スウェーデンの今

スウェーデンに15年暮らし現在はストックホルム商科大学・欧州日本研究所で研究員

発車時刻の30秒前に既にドア閉めます!

2008-02-25 09:27:14 | コラム
今年に入ってからストックホルムやウプサラに3回ほど行くことがあったのだけど、SJ(スウェーデンの国鉄)の切符のシステムが変わったことに気づいた。今まで2段階だった「正規運賃」と「just nu価格」が統合されて一つになり、その上でキャンセルの可・不可を自分で選べるようになった(発車直前までキャンセルを可能にするとその分追加料金がかかる)。

若者や学生、65歳以上向けに売れ残った座席を減額して販売する「sista minuten (last minute)」はちゃんと残っているが、「sista minuten」として販売される座席数が減らされたせいか、それとも旅客数が増えて空席があまりなくなったせいか、ヨーテボリ-ストックホルム間のX2000はほとんど売れ切れ状態だ。しかも残っていたとしても、以前よりも値段が高い。


それから、今年の2月以降、ネット予約時にこんなメッセージが表示されるようになった。

”Som en av flera åtgärder för att förbättra punktligheten stängs därför tågdörrarna 30 sekunder före avgång.”

「定刻通りの運行を促進する措置の一つとして、(これからは)出発時刻の30秒前には列車のドアを閉めることにしました」

スウェーデンの幹線鉄道は、伸び続ける旅客量に対して、線路の輸送容量(キャパシティ)がほとんど伸びておらず、線路上の列車の密度が限界に達している。そのため、一つの電車が遅れると、その後のほかの列車に大きな遅れが出てしまう。だから、そのような遅れを少しでも減らすための措置だろうが、定刻の出発時刻の30秒前にドアを閉めてしまう、だから、皆さん余裕を持って駅に来ましょう、というのもちょっと強引ではないかい?

本来なら、切符や時刻表に示した発車時刻の30秒後を、従業員のみが知る本当の発車時刻にすれば、もっと分かりやすいと思うのに・・・。

ともあれ、僕はてっきり、暢気なスウェーデン人なら鉄道の関係者でも分刻みでしかモノを考えていないのでは、と思っていたから、少なくとも30秒刻みでもモノを考えていることが分かって、ちょっと嬉しくなった。日本は10秒刻み、いや5秒刻みかな・・・?


<注>
上の写真は国鉄のホームページから。
雪景色の中を颯爽と駆け抜ける特急X2000。いかにも北欧らしい写真だ、と思われるかもしれないが、この冬はこのような雪景色はほとんど見かけなかった。これから先、雪が積もる日も毎年減っていくのだろうか?