政治の季節【稗史(はいし)倭人伝】

稗史とは通俗的な歴史書等をいいます。
現在進行形の歴史を低い視点から見つめます。

千葉県知事森田健作の当選取り消しを要求する

2009-03-31 06:56:03 | 自民党
新聞報道によると、森田健作は自民党の政党支部長であるということだ。
これは当選取り消しでしょう。

「完全無所属」実は「自民支部長」…千葉知事当選の森田氏 (YOMIURI ONLINE 3/30)
千葉県知事選で100万票余を獲得して初当選した元衆院議員の森田健作氏(59)が、現在も東京都の自民党支部長を務めていたことがわかった。


選挙運動中の森田の姿をテレビて見たが、森田がかけていたタスキにははっきりと無所属と書いてあった。
自民党から”公認”や”推薦”を受けないからと言って”無所属”ということにはならない。
自民党の政党支部の支部長が自民党員でないとは考えられない。
(百歩譲って、自民党党員として党費を払っていないとしても、党員名簿に名前がないとしても自民党政党支部長という肩書きを持っている事実は重い)
だとすれば森田は自民党に所属していることになる。
森田の”無所属”は虚偽事実の公表である。
”学歴詐称”以上に悪質であろう。

○公職選挙法235条1項は、下記の通り、当選目的で、虚偽の職業や経歴を公にした場合に刑罰規定を設け、同251条でその場合の当選無効を定めている

○公職選挙法235条1項
(虚偽事項の公表罪)
当選を得又は得させる目的をもつて公職の候補者若しくは公職の候補者となろうとする者の身分、職業若しくは経歴、その者の政党その他の団体への所属、その者に係る候補者届出政党の候補者の届出、その者に係る参議院名簿届出政党等の届出又はその者に対する人若しくは政党その他の団体の推薦若しくは支持に関し虚偽の事項を公にした者は、2年以下の禁錮又は30万円以下の罰金に処する。


完全にアウト!
検察が動くまでもない。千葉県警は今日にも森田逮捕ということになろう。
(森田健作の父親は警察官だったらしいが、まさか身内をかばうようなことはしないだろう)

森田氏は、政党と距離を置く「完全無所属」をアピールして無党派層の支持を集めており、一夜明けた30日の記者会見で「近く支部を解散したい」との考えを明らかにした。

「近く支部を解散したい」と本人が言っている以上、現在の森田は「自民党衆議院選挙区東京第二支部支部長」という身分のままであるのは間違いない。

森田氏が支部長を務めるのは、自民党東京都衆議院選挙区第2支部(東京都中央区)。森田氏が参院議員だった1995年1月に設立された。衆院議員に転じた森田氏が2003年10月に辞めた後も、支部は存続している。

活動を停止していようが、解散するつもりであろうが、現実に存在している政党支部の支部長であるのは確かである。

収支報告書によると、支部長の登録は本名の「鈴木栄治」。04~07年には計1億6185万円の企業・団体献金を受け、同時期に計1億5030万円を、同支部と同じ事務所で、森田氏が代表を務める資金管理団体「森田健作政経懇話会」に寄付していた。使途については、「知事選には使っていない。知事選に無所属での出馬を決意する前に、自民党候補の応援などのために使った」と釈明した。

しかも、しっかり活動を続けているではないか。
08年度分については分からないが、いずれしっかり金集めはしているのだろう。
まだ公表されていないのか?
決して実態のない幽霊政治団体などではないのだ。
森田の政治資金については追々材料が出てくるだろう。
これだけの金をあつめているのだ。
叩けば色々ほこりもでてくるだろう。

ところで自民党の政党支部というのは、森田一人の判断で解消できるようなものなのか?
いみじくも、政党支部というものが、個人の政治資金団体であることを明白に物語っている。


○公職選挙法251条
(当選人の選挙犯罪による当選無効)
当選人がその選挙に関しこの章に掲げる罪(第235条の6、第245条、第246条第2号から第9号まで、第248条、第249条の2第3項から第5項まで及び第7項、第249条の3、第249条の4、第249条の5第1項及び第3項、第252条の2、第252条の3並びに第253条の罪を除く。)を犯し刑に処せられたときは、その当選人の当選は、無効とする。

○有罪が確定すれば、この251条によって、当選は無効となる。


これで警察・検察が動かなければ、小沢代表秘書の逮捕のいかがわしさを白日のもとにさらすことになる。
「政治的意図によって検察が動くことはない」という自らの言葉を証明しなければなるまい。




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麻生の外交下手・”外交の麻生”は嘘

2009-03-29 19:13:12 | 麻生太郎
時事通信のネット版jiji.com(3月22日)に麻生内閣発足半年をまとめた記事が3本掲載されている。
とにかくわたしたちはなんでもすぐに忘れてしまう。
たまに過去を振り返るのも必要なことである。

麻生首相、発言の変遷
麻生内閣半年の主な動き
首相、景気対策に命運=解散へ展望開けず-麻生内閣半年

最初の”発言の変遷”は”ブレる総理”としてすでにおなじみのことだが、読んでみるとあらためてそのブレのひどさにあきれかえる。
【衆院解散時期】【消費税増税】【定額給付金】【郵政民営化】【小沢氏秘書逮捕】【漆間官房副長官オフレコ発言】
それぞれテーマごとに分かりやすくまとめてくれている。
面白いので是非ご一読ください。


二番目の記事は内閣発足以来の足取りを年表風にまとめている。
今その中から外交に関する事項を拾ってみる。
”外交の麻生”、”得意の外交”とかいうイメージを作りたがっている麻生が外交でどれだけの成果をあげたか振り返ろうと思う。

【2008年】
 9月24日 麻生内閣発足
   11月15日 ワシントンでの主要20カ国・地域(G20)による緊急首          脳会合(金融サミット)に出席   
12月12日 改正新テロ対策特別措置法が衆院再可決で成立。総事業規模23兆       円の緊急経済対策を発表   
   13日 日中韓首脳会談。金融危機に共同して対処することを確認   
【2009年】 
 2月17日 中川昭一財務・金融相がローマでの記者会見で醜態をさらした責任       を取り辞任   
   18日 ロシアのメドベージェフ大統領と会談。北方領土問題の進展に向け       た交渉の加速で合意   
   24日 ワシントンでオバマ米大統領と初の会談。「重層的同盟関係」の構       築を確認   

   12日 北朝鮮が「人工衛星」発射を国際海事機関(IMO)に通告したと       朝鮮中央通信が報道   
   13日 アフリカ・ソマリア沖の海賊対策で海上警備行動を発令


さて昨年11月15日 金融サミット
麻生はIMFへ10兆円の資金拠出を表明。
麻生に財布は預けられない・麻生に禁治産宣告を (2008-11-16 投稿)
(記事が既に削除されているようなので拙ブログより引用した)
IMFに10兆円追加融資表明へ 首相、金融サミットで (asahi.com 11/12)
麻生首相は14日からワシントンで開かれる金融サミット(G20)で、国際通貨基金(IMF)に新たに約10兆円を融資する考えを表明する。金融危機で財政難に陥った中小国や新興国に対するIMFの緊急融資を拡充するためで、外貨準備から資金を拠出する方向で調整を進めている。
 日本は他国にも追加融資を呼びかけているが、日本単独でも実施する方針。


記事の日付は11月12日。
金融サミットの三日前。
実はこのとき麻生は、このほかにも気前よくバラマキをしている。
【金融サミット】途上国銀行支援で基金設立へ 日本政府と世銀が合意 (ヤフージャパン・ニュース 11/15)

【ワシントン=坂本一之】金融サミット出席のため訪米中の中川昭一財務相・金融担当相は14日、世界銀行のゼーリック総裁と会談し、途上国の銀行を支援する「途上国銀行資本増強ファンド」(仮称)を設立することで基本合意した。

 世界的な金融危機で新興国や途上国の市場から投資資金を引き揚げる動きが広がっているため、中小途上国の銀行に資本注入できる枠組みを整備して金融システムの安定化を図る。

 ファンドの事業規模は3年程度で30億ドル(約3000億円)を予定。世銀グループの国際金融公社(IFC)が10億ドル、日本は国際協力銀行(JBIC)が20億ドルを拠出する。

麻生太郎首相は緊急首脳会合(金融サミット)でアジア開発銀行(ADB)の資本を今の約500億ドルから倍増することも提案する。


日本が金持ちなのか、麻生が太っ腹なのか。
麻生は、”他国にも追加融資を呼びかけているが”とうとう追随するところは現れなかった。

いい論評があったので、その一節を揚げておくが、詳しくは全文を読んでいただきたい。
DIAMOND onlineより
感謝はされても無視される、“外交下手”麻生首相の10兆円支援  上久保誠人(大学講師
麻生首相がG20の「首脳外交の場」で存在感がなかったのは、この連載の第2回で書いたように、「資金援助」が強い外交カードとなるのは、それを与える直前までで、そのカードは援助を与えた瞬間に消滅するものだからだ。つまり、G20で麻生首相が国際通貨基金(IMF)向けの最大10兆円に上る資金支援方針などを表明した時点で、日本は首脳外交での交渉力は失っていたのだ。


次に取り上げたいのが
2月18日 ロシアのメドベージェフ大統領と会談。北方領土問題の進展に向けた交渉の加速で合意
であるが、その前にダボス会議について触れておきたい。
ここでも麻生は巨額資金提供を表明している。

日本は、ODA(政府開発援助)、OOF(その他政府資金)から民間資金まで動員し、アジア諸国を後押しします。そのためODAについては、総額1兆5000億円(170億ドル相当)以上の支援をする用意があります。
(麻生総理演説より 2009.2.8)


ダボス会議に関する評価の一例

ダボス会議:麻生首相演説…中長期構想示せず(毎日jpより)
【ダボス(スイス)川上克己】世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議)でのわずか約30分間の演説のため、週末にスイスへ飛んだ麻生太郎首相。その意欲とは裏腹に、演説内容は過去の政策や構想の紹介が目立ち、中長期の構想を国際社会に示すことはできなかった。過去最高の約40カ国の首脳が集ったダボス会議。しかし首相の「駆け足」外交は、「各国に乗り遅れまい」との危機感ばかりが空回りした印象だ。

演説に先立ち麻生首相が会ったのはブラウン英首相。会談実現に向けて英国側とすり合わせた外務省は出発ギリギリまで危ぶんでいた。結局、話はしたが、約25分の「立ち話」にとどまった。


ここでも”総額1兆5000億円(170億ドル相当)以上の支援”表明。

2月18日 ロシアのメドベージェフ大統領と会談。北方領土問題の進展に向けた交渉の加速で合意

【ロシア/日本】メドベージェフ大統領 来月、日ロ首脳会談を サハリンに麻生首相招待 [01/25]
2009/01/25(日)
ロ大統領 来月、日ロ首脳会談を サハリンに首相招待

麻生太郎首相は二十四日夕、公邸でロシアのメドベージェフ大統領と電話で
約十五分間会談した。大統領はサハリン州で進めている大型エネルギー開発
事業「サハリン2」の液化天然ガス(LNG)工場の完成を記念し、現地で
二月中旬に予定している式典に首相を招待し、その際の日ロ首脳会談開催を
提案した。

大統領は同事業について「日本側の貢献を高く評価している」とした上で、
「二国間のすべての問題について話し合いたい」と述べ、首脳会談で北方
領土問題についても協議したい考えを伝えた。

首相も「同事業はエネルギー分野での日ロの典型的な互恵協力で、LNG
生産開始は両国関係にとって象徴的な一歩だ」と評価。式典への招待に謝意
を伝え、出席は「検討の上、回答したい」と述べ、国会情勢などを見極めて
判断する考えを示した。また領土問題を念頭に「話し合いを積み重ねて良い
結果が得られるようにしたい」と期待感を示した。


電話で呼びつけられた麻生。
餌は領土問題とサハリン2。
サハリン2については、

メドベージェフ:「日本側の貢献を高く評価している」
麻生:「同事業はエネルギー分野での日ロの典型的な互恵協力で、LNG
生産開始は両国関係にとって象徴的な一歩だ」

しかし、サハリン2と言えばロシアの無理難題の横車のごり押しで日本側は煮え湯を飲まされていた。
開発が進んでいたところに突然政府系資源会社ガスプロムが割り込んできた事件はまだ記憶に新しい。

ガスプロムが経営権取得 サハリン2、日欧が譲渡 2007/04/18 【共同通信】
【モスクワ19日共同】ロシア極東サハリン州沖の石油・天然ガス開発事業「サハリン2」を進めてきた英・オランダの国際石油資本ロイヤル・ダッチ・シェルと日本の三井物産、三菱商事の3社は18日、事業会社の株式の過半数をロシア政府系独占企業ガスプロムに譲渡し、経営主導権を移譲することで正式合意した。ガスプロムのメドベージェフ副社長ら4社の代表が株式譲渡の合意文書に署名した。  株式取得額は74億5000万ドル(約8800億円)。エネルギー資源の国家管理を強めるロシアは、環境破壊などを理由にサハリン2の開発方法に批判を強めて圧力をかけ、昨年12月にガスプロムが経営権を取得することで合意した。  メドベージェフ副社長は会見で、サハリン2の事業会社「サハリンエナジー」の社長をガスプロムが任命する考えを示した。シェル出身のイアン・クレイグ社長は退任する。


”日ロの典型的な互恵協力”?
こんな仕打ちを受けていて、社交辞令にしても、度を超している。
『記念式典』?
アホ!

