今年の3月4日から5日にかけて河口湖の水位だけがいきなり4mも下がったのです。他の本栖湖、精進湖、西湖、山中湖の水位は変化していません。不思議な自然現象です。
水に囲まれていた六角堂が陸続きになり、そこが新たな観光名所になっています。
先日、北杜市の森の中の小屋に泊まったとき、帰りに河口湖に寄って写真を撮って来ました。
確かに陸地が続いていて多くの観光客が楽しそうに歩いています。
水位の下がる前の風景を下に示します。
河口湖は浅い所と深い所があります。
下の写真のように浅いところは水底の溶岩が水面の上に出たり、砂浜が広くなり風景が変わっていました。
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所で何故、河口湖だけの水位が変わったのでしょうか?下は富士五湖の水面の標高と湖底湖の様子を示す図です。
この図の出典は、http://blogs.yahoo.co.jp/aki_setura2003/30669945.html です。
この図をよく見ると面白いことに気がつきます。
西湖、精進湖、本栖湖の水面は標高902mと全く同じです。ゴロゴロの溶岩で底がつながっていて水面の高さが一定しています。そしてこの3湖の底には「せの湖地下水湖」が共通に存在しています。
河口湖の水面は標高830mで一番低いのです。そして流れ出す川が存在していません。
一方山口湖は標高982mで、そこから桂川が流れ出ています。その川が通過する忍野八海の標高は936mです。そこを通った桂川は北流し、大月市で笹子川と合流し、相模湖に注ぎます。川が流れ出ている山中湖と忍野八海の水位はあまり変わりません。
ところで本栖湖、精進湖、そして西湖の水位は何故一定なのでしょうか?
それは東京電力が西湖から取水し、水力発電をして河口湖へ放水しているからです。下に西湖側の取水口の写真を示します。
そして下は河口湖側にある発電用の圧力管です。
写真の出典は、http://www.suiryoku.com/gallery/yamanasi/saiko/saiko.htmlです。
写真の出典は、http://blogs.yahoo.co.jp/wassi_3/55071599.htmlです。
西湖から水を供給しても水位が急に下がったのは河口湖地下水湖に異変が起きたとしか想像できません。雪解け水が少なすぎて地下水湖の水位が下がったのかも知れません。
このように、河口湖だけが「溜まり水」なので、水位は毎年、季節によって変わります。それにしても今年の大きな水位低下は近年に無い異常な自然現象です。
しかしその真の原因は追究の仕方がないのです。原因を簡単に考えて勝手に言いだすのは慎むべきです。この現象を心静かに、あるがままに受け入れるのが賢い対応です。(終わり)