政治の季節【稗史(はいし)倭人伝】

稗史とは通俗的な歴史書等をいいます。
現在進行形の歴史を低い視点から見つめます。

麻生・「政治家している」?党首討論について

2009-05-29 18:18:36 | 麻生太郎
政治家の口から「政治家している」という言い方を聞いたのは初めてである。
27日の麻生・鳩山の党首討論。
なんとも違和感のある言い方である。
言われてみれば、確かに「政治家してる」には違いないのだが……。

麻生 これが一番大切なんじゃないですか、政治家しているんですから。われわれは学者しているわけではありません。評論家しているわけでもありません。現実問題をやらなければならないという立場におりますので、そういったものをきちんとして、われわれはやっていかなければならない

この発言から受ける違和感は何なのだろう。
”政治家している”
”学者している”
”評論家している”

しばらく考えているうちに三つの理由に思い至った。

1 文法的な誤り、あるいはまだ一般的になっていない特異な語法

「政治家」という名詞に「する」という動詞をつけて「政治家する」という動詞を作り出してしまったこと。
名詞+する(=動詞)
名詞+を+する
両方の使い方ができるもの、片方だけのもの、どちらも出来ないものがある。
たとえば、「反省」・「運転」は、「反省する」・「反省をする」、「運転する」・「運転をする」というようにどちらも正しく使える。
しかし、「希望する」はいいが、「希望をする」はややおかしい。
逆に「殺人する」はおかしいが、「殺人をする」はかろうじてセーフというところか。
どうやら「名詞」と「する」を結びつけるのには、語の相性があるらしい。
固有名詞はどちらの使い方も出来ない。
「政治家」・「学者」等はこのどちらの使い方もできない名詞に入る。
麻生の頭の中では、これが当然のように結びついてしまうのだろう。

2 当該単語の持つ異様な軽さ

1に関連するが、比較的一般的になった言葉に「お茶する」というのがあった。
「お茶」と「する」という結びつかない単語を結びつけたものである。
「政治家する」にはこの「お茶する」に共通する軽薄さがある。

一国の総理大臣が公の場で使うには、余りにも未熟な語法と言えるだろう。
言葉は変わっていくものではあるが、それにしても麻生には日本語革新運動の先端に立って欲しくはない。

3 政治という仕事に対する麻生の認識の特異さ

「政治家する」には、本質的なものから離れた、一時的・限定的な響きがある。
あるいは「政治家を演じている」・「とりあえず政治家をやっている」というニュアンスが漂う。
政治に心を込めて取り組んでいるという姿勢が感じられない表現である。

「政治家する」という言葉には麻生の全人格が凝縮されており、使われるべくして使われた言葉であるといえるのかもしれない。


この党首討論については、他にも色々考えさせられる点が多々ある。
そのうちのいくつかについて述べたい。

党首討論を前にまず麻生が先制攻撃を行った。
しかも場外からである。



5月27日の読売朝刊に載せた広告。
党首討論当日の朝にこういうことをするか?
鳩山には反撃の時間がない。
相手に反撃の機会を与えない、こういうやり方は卑怯きわまりない。
内閣総理大臣としての矜恃のカケラも持ち合わせていない麻生だからこそできる汚いやり方である。
中身は、といえば読む前から見当のつくことばかりである。

民主党が提案している政策に、具体的なな財源はありますか

相も変わらず財源問題。
10兆円以上の国債発行で補正予算を組み、本予算と合わせて歳入の過半を国債に頼っていて、財源で攻められるのか!

公務員の労働組合から支持を受けながら、公務員制度改革ができますか

労働組合は労働者の権利を守るために、個人の集まった組織である。利益で結びついた業界団体や経団連などの企業集団とは根本的に性質が違う。
企業の利益ではなく、労働者の権利を守ってくれる政党を応援するのは当然であろう。
組合員は組合費を払って組み合いを作り、自分たちの権利を守ろうとしている。
たとえ、組合が政治献金を行っていたとしてもそれは個人の献金の集合である。
公務員の削減は確かに重要な課題ではあるが、やり方は工夫すればよい。
合理的な規模を越えた公務員の維持は国民負担を重くするだけではないか。
そして、麻生はことさら問題をすり替えようとしている。
麻生たちが守ろうとしているのは公務員ではなく、官僚である。
公務員のうちの一握りの人間だけが官僚として種々の特権を享受しているのである。
国民が怒っているのは官僚が特権を握り続け、国民の利益よりも省益を優先させ、天下り、渡りと好き放題に振る舞っていることに対してなのだ。
小沢達が叫んでいたのも、官僚主導の政治から国民本位の政治へ、ということではなかったか。

憲法や安全保障について、党内の意見は一致していますか。

自民党の中だって一致しているわけではないだろう。
確かに民主党内にも右から左まで色々いる。
自民党にも右から極右まで幅がある。
そんなことで民主党を攻撃しているつもりか。

この三点に加えて、最後にネチネチと小沢攻撃。
まったく下品な当てこすりでとどめを刺したつもりでいる。

誰かの代わりでなく、新たな代表としての明確なお答えを期待します。
国民への説明責任を果たし、議論を闘わせることが明日の日本を作るのですから。


「誰かの代わり」と言う言葉に”小沢の傀儡”という意味をあからさまに込めて、しかも「説明責任」まで持ち出している。

これではわざわざ党首討論をやる意味がなかろう。
麻生が新聞紙上で鳩山に質問をぶつけたのなら、鳩山も新聞でもテレビでも利用して回答すればよい。

実際、党首討論では麻生の口からは新聞広告以上のことはほとんど出てこなかったのだから。

しかも場外にも応援がいた。
自民党のホームページに細田幹事長名でほぼ同内容の攻撃文が載せられている。
読む価値もないものだが、興味を抱かれたかたはどうぞ。
拝啓 鳩山民主党新代表殿 自由民主党幹事長細田博之
下品さは甲乙つけがたい。

誰の発案かは分からないが、よくもまあこんな汚い手を思いつくものだ。

長くなりそうなので、中身については次の機会にします。





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政・官・業癒着構造を一人で体現する塩谷立文科大臣

2009-05-28 08:14:00 | 自民党
塩谷立文部科学大臣と日本道路興運株式会社との腐った関係。
文部科学大臣と言えば、日本の教育の元締め。
子供達のお手本とならなくてはいけない立場である。
全閣僚の内で最も清廉潔白・高潔な人格が要求されるのが文部科学大臣であろう。

公用車談合、10社に課徴金30億円…国交省職員関与か (YOMIURI ONLINE 5/23)
国土交通省が発注する公用車の運転・管理業務をめぐり、天下り先3社などが談合を繰り返していた疑いが強まったとして、公正取引委員会は、独占禁止法違反(不当な取引制限)で3社を含む約10社に排除措置命令と課徴金納付命令を出す方針を固めた。

 週明けにも各社に事前通知する。課徴金の総額は30億円以上とみられる。また、同省の複数の出先機関で、職員が談合に関与していた疑いも出ており、公取委では官製談合防止法に基づく国交省への改善措置要求も行う方針。
関係者によると、談合行為を認定されるのは、日本道路興運(東京)、日本総合サービス(同)、北協連絡車管理(札幌市、北協)など。各社は2008年度までの数年間、国交省の地方整備局や国道事務所などが発注する公用車業務の入札で談合を繰り返し、事前に受注予定者を決めていた疑いが持たれている。


最大手が日本道路興運株式会社というれっきとした民間会社。
過去にたびたび世間を騒がせてきた会社である。
天下り、談合、脱税、政治家への違法献金、秘書給与肩代わり等々、。
この会社の周囲にうごめく多数の政治家ども。

今回の公取委の動きは昨年の談合立ち入り調査に始まる。
事件の概要を知るために次の記事に目を通していただきたい。

日本道路興運など3社に立ち入り検査 公取委 国交省への運転手派遣で談合か (msn産経ニュース2008.7.15 )
 国土交通省が保有する公用車の運転・管理業務で談合を繰り返していたとして、公正取引委員会は15日、独占禁止法違反(不当な取引制限)の疑いで、日本道路興運(東京都新宿区)▽日本総合サービス(品川区)▽北協連絡車管理(札幌市)の3社など関係個所30数カ所を立ち入り検査した。
 3社は平成18年末現在で国交省から計55人の天下りを受け入れている。公取委は談合の際、国交省の関与がなかったか調べることにしている。

日本道路興運株式会社の概要(同社ホームページより)

設立
昭和40年11月1日
資本金
8,000万円
事業内容
・自家用自動車の運行管理請負業務
(社団法人 日本自家用自動車管理業協会会員)
・放置車両確認事務
・交通管理業務
・公共施設指定管理事業
・一般労働者派遣事業
・有料道路料金収受業務
・施設管理業務
主なお客様
・中央省庁及び地方公共団体
・学術・教育機関、医療機関
・銀行・証券・生損保・その他民間企業


非上場企業であるため、財務内容・株主・役員等に関する情報は手に入れにくい。
年間売り上げは、本体で160億、関連会社日本ハイウェイサービスが200億、そのたを含めておよそ460億に上るらしい。
主な利益源は国交省と日本道路公団(現・高速道路各社)への運転手派遣である。
実質的な道路公団ファミリー企業である。

まず脱税

「日本道路興運」所得隠し 2004/01/21
東京国税局の税務調査により、日本道路公団や官公庁などに運転手の派遣を行っている「日本道路興運㈱」(本店 新宿区西新宿6-6-3 代表 山口哲也氏)が平成15年3月期までの7年間に約2億 8,000万円の所得隠しをしていたことが判明した。
 同国税局は使途秘匿金課税と重加算税を含めて約2億 4,000万円を追徴課税(更生処分)した。
関係者によると、同社は架空の運転手を取引先企業に派遣しているように装い、架空の給与を経費として計上していたという。国税当局は仮装を伴う悪質な所得隠しと認定し、重加算税の対象とした。
また、同社が工面した資金の使途の説明を拒んだため、通常の法人税に加えて使途秘匿金として40%の課税が加算された。


所得隠し+使途不明金
民間企業が使途説明を拒否するケースは、背任横領でなければ、贈賄あるいはそれに準ずる使い方をしているということであろう。

次に談合

「みんな分かっていた」国交省公用車談合、元社員が実態を証言 (msn産経ニュース 2008.7.15 )
談合の疑いが指摘されてきた国交省地方整備局発注の公用車の運転・管理業務の入札業者3社に対し、公正取引委員会のメスが入った。最大手の日本道路興運は、国交省OBを最も多く受け入れ、受注も業界最高額。同社の元社員らは産経新聞の取材に、「談合をしていた」と証言するとともに、同省OBが関与した“官製談合”の可能性も指摘した。公取委が実態にどこまで迫れるか注目される。
 「暗黙の了解で社員みんなが談合だと分かっている」。日本道路興運の元社員の男性は、談合の手伝いをさせられた実態を赤裸々に語った。
(中略)
「談合は、国交省OBと現役、そして業者の三角関係でできている。仕事を取るために(天下りを)受け入れている」。元社員によると、日本道路興運は常に20人以上の天下りを雇い、多いときは30人近くに。


