後藤和弘のブログ

写真付きで趣味の話や国際関係や日本の社会時評を毎日書いています。
中央が甲斐駒岳で山麓に私の小屋があります。

国家を超越したイエスの弟子・・・日露戦争勃発でもロシアへ逃げ帰らなかったニコライの生き方

2010年05月24日 | 日記・エッセイ・コラム

0432 ニコライは1836年にロシアのある農村で生まれ、明治維新の7年前の1860年、24歳の時日本へ宣教のために行く決心をします。着いた1861年はまだ江戸時代です。翌年、函館に着いてから終生日本に居ました。もっとも短期間、2度、祖国へ帰ったことはありましたが。1861年から51年後の1912年、75歳で永眠し、谷中の墓地に葬られ日本の土になりました。

函館着任後に血の滲むような努力をし日本語を習得します。書道も研鑽し、日本の歴史や佛教も勉強しました。古事記や日本書紀も読破する勉強家でした。

ニコライの日本を愛する心は強く、数々の感動的なエピソードが残っています。

今日はその中から一つをご紹介します。

1904年、1905年は日露戦争でした。戦争勃発と共に在日ロシア人は一斉に帰国して行きます。ロシア公使のローゼン男爵もニコライに帰国するように薦めます。ニコライは静かに断ったそうです。そして言うのです、「私はロシアに仕える者ではない。主ハリスト(主キリスト)に仕える者である。」と。

残留した理由は、日露戦争の間、日本人信者が迫害されるのを予想し、彼らを勇気づける為に残ったと考えらています。案の定、ロシア正教の日本人信徒は「露探」(ロシアのスパイ)と罵倒され、聖堂や集会所が暴徒の襲撃を受けたのです。

ニコライは教書を発表し信徒を慰めます、

「我々には地上の祖国の他に、天に国がある。天の国には民族の別無く皆が平等に生きている。なぜなら全ての人々は皆同じ父(神)の子であり、お互いは皆兄弟であるからです。我々の属する国は主である神が作った教会なのです。信者は平等な会員なのです。天の神、すなわち我らの父の一つの家族としてとどまり、その家族としての義務をそれぞれに果たすようにしようではないか!」

ニコライは日本人信徒の一人一人を強く愛していたのです。ロシアへ逃げ帰るなど考える筈がありません。

1912年、持病の心臓病が悪化し、聖路加病院で天に帰りました。駿河台のニコライ堂から谷中の墓地まで、葬列を見送る人垣が沿道の両側を埋め尽くしました。明治天皇からの「恩賜の花輪」を抱きかかえた人が葬列の中に見えます。(葬列の写真10枚ほどを見ながら書いています)。 今日はこの辺で止めます。(続く)

WikipedeaNikolaikasatkin1 でニコライ・カサートキンを検索するとその生涯の紹介があります。

「山林、杜の人のブログ」の下記のようなニコライに関連する記事があります。
(3)投稿日 2009/11/29 今日は夫婦解散、別々の教会へ行きました (金田さんの写真が出ています!)

ネット社会から消えた人が1年後に復活した話

2010年05月24日 | 日記・エッセイ・コラム

その方は現在80歳、岡山に住んでいて本名は銭本三千年さんといい、筆名を吉備野禅三と言います。ある大新聞の記者をしていました。流石に明快な文章で、日本の戦中、戦後に起きたあらゆる事件を精力的に書いていました。そのブログ、http://zenmz.exblog.jp の内容は日本の現代史として出版し、後世に伝えるべき貴重なものでした。わたしの愛読していたブログの一つでした。

吉備野禅三さんとは自然に交流が進み、私のこのブログでも以下のように何回も記事を掲載してきました。

2008年11月28日、ある方の宗教に対する心の軌跡(1)「軍国少年」だった私の告白

2008/12/04 ある方の宗教に対する心の軌跡(2)以下の告白を真剣に受け止めて下さい

2008/12/11 ある方の宗教に対する心の軌跡(3)本当に天皇陛下を神と信じていました?

2008/12/16 ある方の宗教に対する心の軌跡(4)こうして私はキリスト教を棄てた

2009年6月15日、消え行くネットの友人、そしてかけがえの無い友人達、 2009年9月6日、それでも、何故貴方はキリスト教を信じているのですか?、 2009年11月20日、キリスト教を棄教したブログ上の友人のことを考え続けています

特に、「軍国少年」だった私の告白は本人の書いた文章を何回かに分けて転載させて頂いたものです。その吉備野禅三さんが昨年5月に突然ネット社会から消えていまいました。目の前が暗くなりました。ご病気にでもなられたのかと時々思い出しては心配していました。ところが最近同じブログのアドレスで復活し、毎日健筆をふるい出したのです。その筆の勢いと精緻な考察は依然と寸分も変わりがありません。青年のような活き活きとした感性です。1年間のお休みがウソのようです。

吉備野禅三さんのネット上での益々のご健筆をお祈りいたします。

そして、今日も皆様のご健康と平和をお祈り致します。藤山杜人