四国には88ケ所の遍路があります。ヨーロッパにもそれと似た道があります。フランスの各地からスペインのサンティアゴ・デ・コンポステーラの巡礼路に続く長い道です。
今日は四国のお遍路さんとスペインの道を歩いている巡礼者の写真を示します。
始めの3枚の写真は四国のお遍路さんで後の2枚は巡礼者の写真です。

四国のお遍路さんは同行二人と言って弘法大師様と一緒に歩いています。ヨーロッパの巡礼者はイエス・キリストさまと一緒に歩いています。それだけです。それだけで歩いている人は幸せなのです。
私も歩きたいとは思いつつ老人になってしまいました。こうして写真を見て歩いた気分になっています。
皆様のなかで、お遍路さんになったことのある方は幸せです。巡礼者になったことのある方は幸せです。
四国に住む人はお遍路が過酷な旅であることを知っています。そのため、お遍路さんを応援する気持ちを込めてお接待をします。「お接待」という文化です。お接待とはお遍路さんにお菓子や飲み物などを無償で施すことを言います。
遍路地は四国八十八箇所だけではありません。江戸時代より小豆島には小豆島八十八箇所霊場、江戸には御府内八十八箇所霊場、九州には篠栗八十八箇所霊場、また奈良県大和郡山市には八十八ケ所霊場巡もあります。全国各地に大小様々な巡礼地があるのです。
一方スペインの巡礼道は 1000年以上の歴史を持つ聖地への道です。今も年間およそ10万人がフランスからピレネー山脈を越えます。スペインに入ると、巡礼の拠点の街があります。巡礼事務所があり、名前を登録し、巡礼者の証明となる手帳を受け取ります。
巡礼者のために無料の宿泊所もあります。こちらの宿では中世さながらの「洗足の儀式」もあります。食事も用意されます。これらは巡礼を支える人々の無償の奉仕で成り立っているそうです。四国のお接待の文化と同じです。
人間の考えることは似ています。人生の苦しさから救われたいのです。永遠の安らぎを願っているのです。
それはそれとして、今日も皆様のご健康と平和をお祈り申し上げます。 後藤和弘(藤山杜人)