政治の季節【稗史(はいし)倭人伝】

稗史とは通俗的な歴史書等をいいます。
現在進行形の歴史を低い視点から見つめます。

論壇の凋落…西部邁のこけおどし論文批判

2010-03-29 17:46:02 | 政治
立花隆、森田実というかつて論客ともてはやされた言論人の凋落が甚だしい。
立花隆と森田実・過去の名声と無惨な現在 2/7
立花隆が産経に登場…ボケの進行が加速している 3/12


この二人については、”耄碌(もうろく)”と言うほかないほど知性の減退が進んでいる。
ここに仲間入りをさせたいもう一人の人間がいる。

【正論】評論家・西部邁 国家を歯牙にかけぬ民意の堕落 (産経ニュース 3/16)

「自民党はだらしない」という批判がしきりである。しかし、そう難じる者たちも自民党の未来を本気で心配しているわけではない。自由民主主義の何たるべきかについて、真面目に考えることすらしていないのである。批判する資格のない者たちからかくも激しく叱(しか)られるところをみると、「自民党マイナス政権党はゼロ」ということかもしれない。


西部の非難はまず自民党ではなく、”自由民主主義とは何かということを理解していない人々”に向けられる。
そして彼等を、「自民党を批判する資格のない者」と規定している。

自民党を批判するのに資格がいるとは思わなかった。
彼に言わせれば、共産主義を理解していない者は、共産党を批判する資格はないということになる。

西部の使う用語は難解であり、一見高尚そうに見える。
それだけで我々一般人は彼を敬遠してしまう。

 ≪何を「再生」するのか≫

 自民党の内部から「保守再生」の声が挙がってはいる。だが、「保守」の意味が一向に明らかにされていないのだ。保守とは、自由のための秩序を国家の「歴史的」な規範に求め、平等の限界を国民の「歴史的」な公正感に見いだし、友愛に伴う偽善を国民の「歴史的」な節度によって防止する、という姿勢のことであろう。戦後の65年間、それら「歴史的なるもの」が破壊にまかされてきた。それを放置してきたのは、ほかならぬ自民党の責任である。


ここで西部は改めて”保守”を定義している。

保守とは、

自由のための秩序を国家の「歴史的」な規範に求め、
平等の限界を国民の「歴史的」な公正感に見いだし、
友愛に伴う偽善を国民の「歴史的」な節度によって防止する

、という姿勢のことらしい。

友愛に伴う偽善、というところなどはご愛敬というものであるが、それを「歴史的節度」によって防止するとなると何のことだかまるで分からなくなる。
前の二つについては、理解できなくもない。
しかし決して賛成するという意味ではない。
西部の言うところは、国家秩序維持のための歴史規範からの自由の制限であり、歴史的な公正感から平等を制限するということである。

彼の主張の規範は「歴史的なるもの」という点にありそうだ。

わたしは彼等の言を信用していない。
彼等の言う「歴史」を信用していないからである。
彼等の言う「歴史」とは、ほとんどいつも「明治維新」であり、「太平洋戦争」であり「天皇」である。
「日本の歴史」はそれだけで出来上がっているかのような言い方をする。

「戦後の65年間、それら『歴史的なるもの』が破壊にまかされてきた」と西部は嘆くが、彼の言う「歴史的なるもの」の正体は明らかであろう。

 いや、昭和期の自民党は歴史の慣性のようなものをひきずっていた。つまり、アメリカ流の自由(個人)民主主義の実行の仕方において、日本流がかろうじて生き長らえていたのである。しかし、平成期の世代交代につれて、その慣性も消え失せた。安倍元首相のように日本の歴史をよびもどそうとする指導者もいたが、小泉改革にみられたように、アプレゲール(大戦後派)による歴史破壊がほぼ完成したのである。「モダン(近代)」の原義は「モデル(模型)のモード(流行)」であるという趣旨で、平成改革という単純な模型が盛大に流行したわけだ。その騒がしい改革運動に自民党も迎合したのである。

自民党が引きずっていた「歴史の慣性」を「辛うじて生きながらえていた日本流」と呼び、どうやらそれを肯定的に捉えているらしい。
「安倍元首相のように日本の歴史をよびもどそうとする指導者」
「美しい国日本」、「戦後レジームからの脱却」というのは、とりもなおさず「太平洋戦争以前の日本」への回帰を意味していただけではないのか。

「小泉改革にみられたように、アプレゲール(大戦後派)による歴史破壊がほぼ完成したのである」
この部分は具体的にどういう事を指しているのか分からない。
小泉なんて大したことはしていないと思うのだが。
今どき、アプレゲールと言われても、現代政治におけるその位置づけがわたしにはさっぱり理解できない。
単に戦後育ちということか?
「戦後65年間破壊に任されてきた」と言っていることは、アプレゲールによる破壊以前に戦前派による破壊があったということになろう。
しかし「歴史破壊」という言葉そのものもよく分からない。
歴史を破壊することはだれにも出来ないだろう。

 ≪社民主義が氾濫する≫

 アメリカ流の自民主義は自由の過剰としての無秩序を、格差の過剰としての差別を、競合の過剰としての弱肉強食をもたらした。それをみて日本の民主党は、アメリカの民主党と軌を一にし、社会(介入)民主主義を、つまり社民主義を標榜(ひょうぼう)した。平成改革を強く要求したその舌の根も乾かぬうちに、秩序回復、格差是正、友愛喚起を訴えるという二枚舌で、政権を奪取したのである。

 昭和期の自民党も社民的政策を推し進めていたのだが、そこには、無自覚にせよ、国柄保守の態度が何とか維持されていた。派閥や談合といった非公式の場において、少数派の立場にも配慮するという形で、国柄の持つ多面多層の性格を保持せんとしていた。しかし、「改革」がその国柄をついに破砕したのである。その結果、アメリカ主流の自由民主主義とその反主流の社民主義という、ともに歴史感覚の乏しい政治理念のあいだの代理闘争がこの列島で演じられる仕儀となった。


「国柄」と言う言葉は何と読むのだろう。
「クニガラ」?
いずれにしろ「國体」の残りカスを指しているのだろう。

「歴史感覚の乏しい政治理念のあいだの代理闘争」
本人は、歴史感覚十分と考えているようだが、その歴史感覚自体が勘違いである。
もっとも西部の言う歴史感覚とは、国柄=國體意識を指している。
バカバカしい。

 かかる状況に切り込まずに保守再生をいうのはお笑い種でしかない。必要なのは「保守誕生」ではないのか。日本国憲法は社民主義のマニフェストにすぎないこと、自民党の旧綱領は社民主義へのアンチテーゼにとどまっていたこと、平成改革は国柄喪失の自民主義に突っ走っていたこと、そうした事柄を全面的に省察するのが保守誕生ということである。

確かに自民党内の共通した認識は、”反共”しかなかった。
自民党の「保守」概念が、社民主義へのアンチテーゼにとどまっていた、という指摘は正しいのだろう。
ただし「社民主義」というより、自民党の意識では、「社会主義」、「共産主義」を意識していたに過ぎない。
しかし小泉以後の自民党政治を、安倍晋三を除いて、「平成改革」と呼び、「国柄喪失」という言い方には笑ってしまう。
一体西部のいう「国柄」とは何なのだ?
それがまったく理解できない以上、西部の論はわたしには意味を持たない。
「國體」というカビの生えた言葉を単に置き換えたものに過ぎないものなのだろうが。

「保守誕生」というが、その中身は、「社民主義へのアンチテーゼではない國體護持」ということなのだろう。

 あと3年半は、政権から遠く離れた自民党にとって、保守の国民運動を繰り広げるのに絶好の機会ではないのか。多くの国民も、内心ひそかに、自分らの国柄が米中両国に挟み撃ちされている危機的様子に気づいて、保守誕生を待望していると思われる。

「自分らの国柄が米中両国に挟み撃ちされている危機的様子」

これもまた理解しにくい表現である。
挟み撃ちにされている「国柄」とは何を言っているのか分からない。
もしかすると「主権」とか「アイデンティティ」とかという意味で使っていたのか。
アメリカは分かるとしても何でここに中国がでてくるのか?
「国の安全」とか「国の経済」とかなら分かるが、「国柄」とは……。

そんなことを理由に、「多くの国民も、内心ひそかに……保守誕生を待望している」はずはない。

 ≪腐敗していく民衆政治≫

 自民党を怯(おび)えさせ、また民主党を高ぶらせているのは「数の論理」である。「民主主義は多数決だ」(小沢一郎民主党幹事長)という猛々(たけだけ)しい言葉の前で自民党は萎縮(いしゅく)している。しかし、この文句はデモクラシー(民衆政治)の腐敗の明らかな兆候なのだ。


これを「腐敗の兆候」というが、ことさらデモクラシーを民衆政治という言葉に置き換えて、衆愚政治のイメージを塗り重ねているだけではないのか。
デモクラシーも腐敗する。
しかし、地球上でこれまでに腐敗しなかった政治形態があったのか?
中国の理想的な指導者とされる尭・舜でさえその国を永続させることは出来なかった。
腐敗や滅亡は必然なのである。
ひとりデモクラシーに限ったことではない。
しかし、「数の論理」がデモクラシー腐敗の兆候というのは、次に西部自身も言うように、そもそもデモクラシーそのものが内包する矛盾を言っているだけに過ぎない。
とりたてて「腐敗の兆候」などと大声で言うほどのことではない。

 なるほど、民衆政治は「多数参加の下での多数決制」という数の制度である。しかし、これから正が出るか邪が出るかは、「民意」なるものが優等か劣等かによる。たとえば、議会での議論が必要なのは、民意によって選ばれた多数派の政権も、フォリビリティ(可謬性つまり間違いを犯す可能性)を免れえないからだ。またたとえば、ほとんどすべての独裁が民意によって、換言すると民衆政治を民衆自身が否定することによって、生み出されもした。こういうものにすぎぬ民衆政治を民主主義の理念にまで昇格させたのは、自民主義にせよ社民主義にせよ、近代の理念における錯誤だらけの模型であり流行である。

 デモクラティズム(民主主義)は民衆という多数者に「主権」ありとする。主権とは「崇高、絶対、無制限の権利」のことである。ただし、民衆が「国民」であるならば、国家の歴史に秘められている英知のことをさして、主権という修辞を与えることも許されよう。しかし、平成列島人のように国家のことを歯牙(しが)にもかけない単なる人民の民意に主権を見いだすのは、民衆政治の堕落にすぎない。これから誕生する保守の最初の仕事は、民主主義を国民政治への最大の敵と見定めることであろう。(にしべ すすむ)


「主権」を「崇高、絶対、無制限の権利」と定義するが、これは西部の定義に過ぎない。
「主権」の定義は百人百様であろう。
わたしは「主権」を”崇高”とも思わないし、絶対とも思わない。
ちなみにわたしは、「主権とは、自分のことを自分で決める権利」という程度に理解している。
そして現実には、崇高とはほど遠い卑近なものであると思っている。
妥協もあるし、相対的なものでもあり、自他の無制限の権利を制限する権利も含まれると思っている。