談合もただの談合ではなく、官製談合であった。
それで当の国交省は、
公用車談合「北海道開発局で職員関与の疑い」…国交相明かす (2009年5月26日 読売新聞)
 国土交通省が発注した公用車の運転・管理業務を巡る天下り先3社などの談合疑惑で、金子国交相は26日の閣議後の記者会見で、「(同省)北海道開発局では、談合に現職職員が関与したのではないかという疑いが持たれている」と述べ、具体的な出先機関名を自ら明らかにした。
 また、同省は、実態の解明と再発防止のために調査検討委員会を設置することを決めた。

1年経ってようやくこれだけ。
これから調査検討委員会を設置?
公取の処分が決まりそうだというのでついに観念したか。

天下りは国交省だけではなく、道路公団からも受け入れており、50人を越えているのが実情という。

政治家との癒着・違法献金

資本金8000万のこの企業の政治献金の上限は750万円ということになっている。
この会社は、自民党の政治団体である国民政治協会に年間400万円程度の寄付を行っていた。
上限まであといくらもない。

受注最大手の日本道路興運、小渕議員に300万円献金 (msn産経ニュース 2008.7.16 )
公正取引委員会の立ち入り検査を受けた日本道路興運側が平成12年から18年にかけ、自民党の小渕優子衆院議員側に計304万円を献金していたことが分かった。小渕氏の事務所は「先代からのおつきあいで献金を受けた」としている。

 総務省に提出された平成18年分の政治資金収支報告書などによると、小渕氏の資金管理団体「未来産業研究会」は18年5月11日、東京都内のホテルで開かれたパーティーで、同社の創業者で前社長から100万円の個人献金を受けた。

 また、小渕氏が代表を務める自民党群馬県第5選挙区支部の収支報告書によると、同社は、12年=33万円▽13年=66万円▽14年=36万円▽15年=36万円▽16年=33万円の計204万円を献金している。


しっかり財布まで世襲していた。
「先代からのおつきあいで献金を受けた」
先代はもちろん小渕恵三元内閣総理大臣。

「亡くなった小渕さんなど、正月の年始の挨拶に自分から山口さんの自宅に
出向くほどだった。会社の創立パーティーなどには多くの政治家が駆けつけて
おり、それだけみんな世話になっている」(政界事情通)-2004/6/2 No.236    週刊メールジャーナル  
というような話もある。
山口さんというのはこの会社の山口義二会長か現社長山口哲也氏か。

 「政治家にとって運転手は、政治活動からプライバシーに至る全ての“秘密
”を握る存在。ある意味、秘書より口が堅く、信頼が置けないといけない。そ
の運転手を有力政治家に供給することで、日本道路興運は“役所仕事”を独占、
高い利益率を確保してきた」(政界関係者)

なるほどと思わせる、説得力ある解説である。
そして細田自民党幹事長。

3100万肩代わり受ける 運転手給与で細田官房長官 (47ニュース 2004/05/19 【共同通信】)
細田博之官房長官が、1996年1月から2003年12月にかけて、運転手給与の一部、約3100万円の肩代わりを、運転手派遣会社「日本道路興運」(東京)から受けながら、政治資金収支報告書に記載していなかったことが19日、分かった。  肩代わりの時期は官房副長官時代も含まれ、官房長官に就任した今月7日に報告書の訂正を届けたという。年金未納問題に続く新たなスキャンダルに対し、野党は責任を徹底追及する構え。  細田長官は会見で「最近事実を知り反省している。直ちに修正した」と釈明。  また同社は2000-03年、塩谷立衆院議員(自民)にも900万円の秘書給与の肩代わりをしていたことが分かった。  細田長官や事務所によると、運転手は60歳の男性。東京での長官付で、月給20数万円と公務員並みのボーナスも含め年間3百数十万円を払っていたが、日本道路興運からもほぼ同額の給与が支払われていたことが判明。この分が政治資金規正法上の企業からの寄付に当たるとして2000-03年分の約1500万円分について収支報告書の訂正を出した。


細田はこのほかにも同社から献金を受けている。
国民政治協会と細田への献金で同社の献金枠はかるく上限オーバー。
これでよくあれだけ下品な小沢非難ができるものだ。

さて塩谷立文科大臣。
塩谷文科相、疑惑企業の配当報告せず 不祥事拡大避ける? (msn産経ニュース 2009.1.23 )
 塩谷立文部科学相が、国土交通省の公用車の運転・管理業務をめぐる談合疑惑で昨年7月に公正取引委員会の立ち入り検査を受けた「日本道路興運」(東京)から得ていた平成16、17年の株式配当所得計80万円を所得等報告書に記載していないことが22日、分かった。

 塩谷氏の事務所では、同社から秘書給与の肩代わりを受けていたことが16年に明らかになっており、議員らからは「不祥事の拡大を避けるための不記載ではないか」との声も上がっている。塩谷氏と同社の不透明な関係が改めて浮かび上がった形だ。

 閣僚の資産公開によると、塩谷氏は日本道路興運株4000株を保有。同社は16年から18年まで、1株当たり100円を配当しており、毎年40万円の配当所得があったことになる。

21日の参院予算委員会で大久保勉参院議員(民主)の質問に対し、塩谷氏は「(同社株式は)元年に亡くなった父(塩谷一夫元衆院議員)から相続した」などと答弁し、配当を受けていたことが判明。しかし、塩谷氏の所得等報告書では、16、17年は配当所得が空欄で、配当所得計80万円が不記載だった。

 一方、塩谷氏の事務所は15年までの4年間、同社から秘書給与計900万円の肩代わりを受けながら政治資金収支報告書に記載していなかったことが16年に明らかになり、批判を受け訂正している。

 大久保議員は「問題企業からの利益提供を隠したかったのではないか。国交省を舞台にした談合疑惑の利益が流れ込んでおり政官業の癒着の典型だ」と批判。予算委員会では、同社が昨年までの5年間、塩谷氏のパーティー券を毎年20万円分購入していたことも明らかになった。塩谷氏は18年9月から19年9月まで衆院国土交通委員長を務めている。


一つずつ検討してみよう。

まず配当所得80万円の不記載。
年間40万円の配当と言うことになる。
所有株数4000株。
父親から受け継いだという。

さてここからはまったくわたしの推測である。
4000株がどんな意味を持つか?
日本道路興運の設立は昭和40年(1965年)。
資本金1000万円。
1951年から1982年9月までに設立した会社の最低額面金額は500円。
つまり最大でも発行株数は1000万÷500=20000株である。
塩谷(父)がいつこの株を取得したかは分からないが、仮にこの近辺に取得し、その後の増資にも同じ割合を保っていたものとする。
現在資本金は8000万円。
今では株式はすべて無額面株になっているが、元々の額面価値に準じている場合が多い。
そこで会社の発行株数を8000万÷500=160000株とすると
4000÷160000=0.025
塩谷は2.5パーセントの株主ということになる。
ところでこの会社は創業者山口義二会長・山口哲也社長というところからみると同族会社といえるだろう。
たいていの場合、非上場会社においては創業者一族が株式の過半数を保持している。
言うなればほとんど世間には出回らないお宝株。
だれにでも手に入るというものではない。
何らかのつながりがなければ手に入れられるものではない。
4000という株数は決して軽いものではない。
一株配当は100円。
500円株とすると配当利回り20%の超優良株。

塩谷文科大臣は日本道路興運と極めて近い関係を持っている大株主であり、会社の利益は塩谷個人の利益に直結する。
企業の利害関係者なのである。

秘書給与900万円の肩代わり。
毎年20万円のパーティ券購入。
塩谷と会社の関係を考えれば不思議でもない。

塩谷の影響力

衆議院国土交通委員長
自民党建設部会長代理
を経験している。
文教族という以外に国交省に対する影響力もかなりあるのではないかと想像させる。

存在そのものが犯罪であるような企業・日本道路興運。
その犯罪企業と一心同体の塩谷文部科学大臣。
大量天下りと引き替えに談合の世話までする国土交通省。

ここまで汚い政・官・業の癒着は滅多にお目にかかれるものではない。



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解散を急ぐ必要はない・麻生の自爆を待て!

2009-05-26 11:44:51 | 民主党
麻生に解散を迫っても逃げ回るだけである。
民主党は鳩山新体制になり支持率も回復傾向にある。
さいたま市長選でも勝利している。
麻生がいくら逃げ回ってもあと3ヶ月のことに過ぎない。
その期間を利用して、民主党の政策を堂々と主張し、自民党のデタラメぶりを国民に知らしめよ。
補正予算を通したぐらいでは麻生は解散なんてしないぞ。
なんどだまされれば分かるのか。

補正予算、会期内に採決=民主・輿石氏 (5月24日17時31分配信 時事通信)
民主党の輿石東参院議員会長は24日、神奈川県相模原市内で講演し、参院で審議中の2009年度補正予算案について「こんなでたらめな予算はないが、6月3日までが会期だ。それまでには『輿石東が参院でブレーキをかけているから通らない』と言われないように、通すものは通す」と述べ、会期内に採決する考えを示した。

「通すものは通す」?
一見、勇ましく聞こえるが、今度の場合は「通すべきでないものは通さない」という姿勢が正しかろう。
今度の補正予算のデタラメぶりは目に余る。
麻生は、「過去最大規模の補正予算だ」といってその規模の大きさだけを自慢している。

1月19日  一般会計予算提出

しかし麻生達はもうその前に補正予算を出す腹づもりでいた。
本予算案提出の前に補正予算を考えていたのである。

09年度補正予算案構想が浮上 「麻生降ろし」を牽制 (asahi.com 1/12)
政府・与党内で09年度予算案を成立させた後、追加の経済対策として、今国会中に09年度補正予算案の成立を目指す構想が浮上した。切れ目ない財政出動で景気回復に取り組む姿勢をアピールするとともに、予算成立後の「麻生降ろし」を牽制(けんせい)する狙いがあると見られる。予算成立後の経済状況などを見て麻生首相が最終判断する。


さすがに本予算審議中には補正予算案は提出できないでいたが、段取りは出来ていた。

麻生首相、10兆円超の補正予算指示 過去最大規模 (Jcastニュース 4/7)
麻生太郎首相は2009年4月6日、与謝野馨財務相に対し、国内総生産(GDP、約500兆円)比で2%以上の09年度補正予算を編成するように指示した。補正予算は10兆円を超える規模になる見通しで、98年度3次補正(7.6兆円)を上回って過去最大規模となる。


とにかくウリは「過去最大規模」
国立漫画喫茶117億円をはじめとして、なんでもいいからといって積み上げた総額が過去最高13兆9256億円。
もちろん財源などはお構いなし。
国債10兆8190億円(うち赤字国債は3兆4870億円)
漫画喫茶も問題だが、もっとひどいのが各種基金への積立金

民主党:基金の妥当性追及 補正反対の姿勢アピール (毎日jp 5/21)
09年度補正予算案の参院予算委員会での審議で、民主党が46の基金に積み上げられる4.3兆円に焦点を合わせて追及している。


内訳については、民主党細野豪志議員の質問趣意書と回答に詳しいが、詳しすぎてよく分からない。永田町異聞 補正予算を叩いてみれば、政権交代の音がする?様が分かりやすくまとめているので引用させていただく。

その与謝野財務相の答弁によると、基金の振り分け先は地方自治体へ2兆1318億円、独立行政法人に3250億円、公益法人に841億円、その他の法人等に1兆8265億円。その他の法人というのはいわゆるファミリー企業の類だろう。

つまり、2兆2356億円が独法、公益法人とそのファミリー団体に配分されると考えていいのではないか。


これらの基金に配分されたものは複数年度にわたって使用されるものという。
今すぐ使うというお金ではなく、一旦基金に積んでおくということらしい。
サラ金で借金したお金を必要なときのために貯金しておこうというようなものである。
基金の交付をうけた組織・機関は使い道のないお金で国債を買っておくらしい。
するとそこに利子の収入がある。利子は税金から支払われる。
こういうのを、”泥棒に追銭”という。

こんなばかげた予算を通していいのか!

