海岸にて

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岡本氏「鳩山さん、よく考えてください」

2009-09-02 | 国際・政治

【人界観望楼】外交評論家・岡本行夫 鳩山さん、よく考えてください (1/3ページ) 2009.9.1 03:03

 選挙直前にニューヨーク・タイムズ紙(電子版)が掲載した鳩山さん(由紀夫民主党代表)の論文は、世界を驚かせた。そのまま訳そう。

 

 「日本は冷戦後、グローバリゼーションと呼ばれるアメリカ主導の市場原理主義に翻弄され続け…人間の尊厳は失われた」

 「グローバル経済は日本の伝統的経済活動を損傷し、地域社会を破壊した」

 

 あとで指摘するが安全保障の部分も過激だ。繰り返しアメリカを批判する一方で日本自身が拠(よ)って立ってきた基盤を否定したこの論文は、波紋を広げている。さっそくアメリカの識者が言ってきた。「ハトヤマはチャベス(ベネズエラ大統領。激烈な反米主義者)と全く変わらない」

 鳩山さんが傷つくこの英文を、なぜ誰もチェックしなかったのか。チャベスはともかく、この論文と同じようにアメリカ一極主義のおかげで世界が悪くなったとやったのは、プーチン・ロシア大統領(当時)、2007年2月のミュンヘン演説だ。欧米の猛反発をかったが、そのプーチンですらグローバリズムまでは批判しなかった。鳩山論文の内容は、むしろ、グローバリズム反対を叫んでG8サミット妨害を繰り返す欧米NGOの主張に近い。

 日本はグローバリゼーションの犠牲者ではない。人、金、モノが自由に動く一体化した世界 経済から利益を享受した側である。鳩山さんには、国際協調をこそ説いてもらいたかった。  

  

(中略)

  

 

 世界の支配国家としての地位を維持しようと戦うアメリカと、これから世界の支配国になろうと狙う中国との間で、日本はいかにして政治的、経済的独立を維持すべきか」(冒頭の鳩山論文)

 

 「日米安保は日本外交の礎石」と一言書かれてはいるが、ここには日本がアメリカと同盟関係にあるという意識はない

 アメリカは安保条約によって、日本を侵略から防衛する法的義務をもった国である。一方の中国は、1992年領海法により尖閣列島を中国領土と宣言し、97年国防法により海洋権益確保を海軍の主任務と確認して強力な外洋艦隊を建設中の国である。そのアメリカと中国を等置して、日本はいかにこれら2カ国から独立を保てるか、と論じているのである。

 答えはアジアの地域統合と集団安全保障体制にある、というのが鳩山論文の結論だが、国家体制、信奉する価値、そして軍事力が全く異なる国家が並立するアジアに集団安保の基盤ができるのは、遠い将来だろう。

 米中と等距離を保ちたいのなら、答えはひとつしかない。独力防衛、つまり武装中立だ。このためには自衛隊の規模は少なくとも数倍にし、核武装もしなければなるまい。それが厭(いや)なら非武装中立、かつての社会党左派の主張を採用するしかなくなる。

 民主党が「アメリカと適切な間合いをとる」というとき、喜ぶのは米国内の中国重視派だ。「なぜわれわれは日本に遠慮するのか。日本自身がアメリカと距離を置くべきだと言っているじゃないか」と。こうした雰囲気を日本が助長すれば、最悪の場合は、米中の「G2」によって、日本との協議なしに太平洋の運命が決まっていく可能性もある。民主党のアジア外交、特に中国外交には期待したい。しかし、それも強固な日米関係があってのことだ。

 自民党は多くの失敗を重ねた。それ故の大敗北だ。しかし、保守政治が戦後一貫して掲げてきた日米安保・軽武装という外交が日本の安全と繁栄をもたらしてきたことは、厳然たる現実ではないか。従来の外交との差別化を図ること自体を目的とすることに説得力はない。  船出にあたって、鳩山さんに考えてもらいたいのはそのことだ。(おかもと ゆきお)    (MSN産経)

 

   

東アジアで通貨統合、安保協力=民主・鳩山氏が米紙に寄稿 (2009/08/27-22:41)(時事)

  米紙に寄稿の「鳩山論文」相次ぎ批判 米国内の専門家ら  2009年8月29日3時8分(asahi.com)

 民主・鳩山氏「米紙論文、反米ではない」 (2009年8月31日22時04分  読売新聞)  

  

 