2月24日 ワシントンでオバマ米大統領と初の会談。「重層的同盟関係」の構築を確認 

これはお粗末。こういう言葉は好きではないが、国辱外交。

評価
麻生氏見限られた?「格下」が出迎え会食も会見もなし ((2009年02月25日 共同)
)

オバマ米大統領と麻生太郎首相の初顔合わせとなった24日の日米首脳会談だが、米側は地味な演出にとどめようとしており、日本側との落差が目立つ。背景には、早期会談に応じることで日本への配慮を示しつつ、不安定な麻生政権とは距離を置いた方が得策とのオバマ大統領のしたたかな計算も透けて見える。

 23日夜、ワシントン郊外のアンドルーズ空軍基地に到着した首相を出迎えたのはボルーダ国務省儀典長代行。「格下」と言われても仕方ない。

 米政府筋によると、両首脳による会談後の共同記者会見などは今回見送られた。過去の日米会談では、2007年4月に安倍晋三首相(当時)が訪米しブッシュ大統領と会談した際、共同会見が行われた。同11月の福田康夫首相(同)訪米時も、質疑応答はなかったものの、福田氏とブッシュ氏が並んで記者団の前に立ち、会談結果を共同発表した。

 今回は、大統領主催の会食も予定されておらず、政権発足後ホワイトハウスに初招待した外国首脳にしては寂しいもてなしぶりだ。

 日本側によると、首脳会談後にメディア対応を行うかどうかは、ホワイトハウスの判断次第。24日はオバマ氏にとって初の議会演説と重なり、過密日程という事情もあるが、オバマ政権が麻生政権を支えているイメージを与えたくないとの思惑は働いたようだ。


内閣の低支持率に悩む麻生はなんとか外交を支持率上昇のテコにしたいと必死になっているが、極めつきの外交下手が災いして、かえって逆効果。
金だけむしり取られるてはむなしく帰ってくる。
今回もアメリカ国債買い取りを約束してきたのではないかとの疑いが消えない。

そして昨日も、

ODA、アジアに2兆円 首相、金融サミットで表明へ (NIKKEI NET 3/28)
首相は1月の世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議)の講演で、アジア向けに1兆5000億円のODA拠出を表明。しかし、世界的な景気後退は今年に入ってから一段と深刻化しており、支援の拡充が必要と判断。さらに5000億円を上積みし、アジア支援に取り組む日本の姿勢を明確にする。


いとも簡単に5000億円追加して総額2兆円。
2兆円といえば、今度の定額給付金の総額。
高速道路値下げの政府負担金の8年分。
まさか前日のこんな記事でびっくりしたのではあるまいが……。

日本のODA、純支出3年ぶり増 順位は世界5位どまり (NIKKEI NET 3/27)
経済協力開発機構(OECD)がまとめた2008年の政府開発援助(ODA)実績の暫定値が27日、明らかになった。返済済みの借款などを差し引いた日本の純支出額は前年比21.9%増の93億6000万ドル(9690億円)で、3年ぶりに増加に転じた。ただ、世界での順位は前年に続いて5位にとどまった。


こんなところで競争などしなくていい。
5位で10位でもかまわない。
麻生は『今回の世界的な景気後退から一番先に抜け出すのは日本』と能天気なことを言っているが、何の根拠もなし。
経済音痴の麻生には到底無理な舵取り。

日本の成長率5・8%減、世界全体もマイナス…IMF予測 (YOMIURI ONLINE 3/20)
【ワシントン=矢田俊彦】国際通貨基金(IMF)は19日、ロンドン郊外のホーシャムで先週末に開かれた世界20か国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議に提出した資料を公表した。

 この中で、2009年の世界全体の成長率はマイナス0・5~マイナス1・0%とマイナス成長になると予測した。1月時点の世界経済見通しでは、戦後最低ながらも0・5%のプラス成長を予測していたが、主要国の景気減速を踏まえて下方修正した。

 09年の日本の成長率は、1月予測のマイナス2・6%からマイナス5・8%へ大幅に下方修正し、10年もマイナス0・2%を見込み、08年から3年連続のマイナス成長を予想した。

 09年は米国のマイナス幅が2・6%と1月予測(マイナス1・6%)から拡大、ユーロ圏のマイナス幅も3・2%と1月(マイナス2・0%)から拡大した。一方、10年は米国が0・2%、ユーロ圏が0・1%とわずかながらプラス成長を予想する。

IMFだって考えてしまうだろう。
一番景気が悪くなると予想される日本から10兆円も出して貰っていいんだろうか、と。

今後の外交日程も盛りだくさんのようだが、麻生が動けば動くほど国民の利益は損なわれる。

もう一度言っておきたい。
麻生に財布を持たせるな!
麻生に外交をやらせるな!

どうしてもやりたければ、金を使わずにやれ!





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大臣規範と自民党違法献金 2

2009-03-27 07:54:29 | 自民党
2回続けて同じ標題で書くことになるとは思わなかった。
昨日は塩谷文部科学大臣の政治資金集めパーティーと”大臣規範”問題を取り上げた。
今度は財務副大臣。

平田財務副大臣が辞任、6億円の株売却で引責 (YOMIURI ONLINE 3/6)
自民党の平田耕一財務副大臣(60)(衆院比例東海ブロック)が今月、保有していたジャスダック上場の石こうボードメーカー「チヨダウーテ」(三重県四日市市)の株式を、自身のオーナー企業に約6億円で売却していたことが分かった。

 民主党は、閣僚や副大臣の在任中の株取引自粛などを求めた「大臣規範」に抵触するとして平田氏の辞任を要求。平田氏は26日夜、財務省で記者会見し、「国会の審議が滞れば国民に多大な迷惑をかける」と述べ、辞任する考えを表明した。

 これを受け、政府は26日夜に持ち回り閣議を開いて平田氏の辞任を認めた。

 平田氏が株を売却した先は、石油製品販売会社「ゼロシステム」(四日市市)。

 平田氏とゼロ社が東海財務局に提出した大量保有報告書によると、平田副大臣は今月2日、保有していたチヨダウーテ株112万株(発行済み株式数の8・68%)を1株当たり550円でゼロ社に市場外取引で売却。売却額は計6億1600万円だった。ジャスダックで売買が直近で成立した2月27日現在の終値は290円で、平田副大臣は市場で売却するよりも、単純計算で2億9120万円多くの代金を得た形になる。

 2001年に閣議決定された「大臣規範」は、閣僚と副大臣、政務官について、「在任期間中は株式などの有価証券、不動産、ゴルフ会員権などの取引を自粛する」と定めている。民主党は26日の参院財政金融委員会で、平田氏が辞任しなければ27日に同委で予定される2009年度税制改正関連法案などの採決に応じない姿勢を示し、自民党内でも平田氏に辞任を促す声が強まった。


ずいぶんとたちの悪い事件である。
自分の持っている株を自分がオーナーである会社に相場の倍近い値段で買い取らせる。
平田副大臣は株を買い取った会社ゼロシステムの株90%超を持っているという。
ほぼ完全なオーナー会社である。
普通なら、背任行為として株主等から追求されるケースであろうが、この場合自分が90%、残りの10%もどうせ親族かなんかが持っているんだろう。
背任で告訴される恐れはないものと思われる。

さてなぜこんなことをしたのか?
自分の個人資産を増やしたかったのか?
それとも何か個人的にお金の要りようがあったのか?
あるいは政治資金として使いたかったのか?
自分の会社から自分への献金は具合が悪い。
ということでこんな手段をとったのか?
時価との差額およそ3億円の所得移転。

もしかすると脱税か?
時価との差額3億円を決算時に評価損に計上する。
法人税の実効税率を40%とするとほぼ一億二千万の税金が浮くことになる。
まさか国家の財政をあずかる財務副大臣が脱税などするはずはない、と信じたいところだが……。
自分の売却益は分離課税で10%課税が適用されるのだろうが、取得価額等が分からないので実際の所はいくら課税されるかは分からない。
もし取得価額が売却価額より高ければ、課税はゼロ。

平田副財務相 市場外取引で株大量売却 市場価格の倍値で (Yahoo Japan ニュース 3月26日13時37分配信 毎日新聞)
民間信用調査機関などによると、チヨダウーテは1948年、平田副財務相の父が創業。平田副財務相も88年から95年まで社長を務めた。一方、ゼロシステムは80年の創業。平田副財務相が筆頭株主で、チヨダウーテが主要取引先となっている。


創業者の父親から受け継いだ株の場合の取得価額の計算はどうなるのかはよく分からないが、みなし課税というのもあるらしいので、多分大した税金にはならないのでは……と思う。

「小沢さんはしないが、私は辞任する」保有株取引で引責の平田財務副大臣 (産経ニュース 3/26)
衆院選への影響を問われた平田氏は「そんなにないと思う」。24日に続投表明した小沢一郎民主党代表を引き合いに出し「小沢さんの場合は辞任しないが、私は辞任する」と付け加えた。


転んでもただでは起きないしぶとい奴。
やめるついでに小沢攻撃。
いずれにしろ辞任でお終いにしていいものではあるまい。

河村官房長官は、”大臣規範”について「内々の申し合わせ」と言っているが、閣議決定を経たものである以上、国民に対する宣言である。
河村の言うような軽いものではない。

麻生はぶら下がり会見であっさり”任命責任といやぁわたしにあります”と言っていたが、それで終わり。
責任というのはあるかないかではなく、責任をどうとるかが問題なのである。
本人の辞任では任命責任を取ったことにならない。
最低限、罷免することである。
更に言えば、責任をとって自分も辞職する。
それでこそ立派に責任を取ったことになる。

違法献金:二階氏側事務所費に 西松から“賃貸料穴埋め” (毎日jp 3/26)

小沢の場合よりよっぽど悪質である。

そして塩谷文科相に続いてのパーティ騒ぎ。
二階は経済産業大臣。
大臣の大規模な政治資金パーティ自粛を定めた”大臣規範”に抵触するかと思ったが、もし個人の開催ではなく、派としての開催ならばOK?
ただ時期が時期だけにとりあえず延期しておこうというのだろう。

二階派:パーティー開催当面延期 「支援者の意向ふまえ」 (毎日jp 3/26)
自民党二階派(会長・二階俊博経済産業相)は26日の派閥例会で、4月9日に東京都内で予定していた政治資金パーティーを当面、延期すると決めた。例会後、泉信也事務総長は「(西松建設の違法献金事件で)東京地検特捜部が事情聴取するとの報道や、延期を求める支援者の意向を踏まえた」と説明した。

「二階氏パーティーは勉強」券無料配布に和歌山知事 (asahi.com 3/24)

二階経済産業相の後援会などが開く政治資金パーティーの入場券(1枚1万円)が和歌山県幹部職員らに無料配布されていた問題について、仁坂吉伸知事は23日の記者会見で、「『勉強させてあげるけど、どう』と言われて行くのは悪いことではない」と述べ、不適切ではないとする見解を示した。今後についても「本人の考えでやったらいいと思う」とした。

 公職選挙法に抵触する恐れも指摘されていることに対し、仁坂知事は「違法性はないと思う」。問題のパーティーは飲食を伴うが、「(勉強が目的なので)飲食なんかできない。政治的な話や国政について理解しておくのは、本を読むのと同じような意味で与えられた機会だと思う」とした。

 二階氏のパーティー券については、08、09年で計200枚が県職員に無料で配布されていたことが明らかになっている。


一万円の価値があるものを役人に配ったら不当な贈り物であろう。
受け取った役人は、和歌山県の規定がどうなっているかは分からないが、普通は倫理規定などで禁じられているのではないか?
まあ、実際の価値は10円ぐらいだろうが。
知事はともかく、公務員に政治的中立を求めている憲法違反の疑いもある。
県幹部職員200人の出席は、それだけで大きな力になる。

「政治的な話や国政について理解しておくのは、本を読むのと同じような意味で与えられた機会だと思う」
知事の話も笑わせてくれる。

幹部職員というのもなかなか大変だ。
就業時間中であれば大いに問題であるし、時間外であれば、それはそれでご苦労なことだ。





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大臣規範+自民党違法献金

2009-03-26 07:14:25 | 自民党
”大臣規範”というものがあるらしい。
拘束力があるのかないのかよく分からない代物のようだ。
正式には、”国務大臣、副大臣及び大臣政務官規範”というらしい。

中央省庁再編に伴い、2001年1月6日に閣議決定された。以後何度か改正されている。法令ではないため違反した場合の罰則は定められていないが、閣議決定として大臣以下行政府を拘束する効力をもつ。
(フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』)


大臣の資産公開もこの規範で定めている。
そしてこんなことも定めている。

国民の疑惑を招きかねないような大規模な政治資金パーティーを自粛する。

この条項に抵触しそうななのが次の記事。

この時期に塩谷文科相が資金パーティー、与党からも疑問の声 (YOMIURI ONLINE 3/24)
塩谷文部科学相は24日夜、都内のホテルで政治資金パーティーを開いたが、閣僚の大規模パーティー自粛を定めた「大臣規範」との関係や、小沢民主党代表の資金管理団体を巡る政治資金規正法違反事件が騒がれている中だけに、与党からも「開催が適切かは疑問だ」との指摘が出ている。

 これに対し、塩谷氏の事務所は「定期的なセミナーで出席者も約500人と例年より少ない。大規模とはいえず、規範には抵触しない」と釈明している。

このパーティーでは自民党の笹川総務会長が大臣規範に言及し、「誰かがおきてを破ってもらわないと、後から続く人が困る」と発言した。

(2009年3月24日21時58分 読売新聞)


500人が小規模なのか大規模なのかは分からないが、本人は少ないと思っているらしい。

文科相パーティー、規範抵触せず=河村官房長官 (jiji.com 3/25)
河村建夫官房長官は25日午後の記者会見で、塩谷立文部科学相が政治資金パーティーを開催したことについて「内々の申し合わせがあるが、(塩谷)大臣もそのことは知っていて、今までやっていた規模を縮小したいということだった。既に(開催の)通知を出しているということで、申し合わせを勘案してパーティーをされたということだ」と述べ、大規模パーティーの自粛などを定めた「大臣規範」には抵触しないとの見方を示した。 
 大臣規範は「政治資金の調達を目的とするパーティーで、国民の疑惑を招きかねない大規模なものの開催は自粛する」と明記している。(了)
(2009/03/25-17:34)


官房長官のお墨付きが出た。
しかし、閣議決定が「内々の申し合わせ」なのか?
閣議決定というのはずいぶんと軽いもののようだ。

おかしいのは笹川総務会長の弁。

「誰かがおきてを破ってもらわないと、後から続く人が困る」

と、おきて破りのススメ。
この笹川堯、数々の失言でお馴染みの人物である。
最近も立て続けの失言で悶着を起こしている。

笹川堯
自由民主党総務会長及び自由民主党群馬県連会長を務める。元衆議院議員・日本船舶振興会創設者の笹川良一の次男で、公営競技の業務委託やトータリゼータシステム製造を主な業務とする日本トーターの設立に関わる。日本財団会長笹川陽平は弟。(ウィキペディアより)


総務会長といえば、党三役(最近は四役になっているが)の一人、党の実力者である。
その権威はなかなかのものである。

自民党総務会長
自由民主党 総務会(じゆうみんしゅとう そうむかい)は、自由民主党において党大会・両院議員総会に次ぐ党の意思決定機関であり、常設機関としては党内最高意思決定機関である。議長は総務会長が務める。

政府が国会に提出する法律案は、閣議決定前に総務会で事前承認されることが原則となっている。
(フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』より)


党の最高意志決定機関の責任者が閣議決定破りのススメとは!

