政治の季節【稗史(はいし)倭人伝】

稗史とは通俗的な歴史書等をいいます。
現在進行形の歴史を低い視点から見つめます。

自民と民主のマニフェスト作り・暫定税率廃止を支持する!

2009-06-30 20:31:28 | 民主党
暫定税率廃止時期をめぐって鳩山代表と岡田幹事長の意見の食い違いをいくつかのメディアが取り上げている。
しかし、政党の内部での意見の相違などは政策策定の過程では起こって当然であろう。
自党の総裁をめぐって大揉めに揉めている自民党と比べると、政策での議論などは余程健全である。

民主公約 岡田氏「一部先送りも」 鳩山氏「認めない」 (asahi.com 6/28)
民主党の総選挙マニフェスト(政権公約)をめぐり、鳩山代表と岡田克也幹事長の食い違いが目立っている。不況による税収減も考え、公約の一部先送りを求める岡田氏に対し、鳩山氏は今さら変えられないとの立場。執行部でマニフェストを最終的に詰める際の焦点になりそうだ。
 鳩山、岡田両氏の考えの差が象徴的に表れているのが、ガソリン税などの暫定税率の撤廃。政権交代後の初年度から実施し、2.6兆円の減税を掲げていたが、鳩山新体制でのマニフェスト見直しで岡田氏らの主導で先送りが固まった。しかし、鳩山氏は26日の記者会見で「即時撤廃は国民の間で既成事実化している」と先送りに反発した。


記事の調子には、わずかな傷口を見つけては手を突っ込んでその傷口を広げる、といったおもむきがある。

暫定税率撤廃、政権奪取後初年度から 民主党合意 (asahi.com 6/30)
民主党は30日午前、鳩山代表、岡田克也幹事長、直嶋正行政調会長ら幹部が党本部で協議し、総選挙マニフェスト(政権公約)で固まっていたガソリン税などの暫定税率撤廃の先送り方針を撤回し、政権奪取後の初年度から実施することで合意した。

 暫定税率の撤廃は民主党マニフェストの柱の一つ。財源の手当てを優先させ、岡田氏らの主導で先送りが固まったが、鳩山氏が「暫定税率(撤廃)は国民のなかで既成事実化している」と初年度からの実施を求めていた。30日の協議で岡田氏は「初年度でやりましょう。私に異存はありません」と発言したという。


政策に関して大いに議論をするのはいいことだ。
議論を避けて、無理に党内融和などを宣伝するよりはずっといい。
意見の不一致などという批判を恐れる必要は全くない。
たいていの問題には様々な意見の相違はつきものである。
それを十分な議論を尽くして結論を見つけ出すことこそ、あるべき民主主義の手続きであろう。

鳩山と岡田の意見がときに食い違うなんてことは当然起こりうる。
しかし、岡田の態度も好感が持てる。
「初年度でやりましょう。私に異存はありません」
渋々受け入れる、というのではなく、はずいぶんと積極的な姿勢を感じさせる。

世襲制限をマニフェストに盛り込むと言いだしてみたがいつのまにやら立ち消えとなってしまった自民党と比べると、政策決定の過程がずいぶんと透明である。

暫定税率廃止で、自民党が必ず攻撃してくるのが財源問題であろう。
しかし、暫定税率の大部分は道路特定財源として使われるものである。
一般財源化するとはいっても、一般財源に組み入れるのは微々たる金額である。
直接響くのは、道路予算であろうが、もう一度根底から洗い直すのもいいだろう。
たとえ国債を発行したとしても、道路を造りたくて仕方がない自民党は反対できまい。
実際にガソリン暫定税率の経済効果は、麻生の補正予算などよりはるかに大きい。
第一に減税効果が大きい。
第二に減税は物価上昇に結びつきやすいが、これにはその心配がない。
むしろ物流コストを引き下げて、物価抑制効果がある。
デフレを心配する向きもあろうが、この場合はよいデフレである。
需要減少によるデフレは克服しなければならないが、コスト引き下げによる物価下落は歓迎すべきものである。
第三に恩恵を受ける業界が多い。
エコポイントだの太陽光パネルだのハイブリッド自動車だのという大企業中心の業界だけが恩恵をうけるのではなく、農林魚業をはじめとするほとんどの業界全体に恩恵が及ぶ。
民主党は、何はさておき暫定税率廃止は実現すべきである。

