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後藤和弘のブログ

写真付きで趣味の話や国際関係や日本の社会時評を毎日書いています。
中央が甲斐駒岳で山麓に私の小屋があります。

「心を揺さぶる平山 郁夫のシルクロードの日本画」

2025年07月12日 | アート・文化
平山 郁夫の日本画は私の心を揺さぶります。何度見ても感動します。
平山 郁夫の日本画を見ると感動を受け、やがて心がシーンと静かになります。
今日は平山 郁夫の日本画をご紹介致したいと思います。
平山 郁夫はシルクロードに魅せられ何十回も行きました。シルクロードの画家と言っても過言ではありません。
駱駝に乗った胡人が月の砂漠を列になって静かに歩いています。シルクロードの旅です。日本人の憧れの風景です。その風景を何度も何度も描いたのです。

1番目の写真は玄奘三蔵法師をテーマにした平山郁夫の『仏教伝来』です。
東京藝術大学で助手を務めていた1959年ごろの制作です。平山郁夫はインドへ旅した三蔵法師を尊敬していました。この制作が切っ掛けになり中国とローマを結ぶシルクロードに強い興味を持ちその風景画を沢山描くようになります。

2番目の写真は何度も訪れた甲斐小泉の平山郁夫シルクロード美術館に展示してあった「月光砂漠行」です。
平山郁夫は1968年以降シルクロードに関連する国々を数十回訪問し各地の風景画を描いています。訪れた国は中国、中央アジア、西アジア、東南アジア、地中海地域などシルクロードと関連のあった国々約37ケ国です。
平山郁夫の一生はシルクロードに魅せられた生涯だったのです。

3番目の写真は同じくシルクロード美術館に展示してあった「アフガニスタンの砂漠行」です。
この美術館の1階にはシルクロードと関連のあった陶磁器、織物、イスラーム美術の彫刻、ガンダーラ美術の仏像、硬貨など約9000点の一部が展示されています。平山郁夫のシルクロードにかける情熱の強さに圧倒されます。

4番目の写真は『流水間断無』(奥入瀬渓流) です。この絵の大きな原画もシルクロード美術館 に展示してありました。

5番目の写真は平山郁夫の郷里の尾道から四国を繫ぐ橋を描いた「白い橋 因島大橋」です。
平山郁夫は1930年に 広島県尾道市瀬戸田町に生まれ尾道市で育ちました。そして2009年、79歳で亡くなりました。
平山郁夫の日本画を見ると何故心が静まるのでしょうか。それはたぶん絵の背後に仏教的な祈りがあるからです。
平山郁夫は先の戦争や原爆被爆の体験から、終生「平安と鎮魂」を求めていたのです。仏教的な祈りでした。
奈良の薬師寺に奉納された壮大なスケールの『大唐西域壁画』と『ナーランダの月』は正しく心の平安と全ての死者の鎮魂を祈った壮大な絵画です。
平山郁夫の絵画の裏には何時も静かな仏教的祈りがあるのです。
誤解を恐れずに書けば、全て宗教画なのです。それが平山郁夫の絵画の強みでもありますが弱みになる場合もあるのです。
宗教的になって芸術性が弱くなる場合もあるのです。しかしとても美しい絵です。私は彼の絵が大好きですが、家人は何となくつまらない絵だと言います。
家内は魁夷の絵は整い過ぎている。知的で感動が伝わらない。などと生意気なことを言います。ちなみに彼女の好きな画家は小野竹喬です。

今日は平山 郁夫の日本画をご紹介致しました。

それはそれとして、今日も皆様のご健康と平和をお祈り申し上げます。後藤和弘(藤山杜人)

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