さて、最近話題になったこの人物の失言をウィキペディアが列挙している。
最近のものだけ拾ってみる。

2008年9月30日米下院による金融安定化法案の否決について国会内で記者団に「下院議長は女性で、ちょっと男性とはリードが違う気がする。それで破裂した」と述べた(日本経済新聞)。

2008年12月6日、自民党島根県連パーティーで、「小渕優子大臣は少子化担当大臣。なぜなれたか。子供を産んだからだ」と発言した。また、「人口というのは努力しなきゃ増えない。近ごろの若い人はどうも努力が足らん。辛抱が足らない」とも述べた(時事通信)。

2009年2月24日、自民党参院議員の会合であいさつし、森内閣に当時入閣したことにふれ、「運悪くハワイ沖で潜水艦が日本の船にどーんと当たり、やむなく沈没した」と発言(時事通信)。

2009年3月6日、倉敷市で開かれたパーティーのあいさつで「戦後教育は、日教組の方々のおかげでめちゃくちゃになった」「万一、次の衆院選で自民党が負ければ、日教組出身の文部(科学)大臣が生まれる可能性が大いにある。そんなことをさせたら、国旗も国歌もなくなってしまう」と述べた。また、伊東香織倉敷市長を「大変素晴らしい女性の市長さん」と持ち上げた上で「国会議員もどんどん女性が出て来ると、いいんだけどね。やっぱり、ちょっとあまり上品ではないと思います」とも述べた。(毎日新聞)

2009年3月14日、大分市で開かれた党大分県連の大会にて教育問題を語る中で、教員がうつ病で休職するのは気が弱いからだという趣旨の発言をする(共同通信・毎日新聞)。


女性蔑視と日教組嫌い。
日教組嫌いは麻生内閣に共通しているようだ。
今度の発言も、こういった発言の延長と考えれば、取り立てて騒ぐほどのことではないのかも知れない。
しかし、自民党の常設の最高意志決定機関の長という立場を考えると、首をひねってしまう人物であることは間違いない。

さて中心人物塩谷立文科相について。
これもまずウィキペディアから引用させて貰う。

2005年衆院選において、文部科学副大臣という立場を利用して「塩谷文部科学副大臣講演会への動員へのお願い」というタイトルの文章を静岡県西部の複数の私立中学・高校へファックスし講演会に学校関係者を動員するなど、選挙活動に当たる行為を行い公職選挙法に違反したのではないかとの疑いが浮上した。
自動車の運行・管理の受託を行っている日本道路興運から政治資金規正法により定められた上限750万円を超える、違法な献金を受け取っていたことが発覚した。

関連記事
塩谷文科相、疑惑企業の配当報告せず 不祥事拡大避ける? (産経ニュース 2009.1.23 )
塩谷立文部科学相が、国土交通省の公用車の運転・管理業務をめぐる談合疑惑で昨年7月に公正取引委員会の立ち入り検査を受けた「日本道路興運」(東京)から得ていた平成16、17年の株式配当所得計80万円を所得等報告書に記載していないことが22日、分かった。

 塩谷氏の事務所では、同社から秘書給与の肩代わりを受けていたことが16年に明らかになっており、議員らからは「不祥事の拡大を避けるための不記載ではないか」との声も上がっている。塩谷氏と同社の不透明な関係が改めて浮かび上がった形だ。

 閣僚の資産公開によると、塩谷氏は日本道路興運株4000株を保有。同社は16年から18年まで、1株当たり100円を配当しており、毎年40万円の配当所得があったことになる。

 21日の参院予算委員会で大久保勉参院議員(民主)の質問に対し、塩谷氏は「(同社株式は)元年に亡くなった父(塩谷一夫元衆院議員)から相続した」などと答弁し、配当を受けていたことが判明。しかし、塩谷氏の所得等報告書では、16、17年は配当所得が空欄で、配当所得計80万円が不記載だった。

 一方、塩谷氏の事務所は15年までの4年間、同社から秘書給与計900万円の肩代わりを受けながら政治資金収支報告書に記載していなかったことが16年に明らかになり、批判を受け訂正している。

 大久保議員は「問題企業からの利益提供を隠したかったのではないか。国交省を舞台にした談合疑惑の利益が流れ込んでおり政官業の癒着の典型だ」と批判。予算委員会では、同社が昨年までの5年間、塩谷氏のパーティー券を毎年20万円分購入していたことも明らかになった。塩谷氏は18年9月から19年9月まで衆院国土交通委員長を務めている。


この日本道路興運という会社は国交省への運転手派遣しかも談合で、ぼろもうけしている天下り受け入れ会社である。
塩谷のケースの悪質さは際だっている。
衆院国土交通委員長の立場にある国会議員が、国交省から巨額の仕事を談合・天下りでほぼ独占的に受注している企業の株主であり、配当のみならず政治献金、パーティー券購入、秘書給与肩代わり等を受けていたのである。
小淵優子、細田幹事長などに違法献金をしていた会社でもある。
細田など偉そうに小沢を非難できる立場ではない!

2004年5月24日(月)「しんぶん赤旗」より
 同社(日本道路興運)は二〇〇二年までの三年間をみても、毎年、自民党の政治資金団体・国民政治協会に四百万円を献金しています。
 一方、運転手給与の肩代わりを受けていた細田官房長官が代表者となっている自民党島根県第一選挙区支部は、同社から〇〇年に約四百万円、〇一年に約三百七十九万円、〇二年に三百六十三万円の献金を受けたとして収支報告書の訂正をしました。





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西松建設事件と企業献金禁止・下品な自民党議員

2009-03-24 06:39:18 | 自民党
民主党小沢党首が企業献金全面禁止を唱えた。
やや唐突な感がなきにしもあらずだが、小沢党首の気持ちも分かる。
小沢にしてみれば、企業から個人で献金を受けているのは、ほとんど全部の自民党議員のほうではないか、と言いたいのだろう。
企業→政治団体→政治団体→個人事務所
という経路で金が動いていても、実質は
企業→(政治団体→政治団体)→個人事務所、ということである。
虚偽記載は全員やっていることである。
同じことをしていて、なんでオレだけが責められるのか、と小沢が思ったとしても無理はない。
一歩間違えば政治生命が絶たれるところである。
おれが悪いのならお前たちもだ。
それならいっそ全面禁止にすりゃいいじゃないか、というところだろう。
困るのは民主党より自民党の方なのは明らかである。

「企業献金禁止」小沢氏案に自民動揺…“現状維持派”多数で (YOMIURI ONLINE 3/18)
民主党の小沢代表が企業・団体献金を全面禁止すべきだとの考えを示したことで、自民党が対応に苦慮している。

 真っ向から否定すれば政治とカネの問題に消極的と受け止められ、世論の批判の矢面に立たされる可能性があるからだ。

同党内では「現状を維持したい」というのが大多数の議員の本音だ。2007年の政治資金収支報告書によると、自民党本部と支部を合わせた献金総額(約224億円)のうち、企業・団体献金は41%(約93億円)を占め、個人献金の25%(約56億円)などを大きく上回っている。全面禁止されれば財政的に大きな打撃を受けることは間違いないからだ。

 「小沢氏の疑惑隠しの提案に、こちらが乗るわけにはいかない」(幹部)との反発も強く、自民党の山崎拓・前副総裁は同日、日本記者クラブでの記者会見で「政官業癒着の象徴みたいな方が言ったって始まらない」と皮肉った。


「始まらない」と、山埼拓は言うけれど、始めなければならない問題である。
せっかくの機会である。
企業献金全面禁止をこの際実現させよう。
「個人献金が25%」というけれど、それだってほとんどは偽装個人献金であろう。

企業・団体献金争点に 政治資金規制で与野党応酬 (NIKKEI NET 3/20)
「まさに盗っ人たけだけしい話だ」。自民党の町村信孝前官房長官は19日の町村派総会で、小沢氏が提案した企業・団体献金の全面禁止を非難した。その後、記者団に「バカバカしくて付き合う気になれない」と発言。他派の総会でも同様の意見が相次いだ。(20日 07:00)


「盗っ人たけだけしい話」とはちょっと下品すぎる表現ではないか。
「バカバカしくて付き合う気になれない」と言うが、国民は「馬鹿馬鹿しい話」だとは思わない。
町村の話は程度が低くていけない。

「泥棒の方が説得力」民主の企業献金禁止論議で自民総務会長 (産経ニュース 3/19)
自民党の笹川尭総務会長は19日、都内のパーティーであいさつし、西松建設の巨額献金事件を受け企業・団体献金の全面禁止に言及した小沢一郎民主党代表について「泥棒が『私は今日限りやめるから皆さんもやめよう』と言う方がもっと説得力がある」と皮肉った。


これまでは対岸の火事とばかり、薄ら笑いを浮かべて眺めていたが、こちら側が大山火事になりそう。
企業献金全面禁止はこの連中にとってはまさに死活問題である。

企業献金「全面禁止」に冷淡=小沢氏発言「なぜこの時期に」-各閣僚 (jiji.com 3/19)
森英介法相は「なぜこの時期にあえて言ったのか。何かあったらすぐ法制度が問題だと短絡的に言うことには疑問を感じている」と表明。
鳩山邦夫総務相も「いまさら、という感じがする」と皮肉った。
甘利明行政改革担当相は「法律を破っている人がいるから別な法律を作ろうと(いうのはおかしい)」
舛添要一厚生労働相は「企業も団体も労働組合も、政治プロセスに積極的に参加するのが民主主義の基本だ。献金は1つの方法だろう」と述べ、企業献金の禁止に否定的な考えを示した。


閣僚も軒並み企業献金を守ろうと屁理屈を並べ立てている。
桝添まで参加している。
総理・総裁候補に名前が挙がり始まって、その気になったか?
当然麻生内閣総理大臣もである。

企業献金「悪ではない」=麻生首相 (jiji.com 3/18)
麻生太郎首相は18日午後、民主党の小沢一郎代表が企業・団体献金の全面禁止に前向きな姿勢を示したことに関し、首相官邸で記者団に「企業献金が悪という考えにはくみしない。企業献金の正当性に関しては最高裁判決もきちんと出ている」と述べた。 
 首相は「民主主義を実行するコストとして、企業献金の仕方についていろいろ各党・各会派でずっと(議論を)やってきた長い歴史の結果が今のものだ」と語った。


長い歴史の結果、この国の政治がここまで悪くなってきた。
麻生が知ったかぶりで最高裁判決というのは、昭和46年の八幡製鉄事件の最高裁判決を指しているものと思われる。

八幡製鉄事件 出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
八幡製鉄事件(やはたせいてつじけん)は会社による政治献金が適法であるかについて争われた訴訟で、最高裁判所が初めて判断を下した事件である。八幡製鉄所株式会社(現:新日本製鐵)の株主であった老弁護士が会社による政治献金の是非を世に問うため提起した。「八幡製鉄所政治献金事件」ともいう。
この事件は最高裁まで争われ、最終的には営利法人の政治活動、その一環としての会社による政治献金が認められた。以来、会社その他の団体による政治献金の問題において必ず言及されるリーディングケースとなっている。


いつまでもカビの生えた判決を振りかざすな。
裁判員制度は最高裁にこそ取り入れろ。
そうすればいつまでもこんな馬鹿な判決が幅を利かせていられなくなる。

企業献金が悪だということは、すでに言い尽くされている。
ここでわたしが、ことあらためて言うまでもない。
どんな理屈をつけようと、それ以上の害毒をもたらしてきているのは明らかである。

企業献金を貰わないと政治が出来ないという奴は政治家にならなければいい。
それとも選挙の時には、少なくとも企業献金受け入れを宣言して立候補してもらおうか。

政治には金がかかる、と多くの人が言うが、政治に金はかからない。
選挙に金がかかるのだ。
そこを間違えてはならない。





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西松献金事件・不可解な経緯・納得できないマスコミの姿勢

2009-03-21 19:42:29 | 自民党
西松献金事件と言ったのは、西松建設による違法献金や小沢の虚偽記載をさして言ったのではない。
西松建設の献金を手がかりに、小沢つぶしを謀った事件という意味である。

検察側の際限のないリークと、無批判にニュースを垂れ流すマスコミによる民主党つぶし、小沢つぶしに対して批判の声を上げる人は多いが、その声を大手メディアが取り上げることはない。

小沢氏秘書逮捕:自民党側も捜査 東京地検特捜部 (毎日jp 3/4)
西松建設の二つの政治団体は、解散までの約10年間に計約3億8500万円を与野党の国会議員や自治体首長らに献金しており、特捜部は自民党議員の会計責任者についても、立件を視野に捜査を進めるとみられる。


大久保秘書逮捕の翌日、早くも検察は自民党への捜査を匂わせている。

自民・二階氏側も捜査へ 西松に838万円分のパーティー券 (中日新聞 CHUNICHI WEB 3/6)
検察当局は、小沢一郎民主党代表への献金が10数年にわたり、総額が3億円に上ることから「金額が突出しており、悪質性は自民党の議員とは比べものにならない」と小沢氏側の立件に踏み切った。

 しかし、「なぜ総選挙を控えた時期に、小沢氏だけを立件するのか」との批判も考慮し、二階派の政治団体などの捜査も進める判断をしたとみられる。


 二階も捜査対象という印象を与えるリークは続く。

違法献金:二階氏側、週内立件へ 西松建設前社長自ら窓口 (毎日jp 3/9)
準大手ゼネコン「西松建設」(東京都港区)の違法献金事件で、前社長の国沢幹雄容疑者(70)が自ら二階俊博経済産業相側の窓口役になり、要望を聞いていたことが関係者への取材で分かった。国沢容疑者は東京地検特捜部に「二階氏側に年1~2回、現金を渡していた」と供述しているとみられ、特捜部は今週前半にも政治資金規正法違反の疑いで二階氏側の担当者らを立件する方針を固めた模様だ。


これは3/9・月曜日の記事である。
”今週前半”と時期が絞られている。
これも検察側のリークがあったとしか考えられまい。
遅くとも3月11・2日までには二階側の聴取ぐらいはやるのだろうと国民に思わせる。

二階氏側に捜査のメス? 政府・与党に危機感 (中日新聞CHUNICHI WEB 3/10)
政府・与党は西松建設の巨額献金事件に絡み、捜査のメスが二階俊博経済産業相側にも入る見通しとなったことに、危機感を強めている。民主党の小沢一郎代表の秘書逮捕で、麻生内閣の支持率低迷の苦境を脱するきっかけをつかめるとの期待は吹き飛んだ。


自民党にも火の粉がかかってきたか?と思わせる記事である。
しかし、事件の進展を正確に把握している人物がいた。
漆間官房副長官である。

「自民党側は立件できない」発言は漆間官房副長官 (asahi.com 3/8)
漆間氏は5日、首相官邸で開かれた記者団との定例の懇談で「自民党側は立件できないと思う。特に(違法性の)認識の問題で出来ないだろう」と、自民党議員に捜査は拡大しないとの認識を示した。朝日新聞は6日、漆間氏に名前を明かすよう求めたが、断られた。7日は朝日新聞も加盟する内閣記者会の総意として記者会の代表が申し入れを行ったが、「オフレコ扱いのものを、さかのぼってオン(公表)にすることはありえない」と拒否していた。