そして彼はついに民衆に国家の網をかぶせる。
民衆が「国民」であるならば、と卑怯な前提をおいてである。

わたしが不自由に思うのは、日本語にはこの国に住む一人一人の住民を指す適当な言葉がないということである。
「市民革命」と言ったときの「市民」ということばがそれに近いが、わたしたち一人一人の住民を指すには日本語としては未成熟なことばである。
「××村」に住みながら、自らを「市民」とは言いにくい。
民衆や大衆も個々人を集合として捉えている側面がつよい。

そんな中で、「日本国民であるなら」と言われても応対に苦慮してしまう。
「日本という国に住む市民なら」と言われるとまた別の対応ができるというものである。

しかしわたしも国民という言葉はよく使う。
一々、「日本という国に住む市民」などと表現していられないからである。
つくづく不自由を感じている。
それを西部のように正面から、「日本国民なら…」と一括りにされると、「それは違うだろう」と言わなくてはならない。
西部の言う「国民」とわたしの言う「国民」とは明らかに乖離がある。

西部は一応は民衆に主権を認めながら、その主権の上に国家を置く。

「国家の歴史に秘められている英知のことをさして、主権という修辞を与えることも許されよう」

これが多分西部の言う「国柄」の正体なのであろう。
主権とは愚かな民衆の持ち物ではなく、「英知に溢れた国家」の所有物であるらしい。
というよりむしろ、「国柄」が国家を形成すると言うべきなのか。
その「国柄」の凝縮し昇華した現れが安倍晋三らしい。

ついでながら、「国家」と言う言葉もわたしには抵抗感の強い言葉である。
わたしはなるべく「国家」という言葉を使うことは避けている。
わたしは、経済において「家庭」の経済活動を「家計」と呼ぶような意味で、「国」を政治・経済・外交等の面からみたときに「国家」という言葉を使っている。
この場合はまだ代わりに「国」という言葉があるから救われる。
この「国家」という言葉も右翼の大好きな言葉である。
彼等は実によく「国家」という言葉を使う。

「平成列島人のように国家のことを歯牙(しが)にもかけない単なる人民の民意」

西部は、「平成列島人」と、物理的・即物的な言葉に軽蔑と嫌悪を込めてわたしたちを呼ぶ。

西部の理想とする国家では、愚かな民衆は「国柄」という訳の分からないものに主権を譲り渡さなければならないらしい。
それを拒み、主権を主張する民衆は国家の敵であるということになる。

「これから誕生する保守の最初の仕事は、民主主義を国民政治への最大の敵と見定めることであろう」

この西部の言葉は、単なるレトリックではなく、心の底からの思いであろう。

しかし保守論壇の論客とか重鎮とか言われる西部邁の「保守論」というのも、なんとも底の浅いものである。
結局、「國體」を「国柄」という言葉に置き換えただけの「国体護持論」に過ぎない。
西部の言う、國體=国柄の中身は必ずしも明らかというわけではないが、いずれにしろわたしたちの上に無条件に存在するそんなものはわたしは拒否する。

全体は自民党に対する叱咤激励のようにも思われるのだが、「これから誕生する保守の最初の仕事は、民主主義を国民政治への最大の敵と見定めることであろう」と言われては、自民党もどうしていいか分からないだろう。
「民主主義は国民政治の敵だ」と叫んでいては選挙にならない。

ところでその「国民政治」とは何だろう?
西部は「民衆政治」は否定するが、「国民政治」は肯定する。
多分「国家に組み込まれた国民」による政治という意味なのであろう。

読後の感想を言わせてもらえば、難解な用語と複雑な言い回しを駆使して文章を飾り立てているが、ほとんど具体的な像を結ばない空疎な論文である。

わたしは西部の軽蔑する民衆の一人である。
西部邁の”民衆”に対する冷たい視線が嫌いである




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何を狙う? 中井洽国家公安委員長へのスキャンダル攻撃

2010-03-26 12:34:40 | 小沢一郎
わたしたちは政治家に何を望んでいるのか。
政治家は聖人君子でなければならないのか!

違法行為、脱法行為でもあればともかく、こんな事で騒ぎ立てるマスコミとは一体なんなのだ。
国家公安委員長中井洽が女性スキャンダルでマスコミの餌食に成りかかっている。

すぐに連想するのは、去年の鴻池自民党官房副長官スキャンダルであろう。

女性に議員宿舎のカードキーを渡していたのがばれた。
人妻でW不倫であった。
その女性を連れて熱海へのゴルフ旅行とか。
その際議員パスを遣った公私混同等も問題視され、官房副長官を辞職している。

鴻池スキャンダルを暴露したのは週刊新潮。
今回も週刊新潮である。

週刊新潮(4月1日号) 目次


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暗黒解任騒動! 支持率は20%台へ!
「鳩山内閣」大炎上
▼渦中「生方幸夫」副幹事長インタビュー「古い自民党になっちゃった」
▼首斬りゴマすりで批判の大洪水「筆頭副幹事長」は「元水道局員」
▼「生方さんの頭に毛が生える」と小躍りした「安住淳」代議士
▼韓国大使館の爆弾酒「山岡賢次」国対委員長が例の法律を頼まれた
▼「長妻昭」厚労相は「初オフ懇」難しい顔で「小沢さんは必要な人」
▼「韓流スター」とデート4度目「鳩山幸」総理夫人のナンセンス
▼「姫井由美子」議員が今更「胡錦濤」主席写真をばらまいた
▼それでも「鳩山由紀夫」総理が怖れる「小沢一派」の新党結成
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「白タク」疑惑と「路上キス」!?
「中井洽」国家公安委員長が深夜の宿舎に呼びこむ傾国の「美人ホステス」
SP抜きで、30歳年下の彼女と連日デート。日本のセキュリティを預かる大臣の危機管理。
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【日本ルネッサンス・拡大版】それでも普天間を現行案で移設せよ!  櫻井よしこ

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目次を見ただけで、週刊新潮が、この中井洽の件をどんな文脈で取り上げているかは明白である。
買ってまで読む気はないので、同類のスポーツ紙を見てみる。

中井洽国家公安委員長が30歳年下ホステスとスキャンダル (スポーツ報知 3/26)

しかし、記事を読んでも、このどこがスキャンダルなのか分からない。
独身の男が30歳年下の独身の女とつきあうことがスキャンダルなのか?
この手の報道は、一つの事件では騒ぎにならないと思うと、とにかく目につく限りのことを寄せ集めて全体をふくらませて、いかにも大事件のように喧伝する。

「30歳年下の美人ホステス」との路上キス写真などが掲載されることが24日、分かった。報道では、中井氏が女性に議員宿舎のカードキーを貸与している可能性や、地震があった日も女性と映画を楽しんでいた点などが問題視されている。

「生方の乱」の次は「ハマグリの変」だった。「週刊新潮」は中井氏の写真を7ページにわたって大展開。9日、みぞれ交じりの雨が降る中、都内で路チュー。ホワイトデーの14日、下町で路チュー。16日には赤坂で腕を絡ませ…。周囲にはSPの姿もなく、女性と2人きりの“元気すぎる大臣”の姿がリポートされている。

記事は「『白タク』疑惑と『路上キス』!?『中井洽国家公安委員長』が深夜の宿舎に呼び込む傾国の『美人ホステス』」のタイトル。ちなみに女性は「天海祐希似の美人で、30代前半。週に2回程、銀座にあるクラブに勤めるホステス」という。


スキャンダルにつながりそうな言葉をあれこれ寄せ集めている。

30歳年下
美人
ホステス
議員宿舎のカードキーを貸与
地震があった日も女性と映画を楽しんでいた
路チュー
白タク疑惑

中井は独身であり、相手の女性も独身であるらしい。
30歳年下だろうが、美人だろうがブスだろうが余計なお世話というものであろう。
ホステス?
それが何か?

問題になりそうなのが、議員宿舎のカードキーを渡していたということか。
中井本人は、週に一回掃除に来てもらっていたと言っている。
信じるかどうかはともかく、構わないのではないか。
規則もないそうだし。

中井洽は防災担当大臣を兼務している。

地震のあった日の映画鑑賞も非難の対象らしい。
地震と言っても震度5弱である。
携帯で状況も確認していたという。
問題にならないだろう。

”白タク疑惑”とは、以下のことらしい。
”疑惑”は大げさすぎる。
もしかして中井洽が、白タクの内職でもしていたのか、と勘違いするではないか!

また、本来営業を認められていない一般車両で送迎を受け運転手に現金を渡していた“白タク乗車”については「店を出た時に、お店の人が“タクシー乗り場まで歩いて並ぶのが大変だろうから車を呼んであります”というのでそれを使った。それが白タクだったかは知らない」と述べた。

鴻池スキャンダルと同様に盛り上げようとしているのだろうが、いかにも無理がある。

わたしは何度か本ブログで中井洽を取り上げている。
脱・小沢の意味するもの…愚かな反・小沢議員ども (2/11)

◎中井は鳩山内閣の内で唯一人公然とマスコミ批判をしている。

国家公安委員長「捜査当局からリーク記事」 (YOMIURI ONLINE 2010年1月22日)
中井国家公安委員長は22日の閣議後記者会見で、再審公判が行われている足利事件に関連して、「今の自白中心の捜査と捜査当局から一方的にリークされる記事しか書かないマスコミという中では、冤罪(えんざい)被害はこれからも出ると思う」と述べた。
中井委員長は会見で発言を問いただされると、「リークされたことばかり書くマスコミと言ったんだ」と繰り返した。「今もリークがあると思っているのか」との質問に対しては、途中で「ずっとそうだ」と遮り、「お互い気をつけてほしいものだと申し上げている」と声を荒らげた。


◎中井は取り調べ可視化法案の推進派である。
◎中井は国家公安委員会・都道府県公安委員会人事に手を突っ込んでいる。
◎警察改革に熱心である
◎小沢に近い議員である。

こう考えてくると、中井洽が狙われるのは当たり前だとも思われる。
むしろ、狙われない方がおかしいとさえいえるだろう。

週刊誌側では中井スキャンダル第二弾を用意しているらしい。

新潮の、売らんがための記事であるのなら、それはまあその程度の週刊誌であるからいいとしても、その裏に何かの力が動いているとするなら見過ごすことはできない。

早くも”中井更迭を!”などと叫ぶ馬鹿マスコミも出てきている。

この国のメディアとそれに寄生している評論家とかコメンテーターとかいう連中の質の悪さはなんとかならないものか。





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また民主党にハシゴをはずされた…生方問題の決着

2010-03-23 22:12:59 | 小沢一郎
大事の前の小事、と笑って見過ごしてもいいのかもしれない。
しかし、二度三度となると、いささか考えさせられてしまう。

一度目は、不起訴決定を受けての会見での小沢幹事長の次の発言であった。

「公平・公正な検察当局の結果と受け止めている」

去年からの西松建設献金疑惑そして今年の陸山会事件と、検察の不公平・不公正な小澤つぶしに怒りの声をあげた人は多い。
しかし、当の小沢本人がこう言ってしまっては、わたしたちは立つ瀬がないではないか。
まさにわたしたちを二階に上げておいてハシゴをはずすような仕打ちである。

