政治の季節【稗史(はいし)倭人伝】

稗史とは通俗的な歴史書等をいいます。
現在進行形の歴史を低い視点から見つめます。

見てるだけの菅・野田・白川…日本は大丈夫なのか!

2010-08-25 18:00:11 | 民主党

3年後に衆参同時選挙などとなんとも間延びしたことを言っている菅直人。
こんなノータリンに3年も首相を続けられたら、国民はたまったものではない。

円高傾向がすっかり定着してしまった。
急激な上昇というわけではないが円独歩高が収まらない。

少し長いチャートを見てみる。

少々見づらくて恐縮だが、3年前は1ドル120円台を付けている。
そして昨日8月24日は東京で84円台、ニューヨークではついに83円台を見てしまった。
この間の円高の最大要因はリーマンショックであるが、何も日本だけが円高に苦しむ必要はなかろう。
3年前より35円以上の円高である。
率にして、30%近くの円高。
輸出企業にとっての打撃は甚大であろう。

ところで菅総理大臣・野田財務大臣・白川日銀総裁の三バカトリオは何をしているのか?

1ドル84円台を見た8月12日

菅首相は為替相場について「動きが激しい」と懸念を示し、市場動向を注視するよう指示。
野田財務相は、「景気動向を注意深く見守りながら適切な対応をしていく」と述べた。
日銀の白川方明総裁も……「こうした動きやその国内経済に与える影響について、注意深く見ていく」と表明した。


以後もこの三人の口からは、「注視していく」、「注意深く見守る」という言葉だけがだらだらと、牛のよだれのように続いている。

一段の円高が進んだのは、菅・白川の電話会談がきっかけであった。

菅首相と白川総裁、会談先送りの方向=電話協議案浮上、日銀の独立性考慮
政府・日銀は20日、菅直人首相と白川方明総裁の定期的な意見交換の一環として検討していた週明けの会談を、先送りする方向で調整に入った。代わりに電話協議を行う案が浮上している。
 会談先送りの検討は、独立性を持つ日銀の金融政策に政府が介入するような印象を避けるためとみられる。(2010/08/20)


信じられない愚図どもである。
もっとも、経済音痴の菅のことである。
なまじ会談など行ってまた恥さらしなことを言いだすかもしれないと周りが心配したのか?

日本銀行法
第四条
日本銀行は、その行う通貨及び金融の調節が経済政策の一環をなすものであることを踏まえ、それが政府の経済政策の基本方針と整合的なものとなるよう、常に政府と連絡を密にし、十分な意思疎通を図らなければならない


遠慮する必要はない。
さっさとやればいい。

そのもったいぶった電話会談は8月23日に行われた。
東京株、年初来安値を更新、菅首相と白川日銀総裁との会談で期待感後退 (INTERNATIONAL BUSUINESS TIMES 2010.8.23)
菅直人首相と白川日銀総裁は今後とも、政府・日銀の間で、緊密にコミュニケーションをとっていくことが極めて重要であるという認識で一致した。
 それを受けて、東京株式市場は菅首相と白川日銀総裁の、電話会談の内容が報道され、失望感から期待感が後退した。


それで菅がやったことと言えば、
首相、野田財務相に「マーケットに注視」を指示 (日本経済新聞 8/23)
菅首相から野田財務相に対して「特にマーケットの動きを注意深く見てほしいと指示があった」という。
足元の為替市場の動向についても「機微に触れるので申し上げられない」と明言を避けた。


円の買い方にしてもこの水準ではおっかなびっくりのはずである。
しかし、これでは彼らに安心感を与えるばかりである。
83円台もこの辺を見透かされたものであろう。

8月25日、日経平均は政策期待で下げ渋っていたが、野田財務大臣の談話で後場またもや急落。
年初来安値更新!

菅直人総理大臣
野田財務大臣
白川日銀総裁

彼らはなぜここまで無為無策のままじっとしていられるのか?

実は、この三人には共通点がある。

菅直人は副総理から棚ボタで総理大臣に。
野田も財務副大臣から棚ボタで財務大臣に。
白川方明も日銀副総裁から棚ボタで日銀総裁に。

棚ボタで”副”がとれたトリオなのである。
能力・知識・心の準備、どれをとっても不足していた。
彼らは思いがけず昇格してしまったからか、完全に守りの姿勢・自己保身に終始している。

”器量”という言葉がある。
彼らは明らかに”器量不足”なのである。


右側の人物が白川である。
泥酔状態の中川昭一の隣に座って、中川をかばうでもなく、たしなめるでもなく黙って見殺しにした人間である。
白川方明はもともとだれも日銀総裁になどとは考えていなかった。