大久保秘書逮捕が3月3日。その翌々日の3月5日にはこのオフレコ発言。
そして以後の経緯は漆間の言葉通りである。
自民党側の名前は次から次へと挙がるが、実際には指一本触れていない。
その間も小沢に関する情報は垂れ流し状態が続く。

西松建設献金事件:社員名使い献金 二階氏側に年300万円 (毎日jp 3/12)
準大手ゼネコン「西松建設」(東京都港区)の違法献金事件で、同社が社員の名前を無断で使用して、二階俊博経済産業相が代表を務める自民党和歌山県第3選挙区支部に年間300万円の献金をしていたことが、同社関係者への取材で分かった。献金した人の名前を公表する必要がない5万円以下の小口献金を繰り返し、会社や社員の名を表に出さずに資金提供する目的があったとみられる。

 東京地検特捜部も同様の事実を把握しており、他人名義の献金を禁じた政治資金規正法に違反する疑いもあるとみて、不透明な献金の実態解明を進めている模様だ。


3月12日・木曜日。
いよいよ週の後半。そろそろ二階に捜査の手が及ぶはず。
しかし、この日はなし。
情報だけは相変わらず出てきている。

そしていよいよ金曜日。
今日は手を付けるかと思ったら、方角違い。

西松建設献金事件:石川議員を参考人聴取 小沢氏元秘書、陸山会経理関与--東京地検 (毎日jp 3/13)
「陸山会」を巡る政治資金規正法違反事件で、東京地検特捜部は12日、小沢氏の元秘書で陸山会の事務担当者だった民主党の石川知裕衆院議員(35)=比例北海道ブロック=から参考人として事情聴取した。石川氏は、逮捕された陸山会会計責任者の大久保隆規容疑者と一緒に政治資金収支報告書の作成や経理処理にかかわった時期があり特捜部は「西松建設」側からの献金の取り扱いなどについて説明を求めたとみられる。

西松建設献金事件:西松OB政治団体、「談合決別」で解散 東京地検、各社に聴取要請 (毎日jp 3/13)


相変わらず小沢側の捜査ばかり。
そしてさらなる捜査範囲の拡大。

西松建設献金事件:大久保容疑者ら拘置延長を決定 (毎日jp 3/14)
東京地裁は13日、小沢一郎民主党代表の資金管理団体「陸山会」を巡る政治資金規正法違反事件で逮捕された会計責任者、大久保隆規(47)、前西松建設社長、国沢幹雄(70)両容疑者ら3人について、24日までの拘置延長を認める決定を出した。


あっさり大久保秘書の拘置延長。
拘置延長の理由を報じたメディアはあったのか?
と思って、google、yahoojapan、gooで検索してみた。
(ちなみに、検索語は”大久保秘書、拘置延長”)
驚いたことに引っかかったのは、毎日jpだけ。
そして読売のフライングが辛うじて引っかかったがソース記事は無し。
この読売のフライングを取り上げた国会傍聴記by下町の太陽・宮崎信行・読売新聞が「拘置期限は3月24日まで」と断定報道 誤報? リーク?等のブログ記事がいくつかあっただけ。
検索語の選択が悪いのかとも考えるのだが、それにしても朝日・読売・産経等の大新聞系ネット版で見つけることが出来なかったというのは不思議なことである。
(大新聞系net版のソース記事を見つけた方はご教示ください)

西松建設献金事件:14議員らに6360万円 大半「認識なし」--04~06年計 (毎日jp 3/15)
準大手ゼネコン「西松建設」の違法献金事件で、同社のダミーとされる二つの政治団体による寄付やパーティー券購入は、時効にかからない04~06年で総額6360万円に上り、公設第1秘書が逮捕された小沢一郎民主党代表をはじめ与野党国会議員14人、自民党の5派閥、自治体首長5人に及ぶことが分かった。同社幹部は「西松の金だと相手に伝えていた」と東京地検特捜部に供述しているとされるが、政治家側は大半が「西松の団体と知らなかった」と、食い違う説明をしている。


3月15日・日曜日
とうとう次の週に入った。
実は時系列で追っかけるのに毎日jpが便利だったので、毎日jp中心に述べてきたが、「週内に二階氏側捜査に着手」としたメディアはたくさんあった。
検察リークによって書いたにしろ、せめて二階側に手が付けられなかった理由ぐらい、質すのがメディアの責任ではないか?
情報だけは相変わらずでてくるが、自民党には手つかずのまま。

西松建設献金事件:「陸山会」前会計責任者の高橋氏、関与否定 (毎日jp 3/15)
準大手ゼネコン「西松建設」の違法献金事件で、小沢一郎民主党代表の資金管理団体「陸山会」の前会計責任者で元衆院議員の高橋嘉信氏(55)は14日、「献金の仕組みにかかわったことはない」と、事件への関与を否定するコメントを出した。


この人物は小沢の選挙区岩手4区から自民党公認で出馬する予定の人物。
しかも岩手4区の自民党支部の支部長である。
この高橋という人物についての新聞報道は元小沢秘書、元衆議院議員と紹介するだけで、自民党支部の現支部長であることに触れている記事はほとんど見あたらない。

西松建設献金事件:西松系2団体、パーティー「偽装」 献金の原資隠し (毎日jp 3/16)
「西松建設」の違法献金事件で、同社OBが代表を務めていた二つの政治団体が資金集めのパーティーを開いたように見せかけていた疑いがあることが、同社関係者の話で分かった。東京地検特捜部も、2団体がダミーであることを隠すため、うそのパーティー収入を政治資金収支報告書に記載したとみて、同社幹部らを追及している。


3月16日・月曜日。
西松建設の悪質さを印象づけるリーク記事。
二階や自民党は今日も無事。

西松建設献金事件:寺田・秋田県知事「官製談合ない」 (毎日jp 3/17)
準大手ゼネコン「西松建設」(東京都港区)の違法献金事件で、秋田県の寺田典城知事は16日の会見で、県発注の大型事業の資料を東京地検特捜部に任意提出したことを明らかにした。寺田知事は「官製談合のようなことはしていない」と強調した。

 県建設管理課によると、提出したのは県立総合武道館や県警本部第2庁舎建築工事など31件の入札関係書類や設計図など段ボール箱約10箱分。西松建設が落札したのは武道館建築工事のみで、4社の共同企業体(JV)が約36億5400万円で受注した。


3月17日・火曜日。
捜査の範囲が広がっていることを示しているが、どうやら空振り気味。

西松建設献金事件:小沢氏秘書逮捕 「明らかに違法だったから」 麻生首相が失言? (毎日jp 3/17)
麻生太郎首相が16日の参院予算委員会で、小沢一郎民主党代表の公設第1秘書による政治資金規正法違反事件について「明らかに違法だったがゆえに逮捕になった」と答弁し、議場は一時騒然とした。質問した社民党の福島瑞穂党首は、容疑者や被告は有罪が確定するまで無罪と推定される法の原則を指摘し、「無罪の推定があるのは当然だ」と述べた。


失言ではない。
麻生には逮捕と有罪確定の区別がつかないのである。
何度か指摘させていただいたが、麻生は”議会制民主主義”と”議院内閣制”の区別もつかない総理大臣なのである。
(選挙を経ない内閣の正統性について、「日本はアメリカなどと違って議会制民主主義の国であるから」と国会において再三繰り返している。麻生は大統領制をとるアメリカは議会制民主主義の国ではないと思っている)
政治に関する基本的知識が欠如しているのである。

そして3月18日・水曜日。
相変わらず小沢・西松の悪質さを印象づけるリーク記事。

西松建設献金事件:小沢氏団体、上限超す購入要請 パーティー券、ゼネコン支店に (毎日jp 3/18)
小沢一郎民主党代表の資金管理団体「陸山会」を巡る政治資金規正法違反事件で、小沢氏側が大手ゼネコンの東北支店に対し、20万円以上のパーティー券購入を要請していたことがゼネコン関係者への取材で分かった。同法は、20万円を超すパーティー券を購入した企業・団体・個人の名前を政治資金収支報告書に記載すると定めているため、ゼネコン側は社名が表面化しないよう、超過分を下請け業者に買い取ってもらっていたという。

 東京地検特捜部は、小沢氏側が下請け業者に購入を割り当てることを知りながらゼネコンにパーティー券購入を要請していた可能性があるとみて、複数のゼネコンの担当者から聴取を始めた模様だ。


自民党は今日も無事。

西松建設献金事件:東北、下請け20社協力 小沢氏側から請求書 (毎日jp 3/19)
準大手ゼネコン「西松建設」が下請け業者を通じ小沢一郎民主党代表側に迂回(うかい)献金をしていたとされる問題で、献金に協力した東北地方の下請け業者は少なくとも20社に上ることが、分かった。「松和(しょうわ)会」という任意組織を作り、献金した分は西松建設から工事代金に上乗せする形で補てんを受けていたという。東京地検特捜部は、西松建設がダミー団体を介したルートと、子会社や下請け業者を介したルートを使い分け小沢氏側に献金したとみて、解明を進めている模様だ。


リーク記事にも迫力がなくなってきた。

違法献金:小沢氏聴取、当面見送り 東京地検 毎日jp 3/20)
小沢一郎民主党代表の資金管理団体「陸山会」を巡る政治資金規正法違反事件で、東京地検特捜部は、陸山会の代表を務める小沢氏からの事情聴取を当面見送る方向で検討を始めた模様だ。

 特捜部は、準大手ゼネコン「西松建設」側からの献金を認識していたかどうかを確認するため、小沢氏から任意で聴取する方針だった。しかし陸山会会計責任者の大久保隆規容疑者(47)が容疑を否認し、小沢氏が政治資金収支報告書の虚偽記載にかかわった具体的な証拠もないため、大久保容疑者の拘置期限の24日までの聴取は見送る方向で検討しているとみられる。

 政治資金規正法には、会計責任者の選任と監督について相当の注意を怠った代表者に50万円以下の罰金を科す規定もあるが、選任に過失があったと立証するのは難しいことから、立件困難と判断している模様だ。


同様の記事が一斉に掲載されている。

小沢氏聴取見送り 西松事件で地検、関与確認されず  (毎日jp 3/20)
小沢代表聴取、見送りの公算=「必要性なし」-公設秘書の違法献金事件・東京地検 (jiji.com 3/19)
小沢一郎民主党代表の資金管理団体「陸山会」が西松建設から違法献金を受けたとされる事件で、東京地検特捜部が小沢氏本人の参考人聴取を見送る公算の大きいことが19日、関係者の話で分かった。
小沢氏聴取を当面見送り 「監督責任」立件困難 (47NEWS ・共同通信)


しかし、朝日、読売、産経等はヒットしない。
見つかった記事の内容は各社ほぼ同じである。
出所は一緒なのだろう。

マスコミは最後まで検察リークを記事にしただけで終わるのか。
検察と一緒になって、あるいは検察の意図に沿って小沢や民主党のイメージダウンに力を貸してきた責任をどうとるつもりか?
大久保秘書が起訴されたとしても、最終判決が出されるのは数年先のことであろう。
しかしそのときになって無罪判決が出されたとしても受けたダメージの回復はむずかしい。
あるいはこんなにマスコミ挙げて非難するほどの重罪ではなく、微罪に終わる可能性も大きい。
不起訴、起訴猶予なども考えられないわけではない。
(この可能性は検察も面子があるから多分ないだろうが)
そのときになってマスコミは自分たちの責任を認めずに、いい加減な情報を流した検察が悪いと、検察に責任を押しつけるのか。
(実際には、自分たちの責任には知らん顔で、検察側の失態を非難していることだろう)

しかし、検察リークは続いている。
検察とマスコミの共同作業はまだまだ続きそうである。
西松建設献金事件:「西松」隠し小沢氏側へ献金、他社出し抜くため--元幹部供述 (毎日jp 3/21)




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下品な麻生・品格なき政府

2009-03-19 08:26:59 | 麻生太郎
「税金を使った選挙対策」
何をやってもそういう印象を与えてしまう麻生内閣・自民党。
それというのも発足以来、自分に有利な解散・総選挙の時期を探り続け、解散を逃げ続けているからである。

その最たるものが定額給付金であった。
生活支援から消費刺激へ、と途中で目的変更。
これも本来の目的が選挙対策であるから、表向きもっともらしい口実が付けばそれでいい、という本心が見え見え。
与党内では、「窓口で現金を手渡した方が有り難みが増す」という声まであがっていた。

そして高速道路の大幅値下げ。
もちろん民主党の”高速道路無料化”対策にもなる。
1000円で”無料”のインパクトを大幅に弱める。
「無料にして、借金や維持・管理はどうするのか」と麻生は言うが、値下げ分は税金で穴埋め。
道路会社の経費はそのままで、利用者が増えた分は会社のもうけ。
無料化が実施されれば、従業員数は大幅に削減できる。
「削減された人の行き場所はどうするのか」
そんなことを言っていたら、公務員削減などいつになっても出来ないだろう。
道路会社の雇用を守るために、利用者や国民に負担を強いるのは本末転倒である。

道路会社は利用者が増えてニコニコ。(値下げ分は税金でが補填する)
ETC関連企業も売り上げ急増。
ETC車載器に補助金をつけたらまたこれが好評。
期間延長を打ち出したようだが、どうせこれも税金。

バス・トラックは大幅値下げの対象外。
バス・トラックはすでにほとんどがETCを取り付け済み。
ETC車載器の売り上げ増にはつながらない。
休日のみの値下げも個人票に的を絞ったもの。

しかし、平日のトラック等の値下げの方が物流費の削減等、経済効果が大きいのだがそこはほおかむり。

すっかり味をしめた麻生自民党。
今度は地デジへ補助金だと。

追加景気対策、地デジTV購入に2万円支援 自民が検討 (NIKKEI NET)
自民党は追加景気対策の一環として、地上デジタル放送が受信できるテレビやチューナーを購入した全世帯に一律2万円程度の支援金を配布する方向で検討に入った。2011年7月に地上デジタル放送へ全面移行する計画も1年間前倒しして、早期普及を目指す。液晶テレビなど急激な需要落ち込みに悩む電機業界を支援する狙いもある。


結局、業界支援に個人票取り込み。
旧型テレビには「アナログ」の文字を画面に貼りっぱなしで嫌がらせ。
2年も先の話なのに、すぐにも切り替えられるような雰囲気を作って、国民の焦りを煽る。