北朝鮮核実験

「答えられる限界超えてます」 25日の首相 (asahi.com 5/2)

 ――これで2度目の核実験となるが、北朝鮮の核実験は、国際社会が止められないというのはどうしてだと思うか。

 「どうしてだと思いますか。私の答えられる限界を超えています」 


ミサイル発射で大騒ぎをして、国民の不安をかき立てた麻生政権。
のど元過ぎれば熱さを忘れる。
今回は不意打ちを喰らってなすすべなし。
麻生の能力の限界を超えている事態なのは明白だが、自覚があるような、ないような……。

それにしても国民に対してもう少し誠実な答え方というのがあるのではないか?




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麻生内閣・饒舌な愚者達

2009-05-23 17:24:24 | 麻生太郎
麻生がバカなのはだれもが分かっているが、本人だけは分かっていない。
27日に党首討論をやり、鳩山をやりこめてやろうと張り切っている。
返り討ちになる可能性が高いが、まあよくてドローというところか。
鳩山もけっして弁舌さわやか、舌鋒鋭く敵を追いつめるというタイプではない。
しかし、鳩山には麻生にはない”まじめさ”のイメージがある。
相手をやりこめ、自分の利口さを示したがっているだけの麻生はどうせ自分で墓穴を掘る。
鳩山は”まじめさ”、”真剣さ”を見せるだけで勝つことになる。
どうせ麻生が持ち出すのは小沢のこと、安全保障に財源問題程度である。
麻生は自分のバカを隠すためというより、(自分がバカだと気がついていないので)自分の利口さを示したくてつい言わでものことを口走る。

首相の「四島不法占拠」発言、ロシア外務省が批判声明 (asahi.com 5/22)
【モスクワ=副島英樹】ロシア外務省のネステレンコ情報局長は21日、麻生首相が北方四島の状況を「ロシアによる不法占拠」と述べたことに対し、「容認しがたい」と批判する声明を出した。
 首相は20日の参院予算委員会で「北方四島は一度として外国の領土となったことがない我が国固有の領土。戦後60年以上を経て、今現在もなおロシアによる不法占拠が続いていることは極めて遺憾だ」と語り、日本政府の原則的な立場を強調していた。
 ネステレンコ氏は「不法なことがあるとすれば何の法的根拠もない日本側の要求の方だ」と指摘。「首相の発言は両国の政治対話や、ビザなし交流を含めた政府間協定を実行するための環境づくりにつながらない」と批判した。


麻生の発言が、メドベージェフやプーチンとの最近の交渉や今後の展望を見据えたものなら、それはそれで結構だが、この男に先の展望・戦略があるわけがない。
前後のいきさつは分からないが、ただ普段から思っていたことがついポロッと出ただけだろう。
言わない方がよかった、あるいは言う必要のなかった一言であろう。
恐らくロシアに向けて言ったのではなく、選挙対策として国内向けに言っただけなんだろうが、外国からも聞き耳を立てられているのだ。

上がアホで嘘つきだと、下も嘘つきになる。
「記憶にない」、「認識がない」という逃げ口上は聞き飽きているが、これなどもその類である。
「3.5島返還」発言 谷内政府代表「一切していない」 (asahi.com 5/21)
北方領土交渉をめぐり、谷内正太郎政府代表が21日、参院予算委員会で、毎日新聞に報じられた「3.5島返還」発言を公式に否定した。麻生首相に信頼され、「陰の仕掛け人」として水面下で交渉を進めてきたとみられる谷内氏だが、しばらくは動きにくい状況に追い込まれそうだ。
 谷内氏は民主党の要求に応じ、参考人として予算委に出席。「『個人的に3.5島でもいいのではないかと思っている』というたぐいの発言は一切していない」と述べたうえで、「全体の流れの中で誤解を与える部分もあったかもしれないという反省はある」と一定の非を認めた。

こいつらの逃げ口上に、
「誤解を与えた」というのもある。
誤解を与える話し方しか出来ないやつに外交などやらせるわけにはいかない。
とくにこいつの弁解には念が入っている。
「全体の流れの中で」
「誤解を与える部分」
「あったかもしれない」
「反省はある」

与謝野馨財務大臣もよけいな一言。
こいつもなにか考えている振りをしているだけで、いつもその場の思いつきでしゃべっている。
へんに抽象的、遠回しな表現で聞く者を煙に巻き、一人で悦に入っている。

為替介入、現時点でまったく考えの外=与謝野財務相 (ロイター 5/22)
[東京 22日 ロイター] 与謝野馨財務・金融・経済財政担当相は22日の閣議後の会見で、外国為替市場で円高が進んでいることに対し、政府として為替レートに介入することは現時点で考えていないと語った。
 与謝野財務相は、現在の為替市場の動向について「円高の要因は、まだうまく分析できていない」と指摘。1ドル=94円付近までジリジリと円高が進行しているが、「日本政府として為替レートに介入することは現時点ではまったく考えの外だ」と語った。


為替市場への政府の介入には確かに問題もある。
しかし、与謝野発言はそう言う問題とは別に行われたものである。
とはいえ、わざわざ言わなくてもいいだろうに。
せめて「政府として注視している」、ぐらいにしておけなかったのか。
バカ麻生は「ドル基軸通貨体制の維持」、「ドルの信任」と能天気なことを繰り返している。
しかし、麻生が何を言っても市場は無視を決め込んでいる。
その分与謝野の発言は多少なりとも注目を集めてしまう。

政府の景気対策も輸出企業の落ち込み対策として、電機製品や自動車購入の補助金バラマキに大金をつぎ込もうとしている。
これらの企業の業績落ち込みの一因には為替の円高がある。
せっかく補助金をばらまいても、円高が進めば、その効果なんかあっという間に吹っ飛んでしまう。
早速、反応が……
円、94円台前半=東京市場 5月22日19時1分配信 時事通信
22日の東京外国為替市場の円相場は、前日の海外市場に引き続き、米国債の格下げ懸念から円買い・ドル売りが優勢となって続伸した。午後5時現在は1ドル=94円23-24銭と前日比52銭の円高・ドル安。
 朝方、与謝野馨財務相が「為替介入は現時点では考えの外」と発言したことも円買い・ドル売りを加速させ、一時93円台を付けた。しかし、連休を控えた海外投資家による利益確定売りが圧力となり、一日を通して94円近辺でのもみ合いとなった。
 

経済危機のまっただ中に財務大臣が円高につながる発言をするかね!

つぎは古賀誠選対委員長
古賀誠氏:投票率あまり高くない方がいいと発言 すぐ撤回 (毎日jp 5/19)
自民党の古賀誠選対委員長は19日、BSフジの報道番組に出演し、次期衆院選について「わが党は投票率はあまり高くない方がいいのではないか。最近は高いのはむしろ怖い」と指摘した。
 古賀氏は番組後、記者団に「表現が悪かった。自民支持層を広げる努力が必要だ」と釈明したが、有権者の棄権を期待したかのような発言は、今後批判を招きそうだ。【田所柳子】


こんどの言い訳は、「表現が悪かった」
「表現が悪かった」のではなく、「言わなければよかった」であろう。

投票率、首相は「高いほうがいい」古賀選対委員長に反論
2009年5月20日(水)22:23
 麻生首相は20日夜、自民党の古賀誠選挙対策委員長が次の総選挙の投票率は「あまり高くないほうがいい」と発言したことについて「投票率は高いほうがいい」と反論した。首相官邸で記者団に語った。


麻生も自民党もなかなか大変だ。
麻生の尻を拭ったり、麻生に尻を拭ってもらったり。

考えてみると、自民党は自分の身の丈にあった総理・総裁を選んでいたと言うべきか!





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自民党宣伝広報局”産経”支部・民主党攻撃の一典型

2009-05-21 07:01:02 | 自民党
マスコミは公平中立・不偏不党を旨とすべし、などと言うつもりはない。
マスコミは自分の信念に基づいて、思うところを国民に伝えればよい。
ただしこのような記事を書く以上、御用マスコミとの呼称も甘んじて受ける覚悟は持っていて欲しい。
この産経の記事はひどいが、なに、他も似たりよったりである。

民主で鳩山体制スタート、「小沢氏の影」深刻化 (msn産経ニュース 5/19)

まず見出しからしてすごい。
「小沢氏の影」深刻化

民主党の代表選挙の実施前から、鳩山優勢と書き立て、結果が出る前から、小沢院政だの小沢傀儡だの二重権力だのと思いつく限りの小沢・鳩山攻撃を繰り出していた与党とマスコミ。
「小沢氏の影」とはいうが、この産経の記者にはその影が見えているのか?
しかも「深刻化」!
小沢の代表代行・選挙担当というポストが決まってわずか1日・2日。
それで深刻化?
記者氏は、どこで何を見てきたのか。

 民主党の鳩山由紀夫代表は19日の両院議員総会で岡田克也幹事長、小沢一郎代表代行ら新執行部の承認を得て、鳩山体制が本格始動した。集団指導体制による党運営と、積極的な国会論戦を挑んで政府・与党を揺さぶり「脱小沢」を演出したい考えだ。ただ、同党は小沢氏の定例記者会見を行わない方針を決め、早くも小沢氏の特別待遇ぶりが浮き彫りになっている。鳩山氏は「小沢氏の影」をどこまで払拭(ふっしょく)できるのか。手探りの党運営を強いられそうだ。

