①7月3日9時の天気図 気象庁HPより引用
②7月3日9時の日本付近雲画像図(水蒸気画像で拡大版) 気象庁HPより引用
③7月3日9時の全国レーダーアメダス解析雨量図 気象庁HPより引用
④7月3日21時の予想天気図 気象庁HPより引用
7月になって、九州地方では連日のように大雨が降り続いています。
大分県の耶馬溪では、6時45分までの1時間に91㎜もの猛烈な豪雨となりまして、11時40分までの24時間に245㎜もの降水量を観測しました。
ほか、3日朝から昼前にかけて、大分県や福岡県の一部で、広島県広島市内で、1時間に60㎜を超す、傘が全く役に立たずになるような豪雨を観測しています。
引用図①②③を比較すると、地上天気図の前線の位置と、特に強い降水域の位置とは、ぴったりと一致するものではないことが解ります。
前線と言うもの1本の線としてではなく、1本の帯状の雲の集団として取らえるべきであることを以前、本部ブログ内の記事で記載させていただきましたが、当該、前線として捉える1本の帯状の雲の集団の中に、降水域が強まる部分が散在すると言うことを私は考えています。
そして、降水域が強まる地域の原因は何か?と強まりやすい箇所は何処が?と言えば、下層での気流の収束であり、気流同士の収束が生じる要因として、下層(上空およそ2000mより下側)でも地形的特性と考えます。
そのような地域は何処でしょうか?
ⅰ:暖湿流が流れに直交する山の斜面に強制上昇したり、山脈の外縁部で収束することがあります。
さらに、
ⅱ:山地の地形的鞍部で収束する場合もあります し
ⅲ:暖湿流同士が陸上と海上の移流摩擦差ににより風向差が生じて収束することもあります。
ⅲ:暖湿流と、内陸部に滞留する相対的に気温の低い気流との間で前線として収束すること もありますね。
ですので、暖湿流流入での大雨が懸念される場合、地形図にて、前記したⅰ、ⅱ、ⅲに該当する地域がある場合は、降水量が多くなりやすいと考えるべきですね。
他にも、水蒸気画像上で、帯状に白くぼやけた区域にも注目! 当該帯状に白くぼやけた区域同士が互いに合流する地域では、特に暖湿流が強まっている地域であり、降水量が多くなりやすいもの。こういった地域と前線とが相見える地域には、前線が ∧ 型になって、新たに低気圧が発生するようになります。引用図④より、3日21時には、関東地方周辺に、前記した、前線が ∧ 型になる地域が差し掛かります。
これから、西日本のみならず、3日午後から夜にかけて東海や関東地方、甲信越地方南部でも、次第雨脚が強まる箇所がありそうです。