挙げ句の果てに”1年前倒し”?
オバマは買い換えが出来ない人たちのために期限延長している。
補助金を出しても、二万円では薄型テレビは買えない。
「どうせ買い換えなければならないのなら、補助金があったほうがいい」という国民の心理をついた下品な手段。

こんな底意のあからさまな政策は、品格ある政府はとらない。
こんな選挙民を買収するような税金のバラマキは、品格ある政府はとらない。

西松献金問題での秘書逮捕。
これも選挙対策。

誤解?
邪推?
選挙後であれば誤解も邪推もされない。






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西松献金問題・是非紹介したい郷原さんのコラム

2009-03-17 18:05:14 | 政治
先日、サンデープロジェクトにおいて、検察の姿勢・手法について”目から鱗”の解釈を展開した郷原信郎さんのコラムが日経ビジネス ON LINEに掲載されている。
すでにお読みになった方も多いと思うが、一人でも多くの方に読んでいただきたいので紹介します。

「ガダルカナル」化する特捜捜査  「大本営発表」に惑わされてはいけない

かなり長い文章なので、ごく一部だけ紹介したい。できたら全文を読んでいただきたいと思う。

捜査は当初から想定された展開ではない

どうやら、今回の検察の強制捜査着手は、これ程までに大きな政治的影響が生じることを認識したうえで行われたのではなく、むしろ、検察側の政治的影響の「過小評価」が現在の混乱を招いているように思える。

 その推測の根拠は、今回の強制捜査着手後に、東京地検の特捜部以外の他の部のみならず、全国の地検から検事の応援派遣を受けて行われている事実だ(3月8日付毎日)。


検察側の政治的影響の「過小評価」が混乱の原因との指摘は鋭い。
さらに年度末そして裁判員制度導入を控えたこの多忙な時期での戦線拡大の事情を分析する。

今そういう事情がありながら、あえて応援検事派遣も含む捜査体制の増強を行ったのであれば、よほどの事情があるからであろう。それは、強制捜査に着手したところ、民主党サイドの猛反発、強烈な検察批判などによって、予想外に大きな政治的・社会的影響が生じてしまったことに驚愕し、批判をかわすため、泥縄式に捜査の戦線を拡大しているということではないか。当初から、他地検への応援要請が必要と考えていたのであれば、強制捜査着手を別の時期に設定していたはずだ。

マスコミの姿勢に対する批判もその根拠を丁寧に論じている。
郷原さんは次のように結論づけている。

「大本営発表」を垂れ流す新聞、テレビ

まさに「なりふり構わず」という感じで、検察当局側からの情報が垂れ流されているようだ

当局にとって都合の良い情報だけが一方的に報じられるという点で、むしろ、戦時中の「大本営発表」とよく似ていると言うべきであろう。


一転、検察の手法に対しても厳しく批判。

特捜部の捜査は、戦略目的も定まらないまま、兵力を逐次投入して、米国軍の十字砲火の中に白兵銃剣突撃を繰り返して膨大な戦死者を出し、太平洋戦争の戦局悪化への転換点となったガダルカナル戦に似た様相を呈している。

またマスコミが大々的に報じている西松建設の胆沢ダム受注についても触れられている。
100億円にのぼる巨額受注と報じられているが、

このダムは総工費2000億円を超える巨大なダムであり、10年以上も前からの企画・設計の段階で、ゼネコン側から発注者への協力が行われ、その積み重ねが落札につながる。入札に近い時期の政治献金が直ちに受注に結びつくような単純な話ではない。

2000億円のうちの100億円の話ではないか。
その他随所に見られる経験と知識に基づく鋭い考察が、読む人に”快哉”を叫ばせる。

検察を事件の表側の顔、漆間官房副長官を事件の裏の顔ととらえ、二つを合わせることによって今回の事件の構図が明瞭に浮かび上がってくる。

先日紹介させて貰ったコラムですが、まだの方は是非どうぞ。
内閣官房に「権力の暗部」抱える麻生政権―警察庁出身副長官・漆間巌の存在理由  田中良太2009/02/04



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西松問題・千葉県知事選の重要性

2009-03-16 16:26:14 | 政治
西松献金問題
ここに来て次第に検察の手法に対する疑問の声が広がりだしたように感じられる。
世論調査にもそれなりの影響が見られるとは言え、国民は意外に冷静に受け止めているようだ。

検事総長の証人喚問には応じず…法相「独立性に悪影響」
森法相は13日の閣議後の記者会見で、民主党の小沢代表の資金管理団体を巡る政治資金規正法違反事件に関し、同党から樋渡利秋検事総長の証人喚問を求める声が出ていることについて、「検察官を証人として国会に出頭させることは、検察官の独立性や公正性の保持の観点から各種の悪影響を招来する」と否定的な見解を示した。
(2009年3月13日18時13分 読売新聞)


疑われているのはまさに、「検察官の独立性や公正性」なのである。
独立性や公正性をしっかり保持しているという自信があるならば、国会の場で堂々と答えられるだろう。
悪影響などあるはずもない。


千葉県知事選が告示された。
西松権金問題が表面化してからの最初の知事選である。
この選挙の持つ意味は大きい。
特に民主党にとっては正念場である。
この選挙は西松建設献金問題が国民の意識にどのような影響を与えたかを計る最高の指標となろう。
自民党が勝てば、自民+検察の勝利。
民主党が勝てば、市民の良識の勝利。
民主党が勝った場合、自民党のショックは大きいだろう。
これほどの追い風を吹かせても勝てなかったとなれば、麻生自民党は打つ手なしということになる。
解散も決断できないままずるずる任期満了までいくことになるか、それとも再び麻生下ろしが強まるか。
民主党が負けた場合のショックはさらに大きいものとなろう。
小沢の辞任論がうかびあがることにもなる。
確かに今度の献金問題は不当なものである。
しかしながら現実問題として選挙民にマイナスの影響を与えたことが明らかになれば、政権交代の実現を唱える小沢としては辞任を考えざるを得なくなるだろう。
しかし、辞任劇がうまくいかなければ民主党にとってさらに逆風が強まりかねない。
民主党は極めて難しい局面にたたされることになる。

「分裂」「西松」の影響懸念=自・民とも及び腰-千葉県知事選 (jiji.com 3/13) 
与野党が次期衆院選の前哨戦と位置付ける千葉県知事選(29日投開票)は、自民党が候補者の一本化失敗による保守分裂を、民主党は小沢一郎代表の公設秘書逮捕の影響をそれぞれ懸念し、双方とも応援に及び腰となる異例の展開となっている。自民党は内閣支持率の低迷に加え、公明党との足並みの乱れも不安材料。一方、上げ潮ムードに水を差された民主党内では、結果次第で小沢氏の辞任論が噴き出すと見る向きもある。


”双方とも応援に及び腰”?
そんなことで選挙に勝てるか!
民主党が政党色を隠して勝っても何の解決にもならない。
民主党が民主党として戦ってこそ勝利の意味が大きくなる。
負けたら負けたでそのときになって考えればよい。
ここで勝てなければ政権交代など夢のまた夢。
民主党にとっては関ヶ原と天王山を合わせたような一大決戦なのである。

しかしながら問題を難しくしているのが小沢の逮捕された秘書の拘置期限が24日で切れるということである。
検察は当然起訴をするだろう。
罪状などどうでもいい。とにかく衆院選まで裁判を引きずっていくのが目的なのだから。
知事選の投票日は29日。
起訴決定の影響はなかなか計りがたい。
しかし、今からそんなことをくよくよ思い悩んでも何の役にも立たない。
選挙戦はもう始まってしまったのだ。

「民主党の支援候補に勝てる可能性が出てきた」。自民党の菅義偉選対副委員長は11日、首相官邸で麻生太郎首相と会談し、選挙情勢を報告した。菅氏に限らず自民党内には、西松建設の違法献金事件で民主党に吹き付ける逆風を、知事選勝利で与党への追い風に変えたいとの思いがある。
 しかし、自主投票の自民党では、県選出国会議員や県議の支持が保守系無所属の森田健作、西尾憲一、白石真澄の3氏に分散。衆院千葉11区選出の森英介法相に至っては選挙区の事情から民主党推薦の吉田平氏支援を打ち出すなど「めちゃくちゃな状況」(閣僚経験者)で、党幹部の応援も予定されていない。


自民党としては森田健作、西尾憲一、白石真澄の3人のうちの誰が勝っても、勝利宣言をするだろう。
民主党は総力を挙げて戦わなくてはならない。
自民党は滅茶苦茶な分裂選挙になりそうだが、民主党も共産党にある程度の票を食われることになる。
もともと民主との連立など考えていない共産党は自民・民主両党の金権体質を攻撃してくるだろう。
いわば漁夫の利を狙っている。
もちろん当選を考えているわけではない。来るべき総選挙に向けて勢いを印象づけたいということだろう。

鳩山氏はその後も「選挙に影響なしとはしない。影響を最小限に食い止めるよう努力する」と強調。しかし、候補者の知名度不足も手伝って、危機感を募らせる党内からは「状況は厳しい」と弱音も漏れる。小沢氏が先の記者会見で衆院選への影響を考慮して進退を判断する考えを示したことから、知事選の結果が小沢氏の進退に波及するとの見方も出ている。
 八田英之氏を推薦する共産党は「知事選であっても金権腐敗政治を許すのか許さないのかが争点だ」(志位和夫委員長)と訴える。社民、国民新両党は吉田氏を推薦している。


民主党はこの知事選の重要性を理解しているのか。
”弱音を吐いてる”場合ではない。
菅も鳩山も岡田もみんな千葉へ通え!
房総半島を全部回ってこい。
前原もだ。
前原が行けば、民主党の結束の堅さが印象づけられる。
前原にとっては男を上げる絶好の機会である。
みんなで民主党の政策を訴えろ。
胸を張って堂々と戦え。

千葉で負けても山形で勝っているから引き分けだ、なんて考えてはいけない。
この戦いの意味は比べようがないほど大きい。

民主党が勝てば、
選挙民は、民主党そのものを評価したことになる。
小沢献金問題が致命傷にならないことが証明される。
国民の民主党を見る目がガラッと変わる。
全候補者が自信を持って戦えるようになる。

全国民に、全力を挙げて戦う民主党の姿を見せろ!

とにかく一度政権交代が行われなければ、この国はどうにもならない。


安倍元首相が再登板に意欲「選挙の洗礼受けて」
自民党の安倍元首相は13日、テレビ東京の番組収録で、自身の首相再登板について、「(首相を)辞職した後、国民の審判を受けていないから、選挙の洗礼を受けないといけない。まずは信頼回復に全力を尽くしたい」と述べ、次期衆院選後の再挑戦に意欲をにじませた。

 衆院解散・総選挙については、「麻生首相のもとでやるべきだ。2009年度補正予算案を国民に見せ、成立させるかどうかを含めて首相が決断する」と語った。
(2009年3月13日19時49分 読売新聞)

小沢党首にも民主党議員にもこれぐらいの図々しさを望みたい。

うつ病休業は気が弱いから? 自民・笹川総務会長が発言 (asahi.com 3/14)
自民党の笹川尭総務会長は14日、大分市であった党県連の会合で、「学校の先生で、うつ病で休業している人が多い。国会議員には1人もいませんよ。気が弱かったら、務まりませんから」と発言した。うつ病患者への理解のない発言として、批判を受けそうだ。


鬱病患者安倍晋三への理解のない発言 !




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竹中平蔵への反論+かんぽの宿+メルパルク

2009-03-14 18:02:53 | 政治
相手の意見がどうであれ、とにかく自分の意見を主張する。
相手が納得するかどうかは問題ではない。
それを聞いてる人に自分の方が正しいという印象を与えられればそれでいいというのがこの男の基本的な姿勢である。

竹中平蔵元総務相、自民議連で鳩山総務相を批判 (asahi.com 3/13)
小泉改革の司令塔だった竹中平蔵元総務相が13日、自民党本部を訪れ、麻生首相に近い菅義偉選挙対策副委員長らで作る議員連盟「聖域なき構造改革を推進する会」で講演した。「民営化は民間の経営に任せること。枠組みを作るのは政治家の仕事だが、経営判断に立ち入ることは厳に慎まなければならない」と強調し、「かんぽの宿」問題で存在感を高めた鳩山総務相を牽制(けんせい)した。

 自民党で「小泉離れ」が進む中、小泉支持層の離反を防ぐ目的で菅氏らが竹中氏を招いた。郵政民営化については「放っておいたら、国鉄のようになることは間違いなかった」。鳩山氏が東京中央郵便局建て替えに異議を唱えたことについては「これができないと民営化の否定に等しい」と批判し、「民間の経営判断に立ち入らない節度が政治の世界に求められている」と切り捨てた。


何で竹中が菅のところで講演などするのだ?
とおもったらちゃんと答えがあった。
自民党で「小泉離れ」が進む中、小泉支持層の離反を防ぐ目的で菅氏らが竹中氏を招いた。
呼ぶ方も呼ぶ方だが、呼ばれる方も呼ばれる方だ。
毒を以て毒を制す。

民営化は民間の経営に任せること
笑わせちゃいけない。

現社長の西川はお飾りに過ぎまい。
国会に呼び出されて質問されてもろくな答弁も出来ないでいる。
かんぽの宿問題もほとんど実情は分からないでいるのだろう。
ただ小泉・竹中の代理人というところが与えられた役目と思われる。
実権がどこにあるのかは外から見ているだけでは分からないのが世の常である。
ほんとの実権はこいつが握っているのではないのか?
 ↓
副社長高木祥吉
大蔵官僚上がりである。
略歴
昭和46年(1971年)7月 大蔵省入省
平成14年(2002年)7月 金融庁長官(2004年7月 退任)
平成16年(2004年)4月 内閣官房郵政民営化準備室副室長
平成17年(2005年)11月 内閣官房郵政民営化推進室副室長
平成18年(2006年)1月 日本郵政株式会社代表取締役
平成18年(2006年)6月 日本郵政株式会社代表取締役副社長
平成18年(2006年)9月 株式会社ゆうちょ取締役兼代表執行役社長
平成19年(2007年)4月 日本郵政公社副総裁
平成19年(2007年)10月 日本郵政株式会社取締役兼代表執行役副社長
株式会社ゆうちょ銀行取締役兼代表執行役社長(COO)(兼任)

(もしかすると実権はもっと下にあるのかも知れない)

政府が社長を選び、官僚を副社長に据える。
社外取締役は政府お気に入りの財界人のオンパレード。
社外取締役:牛尾治朗(ウシオ電機会長)
社外取締役:奥谷禮子(ザ・アール社長、日本アムウェイ諮問委員)
社外取締役:奥田碩(トヨタ自動車取締役相談役)
社外取締役:西岡喬(三菱重工業会長)
社外取締役:丹羽宇一郎(伊藤忠会長)
社外取締役:下河邉和彦(弁護士)


これのどこが”民間の経営”なのか!
さがせば、これ以外にも竹中と通じた財界関係者や役人上がりが日本郵政の内外にウヨウヨしているんだろう。

枠組みを作るのは政治家の仕事だが、経営判断に立ち入ることは厳に慎まなければならない”?