この小沢の記者会見を受けての郷原信郎氏の発言。

私はこの言葉に愕然とした。

「このようなことを許していたら日本の民主主義は暗澹たるものとなってしまう」と力説していたあの小沢氏の検察との全面対決姿勢は、どこへ行ったのか。


この郷原氏の思いはまったくわたしの思いでもあった。

それでも小沢一郎の言葉は、検察に対する皮肉や牽制の意味合いを精一杯込めたものだろう、と解釈しようとしたものである。
もしかすると小沢一郎でさえ、検察との全面対決は怖かったのかもしれない、と思ったりもした。
参院選に向けてのやむを得ない妥協か、とも考えた。

しかし一度言葉に出してしまったことは残るものである。
「検察の公平・公正」という小沢の言葉が民主党の手足を縛ることにもなる。

北教組問題でも、民主党は検察との対決姿勢を取れずにいる。
こんなデタラメ捜査に対して、受け身一方のだらしなさにはあきれるばかりである。

北教組違法献金事件:小林千代美議員、辞職を否定 2人起訴 2人は起訴猶予 (毎日jp 3/23)

この件では、小林議員は不起訴、である。
二人起訴という結果は、わたしは検察の大敗北だと考える。
もともとこの事件は、選挙違反事件としてけりがついていた事件である。
それを札幌地検のお調子者が無理矢理蒸し返しほじくり返したものである。
道警の事件処理にイチャモンをつけたわけである。
よくよくの重罪でしかもよほど確実な証拠でもなければ手を着けるはずもないケースだと思われる。
それが小林議員本人に事情聴取をしておいて不起訴、逮捕した4人の内二人は起訴猶予とか。
繰り返すが、一度けりのついた事件を蒸し返したのである。
起訴猶予ですむことではあるまい。

中井洽国家公安委員長の反応には何か含みがありそうだが……。

皮肉?北教組の資金提供「うらやましい」中井国家公安委員長 (産経ニュース 3/23)

中井委員長は、小林議員陣営が衆院選をめぐり北教組側から資金提供を受けていたことについて、「(選挙で)悪戦苦闘しているの者からみると、お金がなくなったらどこかから出てくるとは、うらやましいかぎり」と述べた。

小林議員陣営をめぐっては、はじめに北海道警が選挙違反事件として捜査した後、検察当局が政治資金規正法違反事件として乗り出した経緯がある。中井委員長は、警察を監督する立場から「選挙違反は処理したが、検察が改めてつっこんだということは何か反省すべき点があるか、北海道公安委員会と相談したい」とも述べた。


中井発言の「選挙違反は処理したが、検察が改めてつっこんだということは何か反省すべき点があるか、北海道公安委員会と相談したい」という部分には、検察への異議が込められている、と思いたいところである。
もう少しはっきり言ってくれるとありがたいのだが……。

ところでこれに関してもう一人の発言。

小林議員の処分、首相「早急に幹部で協議」 北教組事件 (asahi.com 3/23)
鳩山由紀夫首相は23日、民主党の小林千代美衆院議員が22日、陣営関係者2人が起訴された選挙資金事件で離党や議員辞職をしない意向を示したことについて、「(起訴は)相当重く受け止めなければいけない。必ずしもこれで終わったと思っていない。早急に何らか(民主党)幹部で協議する必要があるのではないか」と述べ、党として小林氏の処分を検討する考えを示した。首相公邸前で記者団の質問に答えた。


これもまた立派なハシゴはずしである。
「政治とカネ」の問題が内閣支持率低下の最大要因だと勘違いしているようだ。
内閣支持率は鳩山由紀夫の支持率の問題なのである。
小沢の問題は、去年からである。陸山会の問題にしてももう問題が持ち上がってからでも大分経つ。
いわば”材料出尽くし”なのである。
それでも支持率が下がり続けるのは、鳩山由紀夫と閣僚達の問題である。
鳩山由紀夫以下ここのところを勘違いしている。
だからこんな能天気なことを言っているのだ。
札幌地検の捜査についてのおかしさを叫んできている人たちのハシゴをはずしてどうするのだ!

さて、三度目の梯子はずし!

生方副幹事長の解任撤回=参院選考慮、小沢氏「おわびする」-民主
民主党は23日夕の常任幹事会で、小沢一郎幹事長を批判した生方幸夫副幹事長を解任する執行部の方針を撤回し、続投させることを決めた。党内外から「言論封殺」などと激しい批判を浴び、解任すれば夏の参院選にマイナスになると判断した。これに先立ち、小沢氏は国会内で生方氏と会談し「もう一度副幹事長として私を補佐してほしい」と要請。生方氏は「私も民主党議員だから断る理由はない」と受け入れた。


生方を批判してきたわたしの立場がないではないか!

まあ、これは冗談だが、それにしても……。

それもこれも、「検察の公平・公正な捜査の結果」という小沢の言葉が、手かせ足かせとなって我が身にふりかかる。

小沢一郎としても「参院選までは」、という思いで我慢しているのだろうと思いたいのだが。

鳩山由起夫をはじめとして、どうも世論調査という呪縛にかかっている連中が小沢包囲網を作り上げている。

小沢一郎に弱気は似合わない。
小沢一郎には中央突破の断固たる姿勢を望みたい。
それが結局は、良質な民主党支持者をつなぎ止める最善の道である。





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新旧副幹事長比較(民主党)…生方幸夫と辻恵

2010-03-21 08:35:33 | 小沢一郎
すべての大手メディアが生方幸夫の応援に回っている。
何か起こると、彼等は一斉に渡部恒三や枝野、仙谷、前原のところに駆けつけて、彼等に小沢批判をさせる。
はじめから小沢に批判的な連中のところにしかいかない。

そんな報道ばかりだから、生方はますます調子に乗って小沢批判をエスカレートさせている。

生方は高島筆頭副幹事長との会話を録音していた。
しかもそれをマスコミに公開している。
卑怯な男である。
はじめから民主党を嵌める意図があったのだろう。
テープを聴くと、生方は高島を引っかけようといろいろ話しをし向けている様子がアリアリである。
高島が引っかからなかったのには返って驚く。

民主党はこんな男は無視するのが一番いい。
除名などするとますますこの男は調子づく。
マスコミにごちそうを投げ与えるようなものである。
放っておけばそのうちだれも相手にしなくなる。
勿論次の選挙では公認を与えない。

新副幹事長には辻恵が任命された。
いい人選である。
辻氏についてはわたしは多少注目していたのだが、如何せん全国的知名度という点で反小沢七奉行などと比べると大分見劣りする。
今度の件で、それなりに注目を浴びたこともある。
なまじ重責を背負ったことで変に自己抑制など利かせずにこれまでの言動を継続・拡大していって欲しい。

辻恵は、検察批判・石川知裕議員擁護の急先鋒であった。
しかもかなり早い段階から小沢擁護の姿勢を明らかにしている。

辻恵公式サイトから。

2009.5.5 
 今民主党に必要なのは、検察の作り上げた小沢巨悪像に踊らされるのでなく、官僚政治打倒を最優先課題として政権交代を一致団結して実現することです。

2010.1.7.
 少し連絡が遅くなってしまいましたが、昨年末に取調べの全面全面可視化を実現する議員連盟の事務局長に就任致しました。この連盟は12月3日に志を共にする民主党の議員仲間と創設したものです。証拠に基づかない自白だけに頼る捜査によって生じる冤罪事件をゼロにするために、2010年は何としてでも、全ての刑事事件における取調べの全面可視化を実現させます。

2010.1.12.
 検察捜査の異様
小沢幹事長の政治資金管理団体である陸山会の収支報告書の記載に関して、マスコミが小沢は怪しいという国民感情を煽り立てる報道を繰り返していますが、その主要な情報源は検察のリークに違いありません。
当初は04年の陸山会の不動産購入資金は小沢幹事長からの借入なのに収支報告書には記載がないから虚偽記載だと書き立てていましたが、実は収支報告書には4億円の借入金の記載があったのです。ことほど左様に、裏付けも取らずに検察情報を鵜呑みにするマスコミが社会の木鐸としての役割を喪失していて嘆かわしい限りですが、より問題なのは日本最強の権力を有すると言っても過言でない検察権力のあり方です。マスコミを使って国民感情を煽り立て、厳格に適用されるべき刑事法規が恣意的に運用されようとしている疑いが濃厚です。
昨年の西松建設問題に引き続いての異様な検察の動向に対しては厳しく監視してゆく必要があります。

2010.1.17.
 違法な別件逮捕は許されない
昨日の大会で民主党は、小沢幹事長に対する検察の対応に疑問を呈し小沢幹事長の闘いを支持することを確認しました。今朝の新聞論調を見ると殆どが、小沢対検察の対立なのに政権対検察の対立の形にしたのはまずいというものであり、小沢幹事長と民主党を批判する内容のものとなっています。しかし、検察の強権行使は通常の捜査方法を逸脱したのもであり、如何に小沢幹事長と確執があるとしても、適正な捜査手続によらずに政権交代を望む国民から圧倒的な支持を受けた民主党の幹事長をつぶそうとするのは権力の濫用との謗りを免れません。朝日新聞一面に、党大会での小沢発言をテレビで見ながら検察幹部が、あがいているだけだ、取るに足らない、と切り捨てたとありますが、この検察の傲慢が今回の事態を引き起こした根本原因だと思わざるを得ません。

 検察があたかも正義の具現者であるかの如く振舞いこれをマスコミが無批判に持ち上げる現在の風潮は危険極まりないものであり、これを許せば旧態然とした検察の有様を容認してきた前政権の状況に逆戻りしてしまいます。大局の判断を誤ることなく民主党として闘って行く必要があります。

2010.2.4.
 小沢幹事長不起訴は当然のこと
東京地検特捜部は本日夕刻石川議員ら3名を起訴すると共に、小沢幹事長を不起訴処分にしました。
小沢幹事長を共謀で引っ掛けるための自白を得ようとなりふり構わぬ違法捜査をしたけれども、共謀を裏付ける証拠は何一つ見つからなかったという事実は今回の東京地検特捜部の捜査の異常さを物語っています。検察の行動は謂わば選挙で正当に成立した政権をクーデター的に倒そうとするもので絶対に許されないものでした。

2010.2.10.
 官僚組織の中で屹立する法務省

 (辻氏はここで法務省の根深い病根・認証官制度について鋭い批判を加えている。
 我が意を得たり、という思いである。検察庁改造計画…日本を覆う黒い霧 )

2003年初当選(比例復活)、その後一回の落選をはさみ現在二期目。
民主党捜査情報漏えい問題対策チーム

一月末の朝生に出たらしいが、わたしは見ていないのでその発信力や弁舌の巧拙については何とも言えない。
願わくは、せめて枝野や前原程度のおしゃべりができることを!

