Baradomo日誌

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新説・日本史入門

2008-11-17 | 子どもの視線・親の気持ち
昨夜、NHKの「篤姫」を見ていた時の会話。
長女がこう切り出した。
「『ムケツ』開城って、どういうこと?まだ授業でもやってないし、言葉は聴くけどよくわかんないんだよね。」

戦闘もなく、誰も怪我することなく、江戸城を明け渡した、ってことよ。

「うん。でも、大政奉還して、徳川から朝廷に権力返したのになんで家まで渡すのよ?」

江戸城ってのは当時日本一でかい城だったわけで、城ってのはそもそも砦でもあり、街でもあるわけだ。そんなもんに徳川勢が立てこもったらえらい戦争になるだろ?町民も困るだろ?

「そりゃ、そうだよね。」

なんせ大奥には千人から女性はいるわ、江戸の将軍家の直参旗本っつってさ、一応徳川に忠誠を誓う武士集団がど~んといるわ、軍艦は持ってるわ、江戸に限らず御三家ってのもあるわけだ。だから、薩長と朝廷は『あいつら、いつなんどき朝廷にはむかい始めるか分からん』と考えたわけだな。

「だから闘わなかったの?徳川のほうが人数多かったから?でも、戦争になったら街が壊れちゃうのか。」

い~い所に気がついたねぇ!そもそも、薩長は徳川憎しって盛り上がってるけど、実は徳川追い出して新しい日本を作りたいんだ。でも、その時、政治経済の中心はどこにすんのよ?って言ったらやっぱり江戸なんだよ。

「だから戦争しないようにしたってこと?」

そうそう。そのまんま薩長の、いや、薩長土肥新政府を江戸に作るためには、ライフラインから何からそのまんまいただいちまう方がいいだろ?ってぇことを、西郷どんと勝海舟とで密談してて、そうだ、それがよかんべぇ、って話になったのさ。

「よかんべぇって、なんで茨城弁になるの!」

慶喜は水戸だろ~?

「関係ないよ!だから『ムケツ』って何よ?」

そうそう!そこで、だ。

「ちゃんと答えてよね。」

いいから聞けよ。俺がうそついたことあるか?
徳川はとにかく威厳を保ちつつ生き延びたい、薩長は江戸の町をそのまんまいただきたい、そこで、戦闘行為を避けるために、まず江戸城内の人たちがきちんと正門からみ~んな出て行くわけよ。それこそ大奥の皆さんもしずしずとな。それを江戸の町民はみ~んな道端にひれ伏して見送るわけ。

「で?」

もしかすると薩長の皆さんは立ったまんまどっかでその様子を見てるわけ。で、江戸城からみ~んな出て行ってもぬけの殻になったところで、薩長土肥ご一行様がぞろぞろ入ってきて、西郷どんが『新政府樹立でごわす!』とか言うわけよ。だから『ムケツ』。

「え~?『ムケツ』の意味は?」

ま~だわかんないの?自分から、正面から出て行くんだよ?薩長に背中を見せない。
これが敵に追われて城を出るなら、みんな敵に背を向けて逃げるだろ?

「だから?」

おかげで千人からの女性がぞろぞろ出てきたのに、町民の皆さんも薩長の皆さんも、尻ひとつ見ることもできなかったと。つまり『無ケツ開城』。
おわかり?


複雑な表情を浮かべた長女がカミサンに助けを求める。
「・・・お母さ~ん、どの辺まで本当のこと?」

「来週の放送見て確かめれば?」

「『ムケツ』の『ケツ』って『血』じゃなかったの~?結局わかんないよ~!』



・・・なんだよ、せっかく教えてやったのに。

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