民間経営であればなおさらのことである。
株式会社の最高意志決定機関は株主総会である。
日本郵政は株式会社である。
最高意志決定は株主の義務であり、権利である。
株主は財務大臣唯一人。
しかし財務大臣は形式的な株主である。
実質上の株主は日本国民である。
国民は現経営陣に白紙委任状を渡したわけではない。
小泉郵政選挙は永久白紙委任状ではない。
株式会社である以上、毎年株主総会は行われているはずだ。
毎年株主の承認が必要なのである。
監督者は総務大臣。
国民が経営に口出しするのは当然の権利である。
総務大臣・財務大臣は国民にかわって日本郵政を監督する責任がある。
国有財産が目減りするのを防ぐのは当然の責務である。

財務大臣はいつでも臨時株主総会を招集し、経営者を替える権利も持っている。
実際には何かの法律で簡単にはいかないようになっているのかもしれないが。
民間、民間と大声で言えるような会社にはまだなっていないのだ。

民間の経営判断に立ち入らない節度が政治の世界に求められている”?
日本郵政は株式会社であるが民間会社ではない。
100%国有会社なのである。
まして政府が役員を選んでいて、何が民間会社だ!

竹中は多分、自分の主張が破綻していることは承知しているだろう。
しかし、ここで弱気を見せれば一気につけ込まれる。
むなしい主張を繰り返すだけが生き残りの道と覚悟を決めているのだろう。

いくら竹中が叫んでも日本郵政をめぐる疑惑は後から後から湧いてくる。
”かんぽの宿”でもまたまた新たな疑惑が。

かんぽの宿:運営新会社の副社長、オリックス側が実名記載  (毎日jp 3/13)
かんぽの宿売却問題で、落札したオリックス不動産が、最終提案書に日本郵政の宿泊事業部長を「かんぽの宿」を運営する新会社の副社長に迎える人事案を実名入りで記載していたことが13日、分かった。落札企業は、かんぽの宿事業に携わる従業員を全員引き受けるのが条件だったが、宿泊事業部長は入札審査担当者の一人だった。同日の衆院総務委員会で民主党の原口一博氏が明らかにした。


オリックスの落札価格には副社長一人の引取料が含まれていた(つまりその分が減額されていた)。
もしかするとその他何人分かが含まれていたかも知れない。
考えてみれば日本郵政は宿泊事業部なる部署も不要になるわけだ。
もしかして事業部ごと引き取る約束でもあったか?

日本郵政の西川善文社長は「個人的な考え」と断ったうえで、「具体名を書いて出してくるのは極めて不適切。相手が出してきた場合には訂正しろと言って止めるのが筋だ」との考えを示した。

西川は”具体名を出さなければOK”と考えているようだ。
具体名があろうとなかろうと、契約自体を破棄すべきである。
部下が裏取引をしているのが分かったら、「そんな汚いことはやめろ」というのが社長というものだろう。
「訂正しろといって止めるのが筋だ」?
西川の言い分はまったくの”筋違い”。
この連中の”筋”というのはずいぶん都合のいい”筋である。

日本郵政幹部は「オリックス側から、宿泊事業部門の長を副社長として迎えるという意味で書いたとの説明を受けた。オリックス側は、宿泊事業部長が入札審査担当者だと知らなかった」と説明している。

自分を引き取ってくれる条件つきのオリックス。
宿泊事業部長様がオリックスに肩入れするのも当然であろう。
オリックスはまさか本人の了解を取った上でのことだろう。
本人の了解なしにあるいは相手の会社の了解なしに、他社の人間の人事は動かせまい。
国有財産を身内のあるいは自分のポストを確保したうえで安く売り渡そうとしたのである。
この事業部長の行為は日本郵政に対する背任行為であるし、日本郵政も承知の上のことであろうから、日本郵政の国民に対する背任行為でもある。

どこまで続く疑惑の連鎖。

メルパルク:ゆうちょ財団からワタベに無償譲渡 (毎日jp 3/11)
日本郵政の婚礼・宿泊施設「メルパルク」の運営事業が、日本郵政のファミリー企業「ゆうちょ財団」から総合ブライダル大手「ワタベウェディング」に無償譲渡されていたことが11日分かった。鳩山邦夫総務相は、譲渡の経緯について調査を検討する考えを示した。

 同日の参院予算委員会で、民主党の尾立源幸氏が明かした。尾立氏は、無償譲渡は「約2億6000万円の債務超過を考慮しても安すぎる」と指摘。鳩山総務相は「メルパルクは知名度があり、業績も好調だ。(日本郵政は)あらゆる資料を公表すべきだ」と答えた。

 メルパルクは郵便貯金の宣伝施設として都心部に建設され、現在、東京、大阪や京都など全国11カ所にある。日本郵政は建物を所有し、運営はゆうちょ財団に委託。08年3月期は全施設が黒字で、07年10月からの1年間に財団から約24億円の納付金を得た。

 日本郵政は08年6月、メルパルクを08年10月からワタベに一括賃貸することを決定。初年度の賃料は約30億円で、ゆうちょ財団も08年7月、従業員約1000人を継続雇用する条件で、ワタベへの事業譲渡を決めた。

 日本郵政法は、かんぽの宿とともに12年9月末までにメルパルクを譲渡または廃止することを定めている。日本郵政は「ワタベからの賃料収入を見込める上、所有し続けるので今後、高く売却できる可能性がある。譲渡に問題はない」と説明している。【前川雅俊】

毎日新聞 2009年3月11日


今度の場合は土地建物は売却せずに事業だけを譲渡するということらしい。
かんぽの宿の場合は毎年50億円の赤字がでるということを口実にしていた。
こんどは2億6000万の債務超過?
黒字経営で、去年24億円の納付金を納めていて、なんで債務超過なんだ?
納付金の性質がいまひとつ分からないが、利益からおさめるものなら、繰り越し債務は解消できたはずである。
家賃というならわかるが、それなら納付金という呼び方はおかしかろう。
ましてワタベウェディングからの賃料が30億円。
財団が役人感覚で経営しても24億円も納められたのだ。
民間会社のワタベにしてみれば30億円をひねり出すくらいなんでもなかろう。

分からないのは、かんぽの宿の時は土地・建物ごと売り払おうとしたくせになんで今度は事業譲渡だけなのだ?
土地・建物を所有し続けることによって発生する費用、つまり減価償却費や固定資産税だけでも相当な額になると思われる。

メルパルク一覧
(クリックして豪華な建物群をご覧ください)

更に契約内容次第だが、建物の修繕費や改築費等の負担も発生するかも知れない。
土地・建物を残すことにそれほど利点があるとも思えないのだが。
もしかするとワタベ側に金がなかったのか?
あるいは土地・建物は別に売却する約束でもあるのか?

「譲渡に問題はない」と日本郵政は言うが、
国民の大多数は「問題がある」と思うだろう。





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西松献金問題・漆間官房副長官の正体

2009-03-13 11:38:44 | 麻生太郎
政府側に一人。
そして検察高官に一人。
これでなんでも出来てしまう。
まさか、とばかりは言えない。
田母神航空幕僚長を思い出して欲しい。
国民のほとんどは、自衛隊トップの一人があのような思想・信条の持ち主であり、あのような挙に出る人物であったなどとは考えもしなかったはずだ。
一人の狂信者、一人の確信犯にどれだけのことができるか?
考えれば恐ろしいことである。
幸い田母神は論文を出しただけで、放逐された。
しかし、未だにひっそりと権力の中枢にいて、自分の妄念を実現させようと機会を伺っている人間がいるかもしれない。

漆間巌官房副長官についての示唆に富む面白いコラムに出会った。
”コラム・大気圏外”という。
冒頭部をみてみよう。

内閣官房に「権力の暗部」抱える麻生政権―警察庁出身副長官・漆間巌の存在理由  田中良太2009/02/04

麻生内閣の看板の公務員制度改革が人事院の抵抗で難航し、事務官房副長官の漆間巌が機能していないためだと指摘されている。だが、麻生首相が漆間に期待するのは政府全体の調整役ではなく、元警察庁長官として刑事と公安の両情報を収集し、警察権力を政治運営に利用することだとみられる。今後、漆間のこうした動きに注目すべきだ。


筆者の慧眼に感服する。
以下、要点だけを列挙するが、出来れば全文を読んでいただきたい。

まず公務員制度改革から始まる。
この政府の方針に人事院総裁が強硬に反対したことはまだ記憶に新しい。

どうして人事院がここまで抵抗するのか? 政府・自民党で浮かび上がっているのが事務官房副長官の漆間巌が機能していないという指摘だ。

 事務官房副長官は、事務次官会議を主宰し、議長役を務める。つまり各省庁事務次官のまとめ役なのである。行革が大きな政治課題として浮上して以後、官僚の抵抗の強い事項については、事務官房副長官が説得役となってきた。

漆間巌は、「天下り」抑制そのものに消極的であるといわれている。安倍政権時代の07年3月、当時の的場順三官房副長官が天下り抑制を中心とした公務員制度改革をとりまとめようとしたさい、事務次官会議メンバー(警察庁長官は事務次官扱い)の中で突出した強い姿勢で「絶対反対」を崩さなかったことで知られる。

◆警察官僚起用の意味は?
 なぜ漆間にはこのような行動が許されるのか。任命権者である麻生太郎首相が漆間に期待しているのは、官僚の世界の調整能力ではないからだ。


要約しようと思ったが、結局一部引用させて貰うことにする。筆者には断っていないがご容赦願いたい。

◆洞爺湖サミットが実現した理由
 安倍の漆間への信頼は揺るがなかった。2007年4月、翌08年日本が議長国となるサミット(主要先進国首脳会議)会場を、北海道・洞爺湖の「ザ・ウィンザーホテル洞爺リゾート&スパ」に決めたことは、それを示すものだった。警察庁長官の漆間が、「警備上最適」と推薦したのが、最大の理由だった。

 しかし漆間の推薦には、別の理由が指摘されている。ウィンザーホテル洞爺はもともと、北海道拓殖銀行系列のリゾート開発会社・エイペックス(本社・札幌市)によって建設された。しかしエイペックスは1998年3月に倒産、同年11月の拓銀破たんの一因となった。

 ◆会場のホテルは、「セコム所有」
 同ホテルはその後「ザ・ウィンザー・ホテルズインターナショナル」(本社・東京)の所有となったが、同社は大手総合警備会社「セコム」(本社・東京)の子会社であった。

 警備保障業界は、すべての企業が警察庁の子会社のような様相になっている。とくに漆間は業界との関係が深い長官として知られていた。年齢の離れた実兄で、同じく警察キャリアだった漆間英治(最終ポストは中部管区警察局長)が綜合警備保障会社の社長となっていたからだ。業界トップのセコムにとっても、ウィンザーホテル洞爺でのサミット開催は、いわば起死回生の策であり、社長・会長を経て最高顧問となっていた飯田亮が熱心に動き回っていた。飯田の代理人となっていたのが漆間だったのである。


洞爺湖サミットまで絡んでいた。

◆起死回生の秘策を練っている?
 支持率低迷に悩む麻生政権が「起死回生の秘策」劇を演じるとすれば、シナリオを書き、プロデュースする人材は漆間巌以外にはいないはずだ。

 いずれにしても、後ろ暗い部分の大きい「国家の暴力装置」代表を内閣官房に抱え込んでいるのが麻生政権であることは強く意識しておく必要がある。その暴力装置代表が動き出すタイミングは何時かを注目すべきだ。


これが書かれたのは2月4日である。
小沢の秘書逮捕の1ヶ月前である。
漆間の「自民党には捜査は及ばない」発言の一月も前である。
その暴力装置代表が動き出すタイミングは何時かを注目すべきだ
まったく言うとおりであった。
多分、漆間と手を組んでいる検察高官がいるはずだが、それもそのうち分かってくるだろう。


そして検察の悪辣さはこれだけにとどまらない。

二階氏側も聴取へ 西松に838万パー券 東京地検特捜部、規正法違反容疑 (msn産経ニュース 3/6)
小沢一郎民主党代表の資金管理団体「陸山会」が、準大手ゼネコン「西松建設」(東京)から事実上の企業献金を受けていた政治資金規正法違反事件で、東京地検特捜部は5日、西松に多額のパーティー券を購入させていた自民党の二階俊博経済産業相側の政治団体についても、規正法違反容疑で捜査する方針を固めたもようだ。捜査関係者によると、特捜部は二階氏側が小沢氏側に次ぐ金額だった点を重視。二階氏側の会計責任者らから事情聴取を行う方針とみられ、来週にも特捜部以外から応援を得て検事を増員するという。


待てど暮らせど二階側の聴取が行われたという報道はない。
検察は二階聴取を匂わせながら国策捜査という批判をかわしていたようだ。
そして二階の代わりに民主党の石川議員の参考人聴取を敢行した。

国会の場で恥知らずにも「記憶にない」を連発した漆間のことである。
どんな下劣なことでもやれる人間であることは証明ずみである。
そして残念ながら、せっぱ詰まればどんな汚いことでもやりかねないというのが今の自民党である。

漆間にしてみれば、必ずしも逮捕した秘書を有罪に出来なくてもかまわない。
あるいは罰金で済むような程度でも十分である。
要は、総選挙を控えて小沢や民主党のイメージダウンが図れればそれでいいのだから。

検察という組織も一人二人の狂信者によってどんなことでも出来る危険な組織になってしまう。
今回の事件は、国民の検察に対して持っている漠然とした信頼感を大きく損ねる暴挙と言えるかも知れない。





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漆間官房副長官騒動・小沢献金問題の陰で

2009-03-11 11:44:26 | 麻生太郎
西松建設献金問題が吹き荒れている。
二階経産大臣に飛び火したかと思えば、漆間官房副長官の参戦もあり、騒ぎは一向に下火になる気配はなさそうだ。

確かに漆間官房副長官の事件はいい加減に済ませていいものではない。
中川財務大臣の泥酔会見ほどの派手さはないが、この人物の発言内容のいかがわしさ、馬鹿馬鹿しさも相当なものである。