2008年3月の日銀人事をめぐるゴタゴタはご記憶の方も多いと思うが、ざっと整理してみる。

3月12 日野党の反対多数で武藤敏郎副総裁の総裁昇格と伊藤隆敏の副総裁起用をそれぞれ否決。

財務官僚の総裁就任に民主党が反対したため。
毒にも薬にもならない白川副総裁だけが承認された。

3月19日 田波氏を日銀総裁とする人事案を野党の反対多数で否決(不同意)。西村清彦氏を副総裁とする案を可決(同意)。同日、副総裁2名の任命が行われました。

政府が出してきた二人目の総裁候補も再び拒否され、副総裁一人が承認された。

3月20日、白川、西村両副総裁が就任。日銀総裁は空席となり、白川氏が代行。

4月7日、政府は白川方明氏の総裁昇格と、副総裁として元財務官の渡辺博史氏の指名を提示。

4月9日、参議院は白川氏の総裁案に同意、渡辺氏の副総裁案に不同意を決定。

4月9日、白川氏が総裁に就任。副総裁一名と、審議委員一名が空席のまま。


総裁候補が二度拒否され弾切れで白川の総裁昇格で落ち着いた。
菅・野田についてはに鳩山退陣でそれぞれ”副”が取れてめでたく昇格。

相場はいずれ自律反発に入るだろうが、このノータリンの3バカには黙っていてもらうのが一番のようだ。
近いうちに本格内閣が誕生するから。





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3 コメント

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白川氏、民主党、本質を見抜くのは難しいと思うのは筆者だけ? (cm)
2010-08-25 23:12:53
菅・野田・白川の共通点が副職からの棚ぼたという指摘は面白い。そして、その機会を
生かせていないのも共通なのも皮肉である。

菅、野田になったのはどうしようもなかったとして、近年、白川総裁就任には考えること
がある。

筆者は経済に関して素人なので、このような日銀総裁のような経済、財政などの専門職
で誰が適切なのか判断が難しい、というかわからない。政治家と同様に結果でしか判断
できない。

当時、福田政権だったので、一応、自民党が優勢にはあったものの、武藤氏、田波氏が
民主党に次々拒否され、当時京大教授になっていた白川氏にお鉢がまわってきたという
経緯がある。当時の代表は小沢である。

武藤氏、田波氏が拒否された理由は財務省出身だからというのが理由だった。確かに、
日銀総裁のポストは大蔵省、財務省からのたすきがけ人事の固定的なポストになって
おり、日銀の中央銀行としての独立性からの観点からは問題だった。したがって、
形式的な意味では民主党の姿勢は正しかったといえるだろう。

ところが、代わりに就任した白川総裁の評価は今回の円高以前からあまり芳しくない。
昔に比べて低金利な時代に日銀のできることは少ないのかもしれないが、それ以外にも
日銀のできる対応にも消極的だ。こうなると当時の民主党の選択が正しかったのかと
考えざるえない。

同じく、官僚の人事で問題になったのは斉藤次郎元大蔵次官である。元官僚ということ
でマスコミの民主党批判の格好の武器になったが、こちらがいい判断だったのかはまだ
判断できない。そもそも財界からなり手がいなかったので、斉藤氏にお鉢が回ってきた
という経緯があり、他に選択肢がなかった。

日銀人事といい、郵政人事といい、官僚を起用することには社会的には抵抗が大きい。
確かに、元官僚が官僚の利権を守る側につくことは珍しくもなく、天下り批判の要因で
ある。政治家だと思っていた藤井裕久元財務相が財務大臣になったら、官僚に戻ったか
のような行動にも官僚出身の強いつながりを感じさせた。

それならば、民間から代わりになるような人材がいるのかというとなかなか難しい。
それに民間からが必ずしもいいのかもわからない。

小泉政権時代、いやそれ以前から日本では官から民へという言葉が揺るぎのない響きを
もっていた。ところが、竹中平蔵の参院議員辞職後のパソナとの結びつきや元ハリバー
トンCEOのチェイニー元副大統領の石油利権絡みに象徴されるようにアメリカでの官民
交流の影の部分などみていると民だからいいというわけでもない。

有能な官僚を国益のためにどのように使うのか難しい問題であることを白川氏の顔を
見るたびに思うのである。

さて、どうしようもない菅・野田の方だが、最近の民主党を見ていると、思い出す
のがビートたけしの発言である。たけしは最近麻生太郎を招いて特集番組を作るように
自民党寄りだからかもしれないが、民主党政権誕生直前にいっていたのが、民主党は
政権をとると自民党のようになると再三発言していた。当時はそんなことないと思って
いたが、現在の菅政権はたけしの予言通りになっている。

最近、菅政権で気になったのは岡田外相の発言である。

閣僚反発…小沢氏の代表選出馬検討に - Infoseek ニュース
http://news.www.infoseek.co.jp/search/story/20100820_yol_oyt1t00457/%25B2%25AC%25C5%25C4%25B3%25B0%25C1%25EA%25A1%25A1%25BE%25AE%25C2%25F4/
岡田外相は「起訴される可能性のある方が代表、首相になることには違和感を感じる。
小沢さんに『出て下さい』と言っている人は、民主党の立党の原点に返ってはどうか」
と述べ、小沢氏出馬の動きを批判した。

