10月16日にアメリカの上院と下院がオバマ政権の予算案を承認して、アメリカ政府の倒産が回避されました。
この予算案が通過しなければアメリカが世界中から借りている借金やその利子が返せなくなり債務不履行(デフォルト)が起き、オバマ政府が倒産するのです。
ですからこそ世界を巻き込んだ大騒動になったのです。
この本当の原因を理解するためには我々の考え方を180度回転する必要があるのです。
我々は、「貧富の差が拡大することは悪いことだ」と信じています。
しかし多くのアメリカ人は「貧富の差が拡大することは国家を強くするから良いことだ」と信じているのです。
一番重要なことは自由競争の強化であり、結果として貧富の差が出来るのは当然だと主張するのです。これこそがアメリカの国力を増大し、世界に君臨出来る原動力になると信じているのです。この考えは一般的なアメリカ人の持っている思想です。アメリカ人の本音なのです。
そしてこの思想に賛同するのが共和党議員であり、その中で最も強固な一派が「茶会運動」に支持され当選した議員達なのです。
(茶会運動の説明は、http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%86%E3%82%A3%E3%83%BC%E3%83%91%E3%83%BC%E3%83%86%E3%82%A3%E3%83%BC%E9%81%8B%E5%8B%95にあります。)
オバマ大統領はこの考えを理解しています。しかし貧民層を救うために政府予算で援助した健康保険制度を作ろうとしています。これが「オバマケア」というものです。
日本では当たり前の全国民の健康保険制度はアメリカに存在しません。それはあってはいけない制度なのです。
私はアメリカに4年間在住したことがありました。病気になった時のことを考えて、健康保険に加入しました。ところが全ての健康保険は民間会社が売り出している商品なので、保険料と保障の内容が千差万別なのです。どれに加入したら良いのか判断がつかなかったのです。
健康保険は自分のリスクで、自分のお金で買うもので、絶対に他人の援助(税金)を使っていけないのです。
ですから貧乏な老人が医療も受けられずに死んで行くのです。それは自業自得なのです。これがアメリカの社会なのです。
オバマ大統領はそれでは可哀そうだから貧乏な老人の健康保険の一部を税金で援助しましょうと考えているのです。
これに猛然と反対しているのが茶会系の共和党の議員たちなのです。そこで予算案を通過したければ「オバマケア」を断念しろと迫ったのです。
しかし失敗でした。世論の支持がつかなかったのです。結局、オバマケア付きで予算案が通ってしまったのです。
アメリカの貧富の差は先進国では抜きん出て一番激しいのです。
先月発表された、ある大学の調査では、上位1%の最富裕層の収入が2012年には国民全体の19%を超し、大恐慌前年の1928年以来 最大の割合となったのです。そして上位10%の収入は全体の48・2%も占めているのです。
すなはちアメリカの貧富の差はますます拡大しているのです。
この記事の題目は、「今回のアメリカのデフォルト大騒動の深い原因は貧富の差の拡大」となっています。訳の分からない題目です。
しかし本当の意味は、「今回のアメリカのデフォルト大騒動の深い原因は、貧富の差をもっと拡大すべしと主張する共和党議員の起こした大騒動」という意味です。あまり長い題目なので後の半分は省略しました。
下に予算案が通過してホットしたオバマ大統領と茶会運動の写真を示します。
茶会運動とは写真の出典をクリックすると説明が出てきます。
それはそれとして、
今日も皆様のご健康と平和をお祈り申しあげます。後藤和弘(藤山杜人)
右の茶会運動の写真の出典は、http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%86%E3%82%A3%E3%83%BC%E3%83%91%E3%83%BC%E3%83%86%E3%82%A3%E3%83%BC%E9%81%8B%E5%8B%95です。