政治の季節【稗史(はいし)倭人伝】

稗史とは通俗的な歴史書等をいいます。
現在進行形の歴史を低い視点から見つめます。

石原慎太郎の思い上がり

2009-11-19 18:07:53 | 地方政治
政治の目指すべき目標の一つに”完全雇用”がある。
単に生活費を得るための職業に就くだけではなく、だれもが自分のやりたいこと、好きな仕事に就くことのできる社会を実現すること。
永遠の理想かもしれないが、政治はその実現を目指し、一歩でもそれに近づく努力をしなければならない。

そんな社会を実現できないことに対して反省・自己批判をし、そして国民に対して謝罪するのが良心を持った政治家であろう。

「生活保護が楽というのは甘え」 雇用協議で都知事発言 (asahi.com 11/19)
「就職を探しても、生活保護をもらった方が楽だというのは、多分に甘えている」――。東京都の石原慎太郎知事は18日、さいたま市で開かれた8都県市首脳会議で、雇用対策についての協議中に、こう発言した。会議後、報道陣に対し、「仕事をあっせんしても嫌だという事例があちこちから報告されている」と発言の理由を説明した。

 石原知事の発言は、阿部孝夫・川崎市長が就職支援を8都県市で広域的に取り組むよう提案した後の意見交換。「自治体は国以上のきめの細かい努力をしていると思う」などと述べた上で、「就職を探しても、それ嫌だ、これも嫌だ、あれも嫌だ。生活保護をもらった方が楽だという価値観、トレンドは、現場で事例を考えている自治体が国に、こういうものをどうするのかと言った方がいい」と発言。「甘えているところがある。被害者意識ばかりあってね」「生活保護を受けたいというのは、我々がやっている努力と矛盾するところがある」と述べた。


この男に政治家の良心を求めることは、死んだ人間を生き返らせるより難しい。
「それ嫌だ、これ嫌だ」というのが悪いのか!
人間、だれでもやりたいこと、やりたくないことがある。
できること、できないことがある。
求職者は少しでも自分の理想に近い仕事を求める権利がある。
政治はそれに応える義務がある。

仕事のない貧乏人は、つべこべ言わずに世話された仕事をしろ。
贅沢を言う奴に生活保護なんかやれるか。

税金は自分のために使うもので、人のためにはもったいなくて使えない。
責任は他人に押しつけるもので、自分でとるものではない。

貧乏人はゴミだ。
弱い者はクズだ。


この男の頭の中では常にこんな言葉が駆けめぐっている。

生活保護を受けることも、憲法で保障された国民の権利である。
生活保護の水準にも劣るような仕事しか見つからないような社会を作り上げておいて、とにかくなんでもいいから働け、と大威張りしている。

日本に住んでいる人間はほぼ全員が納税者である。
消費税だけではない。
酒を飲んでもたばこを吸っても税金を払っている。
現在、所得税を払っていなくても過去に払っていたかもしれない。
自動車税を払っていたかもしれないし、固定資産税を払っていたかもしれない。
また将来の納税者でもある。
たとえ、税金を払っていなくとも、生きる権利はあるし、「健康で文化的な最低限の生活」を送る権利がある。

税金で食っている石原一家に、仕事を探して苦労している人たちを侮辱する物言いをする権利はない!
いや、食っているというより、食いものにしていると言った方がいいか。

8都県市首脳会議とやらも、こんな男にかき回されていては、ろくなことは決められまい。
集まった首長たちも、全員が税金で養われているという立場をわきまえて行動するように!





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気は確かか、石原東京都知事・松沢神奈川県知事!

2009-11-11 05:52:57 | 地方政治
「地方自治は民主主義の学校」という言葉がある。
しかし、地方自治の頂点に位置する知事たちのお粗末さを見ると、日本の民主主義の程度はまだまだ低いということを思い知らされる。

オリンピック招致に失敗したあとの負けっぷりの悪さでひんしゅくを買ったあの男がまたまたバカを言っている。
まったく「バカに付ける薬はない」、「バカは死ななきゃ治らない」

石原知事、20年五輪招致の意思表明">石原知事、20年五輪招致の意思表明 (TBSニュース・動画 11/9)
「私の代での責任で、東京は一応、アプライ(立候補)します」(石原慎太郎都知事)