”「脱小沢」を演出したい考えだ”

脱小沢を演出したければ、小沢を代表代行などに選ばないんではないか?
院政かどうか、二重構造かどうか。
鳩山体制の実際の行動をみて判断すればいいことではないか。
なにもあわてて「小沢の影」に怯えることはない。
この記者氏には鳩山由紀夫の頭の中はお見通しのようだ。

同党は小沢氏の定例記者会見を行わない方針を決め、早くも小沢氏の特別待遇ぶりが浮き彫りになっている

代表を辞任したんだもの、定例会見ぐらい当分はいいのではないか?
代表代行には菅もいることだし。
だいたい、民主党の定例会見なんてろくに報道したこともないくせに。

鳩山氏は「小沢氏の影」をどこまで払拭(ふっしょく)できるのか

どうやら「小沢氏の影」がはっきり見えているようだが、透視能力を持っているらしいこの記者氏の目からその影とやらが消えることはあるまい。

社会保障政策や財政政策に絡む国会論戦で、党や自身の政策論を政府・与党に提唱すれば、財源問題などの矛盾を突かれ、立ち往生する可能性もある。

民主党攻撃に必ず使われるのが財源問題。
10兆円の国債発行に踏み切っておいて財源、財源と騒ぐな。
民主党だって10兆円の国債発行が使えるのなら、もうそれだけで財源問題は解決してしまう。

岡田氏は19日、都内で開かれた日本労働組合総連合会(連合)との会合で、連合側から「選挙の権限は幹事長が握るべきだ」と指摘された。岡田氏は、「民主党は歴代、幹事長が仕切ってきたという感じが私はない。あまり混乱はない」とかわしたが、連合内に小沢氏への不信感が根強いことをうかがわせた。

自民党では従来の党三役体制が、現在は四役になっている。
幹事長から選挙対策委員長を独立させたものである。
古賀誠のためにわざわざこんな体制にしたのではなかったか?
岡田幹事長と小沢選挙担当の二本立てが何かおかしいのか?

小沢の肩書きは代表代行・選挙担当である。
選挙までのことに過ぎないではないか。
期間限定・分野限定の起用である。
院政だの傀儡だのと騒ぐ必要はあるまい。

国会論戦でつまずき、小沢氏の影響力が強まれば、鳩山氏の求心力が低下するのは必至。鳩山体制は船出から難しいかじ取りを迫られそうだ。

国会論戦でつまずき……(希望的)仮定1
小沢氏の影響力が強まれば……(希望的)仮定2
鳩山氏の求心力が低下する……(希望的)結論

マスコミがこんな報道をするから与党の連中がそれに乗っているのか?
与党側が攻撃するからマスコミがそれに乗っているのか?

有りようは、自民党宣伝広報局”産経”支部。
産経の部分にマスコミ各社の社名を入れれば、国民にもほぼ実態が見えてくるだろう。

マスコミと政府・与党の軌を一にする鳩山・小沢攻撃。
権力への批判精神を喪失したマスコミ。
民主党を攻撃する以外に存在意義を見いだせない政府・与党。

しかも政策での攻撃ではなく、ただ悪口を繰り返すだけの程度の低さである。

政府・与党そして政治家をみれば、この国の水準が分かってしまう。
政治的水準・民主主義の水準ではない。
文化的水準の話である。
当然、マスコミもその国の文化的水準を計る重要な要素である。





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自民党の自己否定・集団自殺か?

2009-05-19 17:24:06 | 麻生太郎
一夜にして鳩山民主党に逆転された麻生自民党の人気。
それでもっていきなり判断停止・脳死状態。
自分たちの言っていることも、その意味するところも、その及ぼすところの影響も何にも考えられない馬鹿集団。
天に唾する愚か者。
自民党総裁と選挙対策委員長が揃ってあげた怪気炎。
集団自殺へ挙党一致か。
対立軸は「自民党」?

「衆院選では『古い自民』との対決をアピール」麻生首相らが一致 (msn産経ニュース 5/19)
麻生太郎首相は18日夜、自民党の古賀誠選対委員長、高村正彦前外相らと都内で会合を開いた。民主党新執行部を「古い自民党」と位置付け、次期衆院選では「新旧自民党の対決」をアピールしていくべきだとの認識で一致した。

 会合では民主党の鳩山由紀夫代表、小沢一郎代表代行、岡田克也幹事長が自民党旧田中派や、その流れをくむ旧竹下派出身であることを念頭に「古い自民党と、新しい自民党を模索してきた今の自民党との戦いだ」などの意見が相次いだ。首相は衆院解散・総選挙の時期には言及しなかった。

この日は首相らがつくる「士志の会」の会合。無所属の平沼赳夫元経済産業相は欠席した。

士志の会……士志の会(ししのかい)は、自民党の古賀誠が麻生太郎、平沼赳夫、高村正彦らに呼びかけて作ったグループ。麻生を除く3名は1980年衆議院選挙初当選の同期である。後に久間章生が参加。

馬鹿麻生の決まり文句に「対立軸を鮮明にして総選挙に臨む」というのがある。
そんなもの既にはっきりしているのだが、バカな麻生にはまったく分からない。
麻生のいう対立軸というのは、麻生の大好きなごくわずかな問題に対する立場の相違をさすに過ぎない。
まずは安全保障問題そして憲法問題そしてとってつけたような消費税。

しかし国民の優先順位は違う。
まず政権交代によって淀んで腐った水を流し去ること。
官僚の握っている権力を国民の手に取り戻すこと。
議員世襲や企業献金・天下り等を制限・禁止して公平な仕組みを作ること。
医療・年金・福祉等の国民生活に直結する問題を国民の利益優先で確立すること等々。

政策の優先順位を含め、何を取り上げるかということ自体が対立軸なのである。

自民党総裁と選挙対策委員長が選んだ対立軸、選挙の争点が「自民党」だとは!
もう少しまじめにやれ。
攻撃目標は自民党田中派。
田中派は悪!
鳩山・岡田・小沢が自民党田中派出身であることを攻撃の中心に据える。
現在の自民党は新しい自民党、鳩山民主党は古い自民党。
新旧の判断基準は田中角栄。

田中派は現在の自民党津島派として存在している。
旧田中派であることが悪であるならば、この連中の立場はどうなるのだ?
津島派所属議員68名。
主な議員、
鳩山邦夫(現総務大臣・津島派会長代行)・久間章生(士志の会メンバー)・石破茂(現農水大臣)・小淵優子(現少子化担当大臣)・笹川堯(現自民党総務会長)・尾辻秀久(現自民党参院議員会長)

田中派出身であることが非難されることであるならば、この連中はどうなる?
心を入れ替えた新自民党議員?
そして鳩山・岡田・小沢らは心を入れ替えていない悪の政党・旧自民党?

一緒に自民党を飛び出した鳩山兄弟の内、兄は戻らなかった悪い奴。
出戻った弟は改心した正しい政治家。
現・津島派に所属する議員は前非を悔いて心をあらためた善良な議員たち。

政府・与党のど真ん中に位置するこれらの田中派系議員のどこが新自民で、鳩山・岡田・小沢たちがなぜ旧自民なのか?

自分たちの過去の政治行動を否定されて、旧田中派系の議員たちはおめおめと麻生の下で生きていられるのか?

「新しい自民党を模索してきた今の自民党」
麻生が「新しい自民党」を模索してきたなどということは聞いたことがない。
具体的に、どこをどう変えようとしてきたのか?
麻生の粗雑な頭では説明のしようもなかろう。

それにしても麻生をはじめとするこの連中にとって、政治とはいったい何なのだ?

政治活動とは?
仲良しで集まって酒を飲むこと。
政策は?
民主党の悪口をいうこと。






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自民党の攻撃カードは小沢のみ+鳩山新体制発足

2009-05-18 07:59:33 | 民主党
とりあえず、鳩山由紀夫が新代表に決まった。
自民党も歓迎しているらしい。
岡田よりも鳩山の方がくみしやすいという受け止め方のようだ。

自民党が握る唯一のカードが小沢献金事件である。
せっかくのカードをむざむざ手放したくない。
小沢辞任によってこのカードが消えてしまう。

幸い鳩山が代表になった。
まだこのカードが使える、と自民党は胸をなで下ろしている。
そして早くもこのカードの利用を始めている。
もちろんマスコミも一緒である。
いわく、小沢院政、小沢の影響力、小沢路線継承、小沢傀儡等々。

【鳩山新代表に思う】政治部長・乾正人 傀儡とは言いたくないが (msn産経ニュース 5/17)
【主張】鳩山新代表 政権担当能力を鍛えよ 「傀儡」批判をどうはね返す (msn産経ニュース 5/17)

自分で”傀儡”と決めつけて、さてその”傀儡”批判をどうはね返す?と尋ねる馬鹿馬鹿しさ。
多分、こんな攻撃がこれから繰り返されるだろう。

二重権力・色付きすぎ… 「小沢傀儡」予想相次ぐ与党 (asahi.com 5/16)
政府・与党からは、小沢前民主党代表を幹事長として支えた鳩山新代表は、小沢氏の「傀儡(かいらい)」になると予測する声が相次いだ。小沢氏の秘書の違法献金事件と絡め、「小沢傀儡」批判を総選挙に向けて展開していく構えだ。

自民党の菅義偉選挙対策副委員長は「小沢さんの思い通りになったんじゃないか。今までは小沢さんの下で一元化された権力がまさに二重権力になる」と指摘。小沢氏が師と仰いだ田中角栄元首相を引き合いに「自民党を離党して無所属でありながら権力を維持した、そんなことになるのでは」と皮肉った。

 同党の古賀誠選挙対策委員長も「岡田さんに比べると鳩山さんの方が影響力が残るのは間違いない」。首相周辺は「(自ら辞任するまで)小沢をおろせなかったことが響いている。頭を代えても世間では通用しない」と指摘した。

 公明党の太田代表は「政治とカネの問題は、体制が変わってもその責めを免れるものではない」と、引き続き違法献金事件で説明を求める考えを示した。


自民党・公明党の鳩山民主党攻撃は一面不安・弱気の裏返しでもある。
麻生の人気回復傾向も”敵失”の効果だけによっている。
麻生が何か評価を上げるようなことをしたわけではない。

平静装う政府・与党「敵失効果薄れる」の声 民主代表に鳩山氏 (NIKKEI NET 5/17)
民主党の新代表に鳩山氏が選ばれたことに、政府・与党は「人が代わった影響は考えていない」(自民党の細田博之幹事長)と表向き平静を装っている。ただ小沢一郎前代表の政治資金問題という「敵失」が薄れ、次期衆院選に向けて与党への追い風は見込みにくくなったとの声は少なくない。

