自 遊 想

ジャンルを特定しないで、その日その日に思ったことを徒然なるままに記しています。

想像力はなぜ必要か?

2014年09月18日 | Weblog

 想像力は何故重要か?
 それは、人が社会で他者と協調して生きる為に、であろう。
 自分ではない他者の観点は経験できないから、想像し思考する。相手に応じて自分の行為を決める。協調するばかりではなく、人は方便や、時には欺瞞を用いて競争に勝つ為に想像し思考する。
 そのようにして何万年もかけて我々は進化してきたというのが人類学者のいう社会的知性仮説(社会的関係の複雑化がヒトの大脳発達の要因)である。
 これまで、ヒトの進化は石器などの道具の使用によると信じられてきたが、石器の進化と脳の大きさの進化は必ずしも対応しないことが分かってきたという。物の使用よりも人間関係の中で心をどう働かせてきたかが進化の鍵だというわけだ。これは、まだあくまで仮説に過ぎないが。
 僕が思うに、想像力は青少年の健全な社会生活にも重要な役割を果たすのではないか。勿論、想像力をどんな場面で働かせるかが問題ではある。
 思うに、例えば「宇宙の果はどうなっているのか?」「死んだらどうなるのか?」「正義は常に勝つのか?」など、答えの出ない、あるいは複雑な問いを発し続け、答えを求めて想像することが、より良い社会的生き方を支えるひとつの要因であるのではないかと思う。最近のゲームは凄く複雑だそうだが、このような問いに答えを求めようとする想像力の方が、見えない世界で働くので、より複雑なのではないだろうか。見えない世界(他者の心や上のような問題領域)を想像することが青少年の社会性を培うのではないかと思う。
 青少年だけではなく、いい歳をした大人にも想像力を働かせてもらいたいものだ、円滑な社会生活を実現するために。