この発言で気になったのは「民主党の立党の原点」という部分である。うがった見方かも
しれないが、この発言には小沢や小沢待望論者は民主党の立党時にいなかった、本当の
民主党の議員ではないという意味が含意されているとしか思えないのだ。

岡田氏からすれば、無条件で吸収された旧自由党系の議員は民主党の立党理念に従うべき
だという思いがあるのかもしれないが、立党時にいなかった面々に求めるのは無理がある。
連舫のクリーン発言にしてもクリーンであることが民主党らしいと考えているようだ。

おそらく、国民が民主党に求めていたのは自民党より左寄り、より社会民主主義的で
政治の方向を歪めるあまりに強い政官財との結びつきと離れていて、世襲議員の少ない
自民党より国民に開かれていて、自民党と政権を競う二大政党だったのではないかと思う。

ところが、民主党結党時の面々が考えていたのは国民受けの悪い「政治とカネ」の問題が
自民党より少ないことなどのポピュリスト志向で、世襲という利権に阻まれて自民党で
立候補出来なかった面々が自民党の利権を奪うためのサークル気分の政党だったのでは
ないかと最近思うようになった。現実的な改革や政権運営を考えていたと思えないのだ。

このような結党時の面々には小泉以前から唱えていた構造改革路線を社会民主主義的路線
に変更し、筋肉質にしていく小沢は疎ましかっただろうし、政権を握れば、見かけの
「クリーン」、世襲の割合、サークル気分などの政治の本質的でないこと以外は自民党と
変わらないのだから、菅政権の政権運営になるのも当然なのかもしれない。

小沢系は民由合併時に30人足らずで、原口や細野などの有望株の追加があるものの若手が
中心である。したがって、民主党で顔が売れているのは小沢以外は反小沢が多い。その
民主党結党の面々をみていて、たけしはその本質を言い当てていたのかなという気がする。
小沢が民主党的でないといわれるのは本当はこういう意味だったのだろうか。
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Unknown (らむちゃのパパ)
2010-08-26 07:05:21
為替にしろ株にしろ、市場が危機的になっている時、注視するという声明を出すのは、自民党時代からの恒例ですから、ここから一段悪化したら何か考えるよという時の官僚の作文なんでしょう。
お金というのは所詮紙きれにすぎないんだから、デフレや不況は、政府が国債で借金して国民にお金を配るのではなく、日銀が毎月国民一人あたり3万円でも配れば、即日解消すると思いますけれど、それでは何も仕事をせずに高収入や高退職金をもらっている天下り役人のみなさんが自分の貯金が実質目減りするんで、やりたくないんでしょう。
返信する
腐敗メディアの末 (SN)
2010-08-26 18:03:36
小沢氏、代表選に出馬です。
昨年からの小沢バッシング、ネガティブキャンペーンで、また決定的に国民から信頼を失ったクロスオーナーシップ腐敗メディア連合。
今やゴミウリと呼ばれる声が日増しに大きくなる読売も、洗剤や期間無料配達や社会問題となっている販売店への残紙押し売りでの広告費水増し請求で生き残りに必死のようですが、ゴミウリをはじめとして彼等、腐敗メディアは権力も影響力も急激に無くしてゆくでしょう。

昨年は「村木事件」とインチキ記事で大騒ぎした腐敗メディアが、その客観的事実に照らし合わせた結論が来月にもでようとしているのに、「えっ、そんなことあったっけ」とばかりに公判が進むとともに、知らん顔の頬かむり。

でも現在はニュースは新聞とテレビだけではないですよ。
「村木事件」だの「厚生なんとか腐敗事件」などと、メディアが大風呂敷を広げた分だけ、普通の国民は、あの公判はどうなっているのかと潜在的に頭に残っていて、メディアが放送や記事にしなくても、ネットブログやクチコミで事実を知ることとなり、そこに放送と記事への不信感が強力に根深く残っていくのです。

この数年でメディアの放送と記事や社説がどれほど信頼と信用を無くしていったかメディアの当事者は理解していないようです。

来月の村木裁判の結審の問題と分析などはクロスオーナーシップ連合さんは出来ませんね。

せいぜい目立たない片隅にコソコソとした結果だけを載せる程度でしょう。

小沢氏の件もそうですね。
しかしね。
かなりの人が既に経過を知っていますね。
世の中には心ある人々が公判の経過とこの起訴の問題点をきちんと論じているのを時系列でしっかりとキャッチしていますね。
皮肉なことに本当のジャーナリズムは、増殖するそのような人々の個人の良心と、その良心をキャッチする沢山の人々によって、確認され大きな芯となりながらクチコミで拡がっています。
世界的な傾向です。

それが「ゴミウリ」と呼ばれ、雪崩れのごとくメディア、そしてメディアの凋落と叫ばれて、大メディアはよこしまで信用ならないと烙印を押される現象の核心です。

その危機感が薄いのが当のメディアたちでもあります。
今や人々は大メディアは有害で料金を支払うに値しないととの認識が常識になりつつあります。

自業自得ですね。
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