 公明党の太田昭宏代表は「鳩山新代表がどうこうではなく、厳しい衆院選だ。(解散戦略への影響は)全くない」と強調。鳩山氏と同じ北海道選出の町村信孝前官房長官は「小沢氏の事件後も、道内では民主党の政党支持率が落ちていない。自民党に厳しい選挙であることに変わりはない」と語った。自民党の加藤紘一元幹事長は「この1、2カ月の自民党支持率アップは敵失による微温風だった」と振り返った。(02:36)


「敵失」という評価が一般的になっているが、実はこの言葉は適当ではないとわたしは思っている。
これは検察の自民党応援作戦が奏功したものと考えている。
攻撃による得点なのである。
敵失は、繰り返し期待することはできないが、攻撃による得点なら話は違う。
検察・警察・官僚・マスコミ、なんでも動員できる。
一度味を占めた人間は、せっぱ詰まれば何度でも繰り返す。
なにも検察ばかりとは限らない。

このとき、「友愛」の旗印で戦えるのか!
鳩山はまた「凛とした国」とも言っていた。
安倍晋三の「美しい国」とどれだけ違うのか!
そんなものは自宅の床の間にでも飾っておけばいい。

ある番組で鳩山は、自民党へ話し合い解散を提案するかのごとき話をしていた。
ここまで総選挙を延ばされて、党首を罠にはめられて、その上補正予算やら重要法案やらの成立に協力するか。
ここまでずるずるきてしまったのだ。
半月や一月選挙を早めてなんになる。
むしろ選挙を先に延ばしてその間自民党攻撃を展開しろ。
新代表が決まったことで、民主党のイメージが劇的に変わったわけではない。
これで世論の風向きが変わるなどと甘い期待を抱いてはいけない。

守るより攻めろ。
弁解より攻撃である。
攻撃こそが、党内を結束させ、士気を高め、国民の共感を得る最善の道である。


ここまで書いていたところに臨時ニュースが流れた。
鳩山新体制が決まった、というものである。

民主幹事長に岡田氏、小沢前代表は代表代行に (asahi.com 2009年5月17日21時9分)

岡田幹事長はなかなかいい。
しかし、目玉は小沢の選挙担当代表代行だ。
どうやら鳩山は戦う覚悟を決めたように見える。
小沢隠しなどに走らず、”小沢傀儡体制”という攻撃に立ち向かう決意の表明であろう。
戦う鳩山、菅・小沢そして岡田。

眺めてみると、自民党よりはるかに人材が揃っているではないか。
小沢を従えた鳩山体制。
政権交代から更に進んで官僚政治打破まで期待できそうである。

代表選挙におけるモヤモヤが一気に晴れた。

「比例は民主」38%に回復 朝日新聞緊急世論調査 (asahi.com 2009年5月17日22時52分)

新人事発表前でこの数字である。
鳩山当選後の調査であるから小沢問題は織り込み済みである。
自民党の”小沢傀儡体制”という批判は激しくなるかもしれないが、迫力のないものになるだろう。
自民党にはもう他に民主党攻撃のカードは残されていない。

民主党は一気に攻勢に転じなければならない。
自民党がいくら逃げ回っても、3ヶ月しかないのだ。
あわてて解散に持ち込むことはない。
徹底的に追いつめろ。
麻生が逃げれば逃げるほど、自民党の敗戦の規模は大きくなる。





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任命責任と説明責任・麻生と小沢

2009-05-16 18:44:25 | 政治
二つの「責任」が永田町やマスコミを賑わせている。
任命責任と説明責任。
任命責任は鴻池官房副長官についての麻生の責任問題。
説明責任は小沢の西松献金事件に関してのもの。

まず任命責任について。
経過を整理してみよう。

2009/05/13 00:50 【共同通信】(47ニュース)
鴻池官房副長官が辞任へ 女性問題報道で引責、政権に打撃
鴻池祥肇官房副長官(68)は12日夜、「週刊新潮」(13日発売)に知人女性との宿泊旅行が報じられることを踏まえ、引責辞任する意向を固めた。与党幹部が明らかにした。麻生太郎首相は後任に浅野勝人参院議員を充てる方針。政府関係者によると、体調不良も辞任理由に含まれるという。


12日夜には既に、鴻池官房副長官の辞任が決定。
後任も決定。
辞任理由には”体調不良”も含まれる?

5月13日12時32分配信 時事通信
繰り返し「健康上の理由」=鴻池氏辞任に歯切れ悪く-河村官房長官
「昨夜、都内の病院に入院されているので、(辞任は)健康上の理由であり、はっきりしている」。週刊誌で女性問題が報じられ、官房副長官を辞任した鴻池祥肇参院議員。本人不在のまま、河村建夫官房長官は13日午前の会見で、何度も「健康上の理由」を繰り返し、苦渋に満ちた表情を浮かべた。
 質疑で辞任理由を問われた官房長官は、鴻池氏が先月も検査入院していた事実を挙げ、「引責」を重ねて否定した。
 記者からは「女性問題ではないのか」「JRパスを使ったのか」「政治家としての倫理上の問題は」などと矢継ぎ早に質問が飛んだが、官房長官は「承知していない」「(入院で)事実関係を確認できていない」と逃げ、「政治家、政府高官は高い倫理が求められており、不審を持たれてはならない」と応えるのが精いっぱいだった。


一夜明けて河村官房長官が鴻池官房副長官の辞任を発表。
理由は、「健康上の理由」一本で押し通したようだ。
女性問題もJRパス問題も「承知していない」、「確認できていない」
官房長官は官房副長官の直接の上司である。
それが事実確認もせずに、健康問題という本人の言をそのまま信じた?
まさか本気で信じたわけではあるまいから、表面上はそれで押し通すという方針だったのだろう。
嘘でもなんでも通してしまえ、という乱暴さ。

鴻池氏をかばう発言を繰り返す一方、同氏の説明責任については「本人の責任において対応していただきたい」と突き放した。
 また麻生太郎首相の任命責任も問われ、「(鴻池氏)本人も不徳の致すところと言っているので、首相の任命責任は免れ得ないと率直に申し上げる」と語った。
 

説明責任は鴻池本人に押しつけてお終い。
しかし、「健康上の理由」がなんで「不徳の致すところ」になるのか?
病気が不徳の致すところなら、入院してどんな治療を受けているのだ?

「首相の任命責任は免れ得ないと率直に申し上げる」
と言っているが、ホントにそう麻生に言ってやったのか?

さてその日の夕方
5月13日午後6時31分~
鴻池氏辞任「健康まで任命責任になるかどうかよく分かりかねます」 (毎日JP)
任命責任については、健康上というのに関しましては、健康上というんであれば、その件に関しましては、うん、健康までちょっと任命責任になるかどうかよく分かりかねます。


任命責任などどこ吹く風といったあんばい。
河村はちゃんと言ったのか?

翌日、午前
鴻池官房副長官辞任:「首相には任命責任」--河村官房長官 (毎日JP 5/14)
河村建夫官房長官は14日午前の記者会見で、女性問題で辞任した鴻池祥肇前官房副長官の任命責任を麻生太郎首相が認めなかったことに関し「任命権者には任命した以上、絶えず任命責任が伴う」と強調した。


ちゃんと昨日のうちに言っておかないから麻生が馬鹿なことを言う。

そのうえで鴻池氏が辞任の理由を「健康問題」とした点について「健康管理(の問題)なら、直属の上司である私の責任問題だ」と語った。

「健康問題なら、直属の上司である私の責任問題」かも知れないが、実際は女性問題とJRパスの問題である。
そしたらなおさら直属の上司たる官房長官には監督責任があるのではないか?
この記事の文章からだけでは言いたいことの意味がよく分からん。
結局河村官房長官は自分の責任は認めていないらしい。
いずれにせよ、麻生には任命責任があるといっているのだろう。

そしてその日の夕方、河村に言われたからか麻生も渋々責任を認めた。

5月14日午後6時36分~
JRパス目的外使用「こういうことしちゃいかん」 (毎日JP)

Q:自らのご責任については。

A:任命責任ですか? その点については僕はあの、いろいろな方々の発言やら何やら、これまで辞めていかれた方々に対して任命者、任命者としてははなはだ残念、任命責任はすべてあるとずっとこれまで申し上げてきておりますんで、このことに関しても例外ではありません。


で?

一人ぐらいいないのか。
麻生に向かって尋ねる奴は。
「それで総理はどう責任をおとりになるんですか」

責任がある、と認めたらその責任は取らなければなるまい。
辞表を受け取っただけでは任命責任をとったことにはならない。
本人を国民の前に引っ張り出して、国民に対してお詫びを言わせる。
辞表を受け取るのではなく、罷免に切り替える。
麻生自身も国民にお詫びする。
そして、総理大臣を辞する。
それでほんとうに責任を取ったことになる。

後任の官房副長官に浅野勝人氏
5月13日12時55分配信 時事通信

政府は13日、持ち回り閣議を開き、辞任した鴻池祥肇官房副長官の後任に自民党の浅野勝人参院議員を決めた。同日夜に皇居で認証式を行う。


慣れているせいか、手際だけはいい。
それにしても12日には、すべて承知の上で後任まで決めておいて、「事実を承知しておりませんので」と繰り返してきた麻生は、国民に対してなぜ嘘をついたのか、しっかり説明する責任がある。

麻生は以下の点において責任がある。

二度も女性問題を起こした鴻池官房副長官に対する監督責任。
そのような男を重要ポストにつけてしまった任命責任。
国民に対して嘘をついたことに対する説明責任。

そして自分は一切責任を取らないことに対する説明責任。


説明責任ということでは、小沢に向けられた「説明責任」の大合唱。

長くなってしまったので結論だけ。

小沢に説明責任はない!
小沢は違法行為をしていない、と主張している。
であるならば、説明責任は検察の側にある。





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小沢一郎の存在感と麻生太郎の不誠実

2009-05-14 07:46:04 | 民主党
さて、辞められてみると置き場所に困る漬け物石。
重しにはピッタリだが、ほかには使い道がない。
本人が時限爆弾のようなものだから、うっかりその辺に転がしておくわけにもいかない。

能力・経験もあり、党内を抑える重みもあり、外に対してもにらみが利く。
トップに据えておけばその力を十分に発揮するが、それ以外の場所では自身をもてあまし、回りももてあます厄介な存在。

その小沢の後継代表選びはどうやら鳩山・岡田の一騎打ちになるらしい。
去年の自民党総裁選の茶番劇とは違って、こちらは多少明るさに欠けるきらいがある。
報道によると、小沢は鳩山を後継に据えたがっているらしい。
鳩山も大分戦う姿勢が身に付いてきている。
鳩山ならば小沢も納得するらしい。
ただし問題がないわけではない。
鳩山は「幹事長は代表と一蓮托生。小沢辞任となれば自分も身を引く」と明言していた。
幹事長を辞めても、代表選立候補では身を引いたことにはならないだろう。
周囲から、是非にと推されて立候補という形にしたいのだろうが、やや無理がある。
小沢院政とか新鮮味に欠けるというような批判はなんとでも克服できるだろうが……。

