自 遊 想

ジャンルを特定しないで、その日その日に思ったことを徒然なるままに記しています。

27日 御嶽山噴火

2014年09月29日 | Weblog

(朝刊より)
 「ひざまで火山灰が積もり、目の前で少なくとも3人が埋もれた」。御嶽山が噴火した当時、山頂付近にいた女性3人が28日、岐阜県下呂市に下山し、当時の様子を生々しく語った。噴火後、噴煙に包まれて視界がなくなり、落下してきた岩石で大勢が傷ついた。メンバーの1人は「リュックを頭に乗せていたため、命が救われた」と語り、落下物から身を守れたかどうかが運命を左右した過酷な状況が明らかになった。
 3人は千葉県松戸市と栃木県日光市の65~73歳の主婦のグループ。27日早朝から3人で登山を楽しみ、周囲には同じような登山者がたくさんいた。
 異変が起こったのは、山頂の御嶽神社社務所近くで、昼食の弁当を食べていたときだった。「大きな爆発音がして灰が落ち始め、突然真っ暗になった」。
 3人は急いで、社務所近くに避難したが、あっという間に、灰がひざの高さまで降り積もった。
 「暗くて、自分がまるで埋まってしまったかのような感覚。もう駄目だと思いました」。メンバーの1人はこわばった表情で振り返った。
 付近には大きな石が落下し始め、社務所の幅約50センチのひさしの下に2人がかがみ込み、体が入りきらなかった松戸市の女性(69)は抱えていたリュックを頭の上に載せて身をかがめた。ほかの登山客らと身を寄せ合った。
 しばらくして、周囲を見渡すと、積もった灰のなかに体が埋まり、リュックや登山のステッキの一部だけが見えた。目の前で少なくとも3人が灰に埋まっていた。頭から血を流した男性が、「背中が痛い、痛い」と苦しみながら何度もつぶやいていたが、30分後に動かなくなった。
 女性が後に頭を守ったリュックの中を確認すると、金属製の水筒がぺちゃんこになっていたという。大きな石の直撃を受けていたことを知り、「リュックに命を救われた」と感謝をかみしめる。
 3人は自力で歩けるほかの登山者らと山小屋に向かうよう指示を受け、積もった灰の上を滑るようにして避難。けが人を置いて避難するのはつらかったという。「自分たちは幸運にも生還できたが、目の前で倒れた方を見捨てるような形になった。早く家族の元に戻ってほしい」と願った。