一方の自民党は相変わらずである。

麻生包囲網? 自民党内9議連の「連合会議」が午後に会合 (msn産経ニュース 6/30)
自民党の塩崎恭久元官房長官、世耕弘成元首相補佐官らの「速やかな政策実現を求める有志議員の会」など党内9つの議員連盟が30日午後、合同で「マニフェスト(政権公約)連合会議」の初会合を開く。開催の呼びかけ文は、9議連が結束して、次期衆院選のマニフェストに盛り込むべき政策や策定の方法について提言していくとしている。
9議連は、麻生太郎首相の手による衆院解散に反対し、首相の退陣を要求している山本一太参院議員らの「プロジェクト・日本復活」など、首相に批判的なグループが多い。連合会議には、自民党総裁選を衆院選前に前倒しするよう求める中堅・若手も出席する予定で、「連合会議が麻生降ろしの拠点となり、麻生包囲網が構築される」との見方も党内にある。


こんなので、マニフェストがまとまるのか?
マニフェストより麻生降ろしが目的らしいが。
自分たちで選んだ総理・総裁を自分たちの都合で選挙直前に取り替えようという連中を誰が信用するか。
こんな連中がたとえマニフェストをまとめたとしても、そんなものはとても信用する気にはなれない。

自民党にも、マニフェスト作りの担当部署はあるらしい。

自民、マニフェストでも迷走 座長決まらず、集団体制に (asahi.com 6/5)
 自民党が総選挙の政権公約を作るプロジェクトチーム(PT)の座長を決められず、4人の集団指導体制で議論を始めることにした。厚生労働省分割や世襲制限に続く迷走ぶりを露呈した。
 細田博之幹事長は5日の党役員連絡会で、総選挙に向けて「宣戦布告。今日から戦闘開始だ」と述べ、PTを来週に発足させる考えを表明した。ところが、PT座長は決めきれず、石原伸晃幹事長代理、菅義偉選挙対策副委員長、園田博之政調会長代理、船田元総務会長代理の4人の代理クラスに、「代表選手としてリーダーシップを取ってほしい」と依頼した。
 PT座長には当初、菅氏の就任が内定していたが、世襲制限を唱える菅氏への反発が相次ぎ、菅氏が辞退。その後は宙に浮いている。細田氏は早く決めたい考えだが、円満に決まる見通しはなく、この日の会見では「誰になるかわかりません」と党内調整に及び腰だった。


それでも何とか座長は菅に落ち着いたようだ。

政権公約PTが始動=菅氏が座長「首相の意向優先」-自民 (jiji.com 6/9)
自民党は9日午後、党本部で選挙公約作成プロジェクトチーム(PT)の幹部会を開き、衆院選のマニフェスト(政権公約)作りに着手した。座長には、麻生太郎首相に近い菅義偉選対副委員長が就任。「政権交代」を掲げる民主党を相手に、有権者の共感を得られる公約をどれだけ打ち出せるかがカギとなる。
同日の会合には、細田博之幹事長や保利耕輔政調会長らが出席。策定作業は今後、菅氏のほか石原伸晃幹事長代理や園田博之政調会長代理、船田元総務会長代理を中心に進める運びだ。
 会合後、菅氏は記者団に対し、「首相の考え方が最優先となる」と述べ、党内の反対を押し切ってでも首相の意向に沿った内容とする考えを表明した。細田、菅氏らは10日に首相と会談し、策定に当たっての基本方針について協議する。 
 公約は、民主党との政権担当能力の違いをアピールするため、社会保障の財源や外交・安全保障を前面に掲げることになる見通し。細田氏は「民主党に対抗するものを作る。同党の弱いところを考えていく」と記者団に強調した。