では岡田は?
やはり不安が残る。
小沢を使いこなせるか?
爆弾を破裂させずに置いておけるか。
なにより官僚とどこまで戦えるのか。

書かずもがなのことを書いてしまった。
しかし、とりあえずは政権交代だけはどうしても実現させたい。
民主党にはがんばって貰うしかない。

マスコミも民主党の代表選を盛んにとりあげているが、たいていの報道は悪意に満ちている。

「剛腕小沢」復活 「お前ら言うことを聞け!」 (asahi.com 5/13)

「3年間、ふつつかな私にご協力、ご支援いただき心から感謝を申し上げる」
 12日午前の民主党役員会・常任幹事会。小沢氏がしおらしかったのは、辞任あいさつぐらいだった。
 代表職の重圧から解き放たれたのだろうか。「剛腕小沢」が突如、復活した。
 複数の出席者によると、小沢氏は4人の役員をにらみつけた。一人ひとり指さし、こうまくし立てたという。
 「福山、長妻、安住、野田、この4人組。お前らいっつも反対反対と。最後くらい言うことを聞け!」
(中略)
小沢氏の「毒舌」は、終わらなかった。ベテラン参院議員の北沢俊美副代表が「(現職ではない)立候補予定者にも選挙権を与えるべきだ」と主張すると、小沢氏はこう吐き捨てた。「北沢先生のご発言とも思えない」
 了承を求められて、自ら「異議なし!」と大声をあげる場面もあったという。


朝日にして、このひどさである。
これからもこんな報道が新聞・テレビを問わず流されるだろう。
試されるのは、民主党ばかりではない。
国民・有権者もまた試されるのだ、と言えるだろう。

民主党には世論を気に懸け、世論に迎合するのではなく、世論を作り出すアグレッシブな姿勢を求めたい。

一方、麻生太郎の軽さ、不誠実さには目を覆いたくなる。

鴻池氏の女性問題「事実関係知りません」13日の首相 (asahi.com 5/13)
【鴻池官房副長官辞任】

 ――週刊誌に女性問題を報じられた鴻池官房副長官が、健康上の理由として辞任した。総理の受け止めを。

 「えーっと、今朝でしたかね、あのー、官房長官経由で辞任の申し出がありましたんで、健康上ということでも、もう入院もしておられるという話だったんで、やむを得ないと思いましたけども」


官房副長官といえば政府の中核。まして麻生とは政界入りの前からの盟友という。
それが入院と言ったら、普通病状を尋ねるのが人情というものだろう。
入院と聞いただけで「やむを得ない」で終わりにするか!

――鴻池副長官は以前、1月にも、同じ女性との関係を報じられているが、内閣を支える立場の鴻池副長官が、再び女性問題で報じられたことについて、政権に与える影響についてどう考えか。

 「あのー、事実関係を知りませんので、そのことに関しては、何とも申し上げようがありません。今回の場合は、健康の理由でしたし、この前のときも、えーっと、病院に入院して来てましたんで、あのー、あんまり良くないとは知ってましたから」


麻生が”事実関係”を知らない、などということを信じる人間は一人もいない。

「あのー、あんまり良くないとは知っていましたが」

良くない、というのは体調のことなんだろうが、女を連れて二泊三日のゴルフ旅行をする奴が体調が良くない?
見え透いたことをヌケヌケというわ!
恥を知れ!

――鴻池副長官は私的な旅行にもかかわらず、公務用に支給されているJRの無料パスを使用したことについても、与党内からも「道義的な責任がある」と厳しい指摘も挙がっている。総理は自身の任命責任についてどう考えか。

 「あのー、いまのJRの話については、その事実関係を知りませんので、何とも答えようがありませんが、少なくとも、そういったようなことに関しては、間違われるとか、誤解をうむような、うむとか、そういった不信感を買わないようにしておくというのは、大事なことだと思っております。任命責任については、健康上というのに関しては、健康上というんであれば、その件に関しましては、うん、健康までちょっと任命責任なのかわかりません」


「間違われるとか、誤解をうむような、うむとか、そういった不信感を買わないようにしておく」
誤解?
だれが何をどう誤解するというのか!
口から出任せの言い抜けはいい加減にしろ!
国民に対して、お前たちの得意な「説明責任」というのをしっかり果たせ!

「うん、健康までちょっと任命責任なのかわかりません」

盗っ人猛々しい。
国民を舐めきっている。
誠実さのかけらもない。

思えば、こんな馬鹿を引きずり下ろせなかった民主党にも腹が立つ。






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正論と現実論・民主党は賢明な選択をしたのか?

2009-05-12 08:13:53 | 民主党
小沢一郎が代表辞任を発表した。
しかし、民主党は愚かな選択をしてしまったのではないか。
辞任の決断は小沢自身がしたものとはいえ、民主党の党内世論が小沢を追いつめたのは確かであろう。
マスコミの報道に踊らされた無邪気な民主党議員たちの狼狽が、この事態を招いてしまった。
まんまと検察の思惑に乗ってしまった愚か者たち。
検察をはじめとして霞ヶ関の官僚たちも政権交代は仕方がないと、半ばは覚悟していたことだろう。
だが、小沢だけは潰しておこう。その上での政権交代なら怖くはない、というのが本音だったと思う。
民主党の議員たちも小沢が違法行為をしたと本気で思っているものは少ないだろう。
あるいは検察が公平な捜査をしていると考える者は皆無であろう。
検察の国策捜査だと考えているものが大多数であると思う。
それがマスコミの世論調査やタレント評論家たちの声におびえて小沢降ろしに走ってしまった。
そんな民主党など怖くも何ともない。
そんな連中、いつでもつぶせる。

検察の暴力的な捜査を思えば徹底的に戦うのが民主党のとるべき道であったろう。
しかし、民主党は検察とマスコミの共同戦線の前に戦わずにして敗北してしまった。
不公平な検察と戦うべきという正論が、小沢辞任を要求する世論という現実に負けたということになる。
なにより、検察との対決という正論そのものが、民主党内で盛り上がることはなかった。

小沢の目指す政権交代の先に何が待っていたか?
官僚政治の打破であった。
しかし小沢辞任で民主党はその戦いの指揮官を失ってしまったのだ。
戦う相手を間違えた民主党。
戦わずして敗北してしまった民主党。
たとえ政権を握ったとしても、ちょっと揺さぶればガタガタになる、ということが証明されてしまった。

小沢攻撃に飛び交った言葉に「説明責任」がある。
便利至極な言葉である。
小沢がどれだけ説明しても、「まだ十分ではない」と返す。
何を説明しろというのか。
違法行為があったのか。
手続きが適法であったのか。
説明はこれについてのみで十分なはずである。
大久保秘書への容疑は、政治資金の虚偽記載だけである。
小沢はそれに対してのみ釈明すればいいことである。
それ以外の点についての批判は、便乗批判である。
辞任表明後も未だに「説明責任」という言葉が飛び交っている。
「何故辞任するのかと言う点についての説明が十分でない」というものまである。

小沢辞任によって、得るものもあるだろうが、失うものも大きいということを民主党は自覚する必要があろう。
そして失うものは、民主党に期待をかけていた人たちのうちの良質な部分であることも自覚する必要があるだろう。


小沢代表続投「納得できない」71%に増加…読売世論調査 (YOMIURI ONLINE 5/10)
読売新聞社が8~10日に実施した電話方式の全国世論調査によると、民主党の小沢代表が公設秘書の起訴後も続投していることに「納得できない」という人は71%で、「納得できる」22%を大きく上回った。


できることなら、納得できない理由も聞いて欲しかった。

政党支持率は自民26・8%(前回27・2%)、民主23・4%(同24・2%)だった。ただ、次期衆院比例選での投票先を聞くと、自民は27%(同28%)で、依然として民主30%(同31%)に後れを取っている。

民主党への政党支持率はほとんど落ちていない。
なにも浮き足立つ必要はないのだが……。





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検察の暴走・法務官僚の特異性+裁判員制度

2009-05-07 11:15:43 | 官僚
なぜ検察は暴走するのか?
なぜ検察の暴走は止められないのか?

民主党小沢代表の秘書が逮捕されて二ヶ月がたつ。
今では事件そのものに関する報道はほとんどなくなり、ただ国民の間に、「小沢は説明責任を果たしていない」、「小沢は辞任すべきだ」という漠然とした印象だけが残されている。
あの洪水のような情報リークは何だったのだろうか。

西松建設の国沢前社長、6月19日に初公判  (NIKKEI NET 4/29))

西松建設の巨額献金事件で、政治資金規正法違反などの罪に問われた同社前社長、国沢幹雄被告(70)の初公判が6月19日に東京地裁で開かれる予定であることが28日、同社関係者の話で分かった。外為法違反の罪に問われた元副社長、藤巻恵次被告(68)の初公判と併合して行われるという。

 民主党の小沢一郎代表の公設第一秘書、大久保隆規被告(47)=政治資金規正法違反罪で起訴=の公判は分離して行われる見通し。


小沢代表の秘書大久保隆規さんは未だに拘置されたままである。
保釈申請は却下されたという。
却下は裁判所の決定であるが、実質的には検察庁の拒否にあったものであろう。
裁判所は検察の反対があるときは、まず保釈を承認しないという。

証拠隠滅の恐れはない。
(すでに検察は広範囲に家宅捜査を実施、山ほど資料を押収している)
逃亡の恐れもない。
自殺の恐れもない。
(小沢の聴取も逮捕もない。命をかけてまで小沢を庇う必要はない)
恐れがあるとすれば、大久保さんにしゃべられることぐらいである。
検察がいかにデタラメな情報をリークしていたか。
マスコミがいかにデタラメな情報を垂れ流していたか。
検察もマスコミも大久保さんの拘置が続いていることに関しては、まったく触れないでいる。

今回の大久保秘書逮捕が検察による、いわゆる国策捜査であることには疑いがない。
その理由については、わたしもなんどか書いてきたし、綿密な検証をしている人たちも多くいるので、今ここでは触れない。

ここで取り上げたいのは、これほどあからさまな国策捜査がなぜできたのかということである。
なぜだれも止められなかったのか、と言ってもいい。

それには他省庁とは異なった、法務省特有のキャリアシステム、役人の序列があると思われる。
各省庁における役人の最高職位は事務次官である。
国家公務員の定年は特殊な専門職を除いては60歳であるが、役人のトップである事務次官だけは62歳である。
ところが法務省は例外である。
検察庁は法務省の外局という位置づけである。
しかし、法務省での最高ランクは検事総長である。
事務次官ではないのである。
事務次官は2番目でさえもない。
事務次官の上には更に八つの高等検察庁の検事長がいる。
そして次長検事(副検事総長ともいうべき地位である。)という職がある。
これらの職階は事務次官より上とされている。
他の省庁であれば、事務次官が上がりの地位であるが、法務省ではそれからまだ先があるのである。
(外務省などはやや似たところがある)
検事総長の定年は65歳である。
つまり、事務次官は検事総長、検事長の下位の役職であるし、後輩でもある。
これでは法務省の役人や事務次官が検察を抑えることなどできるはずもない。
検察を抑えることが出来るのは法務大臣そして内閣総理大臣だけなのである。

