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後藤和弘のブログ

写真付きで趣味の話や国際関係や日本の社会時評を毎日書いています。
中央が甲斐駒岳で山麓に私の小屋があります。

「ドイツ人のニシンとウナギと鯉の食べ方」

2025年07月19日 | 日記・エッセイ・コラム
ドイツに住んでいた1969から1970年、魚をよく食べた。ニシンやマスは小麦粉をまぶしてムニエルにする。ところが魚売り場を良く見ると平べったい鯉も売っている。うろこがほとんどないドイツの鯉である。溶いた小麦粉をつけて煮え立つ油でカラリと揚げて食べる。タラの切り身はムニエルやポアレ。ノルウエー産サケの切り身は高級な塩引きになる。ニシンは香草とともに酢づけにしてガラス瓶に密閉して売っている。
1番目の写真は香草とともに酢づけにしてガラス瓶に入れたニシンです。
ウナギは燻製にするか、生のままぶつ切にしてアールズッペというスープにする。
ある時、ライン河の生きたウナギが市場でうごめいていた。購入し、大きな期待で食べたら不味い!ライン河のウナギは小骨が硬く、蛇を想像させるような野生の嫌な匂いがして食べられたものでない。
土浦の天然仕立てウナギを食べるたびに、ラインウナギのまずさを思い出して苦笑を禁じえない。
2番目の写真は燻製にしたウナギです。
3番目の写真は皿にもった燻製にしたウナギです。
4番目の写真はドイツ鯉です。
鯉は切身にして粉をまぶしてフライパンでバターで焼いて食べます。
ドイツの魚文化で特筆すべきマテイエステー・ヘリングという一品がある。生のニシンを琵琶湖のフナずしのように発酵させたものである。マテイエステー・ヘリングという。イカの塩辛とくさやの干物をミキサーにかけたような味である。はじめは臭くて食べられない。しかし、たいていのレストランのメニューにあり、腐ったような感じのグチャグチャに身が崩れた一匹が大きな皿に出てくる。結構高価である。はじめは辟易(へきえき)したが、二、三回食べて病みつきになってしまった。
どこの国にも、どこの地方にも独特な魚の食文化があり、われわれの人生を味わい深いものにしている。
私は1969年にドイツに行くまで、長い間、ヨーロッパ人は魚を食べないと思い込んでいた。しかし彼等に混じって生活をすると実に良く魚を食べることに吃驚した。特に最近は日本の寿司の普及で生の魚を食べるのも普通になったと言う。
経済活動がグローバル化したのと並行して食文化もグローバル化したのだ。各国の魚の食べ方も例外ではない。

今日はドイツ人のニシンとウナギと鯉の食べ方をご紹介いたしました。

 それはそれとして、今日も皆様のご健康と平和をお祈りいたしす。後藤和弘(藤山杜人)

「懐かしい坂東梁の風景」

2025年07月19日 | 日記・エッセイ・コラム
今日は利根川上流の坂東簗にまつわる思い出を書いてみたいと思います。
毎年、今頃になると坂東簗から、「今年も7月1日から9月30日まで営業を致しますのでお越しください」と案内状が来ていました。それが2015年の手紙は店仕舞いの挨拶状でした。何十年も家族とともに楽しんできた坂東簗が無くなるのです。悲しい出来事です。
そして次の年に廃業してしまいました。2014年まで毎年坂東梁の鮎料理を食べに通っていました。
懐かしいので坂東梁の風景の写真をお送りいたします。
 

「ライン川の天然ウナギのかば焼きは生臭かった!」

2025年07月19日 | 日記・エッセイ・コラム

土用丑の日の頃になるとウナギの蒲焼を食べることが多くなります。今年もウナギのかば焼きの香りが夏風に乗って漂っています。暑い夏はウナギの蒲焼が一段と売れ行きが良いそうです。

そこで、土用のウナギにちなんでライン河の天然ウナギを蒲焼にしたお話をお送り致します。

随分と前の話です。1969年11月にドイツのスツットガルト市に住み着いて、よく農民市場で野菜を買っていました。生きたウナギも水槽に入れ売っているのです。ライン河で取れた天然ウナギだと言います。売っている人に料理法を聞くと、ブツ切りにしてウナギのスープにして食べると言います。
日本のウナギの2倍くらい太いものを一匹買いました。
そして自分で「かば焼き」を作ったのです。

まず「かば焼き」のヤキを作ることにしました。せっかくなので日本人の男性を招待しました。

ところがかば焼き」の料理が大変難しいのです。まず頭を取っても胴体が動くので裂いて2枚に下ろせないのです。そこで、20cmくらいのブツ切りにして、完全に動かなくなってから2枚に裂きました。

しかしウナギの背骨は3角形で切り出せないのです。仕方なく骨付きのまま、2枚下ろしにして蒸して身を固めました。

そうすると竹串が打てるのです。竹串はデパートで売っていました。串を打ったあとは醤油、ミリン、砂糖を混ぜウナギを漬け、耐熱皿に載せてオーブンで蒲焼にするのです。

何度もタレをつけ、ひっくり返しながらオーブンで丁寧に焼き上げます。タレが焦げて台所中にウナギの蒲焼の匂いが充満します。お客が「いい匂いですねー」と台所を覗きに来ます。

いよいよカバヤキ・ビールパーティーの開始です。焦げ目のついた分厚いカバヤキを数枚大皿に盛り付けて運びます。串はついたままにします。

ライン河の天然ウナギのために乾杯!

カバヤキを自分の皿に取り、串を抜いて食べはじめます。ところが不味い!生臭くて、泥臭くて食べられないのです。

生臭いだけでなく、小骨が縦横無尽に入っていて食べ難いのです。お客は礼儀上、「うん、これはいける!」などと言ってくれます。でも顔があまりにもの不味さ、生臭さで歪んでいます。泣きそうな顔にも見えます。「止めましょう! 今、チーズを色々持って来ますから」

あれ以来茫々50年経ちますが、スーパーでウナギの蒲焼を見るたびにライン河のウナギと格闘したこと、生臭かったことを思い出します。

カバヤキの価格の大部分は料理の技術料だな、と深く納得します。上の写真は2008年の6月1日に諏訪湖のウナギの記事で紹介した、うな藤のカバヤキです。カバヤキが上手に出来ています。見て美味しそう。食べて、本当に美味しい。そのように作れるのは日本の伝統文化です。素人は作ろうなどど考えないで下さい。

ウナギの蒲焼を食べて元気に、暑さに負けないで下さい。

今日も皆様のご健康と平和をお祈り致します。藤山杜人