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問題提起コミック『15の夜~名のなき少年達の叫び~』第2話・最終話 

2005年12月02日 11時31分57秒 | アニメ・漫画書籍
 少年マガジンで連載された。問題提起コミック『15の夜~名のなき少年達の叫び~』が先日、最終話を向えました。私としては、第2話と最終話を読んでから更新しようと思っていた、内容をよく咀嚼してから書いたほうが良いと感じてもおりましたので、若干ですが書き込みが遅れました事をお詫び致します。
 それでは、第2話を見て行きたいと思います。まだこの段階では主人公【矢沢 悠(仮名)】は仮の親となった【藤巻】を信じておりません。ここでは【藤巻】よりも「大人」自体を信用していないと考えた方が自然だと思います。朝の慌しい一コマ【いぶき】は花屋へ、【浩平】は大工の仕事へと2人の姿を見ながら【ユウ】は朝の風景を感じて「ふじまきホーム」の朝を感じ取る事ができるシーンです。そして、マンガ本編では【ユウ】は音楽CDを万引きします。「わざわざ働かなくたって、欲しい物はカンタンに手に入ると・・・」
そのCDを【藤巻】に見つけられて、【ユウ】は「親父だって何も言わなかったし、それに・・・大人のほうがもっと―ずっと悪いことしてるじゃないか!!」と言います。すると【藤巻】は【ユウ】の手を強引に引っ張って、万引きしたお店に一緒に行って謝ります。その帰り道【ユウ】は怒られると怯えていると【藤巻】は「そうだな・・・悪いのはユウ君じゃないな」と言うのだった。また万引きしたら一緒に謝りに行くからなと続けた。【藤巻】は「ただ叱るだけでは、ユウの万引きは止まらない・・・本人が心から万引きをやめたいと思うまでは・・・」と考えていた。ここから【藤巻】と【ユウ】の2週間になる2人の戦いが続いた。確かに、今の大人たちは過保護か、ただ激怒するかのどちらしかない様に感じております。なぜ?万引き行為にはしるのか?を真剣に考えていないと思う。【ユウ】は「悪いのは、ユウ君じゃないな」の言葉の意味を考えていた。すると【藤巻】は語りだす「イノセンス=純粋・無邪気」いう言葉があると「子供は好きでこの世に生まれてきたわけじゃない!・・・子どもは親も生活する環境も自分で撰ぶことができない―全く受身の存在で・・・もしも悪い心ができてしまったとしたら、それは育てた大人の責任が大きい」と、続けて「子どもは大事に育てられるべきなんだ・・・親が大事に育てられないなら誰かが代わりにやらなくてはいけない」と【ユウ】は「こんな大人がいるんだ!!」と思っていた。基本的に【藤巻】は「性善説」を取っている事も付加えて置きたい。マンガ内では「ふじまきホーム」の他の子供たちの境遇にもスポットがあてられております。【一郎】は生まれてすぐに親に捨てられた事。【いぶき】【浩平】にもあまり触れて欲しくない理由がある事も作品内では表現されている。【いぶき】と【浩平】の理由が垣間見えるのは最終話にて若干ですが分かります。【いぶき】と【浩平】の提案で【藤巻】と【美代子】の結婚記念日を祝う会が企画されます。【ユウ】は【藤巻】へのプレゼントをする事になります。偶然に【藤巻】の使用している「髭剃り」が壊れたのを目撃した【ユウ】。みんなの期待に答えたいと出した結果が量販店での万引きだった・・・しかし【ユウ】は【藤巻】の謝る姿が浮び出来なかった・・・そして、【ユウ】は自分の「チョロQ」をプレゼントするのだった。【藤巻】から「ありがとう・・・心のこもったプレゼントをありがとう」と言う。【ユウ】の心の中に【藤巻】という大切な存在が生まれた瞬間でもあった、【藤巻】の心からの愛情も同時に描かれている。2人の間に「強い絆」も芽生えていた。【ユウ】は「自動車整備工場」の仕事にチャレンジする事になります。