しかし、法務大臣が検察の捜査に口を挟むことは表向きまずないと言っていいだろう。
「指揮権発動」との非難は浴びたくない。
内閣総理大臣も同じである。

検察庁は法務省の外局であるとはいえ、れっきとした行政機関である。
法務省にはもちろん公務員Ⅰ種試験合格者いわゆるキャリア官僚がいる。
ところが法務省では彼等より、検事の方がエリートコースであるという。
そしてエリート検事は検察庁と法務省を言ったり来たりしてキャリアを積んでいく。
検事に任官しても、検事だけを経験していくのではなく、法務省官僚としても経験を積んだ正真正銘のキャリア公務員なのである。

たとえば現検事総長の樋渡利秋という人物の経歴。
1968年、東京大学法学部卒業
1970年、司法修習修了(22期)と同時に検事に任官。
その後、東京地方検察庁特別捜査部、法務省官房審議官、大分地方検察庁検事正、司法制度改革審議会事務局長、最高検察庁総務部長、法務省刑事局長などを歴任。
2002年、法務事務次官に就任。
2004年、広島高等検察庁検事長に就任。
2006年、東京高等検察庁検事長に就任。
2008年7月1日、第24代最高検察庁検事総長に就任。


こころみに直近事務次官経験者5人をみてみよう。
原田明夫 - 検事総長
松尾邦弘 - 検事総長
但木敬一 - 検事総長
樋渡利秋 - 検事総長
大林宏 - 東京高等検察庁検事長


いずれも検事総長が最終ポストとなっている。
大林宏氏は検事総長への途中の段階にある。
東京高検検事長というのは実質ナンバー2の地位である。

そして65歳の定年後でさえも彼等には待っていてくれるものがある。

元検事総長 天下り先の一部 (ウィキペディアより)
松尾邦弘 トヨタ自動車
原田明夫 住友商事、資生堂、セイコーホールディングス、三菱UFJフィナンシャル・グループ 等
北島敬介 大和証券グループ、日本郵船 等
土肥孝治 関西テレビ、阪急電鉄、小松製作所、積水ハウス、関西電力 等
吉永祐介 東京海上火災保険、大丸、ベネッセ、出版社エスビービー(高額書籍を脅しまがいの手法で販売) 等
岡村泰孝  トヨタ自動車、三井物産 等
前田宏  日本テレビ放送網、住友商事 等


さながら一流企業の用心棒である。
しかしこのようなシステムはおかしくはないか!
なぜ法律の専門家たるべき検事が法務省内で行政経験を積まなければならないのか?
なぜ検事総長が法務事務次官を経験する必要があるのか?
いったい検事の仕事とは何なのか?

実態は、検察省法務庁というところである。
検察の政治的中立性というのは幻想に過ぎない、ということをわたしたちははっきりと認識する必要があるのではないか!

検事は検事としての職責を全うすればよい。
検事が行政にかかわる必要などない。
もともと検事は検事として採用されている。
検事に求められるのは行政能力ではない。
法律に関する知識と法律によって社会正義を維持しようという正義感であろう。
……しかし独りよがりの正義感、身内だけに通用する正義感というのはなお一層困ったことになるのだが……。

法務省と検察庁とのあるべき関係について根本から考え直す必要があるのではなかろうか。

裁判員制度に関して

去年最高裁判所長官人事があった。
最高裁長官に竹崎氏 14人抜き、裁判員制度導入を推進 (asahi.com 2008/10/29)
政府は28日、11月21日に定年を迎える島田仁郎(にろう)・最高裁長官(69)の後任となる第17代長官に、竹崎博允(ひろのぶ)・東京高裁長官(64)を起用する方針を固めた。島田長官が近く、麻生首相と会い、了承を得たうえで、今週にも閣議決定される見通しだ。
 最高裁長官は、現職の最高裁判事の中から選ばれることが続いており、最高裁判事を経ずに長官になるのは1960年に就任した横田喜三郎・第3代長官以来、48年ぶり。現役の14人を飛び越す、異例の人事となった。現職の判事と比べると、9月に就任した行政官出身の桜井龍子判事(61)に続く若さとなる。
 竹崎氏は来年5月に始まる裁判員制度の導入に向けて、積極的にリードしてきた。最高裁長官に起用するのは、刑事裁判の大変革となる制度が始まるにあたって、経験や手腕を生かした強力な指導力に期待したためとみられる。竹崎氏が70歳の定年まで長官を務めた場合、任期は約5年8カ月となるため、司法のトップが長期にわたって安定することも考慮した模様だ。

竹崎博允(ひろのぶ)
1944年、岡山県出身。主に刑事裁判畑を歩む。また、最高裁判所事務総局勤務も長く、司法行政経験が豊富である。2008年11月25日、東京高等裁判所長官から、最高裁判所判事を飛び越えて第17代最高裁判所長官に就任した。最高裁判事を経験せずに就任した最高裁長官は横田喜三郎以来、48年ぶりであった。任期は2014年までになる見込みである。第二小法廷所属[1]。(ウィキペディアより)


司法行政経験が豊富?
わたしたちが最高裁長官に望むものそんなものではないはずだ。

ところで検事総長樋渡利秋について、
司法制度改革審議会事務局長、という地位にあったことを思い出して欲しい。

【人】第24代検事総長に就任した樋渡利秋さん (msn産経ニュース 2008.7.1)

(抜粋)
司法制度改革審議会の事務局長として、裁判員制度の創設に尽力。その経験から、来年5月に始まる新制度への思いは尽きない。審議会では学者や弁護士らのかんかんがくがくの議論を見守り、「風通しが良くなるよう、仲介の労は取った。実りのある意見を出してもらった委員の方に感謝している」。
 一方で、当時、反対意見の根強かった検察内部では、「国民のための司法改革。プロは好き嫌いを言ってはいけない」と主張し、改革を後押ししてきた。


裁判員制度の強力な推進者であった。
反対意見を「好き嫌い」の問題と片付ける強引さ。
最高裁長官と検事総長。
二人とも裁判員制度導入の中心人物である。
そして二人とも、法律一筋というような人間ではなく、行政的側面に豊富な経験を持つ人物である。

最高裁判所にしろ、検察庁にしろ、純粋に法律的判断ではなく、行政的判断を色濃く帯びている、ということもまたわたしたちは強く認識する必要がある。





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自民党政治に異議・茨城県医師会+麻生と茨城県連との親密な関係

2009-05-04 09:07:25 | 自民党
戦後自民党政治を支えてきたのが、票と金。
その票と金を企業とともに支えてきたのが業界団体である。
ありとあらゆる業界が団体を作り、票と金の両面から自民党政治を支えてきた。
その自民党支持の最も強固な業界団体の一つが日本医師会である。
しかし、今その一角が崩れようとしている。

自民党相手に一歩も引かずに自分たちの主張を続ける茨城県医師会。

後期高齢者健康保険制度反対表明
次回総選挙において民主党候補支持表明
定額給付金を民主党に寄付を表明
次回県知事選に自民党候補ではなく現知事支持を決定

そしてついに対立はのっぴきならぬところまで進んできたようだ。

わたしは気づかずにいたのですが、国会傍聴記by下町の太陽・宮崎信行さんのブログで取り上げていました。
平成の赤ヒゲ・原中先生に「除名」を突きつけた自民党を日本から除名しよう!

前回千葉と茨城・二つの県知事選の意味するもの 4/10を投稿したときから続きを書こうと思っていたので、この機会にそれを果たすことにします。

この対立は保守王国と言われ、自民党政治の象徴とも思われる茨城で起きた点で特に注目されます。

県医師会長に自民離党勧告 (YOMIURI ONLINE 5/2)
反党行為へ「絶縁宣言」
 自民党県連は1日、県医師会の原中勝征会長に、離党勧告することを決めた。次期衆院選で民主党候補支持を表明したり、今秋の知事選で橋本知事に出馬要請するなど、「反自民」を鮮明にしていたことに対する「絶縁宣言」とも言え、両者の関係は修復不可能となった。


県医師会会長一人の問題なのか?
これまでの県医師会の行動は会長個人の問題だと自民県連は考えているのか?
それとも一罰百戒、見せしめのつもりか!
医師会の決定は、医師会会員の総意であろう。

すでに同県医師会が民主党候補支持を打ち出したことを報じた産経(2008.9.18 )は、「全国2位の党員数を誇る保守王国で発生した有力支持団体の離反」と記している。
保守王国・茨城で起きている新しい動きについて、自民党は反省もなければ自己批判もない。

 県連は4月24日に党紀委員会を開き、処分を検討した。〈1〉原中会長が委員長を務める県医師会の政治団体「県医師連盟」が衆院選で県内全7選挙区の民主党候補を推薦した〈2〉知事選で自民党が推薦する小幡政人・元国土交通次官を支援せず、橋本知事に出馬を要請した〈3〉小幡氏擁立の手続きについて県連執行部を批判した――ことなどを問題視する意見が相次ぎ、「反党行動と指摘せざるを得ない」として離党勧告処分とすることを決めた。

特に今回わたしが問題にしたかったのは(3)小幡氏擁立の手続きについて県連執行部を批判した、という件である。
ことの発端はこれ↓
茨城知事選 元国交省次官の小幡氏擁立で調整 自民県連 (msn産経ニュース 2008.5.13)
来秋の茨城県知事選をめぐり、自民党県連(山口武平会長)が元国土交通省事務次官の小幡政人氏(63)=同県土浦市出身=の擁立を軸に候補者調整を進めていることが12日、分かった。党本部も小幡氏の擁立を容認、県連と連携して環境整備を急いでいる。現職の橋本昌知事(62)は現在4期目で、次期知事選への態度は明らかにしていないが、県連は小幡氏を橋本氏の後継と位置づけたい考え。今後、知事選に向けた各党・各団体の候補者選定が本格化しそうだ。
小幡氏は土浦一高から東大を卒業後、昭和43年に旧運輸省入り。鉄道局長、官房長などを経て平成13年7月から14年7月まで国土交通省事務次官を務めた。16年11月から今年3月末まで鉄道建設・運輸施設整備支援機構理事長を務めている。