生方幸夫などという男は、そのまま副幹事長に据えておいても、いずれは何か企む奴である。
むしろいい機会であった。

この騒動を民主党がより強くなるための一過程として生かせることを切に望む。





 
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生方幸夫副幹事長の罪状…執行部批判と与野党の対処法

2010-03-19 21:00:19 | 小沢一郎
民主党生方幸夫副幹事長の罪は重い。
これは執行部批判というより小沢批判である。
発言の中身も問題であるが、なにより”産経”のインタビューであるという点がいけない。
もうこの時点で生方幸夫は確信犯というべきである。
産経が小沢に対してどんなスタンスをとっているか、民主党政権に対してどんな思惑を抱いているか、まさか知らないわけはないだろう。

どちらが持ちかけた話か分からない。
産経が持ちかけたと考えるのが自然だろうが、当然その狙いは小沢批判をさせることにあると小学生でも分かることだ。
その場合当然産経は生方の小沢に対する姿勢を承知していたということになる。
多分生方はこれまでに産経の記者の前で小沢批判をしたことがあったのだろう。
断っておくが、わたしはこれまで生方幸夫という人物に注目したこともないし、民主党内での彼のポジションについての知識は皆無である。

罪状その一 よりにもよって産経新聞のインタビューを受けたこと。
罪状その二 外に向かって執行部批判をしたこと。
罪状その三 検察に対する無批判な姿勢。
罪状その四 民主党支持率低下の原因を「政治とカネ」問題としていること。
罪状その五 結果的に民主党政権の足を引っ張っていること。

【単刀直言】生方幸夫民主副幹事長「党の“中央集権”、首相は小沢氏を呼び注意を」 (産経ニュース 3/17)

与党に政策部門がないのは絶対におかしい。民主党に元気がなくなったのは、自由に議論する場がなくなったからです。政策調査会と、その下の部会を再び作って、みんなが自由な意見をいえるように戻さないといけません。


これを産経相手に語り、あるいは産経の読者に向かって語る意味があるのか。
産経に語るべき事ではなく、内部で議論すべき事ではないのか。
産経の力を借りて、党に圧力をかけようという腹なのか?

生方副幹事長の今回の動きには伏線があった。

(毎日新聞 2/25)
民主党の生方幸夫副幹事長らは18日、国会内で会合を開き、党内に政策立案などを行う政策調査会(政調)の設置を求めていく方針を確認した。

しかし、小沢氏は17日、生方氏らの申し入れに「新たな組織を作る必要はない」と拒否。鳩山由紀夫首相も18日、首相官邸で記者団に「幹事長も同じ考えだと思うが、政調の復活という考え方は取らない」と述べ、小沢氏と歩調をあわせた。


小沢は「政策決定システムの一元化」を唱え、党の政策調査会を廃止している。
それに異を唱えた動きだが、このこと自体は問題ない。
小沢に拒否されても党内でさらに働きかけることは結構なことである。

実はわたしも小沢のこの方針にはいささか疑問を持っている。
小沢の政治テーマに「政党政治」の追求がある。
そこから導き出されたのが、”一元化”なのであろう。
しかし、別な解釈もできる。
政策立案・決定(党)と政策遂行(内閣)との機能分化という道もあり得るのではないか。
これは決して政党政治にもとることではないだろう。

しかし、「民主党に元気がなくなったのは、自由に議論する場がなくなったからです」というような言い方では原理主義者・小沢を納得させることはできない。
小沢が問題にしているのは「政策一元化」であり、「元気」の問題ではないのだ。
今日の本題とは離れたことなので、これについては深入りしない。

われわれは自民党政権がやってきた中央集権はダメだと言ってきた。地方分権にしようといってきたのに、民主党の運営はまさに中央集権です。

これは完全な論理のすり替えである。
政党とは、一面では戦う集団である。
権限とカネをバラバラに持った軍隊など機能するはずがない。
党内問題と地方分権問題とはまったく次元の違う話である。

今の民主党は権限と財源をどなたか一人が握っている。下に権限と財源が与えられていない状況はおかしいでしょ。

「どなたか一人」などという、当てこすりのような言い方は品がない。
堂々と「小沢さん一人」と言うべきである。

民主党への信頼が低下している要因には「政治とカネ」の問題もあります。小沢さんに関して、今までの説明に納得していない人が圧倒的に多数で、幹事長をお辞めになるべきだという意見が多い。小沢さんがしかるべき場所できちんと説明するのが第一。それで国民の納得が得られなければ自ら進退を考えるしかないです。

 国民は小沢さんが不起訴になったから全部シロだとは思っていないんですよ。おそらく説明できないんでしょうね。小沢さんは前よりだいぶ権威づけられてきたというか、権力者になってきましたね。


馬鹿な男だ。
「政治とカネ」という程度の低いマスコミの言葉に簡単に乗ってしまっている。
「政治とカネ」問題とは何か。
一つ一つの事件を考えれば、果たしてどこに問題があったのか。
個々の事件については言わずに、漠然とした「政治とカネ」という黒い印象を与えるだけの空疎な言葉を無分別に使う。

解任されたあと、マスコミに対してしゃべっていたのが次の言葉である。
「秘書が三人も逮捕されたのだから辞任すべきだ」
この短絡した結論に同意するのは、限られた連中だけである。
その数がまあ多いことは事実であるが。

わたしたちは、逮捕された側よりも、逮捕した側により大きな問題がある、ということを知っている。
安易なマスコミへの寄りかかりは、民主党議員として、慎重でなければならない。

北海道教職員組合の問題は、これも一番上は(出身母体が日本教職員組合の)輿石さん(東・参院議員会長)ですからね…。(民主党議員は)組合からあまりお金をもらっちゃいけない。組織内候補といわれる方の献金額は常識的な額ではない。参院選への影響は、政治ですから何があるか分かりませんけど、要するに言い訳から入る選挙は勝てませんよ。

何もわざわざ輿石の名前を出して、仲間の足を引っ張ることはあるまい。
まったく余計なことである。
「組合」のカネは元をたどれば個人のお金である。
集団的な個人献金に過ぎない。
企業や業界団体からの献金と同列に扱うべきものではない。

公明党とどうするかは党の方針の問題です。議員の意見を聞かないといけません。国会運営をうまくするためにとか、味方が一人でも多けりゃいいと思って連携するなら大間違い。誰かの思いつきでやっていいことではない。選挙で公明党がイヤだから応援してくれた人だっていっぱいいたわけですから。(坂井広志)

これもまた内部で議論すべきことであり、産経相手に訴えることではあるまい。
「誰かの思いつき」ではなく、「小沢の思いつき」と言うべきなのはこれもまた当然のことである。

生方幸夫に対する民主党の、副幹事長解任という処分はやや過激な感もあるが、他に何か我慢のならない事情でもあったのかも知れない。
輿石あたりの怒りも相当なものだろう。

一方こちらは執行部批判花盛りの自民党。
処分しようにも余りにも処分の対象が多すぎて身動きできないでいる。
桝添・与謝野・鳩山邦と好き勝手なことを言っている。
自民党に言わせれば、「自由にものが言える自民党」ということになるのか。
そしてまた一人、”新党病患者”が現れた。

園田博之氏:自民幹事長代理を辞任 党刷新不調なら新党も--毎日新聞インタビュー (毎日jp 3/17)

中身は、無視してもいいようなものなのだが、あんまり可笑しいので一部とりあげる。

総裁選をしているひまはないので谷垣氏が総裁をやるのはいいが、幹事長以下は一新した方がいいのではないか。

--昨年の党総裁選では谷垣氏を支援したが。
 ◆消極的な支援だ。党内融和を第一にする人だから野党の党首には向いていない。

--党刷新がうまくいかない場合は新党もあり得るのか。
 ◆あり得る。脅しではない。


ここで思い出した言葉がある。

「馬糞(まぐそ)の川流れ」

金丸信が、安倍晋太郎が死んだ後の安倍派がばらけていく様を表現したものらしい。
うまいことを言うものだと、妙に感心した記憶がある。
標準的なことわざ・慣用句ではないらしいから、多分金丸の地元、山梨のほうにそんな言い方があるのかも知れない。

馬糞は水に浸かるとバラバラになって原型をとどめなくなる。
今の自民党にこそふさわしい表現であろう。





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舛添要一の汚い進退…バラケだした自民党

2010-03-16 19:53:42 | 自民党
自民党がバラケだした。
舛添要一も与謝野馨もそして鳩山邦夫まで新党、新党と口走っている。
いったいこれで自民党は参院選を戦えるのか?
まったく笑っていいのか、同情していいのか。

ただし桝添だけは笑って済ますわけにはいかない。
世論調査などでは、次の総理候補として毎度上位にきているが、「嫌いな政治家は?」という調査をすれば、間違いなく最上位にくるだろう。
多分小沢一郎の上に来る。

桝添は進退に汚い男である。
前回参院選の前後、「馬鹿につける薬はない」、「徹底的に資質に欠ける」と口汚く安倍晋三を罵っていたが、厚労相起用で豹変した。
安倍のあとの総裁選、告示日早々福田支持を打ち出し、厚労相留任。
後期医療に懐疑的な麻生太郎氏が首相就任直前の9月20日、突然、75歳以上の線引きを改めることを柱とする大胆な見直しを表明(asahi.com )
バカとは同席しないと言っていた麻生太郎にすり寄り厚労相留任でめでたく閣議で同席することに成功。
こんな動きは当然周囲に読まれてひんしゅくを買っている。
去年9月のの自民党総裁選挙に色気を見せていたが、森に因果を含められて出馬を断念。

今頃、新党騒ぎをするぐらいなら、何故あの時立たなかったのか!

舛添氏「新党つくるなら与謝野氏が先」 (YOMIURI ONLINE 3/13)
自民党の舛添要一・前厚生労働相は13日、福岡市の民放番組に出演し、谷垣総裁の辞任を求めている与謝野馨・元財務相について、「私とどっちが先に新党をつくって飛び出すかというと、与謝野氏が先という勢いだ」と述べた。


どうにも踏ん切りの悪い男だ。
こういうことには勢いというものが必要だろう。

 自らの今後の対応については、「新党から党内改革まであらゆる可能性がある。党内に残るなら執行部を握ることになる」と述べ、ポスト谷垣を目指す意欲を改めて示した。

そのために総裁選をやったのだろう!
執行部は総裁の下にある。
「執行部を握る」のは、総裁である。
そのために自民党には総裁と言う役職があり、任期があり、選挙がある。
「執行部」を握りたいなら、桝添も選挙に立候補するべきだったし、そうしなかった以上、次の選挙まで待つべきだろう。
「執行部を握る」手続きが選挙である。
自分で立候補を見送りながら、後からナンクセをつけるのは男らしくない。
桝添だって、自分が降りた時点で谷垣が総裁になることは分かっていただろうし、もしかして自分も谷垣に入れたのではないか?
もっとも誰に入れようと正当な手続きのもとで行われた選挙である。
谷垣降ろしは選挙という手続きを否定するものであり、民主主義そのものの否定につながる。

 新党については、「今、新党をつくっても賞味期限が切れてしまう。むしろ(夏の参院選)直前に一気にやった方が有利かなと思う」と語った。
(2010年3月13日23時11分 読売新聞)


桝添新党は賞味期限は3ヶ月程度らしい。
そんな政党を作ってどうするつもりだ。
目新しさ・話題性だけで選挙に臨むつもりのようだが、政治を弄ぶにもほどがある。

政治に対する真剣さという点では、小沢一郎の足下にも及ばない。

ところで谷垣が降りればまた総裁選が行われることになるだろう。

2006年9月20日 安倍晋三 464 麻生太郎 136 谷垣禎一 102
2007年9月23日 福田康夫 330 麻生太郎 197
2008年9月22日 麻生太郎 351 与謝野馨 66 小池百合子 46 石原伸晃 37 石破茂 25
2009年9月28日 谷垣禎一 300 河野太郎 144 西村康稔 54


