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低気圧から離れていても関東平野では意外に悪天 しかしてその実体は?

2012-11-19 13:53:37 | インポート

①11月19日9時の天気図 気象庁HPより引用

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②11月19日9時の日本付近雲画像図(赤外画像で拡大版) 気象庁HPより引用・加工

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③11月19日9時の日本付近雲画像図(可視画像で拡大版) 気象庁HPより引用・加工

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④11月19日9時の全国ウインドプロファイラー風向風速分布図 気象庁HPより引用

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⑤11月19日9時の関東周辺アメダス風向風速分布図 気象庁HPより引用

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昨日18日、東京では木枯らし1号を観測し、晩秋の青空が広がりましたが、本日19日は、関東地方各地では、1転して朝からうっとうしい曇天となり、東京や横浜など南部では、弱い雨もぱらついています。

この、関東平野の悪天のカラクリを説明しましが、実は、このような関東の悪天、珍しいことではいりません。

引用図①より、19日9時現在、日本海北西部に低気圧があり、高気圧が本州の東海上にあります。

一見、関東平野は、そう悪天にならないと思われますが、実は、引用図②③を参照ください!引用図上には地上天気図上の低気圧(低)と 高気圧(高)の位置を示しておりますが、関東地方には A の雲の集団が掛かっており、当該、Aの南東側から、本州の東海上にある高気圧の南側に向かって、オタマジャクシの尾っぽのように帯状に雲が分布しています。

さらに、引用図②③を比較すると、関東平野に掛かっている A は、赤外画像(雲高が高い雲ほど、より白い画像となります。では、薄くぼやけた画像となっているものの、可視画像(雲の密度が大きいほど、より白い画像となります。)では、白く輝いており、当該 A の雲の集団自体、雲の背は低いものの、雲の密度は大きく、関東地方には、日が差し込まず、悪天となっている様子が解ります。

この、A の雲の集団が形成されたカラクリですが、本州の東海上にある高気圧の南縁部から関東地方へと吹き込む南東~東より風が関東東海上にある南向きに流れる海流の影響と、関東平野の地上の摩擦作用を受けて、関東平野地表付近で北東~北より風(引用図⑤)となり、地表付近と上空(おおむね1500m以下)との鉛直シアーが増大したため(引用図④)に形成された雲の集団というわけです。

ですから、今日のような関東での悪天の場合、関東周辺の山地を雲が超えられず、甲府盆地や静岡県富士川付近より西側では、比較的当該雲の集団の影響は受けにくく、好天となっている場合が多いものです。

では、前記のような、関東での悪天を引き起こすシグナルですが、ウインドプロファーラー観測地点の勝浦での風向風速分布状況に注目です。(以下は筆者調べより)

Ⅰ:ウインドプロファーラー勝浦での風向が、上空2000m以上で西~南西となっていても、上空1000mでの風向が、南~南東~東に変化しつつある場合

Ⅱ:ウインドプロファーラー勝浦での風向と八丈島との風向とが、コントラストが大きくなっている(今回のような関東での悪天の場合、上空1000m地点での風向が、勝浦では東~北東風となっているが、八丈島では、西~南西風となっているものです。ちなみに、勝浦と八丈島の風向が共に南西~西より風と一致するようになると、関東平野の悪天は次第に解消します。)

Ⅲ:関東平野地表付近に目を向けると、沿岸部で南~南西風となっておらず、関東平野内陸部では北より風や北東風などとなって風向も疎らであったり、千葉県銚子あたりで北東風がやや強まっている場合

です。

さらに、

Ⅳ:当該、関東平野での悪天の場合、上空1500m付近での相当温位分布が、関東平野周辺で前線のようにコントラストが大きくなっているのも大きな特徴です!

前述したとおり、山梨県内では、前記 雲の集団 A から外れた中西部中心に、朝から晴れ渡り、19日12時現在、南部で13・6℃ 甲府で12・2℃、河口湖では10℃を観測しておりますが、東京都心(気象庁のある千代田区大手町)では、8・4℃と、真冬並みの寒さです!!


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