ところが県医師会は
’09知事選:県医師連盟、橋本知事に出馬要請 自民県連に改めて反旗 /茨城 (毎日jp 2009.4.1)
(一部抜粋)
後期高齢者医療制度など与党の医療政策に反対する県医師連盟は、従来の自民党支持の方針から一転、次期衆院選で県内全7小選挙区で民主党の立候補予定者を推薦している。会員は約1350人。橋本知事支援は3月17日にあった常任委員会で満場一致で決定した。
また、原中委員長は自民党県連の候補者選定過程について「有力者が指名して、追従したということに疑問を持ったのも事実だ」と話し、山口武平県連会長主導で小幡氏擁立が決まったとされる点に不満を漏らした。離党の意思を問われると「考えなくてはいけない時期かもしれない」と述べた。一方、県連幹部は「事実は確認していないが、非常に迷惑で困った話だ」と吐き捨てた。


問題に入る前に、ここにも注目していただきたい。
「橋本知事支援は3月17日にあった常任委員会で満場一致で決定した」
決して原中会長の一存とか強引なリードなどというものではなさそうである。

さて今回の処分理由のうちの
(3)小幡氏擁立の手続きについて県連執行部を批判した、
というのは、記事のこの部分のことであろう↓
「有力者が指名して、追従したということに疑問を持ったのも事実だ」と話し、山口武平県連会長主導で小幡氏擁立が決まったとされる点に不満を漏らした。

注目していただきたいのは、この山口武平県連会長という人物。
まさに戦後自民党政治の権化あるいは象徴と言ってよい存在である。

(ウィキペディア中心に)
1921年5月19日生まれのあと半月で88歳。既に米寿。
1955年に茨城県議会議員選挙に初当選。同期に梶山静六。
梶山静六が自民党総裁選に立候補したとき、同県出身の国会議員は他の候補を応援したが麻生太郎は梶山を支持、選対責任者の一人として貢献。梶山と山口武平は盟友関係にあった。以後麻生と同県連は蜜月状態が続いている。去年の自民党総裁選で最後まで党員投票を渋っていたのが茨城県連。初めから麻生に3票いれるつもりだった。
自民、全都道府県で党員投票実施へ…茨城県連も方針転換 (YOMIURI ONLINE 2008年9月6日)
自民党総裁選で、全国の47都道府県連が党員投票を実施する方針であることが5日、読売新聞社の調査で分かった。唯一、党員投票を行わないとしていた茨城県連が5日、実施する方針に転換した)


1966年に県議会議長選出をめぐる茨城県議会黒い霧事件で起訴され、最高裁まで争うが執行猶予つき有罪判決を受けた。

1989年に自民党県連幹事長から県連会長になる。自身の県議選には平沼赳夫や麻生太郎らが駆けつけ「全国の県議のなかで一番中央に顔が効くのはこの山口さん」と言い、小泉純一郎総理訪朝の際には前夜に電話を通じて会談するなど、国会議員の地位にはないものの、全国有数の勢力を誇る県議会自民党を背景に茨城県政はおろか国政にまで影響を及ぼしている。陳情の際は、国会議員より上座に座るという。2005年10月2日に県議会議員50年在職表彰を受けた。平成18年第1回定例会における前議長辞職に伴う議長選で、二度目となる第97代議長に就任。また、地方の代表としての三位一体の改革での政府との交渉役として、全国都道府県議会議長会で第60代会長に就任した。85歳での会長就任は同会史上最高齢である。


未だに自民党茨城県連会長の座にあり、頭脳明晰、記憶力に衰えもなく、絶対的な権力を振るっているという。

麻生太郎との関係ではこんな記事もあった。

冗談じゃない?「あと20年、総理できるかな」 (asahi.com 2009年1月15日)
「あと20年、総理が出来るかな」――。麻生首相は14日、5月に米寿を迎える昵懇(じっこん)の山口武平自民党茨城県連会長を祝うため、東京・赤坂の料亭で同県連関係者らと会い、内閣支持率が低下する中、あえて強気の「冗談」を放って会場に爆笑を誘った。

 米寿を祝う会は、首相側からの呼びかけで実現した。出席者によると、「20年」発言には、68歳の首相が山口会長にあやかり、米寿でも現役を続けていたいとの願いが込められていたという。

 山口会長を始めとする同県連は、総裁候補のころから熱烈に支援。祝う会で同県連幹部が「(定額給付金などに)マスコミは批判的だが、国民の期待は麻生総理……」などと励ますと、首相は終始、にこやかだったという。

 会合は午後6時に始まり、同県連は当初、麻生首相が短時間しか同席できないと見ていたが、首相は午後7時12分に到着すると、午後8時半の散会まで長居した。


それこそ「冗談でない」
麻生にあと20年ものさばられたらこの国は一体どうなる?

迷走・麻生政権 今秋の茨城県知事選にも影落とす (msn産経ニュース 2009.2.19 )
昨年8月25日、水戸市内のホテルで開かれた自民県連の研修会。麻生氏(当時・自民党幹事長)の基調講演に続いて、県連が白羽の矢を立てた“知事候補”が壇上に立った。

 「可能性を秘めた茨城の発展のため全力を尽くしたい」。この場で知事選への意欲を語ったのは、元国土交通省事務次官の小幡政人(おばた・まさと)氏(63)。小幡氏はこの日、ホテル内で県連の山口武平会長を交えて麻生氏と懇談。研修会はくしくも、当時の「首相候補」と県連の推す「知事候補」との橋渡しの舞台となった。


自民党県連のドンと麻生自民党幹事長(現総裁)とで早々と候補者を決定。
現知事橋本昌の意向も確かめずに小幡擁立を進めたことが、知事選の行方を混沌とさせ、今回の医師会の抵抗を呼んでいるのだが、麻生・山口たちが自分たちの非を認めることは決してあるまい。

茨城県医師会の行動は、単に自民党との対立というだけではなく、戦後の我が国の”政治風土”・”自民党的なるもの”に対する鋭いアンチテーゼとして屹立するものである。





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日本の特権階級・天下りと世襲(Ⅰ)

2009-05-02 06:39:24 | 政治
「民主主義国家」、「法治国家」、そして憲法で「法の下の平等」をうたっている現在の我が国。
しかし、法をかいくぐって特権を享受しているものたちがいる。
世襲議員とキャリア官僚である。

国家公務員「肩たたき」年齢上がる、平均2~5歳 (asahi.com 4/30)
「肩たたき」で退職する国家公務員の年齢は平均2~5歳程度上がっていることが、総務省が28日公表した「早期退職慣行の是正」をめぐる各省庁の取り組み状況で分かった。

 総務省などが、国の15機関の取り組み状況をまとめた。それによると、01年度時点では12機関で平均退職年齢が55歳を下回っていたが、08年度はいずれも55歳を超えた。

 08年度で最も退職年齢が遅いのは防衛省の58.8歳で、環境省と金融庁の58.0歳が続く。逆に最も早く退職するのは経済産業省と公正取引委員会の55.5歳。01年度と比べて最も退職年齢が上がったのは、金融庁の5.0歳だった。


つい、「それで?」と言いたくなるような記事である。
総務省発表を要約しただけで、評価も批判も一切なし。
何の話か分からぬ人も多かろう。

記事は”国家公務員”とだけ言っているが、これは高級官僚の天下りの話である。
毎年10~30人程度のⅠ種試験合格者が各省庁に入省する。
このうちの一部がいわゆるキャリア官僚と呼ばれることになる。

キャリア官僚
一般的には国家I種の「行政」「法律」「経済」区分に合格した者を指すことが多いが、広義には技官を含めた国家I種合格者全体を、限定的には国家I種の「法律」区分に合格した者のみを指すことがある。狭義ではI種合格者の中でも本省(内局)に採用された者のみを特にキャリアとみなし、外局や地方支分部局で採用された者はこれに含まない。(ウィキペディアより)


彼等だけがトップである事務次官を目指す。
次官の任期はたいてい1年~2年程度なので次官になれない年次もある。
次官レースからこぼれた者は順次省を去っていく。
理由は自分より下の地位の同期や先輩がいては、次官が仕事がしにくい、という信じられないものである。
もう一つ、高級官僚にふさわしいポストが足りない、というこれもまた信じられない理由がある。
しかし彼等は自分からすすんで辞めて行くわけではない。
”肩をたたかれて”去っていくのである。
退職勧奨である。

省庁を去った者はどうするか?
彼等は決してハローワークなどには行かない。
彼等のためには、ハローワークには決して出てこないような、とんでもなくおいしい仕事が用意されている。人材バンクなどにも登録することはない。
それどころか彼等専用の超高級人材バンクが用意されることになっている。
”官民人材交流センター”という。

それでは勝ち残った次官は、というとこれはまたこれで次官経験者にふさわしい特別の職が用意されている。

記事のもとになった総務省発表資料というのがこれ。

早期退職慣行の是正について (内閣官房・総務省 4/28)
1 各府省個別計画の取組状況

各府省は、平成14年の閣僚懇談会申合せに基づき、I種相当の幹部職員の平均勧奨退職年齢を3歳以上高くすることを目標として、それぞれの実情に合わせて個別計画を策定し、昇進年次の延伸、同一ポストの在職期間の長期化、専門スタッフ職の活用を進めるなど、その達成に努めてきたところである。


閣僚懇談会申合せ(抜粋)
いわゆる「天下り」の弊害を是正し、公務員が志を持って行政に専念できる環
境を整備するため、公務員制度改革の観点をも踏まえ、政府としての早期退職慣
行是正の基本方針を、以下のとおり取りまとめることとする。
1 各府省のⅠ種及びこれに相当する幹部職員の勧奨退職年齢を、平成15~19 年
度の5年間にかけて段階的に引き上げることとする。これにより、平成20 年度
には、原則として現状と比べて平均の勧奨退職年齢を3歳以上高くすることを
目標とする。


問題とされているのは、あくまでもキャリア官僚の天下りである。
天下りを減らすためにキャリア官僚の退職年齢を引き上げることを意図した取り組みであるが、意味あるものとはとうてい思えない。
天下りを先送りするだけで、天下りそのものはなくならない。
一般事務職の公務員の定年は60歳、事務次官は62歳であるが、事務次官はほぼ全員天下りしている。
退職年齢の引き上げで期待される効果は、せいぜい”渡り”の回数が一回減るかも知れないという程度に過ぎない。
必要なのは、勧奨退職の年齢引き上げではなく、天下りそのものの禁止である。

天下り批判に対して、政府は目くらましとしてもう一つの対策を進めている。
官民人材交流センターである。

これについてはまた後日考えたいが、それにしても大学卒業時点で特権階級入りして、国を挙げて退職後の心配までしてもらえるキャリア官僚などという存在は認めるわけにはいかない。
「キャリアには熾烈な競争が待っている」などとよく言われる。
競争に敗れても天下り先が用意されている。
こういうのは「熾烈な競争」とは言わない。

もう一つ、”熾烈な競争”を免れているのが世襲議員である。
これについては、これまでにも何度か書いてきたが、機会があれば、何度でも書いていきたい。





暫定税率廃止!天下り禁止!議員世襲禁止!


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