自民党総裁選もいまや年中行事となった感がある。
これだけ見たら、自民党総裁の任期は1年のように見える。
実際は3年である。

こんなに念入りに何回も選び直していたのに!
自分たちで選んだ総裁を次から次へと取り替える。
これで政党と言えるのか?
選んだ責任というものがある。

鳩山邦夫が自民党離党、というニュースが流れた。
連休前の新党結成を、ということらしい。

桝添、与謝野、鳩山邦ら三人の動きが、今のこの国の政治の惨状を如実に現している。

二大政党制というのは、小沢が唱えた小選挙区制選挙がその前提あるいは手段となるはずのものである。
さらにいえば、小沢が目標・理想としている政治原理は政党政治である。
小沢は、その目指す政治の基盤を憲法に求めている。
その日本国憲法には三権分立という思想は明確には現れていない。
憲法が前提としているのは政党政治である、と小沢は考えている。

議院内閣制とは、三権分立ではなく政党政治ということの方により親和性のある制度である。
小沢は馬鹿正直にその政党政治の原理を追い求めている。

小沢一郎としては、ようやく二大政党制の出発点に到着したという思いがあるだろう。
しかしながら、二大政党制の相手としては、現在の自民党では大いに不足である。
政権交代可能な二つの政党。
そのためには、一度自民党を分解した上での二大政党の対峙こそが、小沢の理想なのであろう。

桝添や与謝野、鳩山邦夫の動きは、小沢にとっては想定した範囲内での展開であるとも言える。
自民党解体・消滅という小沢の狙いに沿った動きである。
ただしこのままでは、一強四弱だか五弱だか六弱だか分からなくなりそうだ。

戦後60年、自民党政権が続いてしまったために、わたしたちは政党の在り方について深く考えることをしてこなかった。
政党政治とは、選挙によって第一党となった政党が政権を握るシステムである。
連立政権も数の問題上あり得る。
しかし選挙を経ずして離合集散・再編によって政権を握ろうというのは邪道である。
政党は作るだけのものではなかろう。
政党は育てるものでもある。

マスコミの報道も彼等についていきそうな人数を数えたり、人間関係を解説したりで、理念も政策も小沢一郎との対立軸も取り上げようとはしていない。
もともとないものを取り上げることは出来ないだろうが、せめて彼等の理念の無さを形だけでも論評するぐらいの良識を示したらどうか。
今のマスコミにはそれもまた無いものねだりか。

参院の桝添にしろ、衆院の与謝野・鳩山弟にしろ3年程度の任期を残している。
桝添・与謝野は早くも様子見の構えであるが、口先だけの人間である。
もしかすると3年間様子見を続けるかもしれない。
風向きと資金手当の両にらみだろうが、どちらも思うようにはなるまい。

邦夫については、自民党内では冷たい見方が多いようだ。
早くも、母親からのお小遣いに関して、邦夫を証人喚問だ、などと叫ぶ奴までで出て来ている。
どっちもどっちだ。

三人が声高に叫んでいることは、このままでは選挙が戦えないから、谷垣は降りろというだけである。
新党をつくって何をするというわけではない。
ちっぽけな計算はあるが、小沢に立ち向かうべき理念や政治構想があるわけでもない。

鳩山邦夫はいち早く飛び出した。
桝添や与謝野がぐずぐずしていればますます彼等の実行力・決断力のなさが浮き彫りになる。
邦夫はホントはドロ船からいち早く逃げ出しただけなんだが。
鳩山邦夫に何人がついていくか、邦夫にどんな風が吹くか、桝添も与謝野も息を殺して様子見をしている。

鳩山邦夫によると、

日本一頭のいい政治家……与謝野馨
日本一人気のある政治家……舛添要一
平成の坂本龍馬……鳩山邦夫

お笑い三人組!

参院選の予測もちらほらみられるようになった。
一人区での自民党全敗などという予想もある。
どうせ自民党にいて負けるのなら、もしかすると風が吹くかも知れない新党へ、と考える奴もでてくるだろう。

自民党としても困っているだろう。
参院選の候補者を早く決定しなければならないのに、もしかするとその中にも出て行く奴がいるかもしれない、と疑心暗鬼にとらわれる。
これでホントに勝負になるのか?




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立花隆が産経に登場…ボケの進行が加速している

2010-03-12 20:39:07 | 小沢一郎
先月、講談社系ネット誌・g2への緊急寄稿「小沢はもう終わりだ」で老醜をさらしたばかりの立花隆が今度は産経で語っている。

前回の論文?のひどさには、一体何が立花隆に起こったのかと思ったものだったが……。

今に始まったことではなかったようだ。
大分前から似たようなことを言い続けていた。
民主党嫌い・小沢嫌い・検察大好き。
これに始まり、これに終わる。
時に自分の手柄話が入る。
手柄と言ってもロッキードただ一つである。

昔のたった一つのヒット曲を持ってドサ回りを続ける年取った演歌歌手、といった趣がある。
もっとも立花隆にはドサ回りの演歌歌手よりは幾分恵まれた舞台が残されているようだ。
いまだに暖かく迎えてくれる大手雑誌や新聞がある。

前回の立花隆の緊急寄稿に対するわたしの投稿。
 ↓
立花隆と森田実・過去の名声と無惨な現在 2010.2.7

簡単に言えば、立花隆は、田中角栄という巨悪に立ち向かって、共に手を携えて戦った検察と深い同志愛によって結ばれている。
そして目につくのは論理の破綻以前の、論理の不在である。
あるのは驕りである。
「オレが言うのだから間違いない。
馬鹿なお前達には論理的に説明などしても理解出来ないから結論だけを言う。
とにかく小沢は悪人だ。
小沢はやっつけなければならない」

さて前回から1ヶ月、立花隆に何か変化は見られるか。

【話の肖像画】小沢一郎研究(上)評論家・立花隆 立件するなら脱税容疑だ (産経ニュース 3/9)

--政治資金規正法違反では立件できませんでしたが、あっせん収賄罪やあっせん利得罪の適用はどうでしょうか

 立花 そっちの方では立証が難しい。たぶん、脱税(所得税法違反)容疑で追及するしかない。

 --脱税容疑で入った場合、どう立証していくのでしょうか

 立花 陸山会の帳簿の中身を見ていないので分かりません(笑い)


帳簿の中身を見ていないのに、「脱税(所得税法違反)容疑で追求するしかない」と断定する。
「どう立証していくのでしょうか」と聞かれ、
「わかりません(笑い)」!
こちらが笑いたくなる。


【話の肖像画】小沢一郎研究(中)評論家・立花隆 角栄・金丸とそっくり 3/10

--民主党の小沢一郎幹事長のケースは、田中角栄元首相や金丸信元自民党副総裁の事件と比べるとやはり似ていますか

 立花 そっくりだ。たとえば事件の金額。不起訴になった今回の政治資金規正法違反事件では、政治資金収支報告書に記載されていない土地購入代金の4億円が問題になった。ロッキード事件での角栄の賄賂(わいろ)は5億円だし、佐川急便事件で金丸が受けたヤミ献金も5億円だった。金額の点で小沢の場合は文句なしに同列に並ぶ。それに不動産。角栄は不動産をいくつものユーレイ企業(ペーパーカンパニー)名義で所有していたけど、小沢はユーレイ企業の代わりに陸山会などの政治団体を利用している。形こそ違うが、構造的にはそっくり。小沢の政治家修業は、角栄と金丸の下でやったわけだから自然と2人のDNAを受け継いだ。


立花が問題にしているのは、カネの額と不動産である。
「そっくりだ」と言って”4億円”、”5億円”、”5億円”と金額を並べ立てる。

田中角栄や金丸信と似ているから悪い、というだけである。
田中角栄・金丸信ともに一応、金権政治家という評価は確立しているように見える。
それに寄りかかっての、小沢批判である。
DNA?
親・兄弟でもあるまいし、そんなもの受け継げるはずはない。
無責任な比喩で印象を刷り込んでいる。

【話の肖像画】小沢一郎研究(下)評論家・立花隆 古い日本型政治と手を切れ 3/11
--民主党の小沢一郎幹事長の不起訴で、小沢氏や民主党に対する世論の批判がもっと高まると思っていました。

 立花 ここまできてもまだ小沢の弁明を信じる人が少なからずいるというのは驚きだ。小沢は世論の動向次第では乗り切れると思っているわけでしょ。検察も世論の動向をうかがっている。小沢の自宅を捜索しなかったのもそのあたりが微妙にかかわっている。自宅の捜索までしたら抜き差しならぬことになると判断したのだろう。


「ここまできてもまだ小沢の弁明を信じる人が少なからずいるというのは驚きだ」という立花の言葉には、心底驚かされる。
立花は本気でそう思っているらしい。
わたしには、「ここまできてもまだ検察の正義を信じる人が少なからずいるというのは驚きだ」と言う他はない。
多分立花隆を説得し考えを変えさせることは誰にも出来ない。
立花隆の主張は論理からはずれて信仰のレベルに昇華している。
立花に”検察の不正義”を納得させるのは、信仰を捨てさせることと同義である。

--政治とカネの問題はなくなりませんか

 立花 今回の事件は、小沢の中の自民党的な日本型政治の古い体質が生んだ。小沢が消えれば、政治とカネの問題はほぼなくなると思う。大切なのはそうした体質と決別する勇気を持つことだ。(木村良一)


立花は、「小沢の中の自民党的な日本型政治の古い体質」という決まり文句で片付けているが、もし、このインタビューがここから始まっていればもう少し実りある記事になっていたかもしれない。
「日本型政治の古い体質」の本質にせまることができれば、じつは検察自体が、その体質の中に包含されているという認識にもつながったかも知れないのだが……。

立花は、「小沢の中の自民党的な日本型政治の古い体質」という言葉でいったい何を示したかったのか?
立花は、「自民党的な日本型政治の古い体質」をただ「田中角栄的なもの」と捉えているに過ぎず、田中角栄的なもの=悪という思考回路から一歩も抜け出せない。

「小沢が消えれば、政治とカネの問題はほぼなくなると思う。」

どうすればこんな結論に至るのだろう。

多分前回の緊急寄稿から1ヶ月の間に、立花隆の脳障害はさらに進行していたのかもしれない。

批判する価値もないような人間・立花隆を取り上げてしまった。
全部読まないままに書き始めてしまったのだが、立花の予想外にお粗末な結論にはあらためて驚いている。
そしてまた、こんな人間がもてはやされた時代があったということにも、何とも言えない感慨を抱かされる。




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【今日の一冊】
イスラム過激原理主義―なぜテロに走るのか (中公新書)
藤原 和彦
中央公論新社

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自民党破産の恐怖! ネズミが逃げる準備を始めた 

2010-03-10 06:24:31 | 自民党
衆参予算委員会における自民党の狂態は、自民党支持者の目にさえもおぞましいものと映ったことだろう。
人材の枯渇だけではなく、政策そのものの不在、しかも政策立案の基礎になるべき理念の不在、そんなものが洗いざらい国民の目の前に晒されてしまった。
こんな連中がこれまで戦後一貫して政権を握り続けていたことに、あらためて驚きを覚えるし、背筋も凍る思いである。