 最終話では「自動車整備工場」での【ユウ】の15歳で働く姿が描かれている。働く事への大変さ、何度も起すミスなど【藤巻】からの励ましがなかったら【ユウ】は挫けていたと思います。そして初めての給与が支給されます。【ユウ】はこの大金を何に使うのでしょうか?【ユウ】はまず「ふじまきホーム」に3万円を入れます。後は自立への為に貯金となる所ですが・・・多くの子ども達はだいたい1~2年でのホームでの生活を経験して一人暮らしを始めるそうです。もちろん、お金がたまり、自立できると本人と【藤巻】との考えが前提ではありますが。この場面での表現される現実・・・【浩平】が父親を刺した事、【いぶき】も父親にされた行為を思い出し、自分を責めて怯えだし震えます。暴力行為を受けた子どものリアルな描きがこのシーンでは鮮明に表現されている。普段あんなに明るい【いぶき】ちゃんの怯え様が印象に残っております。明るさは心の裏返しだと感じております。しかし【いぶき】ちゃんは負けていないと思います。彼女も必死に闘っていると感じられた。【ユウ】は2人の過去に絶句します。【藤巻】は「君たちは全く悪くない・・・君たちは十二分に親に傷つけられてきた、もう親から傷つけられるのはやめようじゃないか・・・親を「見切る」時がきたんだよ」と語る。しかし「見切る」とは絶縁とは違う、親がどんな大人かきちんと見つめ、親に傷つけられない距離を保つということと説明する。どんな子どももいつかは親を「見切り」自立しなかればならないとも続けた。その言葉が【ユウ】を動かした。自分の父親に母親を居場所を聞き出そうとあの自宅へ行く事にする。この場面では、母親からの5年前に届いた手紙を見て、母親に会う事を決意し、この手紙に記載された住所へ向うのだった。そして母親の居る街、知る現実が【ユウ】を待っていた。その5年の時の残酷な事も・・・母親には再会できたが新たな家族ができていた。家族に呼ばれて困惑する【ユウ】の母。その母に【ユウ】は優しく語り掛ける「母さん、オレ働きはじめたんだ。だから大丈夫だよ・・・母さんも元気でね―さよなら」と言うのだった。この母と【ユウ】の会話シーンは心がアツくなりました(泣)。帰りの電車内では【ユウ】は孤独感に襲われます。気持ちは理解できる母親と暮らそうとしたら、そこにはもう【ユウ】の居場所は無くて、帰る場所も無くてと感じる事が・・・。しかし、今の【ユウ】には【藤巻】が居る。本当の家族よりも強い絆で結ばれた【ニコさん】が一緒に居るからこの状況も乗りきれる。帰って来た【ユウ】に【藤巻】が「ユウ君・・・おかえり」と駅前に居た。必死に捜して待っていた事が推測された。その【藤巻】の気持ちを感じ取り、大泣きをする【ユウ】。今は泣きたいと思う。泣いて成長する事もある。「ふじまきホーム」に帰るとみんなが笑顔で待っていた。そして【ユウ】は「母さんには母さんの人生があって、オレにはオレの道がある」と言い、「見切る」事を意味を感じ取って成長した【ユウ】の姿がそこにはあった。きっと、先には挫折をして、つまずく事もあると思うが、その時には「ふじまきホーム」での経験が活かされるだろうし、この「ふじまきホーム」はいつでも受け入れてくれると思う。なぜなら「ここはみんなの家だから・・・」と「オレはひとりじゃない」と・・・決して明けない夜はないのだから・・・【ユウ】が自分の居場所を見つけたのだった。そして【ユウ】は走り始める。今の状況を受け入れ走り出す。自分の足で走り出す。「矢沢 悠はここにいる!!」と・・・。まだまだ【ユウ】に取っては序章にすぎないのだから。


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