経過を追ってみよう。

西松建設事件 政府高官「自民側は立件できない」 (asahi.com 3/5)
政府高官は5日、西松建設の違法献金事件について、首相官邸で記者団に「自民党側は立件できないと思う。特に(違法性の)認識の問題で出来ないだろう」と述べ、自民党議員に捜査は拡大しないとの認識を示した。民主党は小沢代表の公設第1秘書の逮捕を「不公正な国家権力の行使だ」と批判しており、政府高官が捜査の見通しに言及したことは、波紋を広げる可能性もある。高官は同夜、「(議員側に)西松建設から献金を受けた認識があるという傍証がない限り(立件は)難しいという意味だった」と釈明した。


本人はオフレコの記者懇とやらをやったその日の内に、発言を修正。
しかし、いわゆる”国策捜査”のイメージはつきまとう。
そして、当人の氏名は不詳のまま。
(ネット上では既に漆間の名前が取りざたされていた)

政府高官、名前公表を改めて拒否 「自民立件ない」発言 (asahi.com 3/7)
西松建設の違法献金事件で「自民党側は立件できない」と発言した政府高官に対し、内閣記者会は7日、名前を公表するよう申し入れた。高官は「オフレコ扱いのものを、さかのぼってオン(公表)にすることはありえない」と拒否した。民主党など野党は、同高官が元警察庁長官の漆間巌官房副長官とみて、週明けの国会で政府をただす。

 朝日新聞は6日、この高官に名前を明かすよう求めたが、断られた。7日は朝日新聞も加盟する内閣記者会の総意として、記者会の代表がこの高官に申し入れを行った。


名前の公表を本人が拒否。

「自民党側は立件できない」発言は漆間官房副長官 (asahi.com 3/8)
西松建設の違法献金事件で「自民党側は立件できない」と発言した政府高官について、河村官房長官は8日朝のフジテレビの報道番組で、この政府高官が元警察庁長官で官僚トップの漆間巌官房副長官だと明らかにした。
(中略)
朝日新聞は6日、漆間氏に名前を明かすよう求めたが、断られた。7日は朝日新聞も加盟する内閣記者会の総意として記者会の代表が申し入れを行ったが、「オフレコ扱いのものを、さかのぼってオン(公表)にすることはありえない」と拒否していた。


とぼけきれないとみた河村官房長官が氏名を公表。
事前に麻生の了承を取っていたらしい。
そして舞台は参院予算委員会へと移る。

民主党鈴木寛議員によると、民主党は漆間副長官の国会出席を金曜日から要請していたが、自民党はようやく9日月曜日午前になって応じたということである。
予算委員会の質疑が始まって間もなくのこと。
漆間の発言について、麻生は尋ねられもしないのに、「発言が誤って伝えられた」と答弁
そのあとの質疑応答で、漆間は発言の記憶がないという答弁を延々と繰り返した。
午後の質疑で麻生はまたまた質問とは関係なく唐突に訂正発言をした。
記憶にないのに”誤報”はおかしい、と誰かに注意されたとみえる。
持ち出してきたのが、「認識のズレ
しかし、これもやはり、記憶がないのにどこがどうずれているのか説明できるはずもないが、なんとなくそれですんでしまった。
河村官房長官は漆間に説明責任を果たすようにと注意したと言ってるが、その結果が「記憶にない」、「認識の違い」の連発。
こういうのは説明責任とはほど遠い。

漆間は、記者懇のあった日の夜、配信された記事を見て驚いたと言っている。
記事はどの新聞もちっちゃなものである。
どこかのテレビ局で何紙かの記事を切り抜いて掲示していた。
もちろん漆間の名前はなく、政府高官の談話としか書かれていない。
しかし、漆間は即座に自分の事だと分かったようだ。
”政府高官”とは官房副長官や首相秘書官を指す言葉らしい。
しかし、漆間は記事をみるなり自分だと分かったらしい。
だれか他の人間だとは考えなかったようだ。
内容が自分のしゃべったことだからだろう。
記憶になければ、誰か他の人間が話したのか、と疑うところである。

次はいよいよ記者会見。
これも予算委員会で、記者会見ではっきりさせろと、民主党議員に釘を刺されている。
逃げるわけにもいかなかったようだ。

漆間氏「記憶では、言ってない」〈記者会見やりとり〉 (asahi.com 3/9)
(長いので面白いところだけ抜粋)

 「これもまさに記憶を再現したわけでありまして、私の記憶と、それから同席していた3人の秘書官の記憶とつきあわせた結果、そういう発言は私はしたことがないという、そういう記憶になったので、そういう風にお答えしているわけです」

そういう記憶になった
こんな言い方聞いたことがない。
自分の記憶と三人の秘書官の記憶の合成。


 ――それは多分、後段の他社さんの記者から重ねてあった質問だと思うのですが、冒頭部分で私が今申し上げているような質問をしたと思うのですが。

 「冒頭部分であったか、そのかなり前のところで質問があったというのは記憶があります

”冒頭部分”であったか、そのかなり前のところ
どこ?


記憶があります
俗に”まだらぼけ”というやつである。

――その後、しばらくのやりとりの中で、自民党、もしくは閣内に及ぶことはないかという質問をしたと記憶しています。

 「ああ、そうなんですか。それは残念ながら、そこのところの記憶はまったくございません」

しかも重症である。

皆さん方も、あそこではメモ取らずに、後でそれぞれの記憶に基づいて再現されてメモをつくられたんだろうと思いますから、その記憶が皆さん方の方が正しいのか、あるいは、私の記憶が正しいのか、ということになってしまうんだろうと思います」

――そういう意味でいうと、報道が誤ったという認識でおられる。

 「いや、それはまさに、報道の皆さんの記憶の問題と私の記憶の問題がどちらが正しいかということだろうと思います。ええ


 ――すみません官房副長官。記者団の間では細かな言葉遣いは別として、自民党に波及しない趣旨の発言をしたということは一致した認識を持っているんですが、官房副長官が自民党という言葉を使ったかどうかは別として、官房副長官がそういう趣旨の発言をされたかどうかというのはどうでしょうか。

 「だから、それは私の記憶にはないと言ってますんで。それをどういう風に判断されたかが、それは記者の皆様のまさに自由な判断で、それを私がどうのこうのするという話ではないだろうと、こういうことです」


 ――確認なんですが、記憶にないということは、発言は出された可能性は否定できないということでよろしいんですか。

 「私の記憶が間違っていればそれはそうなんですね。皆さん方の記憶の方が正しければ、そうなんです」


ずっとこんな調子である。
まだらボケの嘘つき警察官。
”嘘は泥棒の始まり”

実はこんなことを書くつもりで始めたのではなかったが、余りにも腹が立つやら馬鹿馬鹿しいやらでつい長くなってしまった。
こんな騒ぎの陰で見過ごされていくいくつかの気になる報道について書きたかったのだ。

町村前官房長官、学力テスト下位は「教職員組合が原因」
町村信孝・前官房長官は9日、福井市で開かれた講演会で、地元北海道の全国学力テストの結果が下位となり、教育の見直しを進めていることを挙げ、「一つの大きな原因は教職員組合。いかばかりか、子どもを害している」と発言した。

森元首相「輿石氏は違法なカネ集めて当選」 講演で発言 (asahi.com 3/10)
森氏は「民主党政権ができたらおそらく文部(科学)大臣に日教組出身の議員を据える。日教組と自治労が圧力をかけて日本の教育を根底からおかしくしてしまう」と持論の日教組批判も展開した。西松建設の違法献金事件の波紋が政界に広がるなか、「政治とカネ」をめぐる与野党の泥仕合は激しくなりそうだ。

麻生内閣発足直後に失言濫発で辞任した中山成彬国交相と同根の連中。
中山辞任の理由になったこの種の発言もほとんど問題視されていないようだ。
「なんでオレは詰め腹を切らされたのか?」と中山は思っているかも知れない。
相変わらず、自民党の中では日教組たたきは盛んである。


旧麻生鉱業の捕虜労働 首相「政府対応、不十分だった」 (asahi.com 3/9)
麻生首相は9日の参院予算委員会で、親族が経営していた旧麻生鉱業(福岡県)の炭鉱で外国人捕虜約300人が働かされていたと06年に米紙が報じ、外務省が反論したことについて「結果として関連資料が厚労省の部内で存在していたと判明した。当時の対応として必ずしも政府全体としては十分ではなかった」と述べ、不手際を認めた。

 民主党の藤田幸久氏の質問に答えた。この問題は首相が外相を務めていた06年に報道され、外務省が在ニューヨーク総領事館のホームページに反論を掲載。その後、厚労省の公文書で事実であることが判明し、削除された。

 首相は、公電で総領事館に対応を指示した点について「記事に事実誤認など含まれていたので、通常業務の一環でホームページに反論を掲載した。報道記事への反論は随時行っていて、異例だと考えていない」と述べた。


外務大臣時代の麻生が自分の会社が非難されたからといって、外務省の役人に命じて抗議させたもの。
政府の不手際ではなく、麻生の公私混同である。
しかし、なんで今頃こんなことを取り上げたんだ?

麻生は去年も似たようなことをしている。

長くなったので続きは次の機会にしよう。




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小沢献金問題・マスコミ報道に疑問

2009-03-09 07:02:34 | 民主党
小沢献金問題をめぐるマスコミの報道姿勢には、大いに疑問がある。
というより、このところのマスコミの在り方については「あきれてるというより笑っちゃうね」というほかはない。

中川財務大臣の酔っぱらい会見が報道されると、毎日のようにテレビで追いかける。(これはあまりにも映像が面白すぎたので無理もないが)
かんぽの宿が問題になると、一斉にかんぽの宿。
小沢の秘書が逮捕されると今度はそればかり。
かんぽの宿問題も、中川大臣の酔っぱらい会見も麻生降ろしも、あっという間に片隅に追いやられて、新聞テレビ報道は西松建設一色。
(まれに定額給付金を受け取ったお婆ちゃんの笑顔が出てくるが)

今度は小沢降ろしの音頭をマスコミがとっている。

小沢代表:「辞めるべきだ」57% 民主、支持率も下落 (毎日jp 3/7)



民主党の小沢一郎代表の資金管理団体を巡る政治資金規正法違反事件を受け、毎日新聞は6、7両日、緊急の電話による全国世論調査を実施した。小沢氏が代表を辞めるべきかどうかを聞いたところ、「辞めるべきだ」が57%で、「辞める必要はない」の33%を上回った。事件に関する小沢氏の説明に対しては、「納得できる」12%、「納得できない」79%。政党支持率で民主党は2月の前回調査比7ポイント減の22%で、2ポイント増の自民党と同率になるなど、民主党に厳しい数字が並ぶ結果となった。


しかし、突然の小沢の公設第一秘書逮捕が3月3日。
世論調査開始が3月6日。
間にわずか2日しかない。
国民に与えられた情報は検察リークと思われる報道や憶測記事。
検察出身者の一方的なコメント。

なんで正確な情報も与えられていない国民に、こんなに急いでアンケートをとる必要があるのか?
しかも質問が、「辞職すべきかどうか」、「説明に納得したかどうか」という二者択一!
事件の全貌はもちろん、どこが犯罪行為にあたるのかさえまだ正確に認識していない人が大半であろう。
小沢の説明をどれだけの人が聞いたり、目にしたりしているかも疑問である。
しかも小沢は最初の記者会見で記者の質問を最後まで受け付け、質問がなくなってから会見を終了している。
「小沢の説明に納得したか」ではなく、「マスコミは国民が納得できる質問をし、回答を引き出したか」が問われるべきである。

自民党への波及をいうマスコミも少なくはないが、こんなもの、小沢の場合とでは衝撃度がまるで違う。
逮捕された秘書の拘置期限が3月24日(10日間延長は既定の事実らしい)だそうだが、起訴された場合は小沢の辞任は不可避だろうなどとあおり立てる。
起訴は起訴に過ぎない。
判決がでてはじめて有罪無罪が確定する。(たとえそれが第一審段階においてであっても判決は尊重されるべきであるが、しかしそれでも猶最終判断ではない)

しかし、逮捕から起訴までは、いまだ行政の段階である。
あたかも検察が政治的に厳正中立な司法機関であるような論調はおかしかろう。
”司法の判断を待つ”というのは裁判結果を待つということである。
起訴されたらどうするか?と煽り立てるマスコミの方がおかしい。

だれも「もし裁判の結果小沢の秘書が無罪となったらどうするのか」とは言わない。
しかも逮捕されたのは小沢ではないのに。
どうせ判決が確定する頃にはみんな過去のことになっている。だれも覚えていない。
騒いだ方が勝ちだ、とばかり煽り立てている。
そのころになっては、報道の誤りの責任を問うものはいない。

日本は法治国家である。
しかも三権分立の国である。
小沢が裁判で有罪になったら責任を取らせればいいだけのことである。

批判精神を失ったマスコミは政・官・財の飼い犬ではないか!

「やましいことない」と小沢代表、検察は「疑問答えてない」 (YOMIURI ONLINE 3/4)

見出しだけ見ると、小沢と検察側との言い分を等分に揚げているように見えるが、内容は恐ろしく偏っている。

「異例の捜査」「不公正な国家権力の行使」――。民主党の小沢一郎代表の公設第1秘書、大久保隆規容疑者(47)の逮捕から一夜明けた4日、小沢代表が口にしたのは、公党トップとしては異例の検察批判だった。

約40分間の記者会見では謝罪は一切なく、捜査を非難する強気の言葉に終始。矛先を向けられた法務・検察幹部からは「疑問に答えていない」という声が上がった

 東京・永田町の民主党本部で午前9時50分に始まった小沢代表の会見には100人を超える報道陣が詰めかけた。

 大久保容疑者の逮捕後、報道陣の前では終始無言だった小沢代表。風邪の予防のためにふだんから着けているマスクを外し、胸を張るように会見場に入ってきた。壇上でゆっくりと報道陣を見回し、いきなり捜査批判の口火を切った

こんな悪意に充ちた記事を久しぶりに見た。
ことさら小沢をふてぶてしい悪党に印象付けようとしているではないか。


「総選挙が取りざたされているこの時期において、非常に政治的にも法律的にも不公正な国家権力の行使と感じている」

 会見中、小沢代表は捜査について何度も「不公正」「異常な手法」などと顔を赤くしながら強い口調で繰り返した。時折、疲れた表情を見せながらも、「この種の問題で逮捕・強制捜査というやり方は民主主義を危うくすると考えている」「こじつけたような理由で検察権力の発動は非常に公正を欠くと思う」と語り、検察当局と真っ向から対決する姿勢を前面に出した。

 「政治資金に関してはすべてオープンにしている。収支を全部公開しているのは私だけではないか」と胸を張る場面もあり、「起訴などないと信じております」「遠からず嫌疑は晴れると信じている」とも語った。

 記者から「世間に動揺を与えたことに、謝罪の言葉はないか」と質問されると、「何度も何度も申し上げたように、何らやましいことはない。今おわびする理由は見あたらない」と不満そうに顔をしかめながら、語気を強めた

 午前10時29分、報道陣からの質問が終わると、小沢代表は「はい、どうもありがとう」と笑みを浮かべて会見場を後にした。

小沢代表の記者会見をテレビで見た法務・検察の関係者からは「問題をすり替えている」などとする声が上がった。検察幹部は「民主党の代表の政治団体だからやったのではない。違法行為を把握したのに、相手の地位が高いとか、選挙が近いという理由で見逃していたら、検察は国民の信頼を得られない」と捜査の妥当性を強調。「こういう反発は予想された事態」と冷静に受け止める声もあった。

記者は恐らく法務・検察関係者とともに会見を見ていたのだろう。
マスコミはここまで検察べったりになれるのか!