彼等の武器は、「政治とカネ」だけである。
しつこく「政治とカネ」で下品で愚劣な攻撃を続けている。
しかし、その様子を見て、この連中を総理大臣にしようと思う国民は一人もいないだろう。

彼等はいつの間にか、西松建設献金事件、陸山会事件、鳩山由紀夫政治資金問題をひっくるめて「政治とカネ」問題に変えてしまった。

一つ一つの事件は今となっては、極めてあやふやなものになってきている。
ほんとに犯罪だったのか。
検察からのリークが止まり、マスコミも個々の事件について報道することはめっきり減ってしまった。

すべて検察が起こした事件なのだが、郵便不正事件で検察の信用は徹底的に地に落ちた。
「検察の正義」は迷信だということが知れ渡ってしまった。

「検察が捜査に乗り出した」
「検察が事情聴取を行った」
「検察が家宅捜索を行った」
「検察が逮捕した」
というようなことが、当然には犯罪事実と結びつかないという常識が徐々に広まってくるだろう。

自民党が必死になってすがりついている「政治とカネ」という武器も竹光であることが分かってくるだろう。
そんな無謀な戦いを続ける連中の影に隠れて、逃げ出す準備に入っている奴らがいる。

桝添が派手に動いているが、こんな男についていく奴はいないだろう。
谷垣退陣を叫んでいるが、逆に谷垣に降りられたら困るのではないか。
出て行く口実がなくなる。
もっともそのときは又何か考えるのだろう。

桝添を幹事長に、などという声もあるようだ。
名案である。
もし桝添が引き受けるのなら是非やらせることだ。
そのとき桝添がどんな条件を出してくるか見ていよう。

「連帯保証人のハンコは押しません」

まず第一条件はこれだろう。
自民党には今借金が百二十億程度ある。
去年提出の自民党の収支報告書によると、平成20年度末の借金は以下の通りである。

三菱UFJ    34億円
三井住友    31億円
みずほ      31億円
りそな      23億円
合計      119億円

去年借金していればその分上乗せされる。
りそながトップだと思っていたが、何かあったのだろうか。

建物は自民党本部のビルで簿価15億。
土地は借り物、資産と言えばこの建物だけだが、国有地の上に立っている古くてでかいだけのものである。
たいした価値はないだろう。
買い手も見つからず、取り壊し費用で苦しむ公算のほうが大きい。

借金の担保はいれていない。
代わりにこれまでは幹事長と経理局長が連帯保証人になっていたらしい。
連帯保証人が二人だから借金の負担は半分ずつかというとそうではない。ひとりで全部被ることもあり得る。
これまでと違って、自民党は消滅する可能性もある。
現実的な心配なのである。

かつてある幹事長経験者が語っていた。
「幹事長を辞めて一番ほっとしたことは、連帯保証人を抜けたことだ」

経団連が自民党のスポンサーを降りる姿勢を示している。
その他のスポンサーからの政治献金も入ってこなくなりつつある。
これから参院選がある。
借金がまた増えるかもしれない。

いくらメガバンクといえども、担保もなしにこれ以上貸し込むわけにはいかないだろう。
焦げ付いたら融資担当者だけではなく、銀行そのものの責任が問われる。
簡単には追加融資には応じるわけにはいかない。

逃げ出す奴らにも名分が要る。
今後の生き残りも考えなければならない。
そこで谷垣が飲めない要求を出している。
一応改革への姿勢を示したことにはなる。

一人だけ逃げ出すのはみっともない。
二・三十人は連れていきたいところだろう。
みんなに担がれて新党結成に踏み切る。
これが桝添の理想の展開であろう。
しかし桝添に新党は無理である。
小心者の桝添が新党旗揚げののために自分のお金を使うことはない。
つまりスポンサーを見つけることが前提になる。
自己宣伝のパフォーマンスと権力にすり寄るごますりだけで政界を泳ぎ回っているネズミ男の正体は誰もが分かっている。
すり寄ってくるのは、桝添の知名度だけを利用しようとしている奴らだけである。
お金のある奴は近づかないだろう。

与謝野まで、谷垣に退陣要求を出したらしい。
こいつも新党なんて口走っている。

こっちも本音は逃げ出す準備だろう。
今の自民党を引き受けるつもりなどさらさらあるまい。

自分で新党を立ち上げる力もなく覚悟もない奴らばかりである。
だれか自分を担いでくれる奴が現れるのを待っている。
あるいは、どこかから早くお呼びがかからないかと心待ちにしている。
ひとまず、こちらの準備は出来ているという合図は出した。
みんなの党か、平沼か、それとも亀井あたりが手をさしのべてくるかもしれないなどと淡い期待を持って待っている。

鳩山邦夫あたりをおだててお金を出させようと狙っている奴もいるだろう。

そして今度は山本有二議員である。

自民 党の改革求める動き続く (NHKニュース 3/9)
自民党内では9日、山本有二元金融担当大臣らが執行部に党改革を進めるよう申し入れることにしているなど、党運営に不満を持つ議員の動きが続いており、党の結束を訴える執行部は、対応に苦慮しています。


こうしたなか、経理局長を務める山本元金融担当大臣や政務調査会長代理を務める鴨下一郎元環境大臣らが9日、党改革を進めるよう谷垣総裁あての申し入れを行うことにしています。


経理局長を務める山本元金融担当大臣?
例の連帯保証人ではないか!

離党覚悟か、離党狙いか?
それとも単に経理局長からはずれることを狙っただけか?
あんまり分かりやすくて笑ってしまう。

もう一人の連帯保証人・大島理森はどうしているか?

「顔怖い」相次ぐ批判に大島幹事長キレた「辞めてもいい」 (ZAKZAK 3/5)

「私が辞めて自民党の支持率が上がるなら辞めてもいい」-。自民党の大島理森幹事長が4日、党本部で開いた当選5回の衆院議員との意見交換会で、執行部批判に“逆ギレ”する一幕があった。

 大島氏に対しては、3日に意見交換した当選1、2回生議員からも「テレビに映る顔が怖い。ちょっと芝居がかっていて直してほしい」(平将明衆院議員)といった不満が出たが、その際は「気をつける」と低姿勢をみせていた。


ここまで来ると自民党も完全に終わりだろう。
「顔が怖い」?
顔にまで注文をつけられては、大島もやってられないだろう。
しかし、まだまだこの程度では逃げられないか?
近いうちに、「辞めてもいい」でなく、「辞めたい」と言うようになる日がくる。
しかし、グズグズしていると間に合わなくなる。

逃げ出す奴が増えると、残った奴の借金返済の負担が重くなる。
早い者勝ちである。
ますます動きは加速していくだろう。
メガバンクもおっとり構えていては貸し倒れになってしまう。
早く取り立てに掛からないと、どこかが抜け駆けするかもしれないぞ。

近いうちに自民党を清算、残っている者で分担して借金を払おう、ということになるか。
そうでもしないと、連帯保証人になっている者は自己破産するしかない。

最後に残った者がババを掴む。
最後まで残るのは、麻生か、安倍か、はたまた森か?

小泉進次郎あたりをおだてて総裁にしておいて、みんなで逃げちゃうなんてのもいいかもしれない。





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【今日の一冊】
小沢一郎はどのように自民党をぶっ壊したか? (徳間文庫)
大下英治
徳間書店

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郵便不正事件虚偽報道…マスコミの責任を問う

2010-03-08 18:24:25 | 小沢一郎
これまで、進行中の裁判の途中の状況が一般の人に知らされるというようなことは全くなかったといっていい。
よっぽど話題になった事件の場合でも、ニュースの時間に法廷の様子のスケッチと短い説明がなされて終わりである。
情報伝達者は大手メディアだけである。

今度のいわゆる郵便不正事件では、ツィッターなどを使って、ほぼリアルタイムに近い形で情報が伝えられたりしている。
手段の進歩は、情報伝達の主体まで変えてしまう。
大手メディア以外の情報発信者が新しいメディアの担い手として登場してきた。

様々な証言が生の形で伝えられる。
わたしたちは、これまでの大手マスコミの情報がいかにデタラメで、意図的で、悪意に満ちたものであるかを嫌と言うほど見せつけられている。

大阪地検特捜部が描き、説明してきた事件の姿。
大手マスコミがわたしたちの前に、真実として繰り広げてきた事件の姿。

そんなものが全くの虚構・捏造・でっち上げであったことが露わになってきた。
大手マスコミが伝えてきたことが真実でなかったのだから彼等は謝罪と訂正をしなければならない。

真実はまだ分からない、と言うかも知れない。
謝罪・訂正はまだ早い、と言うかも知れない。
有罪か無罪かはまだ分からない、それがはっきりした時点で、などと言うかも知れない。

しかし有罪・無罪が判定される前から、有罪であると決めつけて書きまくってきたのはあんた達である。
少なくとも、あんた達が書きまくってきた「被疑者が~と供述している」などという部分はほぼ全部が嘘だったことは明らかになっている。
すべての証人・被告人が否定しているのである。

それだけでも十分謝罪の理由になるだろう。
大手マスコミは、これまでの自分たちの報道を検証し、訂正し、謝罪しなければならない。
少なくとも、これまでの自分たちの報道と異なる証言や事実が現れたら、それを報道する義務はある。

【郵便不正事件】省庁のキャリアシステムが背景か (産経ニュース 2009.6.15 11:32

民主党国会議員の口利きがあり、厚労省内で「政治案件」として扱われた障害者団体「凛の会」の証明書発行。今回の事件では、この“腫れ物”のような案件をめぐり、法案の処理などで政治家の口利きを断れないキャリア官僚と、キャリアに追い込まれるノンキャリア職員という構図も浮かび上がる。

 証明書発行に絡む省内の指示は、当時の厚労省障害保健福祉部長(57)から始まった。「国会議員から電話がかかってきた。うまくやってくれ」

 平成16年2月、ほぼ丸投げされた同部企画課長だった村木厚子容疑者(53)は調整係長を担当者に指名。その後、4月に同係長に着任したノンキャリア職員の上村勉容疑者(39)が前任者から引き継ぎ、最終的に偽造という不正な手段をとった。




親切にも分かりやすい図表まで作ってくれている。

「国会議員から電話がかかってきた。うまくやってくれ」
臨場感溢れる描写で、読者に自分が目撃しているような感覚を与えてくれる。

政治家の口利きを断れないキャリア官僚と、キャリアに追い込まれるノンキャリア職員という構図

政治家は石井一氏。
キャリア官僚は村木厚子氏。
ノンキャリア職員が実行犯。

実に分かりやすい構図である。
しかし政治家もキャリア官僚もまったく無関係。
ノンキャリ職員の単独犯。

政治家→キャリア→ノンキャリ?