再びオリンピックに名乗りを上げた。

前回の招致活動の総括を行い、会計の報告を納税者に対してするのが、こいつの責任だろう。
それにしても、「わたしの代での責任で」という言葉の意味が分からない。
立候補は現在の知事の責任で行い、次の知事に責任はない、ということなのか。
立候補することが、都知事の責任である、と言いたいのか。
「わたしの独断で」という意味なのか。
しかし責任を取ったことのない男に、「責任」などと言われても返事に困る。

負けた後のみっともない言葉の数々も記憶に新しい。

『例えば、ブラジルの大統領が来てですね、聞くところ、かなり思い切った約束をアフリカの(IOC委員の)諸君としたようです。』

『それからサルコジ大統領(フランス)がブラジルに行って「フランスの戦闘機を買ってくれるなら(五輪招致で)ブラジルを支持するとか』


おまけに『こんなことではこれから手を挙げる都市などありませんよ』といっていたが、それから間もなく広島と長崎が共同開催に手を挙げた。

今度は図々しくもその”広島との共催”とまでほざいている。

150億円使ったことには、『痛くもかゆくもない』とうそぶく。

こんな男の言うことを真に受けて動く奴がいるとは思えないが……。
どうせ任期はあとわずかである。
東京都の職員は、もうこんなつまらないことに余計なお金は使わないように!
”三途の川の渡し賃”にしても高くつく。

普天間移設、現行計画推進すべき 神奈川知事が米で講演 (47ニュース2009/11/06 【共同通信】)

【ワシントン共同】訪米中の松沢成文神奈川県知事は5日夕(日本時間6日午前)、ワシントンのジョンズ・ホプキンス大高等国際問題研究大学院で講演し、米軍普天間飛行場をキャンプ・シュワブ沿岸部(沖縄県名護市)に移設する現行移設計画を推進すべきだとの考えを示した。

 松沢氏は、米軍基地や施設を抱える14都道県による渉外関係主要都道県知事連絡協議会(渉外知事会)の会長。講演では、移設問題に関し「こじれて長期化すればパッケージとなっている在日米軍再編全体の計画が遅れる」と指摘。計画見直しを主張している鳩山内閣の姿勢を「県外、国外移設は不可能だと思うし、米軍嘉手納基地(沖縄県嘉手納町など)に統合する案も極めて難しい」と批判し、現行計画が最善との認識を示した。


自分の所でないからか、気楽なものである。
さすがに沖縄県知事は笑って聞いてはいられなかったようだ。

 これに対し、同席した仲井真弘多沖縄県知事は「松沢知事の意見として聞いてもらいたい。県民の大部分は県外移設がいいというのは事実だ」と強調。同時に「ベストの選択は県外移設だが、経緯もあって県内移設をやむなく認めた」と自らの立場を説明し、県外移設の実現にも期待感をにじませた。

ことの是非はともかくとして、取り上げたいのは次の部分。

松沢氏は講演後、記者団に「時間をかけるうちに沖縄の世論が県内移設反対となれば現行計画もつぶれ、移設は宙に浮く」と指摘。6日に予定される米政府高官との会談で、在日米軍再編計画の着実な実施を求める考えを明らかにした。

これは余りと言えば余りの言いようである。
「時間をかけるうちに沖縄の世論が県内移設反対となれば現行計画もつぶれ、移設は宙に浮く」?

沖縄県民の気持ちが変わらぬうちにさっさと移転してしまおう、というのである。
いまでも沖縄県民は県内移設には反対であろうが、まだその声は小さい、と思っているらしい。
反対の声が大きくなってからではまずいことになる。

沖縄の世論がいずれに傾くにしろ、その行方を見極めて、その意思を尊重するのが政治ではないか。
とくに地方自治においては、そのことが何より大事ではないか!

まるでこの知事はアメリカの代理人か使い走りである。

こんな奴らを選んでしまった選挙民にも責任があるが、選挙民には十分な情報が与えられていない場合が多い。
リコールの制度が保障されてはいるが、都道府県や大都市レベルではリコールを成立させることは実際上不可能である。
要件を緩和すれば行政が不安定になることもあろう。
選挙というのも厄介なものである。





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