この鳩山論文への岡本氏の「問い」は、たいへんわかりやすく読めました。

鳩山氏は、見たいところしか見ていないのです。グローバリゼーションで日本が得た「利益」を見ないで、「人間の尊厳」は失われた、とあっさり言う。  安全保障面では、米軍に守られながら、それを見ないで、あっさり 「世界の支配国家としての地位を維持しようと戦うアメリカと、これから世界の支配国になろうと狙う中国との間で、日本はいかにして政治的、経済的独立を維持すべきか などと言う。 アメリカ側からすれば、仰天でしょうね。  

民主党の執行部にいる人々、鳩山氏をはじめ小沢氏、岡田氏、菅氏らの顔を思い浮かべると、民主政権は大丈夫なのかと、うすら寒い気持ちがしてきます。

 

 

 

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「支持者の乱 現場の声 東北」

2009-09-02 | 政治〈国内〉

自民党にプッツン 衆院選惨敗 支持者の乱 東北

  

 30日に投開票が行われた衆院選で自民党が歴史的な惨敗を喫した。「さらば、自民党」。多くの支持者がこんなせりふを胸に、民主党に票を投じた。比例代表の得票を前回と比べると、全国で708万票が自民党から離反した勘定。「今回、自民党を見限ったワケは?」。これまで自民党を支持してきた東北各地の人に聞いた。

 自民党歴30年、総裁選で小泉純一郎さんに投票したこともあるという秋田県小坂町の自営業男性(53)は安倍、福田、麻生と3代の政権を見て「この政党から国のリーダーを出すことはできない」と別れを告げた。

 一時は熱烈に支持した小泉さんにも「結局、郵政民営化を成し遂げただけ。過疎地や地方に住む人の暮らしはよくならず、中央一極集中の世の中になった」と落胆する。

 「自民党愛」なら名取市の会社役員男性(66)も「選挙権を得てからずっと支持してきた」と負けてはいない。今回は「生まれて初めて民主党に入れた」と言う。「自民党への不満が、民主党への不安を上回った

 暮らしの不満は、どうしても政権党に向かいがち。その程度が半端ではなかった。
 お年寄りは「うば捨て山」と称された後期高齢者医療制度の導入を忘れていなかった。伊達市の無職女性(83)は「戦後の日本を支えてきた高齢者の面倒を見るどころか、わずかな年金から保険料を天引きするなんて」と怒りを爆発させた。

 宮城県加美町の自営業男性(65)は商店街を練り歩く自民党候補の姿に気持ちがなえた。「空洞化した商店街で『中小企業や農業を元気にします』と訴えられても、心のこもっていないお経のようだった

 自民党の伝統的な支持母体である農協の元幹部という宮城県大和町の男性(73)は「米価の下落、飼料などの値上がりで苦しむ小規模農家を切り捨てた。減反を守り、逆らったことのない農家を裏切った。みんな、自民党から心が離れている」と農家の声を代弁した。

 自民党に愛想を尽かした票は民主党へ。「期待を込めて投票したわけではない。お手並み拝見」と盛岡市の不動産業男性(71)。仙台市太白区の無職男性(72)が「素人集団が世界を相手に仕事はできない。政権はそんなに続かないだろう」とみるように、若干距離を置いた意見も目立つ。

 一方で大盤振る舞いの政策に期待した向きも。青森市の自営業男性(41)は「第1子が生まれるので子育て手当に引かれた」と打ち明けた。
 民主党に対する評価はさまざまだが、共通しているのは新政権のかじ取りを厳しく見つめる視線だ。名取市の会社役員男性(32)は政権交代で「政治に緊張感が生まれ、政党が切磋琢磨(せっさたくま)することを肌で感じた」と語った。

2009年09月01日火曜日   (河北新報)

  

  

 

宮城県の新聞記事が目についたので、「現場の声」ということで、今後の参考までに残しておきます。 

空洞化した商店街で『中小企業や農業を元気にします』と訴えられても、心のこもっていないお経のようだった「空洞化した商店街」というのは、実感としてわかります。 地方、私の田舎なども本当にがら~んとしています。ジャスコなどの大規模店舗ができて、できた頃は便利だと単純に思っていました。これは時代の流れとはいえ、それと反比例して商店街は閑散としていき、地方は活気が無くなっていきました。それにより一層、拍車がかかっている。 こういう農家や商店主や中小企業主は、自民支持者だったんですよね。  

とはいえ、民主党に何かできると考えている人は多くはなさそうです。自民党はどうしたら、どう考えたら、支持層を取り戻せるのでしょうか。

 

 

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