虚構の癒着関係をでっち上げたのは産経である。

図までつくって見せた産経に責任はないのか。
少なくともこの図表の訂正版ぐらい出したらどうだ。

こんなところ相手にしても仕方がないが、それでも公称212万部?発行の大新聞である。
新聞広告関連データ
報道機関としての責任は自覚してもらおう。

さてこちらは報道機関と言えるかどうか、サークル誌の編集部と言ったらいいのか。
日曜版を含めて160万ほどの発行部数があるそうなので、もしかすると産経より多いかも知れない。

郵便割引不正事件 癒着のトライアングル 厚労省 国会議員 日本郵便 “福祉食い物”くっきり (2009年6月8日「しんぶん赤旗」)>

見出しを見ただけでだれもが犯罪事実は間違いないという印象を受ける。
政官業の癒着構造の中で起こった犯罪と断定している。
ここらへんは、産経と同程度の発想であるが表現は格段に過激である。

障害者団体向け郵便制度を悪用した「郵便割引不正事件」は、郵便事業会社「日本郵便」の幹部につづいて厚生労働省係長の逮捕にまで発展しました。自称・障害者団体への証明書発行は、「国会議員に頼まれた」との供述も飛び出しました。浮かんできたのは、福祉を食い物にした政財官癒着の構図です。

2日の参院厚生労働委員会。日本共産党の小池晃議員は、厚労省の村木厚子雇用均等・児童家庭局長に事件への関与をただしました。

 村木氏は、証明書の発行当時(2004年)、同省障害保健福祉部企画課長。この虚偽の証明書で、「凛(りん)の会」(現・白山会)が障害者団体として郵便割引制度の適用を受けました。同局長は「お答えできません」の一点張りでした。

 しかし、「凛の会」設立者の倉沢邦夫容疑者(73)は、大阪地検特捜部の調べに、「偽の証明書を(同局長から)直接受け取った」などと供述しています。

 同課係長の上村勉容疑者(39)の上司だった障害保健福祉部の元部長(現「福祉医療機構」理事)は、証明書発行について、国会議員から要望を受け、「議員案件」として企画課長らに対応を指示したといいます。

 厚労省ぐるみの様相が浮かび上がります。


赤旗の場合でも、してもいない被疑者の供述を載せ、勝手な構造をこしらえ上げているのは産経と同じである。
もっともこれは産経ばかりではなく、他の新聞もみな同じようなものだったが。

倉沢容疑者は、民主党の石井一副代表・参院議員の元私設秘書。政治家の関与も明らかになっています。



こちらの方が産経よりも大分詳しい。

赤旗を報道メディアと呼べるかどうかは難しい。
日本共産党の宣伝・広報誌に過ぎないとも言える。
大手一般メディアと同列には扱えないだろう。
しかし、赤旗は国会連動型の新聞でもある。
共産党議員の国会活動・国会発言と何らかの関係があるならば、やはり、幾分かの公共的役割もあるのでは……?

いやホントのところ、産経新聞・しんぶん赤旗、ついでに聖教新聞なんかに公共的役割を求めようなんて、つゆほども思ってはいないが……。

こんなところは別にしても、他の大手マスコミには記事を書いた責任をとってもらいたい。
マスコミは、「国民の知る権利に応えるため」という言葉をよく持ち出すが、「知る権利」とは「真実を知る権利」なのである。
嘘の報道は、国民の「知る権利」に反するものである。

特にニュースソースを明らかにしない報道等に関しては、メディアの側が全面的に責任を負わなければならない。

今回は、デタラメ報道の証拠は山ほど残っている。



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ゲッ、軍事裁判所! 自民党の極右化と無意識のナショナリズム

2010-03-06 21:49:17 | 政治
自民党の極右化が顕著だ。
消滅の危機を迎えている自民党が、そのアイデンティティを「国家主義」に求めるのは納得できるところではある。
もともと右翼的体質を持っている連中の集まりである。
その中でちょっとだけ過激な連中が、党存亡の危機だとばかりに喚きだしている。
それが自民党の中だけで済んでいれば構わないのだが……。

「自民党保守系議員」という言葉がある。
自民党に革新系議員がいるはずもない。
簡単に言えば、右翼、というより極右議員を指している。

現在自民党衆議院議員は118人である。
全体の四分の一以下である。

彼等の勘違いは、自民党が保守的性格・色彩を薄めてきたために選挙に負けたと思っているところにある。
保守の旗さえ高々と立てれば国民の支持は戻ってくると思っている。

それとも残った四分の一の議席だけでも死守する方針か?

それにしても”徴兵制”とは!

自民、徴兵制検討を示唆 5月めど、改憲案修正へ (47news 3/4)

参院選を視野に、離反した保守層を呼び戻す狙いとみられる。ただ05年草案も徴兵制には踏み込んでおらず、「右派」色を強めたと受け取られる可能性もある。今後党内外で論議を呼ぶのは必至だ。


「離反した保守層の引き戻し」より「残っている保守層のつなぎ止め」の方が先だろう。
”徴兵制”で戻ってくる人数と離れていく人数とでは、どちらが多いかちょっと考えればすぐにも分かりそうなものだ。

 大島理森幹事長は4日夜に「論点は他の民主主義国家の現状を整理したにすぎない。わが党が徴兵制を検討することはない」と火消しを図るコメントを発表した。

その整理された論点とは、次のようである。

憲法改正の論点整理 自民推進本部が発表 (Yahoo news 産経 3/5)

 ■憲法改正論点整理の要旨

 第1 総論

 一、憲法改正国民投票法の有権者が18歳以上になるため、少なくとも高校で憲法を学ぶ必要がある
 一、「日本らしい日本の確立」のために自民党が主張する憲法改正の柱の明確化
 一、憲法改正要件を規定する96条の改正から、憲法改正の行動を起こすべき
 一、国旗・国歌の規定を置くべきか

 第2 各論
 一、象徴天皇制を維持した上で、天皇が元首であることを明記するか
 一、天皇の国事行為に「承認」の文言は不要
 一、国家としての安全保障をどう表現するか。集団的自衛権と国家の同盟関係のあり方を再検討
 一、民主主義国での兵役義務の意味と、軍隊と国民の関係を検討する必要があるのではないか
 一、外国籍には国・地方を通じて参政権を有しないことを明記するか
 一、一院制・二院制の是非を検討
 一、軍事裁判所の必要性


取り上げるのもバカバカしいものであるが、ちょっと首を捻ったのが「軍事裁判所」である。
いかにも唐突すぎる。
これまで国民の間で、話題に上がったこともないと思うのだが……。
もっとも自民党極右の連中の間では、前からある議論なのかもしれない。

これは徴兵制と関連するのか?
徴兵制(国民皆兵)→軍事裁判所・軍法会議

それでなくとも検察の横暴・暴虐に国民の多くは怒っている。
この上、軍事裁判所なんてものまで作られてはたまったものではない。
まったく正気の沙汰とは思えない。

しかし、「徴兵制」とか「軍事裁判所」とかいうのは、その言葉だけで問題がはっきりするからまだいい。
こういうのは、大きな声で反対しにくい空気があるので厄介だ。
 ↓
文科相、北教組指導へ 国旗国歌排除マニュアル問題で (産経ニュース 3/5)
川端氏は「学習指導要領を含めて、子供たちにも自国の国旗を尊ぶと同時に君が代が歌えるように指導し、国旗国歌を大事にと指導している」とも指摘し、マニュアルの内容を問題視した。


質問者は下村博文。自民党極右議員の代表的存在である。
もっとも自民党にはそんな奴があんまり多すぎて順位をつけるのには苦労しそうだ。

当時首相であった小渕恵三は、1999年6月29日の衆議院本会議において、日本共産党の志位和夫の質問に対し以下の通り答弁した。
「国旗及び国歌の強制についてお尋ねがありましたが、政府といたしましては、国旗・国歌の法制化に当たり、国旗の掲揚に関し義務づけなどを行うことは考えておりません。したがって、現行の運用に変更が生ずることにはならないと考えております。」 (ウィキペディアより)


出来てしまえばこっちのもの、とばかりにどんどん締め付けを厳しくしてきたのが右翼政治家とそれに流されてきた無気力議員たちである。

民主党は、自民党右翼議員の攻撃に毅然とした反撃・反論を見せたことはほとんどない。
しかし攻撃をはぐらかす能力もない。
残ったのは、阿諛追従である。

わたしたちもあなた達と同じに考えています。
同じようにやっています。

大臣室に国旗があるか、と質問されて、「飾っています」と、してやったりというような表情で、いかにも得意げに答弁した大臣がいた。
福島瑞穂である。
民主党ではないが、民主党の大臣よりおかしかないか?

何でもないことのようだが、これなんかも違和感がある。
 ↓ 
文科相、五輪選手支援企業の優遇税制検討 (YOMIURI ONLINE 3/4)

鳩山首相も「(五輪は)国民挙げて強い関心を持つ、日本人であることに誇りを持つ瞬間だと思っているので、何ができるのか、真剣に積極的に検討していきたい」と述べ、五輪選手の支援に前向きに取り組む考えを表明した。


五輪を国威発揚の場と捉えることに何ら疑問を持たないでいる。
五輪でのメダルが、「日本人であることに誇りを持つ」ことに簡単につながってしまう。
スポーツ・ナショナリズムというような言葉で片付けたいとは思わないが、発想はその程度である。

渡部元衆院副議長 「心の教育を粗末に」 北教祖の違法献金事件で陳謝 (産経ニュース 3/5)
(祖ではなく組なのだが、ソースに従った)
マスコミは何かあるとすぐにこの男のところに行くのはやめたらどうか?
小沢や鳩山の悪口を言わせたくていくのだろうが、この男、年をとって人恋しいのか、人を集めるためにせっせとリップサービスに務める。

「北教祖の違法献金事件で陳謝」?
うれしくてしょうがないようだ。

「心の教育」なんてのも右翼は大好きである。

警戒すべき人間は民主党内にも山ほどいる。
はっきりと色のついている奴は外から見て分かるからいいのだが、無意識にそいつらに引っ張られていく奴も少なくはなさそうだ。

それでもまさか、「徴兵制」だの「軍事裁判所」などと言いだす奴まではいないだろう……?





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検察の走狗・自民党…北教組事件・一石三鳥の悪巧み

2010-03-04 12:15:19 | 小沢一郎
敵にもなかなかの策士がいる。
たかだか1600万円の政治資金問題が、意外に深刻な結果につながるかもしれない。
民主党は余程気を引き締めて対応する必要がある。

発端は北海道第五選挙区の小林千代美議員の選挙違反事件であった。
しかし、これだけでは即議員辞職には追い込めない。
一審では連座制の対象になるかもしれない人物に有罪判決が下りた。
しかし、判決が最終的に確定するのはまだまだ先のことである。

自民党には、小林議員を一日も早く議員辞職に追い込みたい理由がある。
小林議員が3月15日までに辞職すれば、4月に補欠選挙が行われることになるらしい。

この選挙区の自民党候補は町村派会長・町村信孝である。
町村は小林議員に敗れ、屈辱の比例復活で辛うじて議席にぶら下がっている。
補欠選挙が実施されれば、比例議席を返上して小選挙区で雪辱を期すらしい。

3月15日までに小林議員が辞めなければ、補選は半年先延ばしされる。
自民党としては是非とも4月に選挙を行って参院選に勢いをつけたいと思っている。

11月 6日  小林側選挙関係者を起訴
 2月12日  有罪判決
 2月24日  控訴

そこに降って湧いたような(ホントは狙ったような)政治資金規正法違反での北海道地方検察庁特別刑事部の強制捜査である。

2月15日 地検が北教組本部などへ家宅捜査

これで小林議員への辞職圧力は俄然強まった。
更にだめ押しの逮捕劇。

3月1日  地検、北教組四人を逮捕

北教組幹部ら4人逮捕 違法な選挙資金を提供容疑 (asahi.com 3/1)
札幌地検は1日、小林氏陣営の選対委員長を務めた北教組の委員長代理や書記長ら4人を政治資金規正法違反(企業・団体献金の禁止)の容疑で逮捕し、札幌市中央区の北教組本部を家宅捜索した。

 北教組が加盟する日本教職員組合(日教組)は民主党の有力な支持団体の一つ。民主党には他にも労組が選挙を支えている議員が多く、今回の事件が夏の参院選に影響を及ぼす可能性が出てきた。


これでなんとしても小林千代美を議員辞職に追い込もうと、自民党は一段と声を張り上げている。
小林議員は、あと10日余りしっかり粘って絶対辞職しないように!
そして判決が確定するまでは、堂々と議員活動をするように!

