後藤和弘のブログ

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製造後28年経って新品同様の工業製品って他にありますか?

2009年12月26日 | 日記・エッセイ・コラム

私は昔、工業の基礎研究をしていました。ですから工場技術者とも親しくお付き合いをして来ました。技術者は常に工業製品の機能とその寿命について苦心していました。一つの工業製品に色々な機能を持たせる。そしてその寿命を最大にする。これが技術者の生きがいでした。しかし寿命は多くの場合数年でした。一番長い洗濯機でも新しい機能が付くと買い替える人々が多く、寿命はせいぜい数年です。

乗用車でも10年以上というのは稀です。大体、エンジンがバタバタ言い出します。吸気弁や排気弁が磨耗してくるのです。車体もアチコチのネジが緩んでガタガタ、カタカタ変な騒音を立てます。

ところが、ヨットは28年たっても新品同様です。下の写真をご覧下さい。白い船体が新品のように輝いています。私が28年古いヤンマー5馬力のジーゼル・エンジンのスタート・ボタンを押しています。

船体は白いFRP( Fiber Reinforced Plastic・繊維強化プラスチック)です。船体を洗って積もった土埃りを取ればいつも新品同様の輝きを見せてくれます。

もっと大きな驚きはヤンマーの5馬力ジーゼルエンジンです。11年前に製造後17年の中古ヨットの購入以来、このエンジンは11年間故障した事がないのです。

このエンジンの構造が素晴らしいのです。これ以上単純に出来ないほど簡単な構造のエンジンなのです。構造が単純なほど故障の確率が少ないのです。海上での故障は致命的なことになります。水冷用の水は船底から取り込みます。

 ヤンマーの船舶用エンジンが世界を席けんしているのが当然と納得します。

それにヨットは28年たっても船底から水漏れが皆無なのです。こんな完璧な工業製品は他に見たことがありません。と、一人で感激していると家内が後ろから変なコメントを送ってきます、「洗濯機は毎日使いますが、ヨットは一週間に一回でしょ。洗濯機が10年もつなら、ヨットは70年も寿命がありますよ。感激するほうがオカシイわ」

そうじゃないのです。工業製品の寿命は使う頻度だけで決まらないから技術者は苦労するのです。でもこの事を言うと家庭円満が崩れる恐れがあるので、私はグッと言葉を呑み込みます。それが夫婦円満のコツです。あまり下らない話になりましたので止めます。(終り) 

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1 コメント

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大型船舶って概して寿命が長いようですね。 (狼皮のスイーツマン)
2009-12-27 07:29:17
大型船舶って概して寿命が長いようですね。
しかしヨットも、そのエンジンも長いのですねえ。

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