 法務省の幹部は「脱法的な献金を受けていたことが問題なのに、『きちんと記載している。オープンにしている』と言うばかりで、疑問に答えていない」と指摘。「否認されても立証できる証拠を固め、事件着手しているはず」と小沢代表の姿勢に疑問を投げかけた。

検察OBら 小沢氏の姿勢批判
 検察OBも、小沢代表の反論に首をひねった。

 元検事総長の土肥孝治弁護士は「西松建設による裏金問題の捜査をしていく流れの中で浮上してきた事件。小沢代表が検察批判したくなるのもわかるが、献金先がわかっているのに、検察が解明していかなければ、逆にそのことに批判が集まるだろう」と述べた。

 東京地検特捜部長などを務めた熊崎勝彦弁護士は、「この時期の逮捕は、重い決断だったと思う。検察は、大久保秘書が否認しても起訴できるだけの動かぬ証拠を吟味して臨んだと思われ、果たしてどうなのかは、今後の捜査で明らかになるだろう」と指摘した。

(2009年3月4日16時31分 読売新聞)

”果たしてどうなのかは、今後の捜査で明らかになるだろう”
と言いながら、検察への疑いは皆無。
小沢側の有罪を前提にしての発言である。
検察OBが検察を非難するわけはなかろう!


昨日のサンデー・プロジェクトに出ていた検察OBの何とかという人間は比較的まともな意見を言っていた。この番組にしては珍しい驚きであった。
いただけないのは司会の田原が5、6年前の民主党のポスターを持ち出して、マニフェストに企業献金の禁止を掲げておいて、党首が企業献金を受けているのはけしからん、と息巻いていたこと。
みんなでやめよう、というのと、自分だけやめるというのとではちがうだろう。
一方的にやめたら、敵に塩を送るだけ。

しかしいずれにしろ、企業献金は悪い。
一刻も早く禁止しなければならない。





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西松建設献金問題について

2009-03-06 07:31:55 | 民主党
小沢の第一秘書が逮捕された。
検察の目標はもちろん小沢一郎であろう。
逮捕容疑は政治資金の虚偽記載であるという。
しかしこれで逮捕なら、政治家全員をいつでも逮捕できることになる。

今度の件は、個人への企業献金禁止に抵触したことによる。
しかしながら、現在広く行われている政党支部への企業献金は実質的には個人への献金であることは明らかである。
選挙区ごとに置かれた政党支部の支部長はほとんどの場合議員その人か、候補者本人である。
献金を行った政治団体が実質的には西松建設のダミーだ、と知っていて献金を受けたことが違法であるなら、政党支部への企業献金は大半が違法である。
形式が整っていても実質が問題にされるのなら、当然そうなる。
政党支部長は自分への献金であることを承知しているはずだからだ。
表面上は、
企業→(政治団体)→政党支部→個人の資金管理団体
という具合に金が流れているが、実質は
企業→個人の資金管理団体
ということである。

今度の場合、個人献金を装った企業献金であったということも問題にされているようだ。
しかし、これも広く行われている手法である。
たとえば、東京電力をはじめとする電力各社は役員から個人献金を集めている。
平取締役から社長・会長に至るまでその役職によって拠出額を定め、しかもその金額は各電力会社横並びだという。
拠出額は役員報酬に含まれているという暗黙の了解があるのだろう。
西松建設の場合は拠出額を後で補填するというあからさますぎるやり方であるが、実質的には同じ事である。
多くの業界団体が政治団体を持っている。
会員の企業や個人に半強制的に資金拠出を割り当て、自民党の政治資金の受け皿である国民政治協会や政党支部に献金している。
その多くは受け取り議員を指名した(もちろん内密に)ひも付き献金と思われる。

今回、検察は形式ではなく実質的な違法性を問題にした。
ならば、自民党議員たちへの迂回献金、ひも付き献金等にもメスをいれなければなるまい。

西松建設からの資金はかなりの数の自民党議員にも行き渡っている。
小沢代表秘書の逮捕に踏み切った理由は、小沢への献金額が他の議員へのそれよりも多額であるからということらしい。
スピード違反者のうち、一番の者だけつかまえて他は見逃すようなものではないか。
30キロメートルオーバーはつかまえるが、20キロメートルオーバーは勘弁してやるというようなものだ。
大物からつかまえていく、という作戦ならそれはそれで頷けるが、自民党議員たちは受け取った金の返還を表明し始めている。
金を返せばそれで済むのか?
盗んだものを返せば、泥棒は無罪になるのか。
結局一番先に捕まった者だけがバカを見るのか。

マスコミは小沢に説明責任を果たせと大合唱をしている。
しかし、小沢は会見を行い、自分の行為に違法性はないと述べている。
これ以上何を説明しろと言うのか。
小沢が罪を認めないからといって説明責任を果たしていないと責め立てる。
小沢が罪を認め、謝罪をするまでマスコミの攻撃は続きそうである。
記者会見で小沢は質問にも応じている。
説明不足を言う前に、核心に切り込めなかったマスコミ自身の不勉強・無能を省みるべきであろう。

検察が虚偽記載のみを容疑として逮捕に踏み切ったのではなく、それ以外の容疑を小沢にかけているのならば話は別であるが、わたしとしては、新聞・テレビ等から得た情報だけで判断するほかはない。
虚偽記載だけが逮捕の理由であるというのなら、検察の恣意的なやり方には納得できない。
たとえ検察がこれから徐々に捜査の輪を広げていくにしても、小沢と民主党の受けたダメージの大きさは計り知れない。

災い転じて福となす
禍福はあざなえる縄の如し

幸い自民党内では麻生降ろしも一服のようだ。
これで自民党は麻生の手で解散ということになるだろう。
そのとき、民主党が今度の件に関してちゃんとした対応ができていれば、チャンスは広がっているだろう。



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小沢第七艦隊発言をめぐる二つの態度

2009-03-03 06:57:23 | 民主党
小沢の第七艦隊発言が波紋を広げている。
この程度の発言にこのヒステリックな騒ぎは何とも情けない。
もっと冷静な対応ができないか。

まず、自民党。
まるで鬼の首をとったようなはしゃぎようである。
これまで攻められる一方で、何を言われてもろくに反論もできない状況が続いてたが、ようやく見つけた反撃の端緒と思ったんだろう。
麻生まで調子に乗っている。

小沢氏の米軍削減発言 首相「知識ある人は言わない」 (asahi.com 2/26)
民主党の小沢代表が、アジア地域の安全保障政策について「(米海軍)第7艦隊で米国の極東におけるプレゼンスは十分だ」として在日米軍を削減し、日本が自国防衛に責任を持つべきだという認識を示したことに対し、政府・自民党から「日米同盟にひびが入る」「軍備増強の発想だ」などの批判が相次いだ。

 麻生首相は26日、小沢発言について「いま極東で核実験をしたという国があり、日本をあたかも敵国かのごとく言っている国が存在する状況に置かれている。その時に同盟国である米国が海軍だけ。あとは空軍も海兵隊も陸軍もいらないと。防衛に少なからぬ知識がある人はそういう発言はされないのではないか」と記者団に語った。河村官房長官も同日の会見で「日本における米軍の駐留を第7艦隊に限定するという考え方は非現実的ではないか」と指摘した。

 自民党の山崎拓元幹事長は26日の山崎派例会で「日米同盟にひびが入る。我が国として集団的自衛権を発動しないという憲法上の解釈からしても、在日米軍に対する基地の提供はそれに見合ったもの。小沢政権、民主党政権が実現するようなことがあると、我が国の安全保障は根底から覆される」と述べ、民主党の政権担当能力を疑問視した。

 町村信孝前官房長官も町村派総会で「自前の防衛予算を3倍から5倍にでもしようかという勢いかもしれないが、暴論以外の何ものでもない」と指摘。伊吹文明元幹事長も「(小沢発言は)日本の軍備増強でカバーしていく発想。民主党の旧社会党系、共産党、社民党の方々がよくご一緒に行動しておられるなと思う」と皮肉った。小沢氏と社民党などとの安保政策での不一致を強調することで、政権交代後に民主党と連立を模索する社民党などを牽制(けんせい)した。


自民党のはしゃぎようが分かろうというもの。
どれもこれも完全に冷静さを失っている。
定額給付金のもたもたも、漢字が読めないのも、中川の大醜態もこれ一発で取り返そうとばかりに調子づいている。

一方社民党は、といえば、

社民:民主との連立に反対相次ぐ 全国代表者会議で (毎日jp 2/28)
社民党は28日、全国代表者会議を党本部で開いた。民主党の小沢一郎代表が在日米軍削減と日本の防衛力強化に言及したことに対して、各地の代表者から「平和の問題で認識が違う」として、次期衆院選後の民主党との連立政権樹立に反対する意見が相次いだ


いきなり連立否定。
硬直しきった教条主義。
小沢に真意を質してからでも遅くはなかろう。
もともと異なる政党同士である。
意見の相違などはこれからもいくらでもでてくる。
その都度、”連立解消!”と叫ぶのか。

小沢代表の発言要旨 (中国新聞 2/26)
在日米軍再編に関する小沢一郎民主党代表の発言要旨は次の通り。

 ただ米国の言う通り唯々諾々と従っていくということでなく、私たちもきちんとした世界戦略を持ち、どういう役割を果たしていくか。少なくとも日本に関係する事柄は、もっと日本自身が役割を分担すべきだ。そうすれば米国の役割は減る。この時代に前線に部隊を置いておく意味はあまりない。軍事戦略的に(米海軍)第7艦隊が今いるから、それで米国の極東におけるプレゼンス(存在)は十分だ。あとは日本が極東での役割をしっかり担っていくことで話がつくと思っている。(24日、奈良県香芝市で記者団に)

 (米空軍は)いらないと言っているのではなく、日本もきちんとグローバル戦略を米国と話し合って役割分担し、その責任を今まで以上に果たしていかなければいけないという意味で言っている。日本も米国におんぶに抱っこになっているから。自分たちのことは自分たちでやるという決意を持てば、米軍が出動部隊を日本に置いておく必要はない。ただ、どうしても東南アジアは不安定要因が大きいので、米国のプレゼンスは必要だ。おおむね第7艦隊の存在。あとは日本の安全保障、防衛に関連することは日本が、自分のことなんだから果たしていく、そういうことだ。(25日、大阪市で記者団に)


小沢発言は二つの論点を含んでいる。
一つは日本独自の世界戦略の必要性。
そしてもう一つが、現在の状況に対する判断。
自民党の批判は、第二の問題だけを取り上げたものである。
第一の問題つまり日本の世界戦略については、自分たちが何も持ち合わせていないので無視することにしたようだ。

小沢の二度目の発言では、東南アジアの安定ということを視野に入れた発言になっている。やや最初の発言を補完したものである。
ただいずれにせよ、極東における安全保障問題の根幹にかかわる提言になっていることは確かである。
しかし、如何せん安全保障問題は国民の間ではまだまだ生煮えの状態である。じっくり腰を据えて国民の間の議論を深めていくべき段階であろう。
性急に結論を出すべきではない。
小沢発言はいかにも唐突な感はあるが、総選挙後に言いだすよりも、事前に問題提起しておく姿勢は肯定できよう。
ことは、外交、憲法そして安全保障、つまり我が国戦後政治全般にかかわる問題である。あわてる必要はない。

ところでその外交であるが、自民党がこれまで推進してきた対米追従一辺倒の姿勢についても検討を加える時期にきているようだ。
小沢発言はその意味ではまさに時宜を得た一石にもなり得よう。

米「尖閣を防衛」明言せず、日本の確認要求に…中国船の侵犯後 (YOMIURI ONLINE 2/27)
【ワシントン=小川聡】昨年12月上旬に発生した中国の海洋調査船による尖閣諸島南東の日本領海侵犯後、日本側が求めた「尖閣諸島には日米安全保障条約が適用される」とした従来の米政府の見解の確認を米側が避けていることが26日、明らかになった。

 日本政府は「米側は政権移行期のため、最低限の回答をしている」と分析、政治任用の実務責任者が空席の影響もあると見て、国務、国防両次官補が承認され次第、改めて確認を求める考えだ。
(中略)
ブッシュ共和党政権1期目の2004年3月、中国の活動家が尖閣諸島に上陸した際にも、国務省副報道官が記者会見で「日米安保条約は日本の施政下にある領域に適用され、尖閣諸島にも適用される」との見解を改めて示した。

 ところが国務省は昨年12月以降、日本側がこうした見解の再確認を求めても、「領土問題は当事者間で平和的に解決するべきだ」と回答しているという。国務省は今月、読売新聞が文書で質問した際にも「米国は国際合意を順守する。米国の政策は一貫している」と回答するにとどめている。
(中略)
麻生首相は26日の衆院予算委員会で、「尖閣諸島は日本固有の領土である以上、日米安保条約の対象になる」と改めて明言した上で、米国側にも改めて確認する考えを強調した。


どうやらアメリカは逃げ腰のようだ。
アメリカはアメリカの利益のために軍事力を展開している。
なにも領土問題で戦争になるなどとは思わないが、極東の安全保障を過度にアメリカに依存することの危うさは感じないわけにはいかない。
日本政府は「米側は政権移行期のため、最低限の回答をしている」と分析”
分析ではなく希望的解釈というべきであろう。
問題の本質、都合の悪い事実から国民の目をそらす、いつもの対応である。

こんな政府の役人共の言葉は無視しなければならない。
そしてここは右も左も冷静になって議論し、国民の理解を深めていく姿勢が大事なのではないか。
そう言う意味で、賛否はともかく小沢の発言はいい発言であった。





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