自民党は、鳩山・小沢に続く「政治とカネ」問題の一環として、騒ぎを引き延ばそうとしている。

すっかりお馴染みになった「政治資金規正法」でまた一人引っかけた検察庁。
自民党の応援というより、民主党潰しであろう。

そしてもう一つの効能が、記事にもある「日教組」の活動にタガをはめることである。
普段はドジで間抜けな自民党も、今回は素早く「日教組問題」、「教育問題」に的を広げている。

多分これで日教組の選挙活動はずいぶんとけん制されることになるだろう。

自民党の質問攻撃の標的は鳩山である。
簡単に相手の土俵に引きずり込まれて、言わなくてもいいことまでしゃべらされる。
子供みたいに易々と言質を取られる。

民主党はなるべく鳩山に答弁させないように!

最近目に付いた鳩山の答弁

自分の株式の配当金に関して、証券優遇税制で莫大な利益を得ていると攻められて、「証券優遇税制を見直す」
箇所付けのペーパーが流出したことでも、「担当者を処分する」
まあ処分されたのが前原だからいいけど……。

北教組の活動・教育について自民党が持ち出す資料を丸々信用する。
その挙げ句、
「北教組の、わたくしどもから見てかなり偏った意見が盛り込まれた指導が行われていると理解します」
これが鳩山の参院予算委員会での答弁なのだ。

なんでこんな答弁をするかね。
自民党に日教組の悪口を言わせて、自分がそれに納得してしまって選挙が戦えるのか!

①小林千代美議員を辞職に追い込む→補選→町村復活
②政治とカネの問題を参院選まで引っ張る。
③日教組批判を大きくして、民主党支援活動をしにくくする。
 ついでに日教組=民主党というイメージを国民に刷り込む。

これを初めから計画していたのなら、それを企んだ人間は大した策士である。
結果的にこうなっただけかもしれないが……。

それにしても日教組がらみの問題だけに、自民党の極右連中が興奮するのも無理はない。

昨日の参院予算委員会・自民党質問者の顔ぶれ。
さしずめ鳩山は、愚連隊に絡まれている小市民、という風情である。

西田昌司  日本教職員組合問題究明議員連盟(日教組叩きの集団)…町村派
義家弘介  自称・ヤンキー先生 日本教職員組合問題究明議員連盟幹事長…町村派
大江康弘  民主党を追い出され、改革クラブ。全国会議員中一番のクズ。

何のことはない。
町村親分のために何としても小林千代美議員を辞職させたいということらしい。
見ても聞いてもいられないほどの下品で愚劣な質問を浴びせかけている。
今国会の中でもっとも程度の低い質問をしているのは自民党議員である。

わたしたちはこれまで、政権の座にある自民党が検察を操っている、と思っていた。
しかし、ここのところの動きは、逆のことを示しているのではないか。
実は自民党は検察の掌の上で動き回っていただけではなかったのか。

自民党は選挙に負けるずっと以前から、検察の走狗に成り下がっていたのではないか。





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前原誠二国交大臣の四つの大罪

2010-03-01 21:39:20 | 小沢一郎
いつの間にか、「陸山会事件」から「政治とカネ」に焦点が移ってしまっている。
陸山会事件はすっかり「政治とカネ」に衣替えをしてしまった。
もともと火のないところに立てた煙である。
衣が残っただけでも上出来であろう。
その衣を後生大事に振りかざす奴らがいる。
芝居は第二幕に移っている。

最早、水谷建設から5000万円が2回だの、21億円の虚偽記載など誰も口にしない。
結局何も出なかったのだ。
下手につつけばぼろが出る。
口を拭って知らん顔をしているに限る。
それどころか、早く忘れたいと思っている。
主役は検察庁からマスコミに交代した。
検察が舞台を降りたのか、それとも舞台の袖で次の出番を待っているのかは分からない。
いくら頑張っても主役になれないのが自民党である。
頑張れば頑張るほど悲惨さが浮き彫りになる。

しかし、芝居の演目は「政治とカネ」に替わったが、隠れた副題は「小沢抹殺共同謀議事件」のままである。
そうすると、重要な脇役が存在することに気づかされる。
民主党内に巣くう”反・小沢”議員たちである。

彼等は、長崎県知事選における敗因を、小沢の「政治とカネ」問題に求め、参院選前に小沢に「ケジメ」をつけることを要求している。

ほとんどすべてのマスコミがその敗因を「小沢の政治とカネ」に求めているが、厳密な検証を誰も行っていない。
少なくとも民主党は、いい加減な世論調査などを鵜呑みにするのではなく、自ら敗因の徹底的な分析をするべきであろう。

とりわけ、前原はこんなことを言える立場ではない!
   ↓
小沢氏の自発的辞任に期待=参院選への影響懸念-前原氏 (jiji.com 2/28)

長崎県知事選敗北及び鳩山内閣支持率低下のまったく個人的かつ主観的分析

①検察・マスコミ一体となった小沢攻撃   30%
②小沢の防御ミス               10
③鳩山の「政治とカネ」問題          10
④鳩山のリーダーシップの欠如と無能   20
⑤閣僚の無能                  20
⑥選挙戦術のミス               10

西松献金事件、陸山会事件ともに小沢は不起訴である。
事件そのものが検察による濡れ衣・言いがかりであり、小沢個人には責任はない。
ただしそのディフェンスにおいて反省すべき点はあろう。
それに対して、鳩山の月額1500万円の母親からのお小遣い支給は事実であるだけに、鳩山個人にその責は帰せられるべきものである。
④と⑤は密接不可分というところがある。
鳩山のリーダーシップの欠如は既に多くの国民の目に明らかになっている。
普天間基地移設問題、ガソリンの暫定税率問題、後期高齢者医療費問題、高速道路無料化問題、郵政における官僚出身者の登用問題等々、数え上げればきりがない。
これは鳩山内閣全体の政策遂行能力に疑問符が付けられているということでもある。

⑤の内で、もっとも罪が重いのは、前原誠二国交大臣である。

一 八ッ場ダム工事中止の不手際
二 JAL問題での不手際
三 観光庁長官人事の不明朗さ
四 反・小沢発言を続けていること。

一 ダム建設中止宣言は結構なのだが、就任直後に前後のみさかいなくぶち上げて、その後の対処の仕方も拙劣極まる。
鳩山内閣の出だしにすっかり水を差した。

二 日航再建問題も大きかった。

【日航危機と再建】日航の株価と最近の主な出来事 (jiji.com 2010.1.19)
   ↑
(この記事には実に分かりやすいチャートが付いているのだが、転載の仕方が分からないので上記をクリックしてご覧になって下さい。一部、時系列的に抜粋する)

 9月24日 「法的整理一切考えていない」
 9月25日  JAL再生タスクフォース設置
10月29日  企業再生支援機構に支援要請
11月18日 「法的整理しないとは言ってない」
 1月19日  会社更生法適用申請
 2月20日  日航上場廃止

前原が、訳が分からないまま、思いつきや人に騙されて口を開く度に株価が下がり、国民はあきれ、内閣の足を引っ張り続けた。
迷走は最初からだった。
前原は法的整理の意味が分からなかったのだ。
再生タスクフォースで丸々1ヶ月の時間と金の無駄遣い。

(JBプレス)タスクフォースのメンバーとなったレゾンキャピタルパートナーズの奥総一郎は、前原と京大法学部の同期で故・高坂正尭教授の同門生。そもそも、タスクフォースの設置は、奥のアドバイスだったとされる。

結局JALは株価一円売り気配で上場廃止。
株券電子化のおかげで、紙くずももらえない。

三 これもお粗末お友達人事。

観光庁長官を更迭、前原国交相 後任は大分トリニータの溝畑前社長 (産経ニュース 2009.12.25 )

後任の溝畑氏は、旧自治省(現総務省)出身。大分トリニータの立ち上げに尽力し、Jリーグまで引き上げた。しかし、成績不振や経営の悪化の責任をとり、今月辞任したばかりだった。

溝畑宏(みぞはた・ひろし)氏 東大法卒。平成2年自治省(現総務省)から大分県に出向。6年大分フットボールクラブ発足時からクラブ経営に関わり、8年にゼネラルマネージャー、12年に社長。今月12日に辞任。京都府出身。

裏の事情は次の記事に詳しい。

「お友達人事」で株下げた前原国交相観光庁長官交代劇でポスト鳩山に黄色信号? (JB PRESS 2010.01.14)

長官就任の経緯についても溝畑は「2009年12月5日の最後の公式戦の後、前原大臣から打診の電話があった」と説明しているが、「実際は猛烈な職探しをしていて、11月中に観光庁長官ポストの手応えを得た上で社長辞任を表明した」(複数の関係者)ことが真相のようだ。

 取締役会で正式に辞任してから、わずか13日後の長官就任決定に、大分の地元関係者の中からは民主党に多数の抗議メールが送りつけられたという。

あまり知られていないが、実は、前原と溝畑の関係は、幼少期にまでさかのぼる。溝畑の2歳年下の弟と前原が京都修学院小学校の同級生で、2人は幼い頃からの顔見知りだ。

 前原は時々、溝畑家に遊びに行っており、「かわいい顔の前原少年を、ガキ大将の溝畑兄貴がからかうような間柄」(関係者)だったという。その後、府議になった前原を、溝畑の両親が熱心に応援。そういう意味では今回の一件は「幼なじみ人事」とも「ご近所のよしみ人事」とも言いたくなるようなもの。

 さらに、前原と極めて近い関係にある松井孝治官房副長官と溝畑とは、京都の洛星中学・高校で机を並べた同級生。松井は2008年11月12日付の日経新聞「交遊抄」の中で、溝畑のことを「愛すべき悪ガキ」「当時から型破りな存在」などと綴っている。大人になった前原と溝畑は松井の取り持ちで再会を果たした。


民主党政権の足を散々引っ張っておいて、小沢に辞任を要求するとは何事か!

四 小沢に辞任を要求したり、民主党の亀裂を広げてそれを有権者の目の前に見せつけていること。
これこそが前原の最大の罪である。




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