎が家中の内紛を起こしているので、そこに介入し、義光を牽制するのがよいのではないか…と。
このあたり、奥羽の豪族地図はたいそうゴタゴタ込み入っているんですが、とにかく、義光の鼻をあかすため、政宗は大崎に兵を繰り出します。これにお東の方(岩下志麻)が大反発。どうしても最上と弓矢を構えるなら母を殺してから行くが良い!とか言って政宗を辟易させます。
伊達の出兵は、義光にとっては好都合。おりからの豪雪で動きがままならぬところへ、周辺の豪族の寝返りなどの工作で伊達勢を孤立させてしまいます。大崎攻めは思いもかけずこじれ、政宗は泉田の軍を救出するため、家中を上げて出兵を決意します。
が、またぞろお東の方が、最上と争って母が困れば嬉しいのか、とか、わからぬことを言い始めます。あなたは小さいころからいつも母の嫌がることばかりする。どうして?かあさんがそんなに嫌いなの、教えて!…とバカ母丸出しの理屈で話を低次元に引きおろし、それに政宗がつい売り言葉に買い言葉で、母上こそ私を嫌ってたじゃないですか!「母上はいつもお家大事、伊達家より最上が大切。だいたい私が疱瘡をわずらって死にかけたとき母上は最上におられた!!」…と。これで母子に決定的な亀裂が入ってしまいます。話を打ち切ってしめた障子のむこうで、「母上、憎んでなどおりません。ずっとお慕いしておりました…」と呟く政宗が、泣かせる…。
おかあさんへの意地にもかけてあとへは引けない政宗。ところが、大崎に出馬しようというそのとき、南の国境を侵して会津軍、それもあの因縁の相手・大内定綱(寺田農)が率いて侵攻したとのニュース。南北の敵に挟まれて、絶体絶命の窮地に陥った政宗の運命やいかに!
(つづきます)
レビュ丸の実家のある茨城県の大半は、江戸時代に水戸徳川家が入ってくる前までは佐竹氏の領土だったこともあり、「佐竹」という名前が出てくると何となく親近感が湧いてきます。今回、芦名との養子関係が成立しましたが、そうなると俄然芦名にも親近感が湧いてきてしまう!? ガンバレ芦名・佐竹!!(笑)
初めて目にした人は、どれがメインレビューか迷ってしまいそう~(笑)
秋吉久美子さんには、猫御前のようなエキセントリックな役柄がハマり役ですね。
「子供は卵で産みたい」なんてトンデモ発言した秋吉さんでなければ、とてもリアルには演じられそうにありません。
岩下志麻さんも、秋吉さんとはまた違った、濃い~役柄がお似合い。
35年前の映画「卑弥呼」の印象は強烈でした。
岩下さんがバカ殿みたいな白塗りメークで、奇声を発したり転げ回ったりしながら、神がかった祈祷を行う、なんともシュールな作品です(笑)
異母弟のタケヒコ役が草刈正雄さん。この映画がデビュー作。
結局、二人とも殺されてしまうんですが…。
岩下さんは、民放ドラマでも額田王なる、実像が皆目わからない人物を演じています。
カリスマというか、とてつもなくキャラが立った人物を演じたら、岩下さんの右に出る者はいないのではないか、と思っています。
>良くも悪くも、側室が加わると主人公の周辺が華やぎますね
そうですね~、側室投入は、戦国もの大河ドラマのお約束ってもんでしょうか。で、本妻との間にバトルが起こるのもお約束で…翌年の「武田信玄」でさらにスケールアップしましたね(笑)。
もっともあれは、「和む」ってかんじじゃなかったですけど。
芦名・佐竹の連合軍との戦はこれからが本番ですよね。竺丸の縁談解消のこともあり…。
わたしも地図をみながらでないとちっともわからないんですけど(汗)、これから大名達の国替えなど、移動もあり。頑張ってついていきたいと思います。
メインレビューのはずの日曜8時が、なんだかな~~な感じなので、ついついこんな乱立になってしまいました(汗)
>「子供は卵で産みたい」なんてトンデモ発言した秋吉さん
そうそう、お若い方はご存知ないかもしれませんが(笑)、元祖おバカキャラ? でも「花神」の高杉晋作の愛人も見事にハマってましたし(あれもパッパラ…)、ある種のキャラに関しては他の追随を許さない存在でした。
>岩下さんがバカ殿みたいな白塗りメークで、奇声を発したり転げ回ったりしながら、神がかった祈祷を行う
ひええええ…
それすごく見たいんですけど!
草刈さんは沖田総司がデビュー作だと思い込んでましたが、違うのね。そんな濃い役柄で世に出ていたとは!!
しかし今回は難しかった~。『南北の敵』というサブタイトルからしてそんな予感がしていたのですが、鮎貝・泉田・大崎・・・と、聞き慣れぬ豪族が立て続けに登場したうえ、これらが45分の間に攻守を繰り返したり、裏では最上が手を引いていたり、さらにラスト近くには芦名へ逃亡した大内が攻めてきたりして、手元の地図帳を開きながら、またノートを取りながらドラマを追っていたような気がします。ですが、確かに難しかったものの、決して説明的にならず、また猫御前と愛姫の「女のたたかい」を織り交ぜる一方で「母子の確執」について触れるなど、上手にまとめられていたような気がしました。目立った場面こそありませんでしたが、「主人公が試練を受けながら成長してゆく」という観点から見れば、感情移入もしやすく、これぞ大河ドラマの王道!! アラフォーのレビュ丸などはゾクゾクしてしまいましたヨ。
モチを焼きながら情報をキャッチし、的確に判断を下す最上義光。今回は政宗が “経験の差”を見せつけられた形となりましたが、狡猾な義光を原田さんは本当に好演されている!! と感じました。しかし今回はやはりイッセー尾形さんの「震えおののく演技」が光っていましたね~。廊下で嘔吐する場面、なんだか気の毒になってしまいましたが、あれはアドリブだったのかしらん!?
難しかったですよ~、ホント(笑)。なんか、各家の親戚関係図も作らなくてはいけないかも。
でも、そういうややこしいところも省略しないのが、昔の大河ってものですよね。細かいところが難しくても、ドラマに力があれば視聴率は上がるものだと、ぜひNHKには思い出してもらいたいです。
母子の確執は、記憶にある以上の迫力で、吸い込まれるように見てしまいました。売り言葉に買い言葉で、小さい頃からの屈折したマザコンが噴出する政宗が圧巻ですよね。
原田芳雄さんは、いまも「白洲次郎」で吉田茂を、ほんとに本人ソックリの驚異の演技力で演じてらっしゃるんですが、なにか大腸がんをわずらってしまったとかで、心配しています。原田さんの病気のため、白洲次郎の続きは8月放映とのことですが、変わらないすがたの吉田茂に再会できるよう祈っているところです。