政権党が、「野党の弱いところを考えて」マニフェストをつくるのか?
政権党であれば、前回のマニフェストの検証を行い、堂々とその結果を国民に発表し、政策実行力を訴えるのがまず最初である。
そして次の政策目標を掲げるのがマニフェストであろう。
「民主党に対抗するものを作る」?
どちらが政権党なのだ。

自民党がどんなマニフェストを作り上げようとも、選挙向けの作文に過ぎないということは国民全部が気がついている。
作っている本人達も知っているが、まだまだ国民を騙せると思っているところがおかしい。




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麻生新体制…巧言令色鮮(すくな)し仁

2009-06-28 06:06:09 | 麻生太郎
麻生がどうやら党役員人事と内閣の一部改造を考えているらしい。
取りざたされている名前をみて、即座に頭に浮かんだ言葉がある。

「巧言令色鮮し仁」

報道によると麻生は努めて「巧言令色の徒」、つまり「口だけは上手い奴」を選ぶ方針らしい。

自民党:役員人事で一部閣僚交代も 麻生首相方針 (毎日jp 6/26)
麻生太郎首相は26日、衆院選に向けた体制整備の一環として自民党役員人事の調整に着手した。党三役などの交代が焦点で、民主党との対決に向け、街頭遊説やテレビ討論などの能力を重視した「選挙の顔」を充てることを検討している。


連日都議選立候補予定者の事務所を回って演説をぶって、お義理の笑いを取っては一人自己満足の笑みを浮かべている。
民主党に向かって、しつこく党首討論を要求し、返り討ちにあっているのに気づかないで、さらに討論を挑もうとしている。
「街頭遊説やテレビ討論などの能力」を、自分では十分に備えていると思っている。
その麻生の目から見ると、今の党役員の連中の能力は物足りないらしい。

読売にも同様の記事がある。

首相、党役員人事を検討…衆院選態勢強化狙い (YOMIURI ONLINE 6/26)
麻生首相は26日、自民党役員人事の検討を始めた。
 衆院選に向けた態勢を強化するのが狙いで、早ければ7月初めにも実施する。細田幹事長、保利政調会長、笹川総務会長ら党3役の交代が焦点となる。党内には慎重論もあり、首相は党内の情勢も見極めて判断する方針だ。
 自民党内では、細田幹事長ら3役に対して「党の政策を効果的に発信できていない」などの批判が出ている。このため、新しい3役候補として、国民的な人気の高い舛添厚生労働相や石原伸晃幹事長代理のほか、発信力に定評がある石破農相らの名前が挙がっている。


分からないのはこの部分。

国民的な人気の高い舛添厚生労働相や石原伸晃幹事長代理のほか、発信力に定評がある石破農相

毎度不思議に思っている。
舛添要一と石原伸晃といったら、国民に嫌われている国会議員の双璧であろう。
嫌いな政治家のアンケートでもやってみれば間違いなくトップを争う二人である。
もっとも、こういう誤解はそのままにしておいた方がいいのかもしれない。

舛添要一……スタンドプレーと権力者への擦り寄りが特に上手い男。
口は達者だが、本性はごますり茶坊主のネズミ男。次期総理の声があがってすっかりその気になっている。水を向けられると、必死になって笑いをこらえている。

石原伸晃……口の達者なことでは桝添に負けない。
最初は勇ましいことを言うがすぐに腰砕けになる。
  
石破茂………人がバカに見えて仕方がない。馬鹿な子供に噛んで含めるようにものを教えてやるというあの口調には我慢がならない。
一度自民党を飛び出して苦しい経験をしてからは、絶対に権力には逆らわなくなっている。

マスコミや自民党とちがって、ここら辺が国民の受け止め方である。

こいつらが発信力があるとか、討論に強いとか思われている。
こいつらがテレビの討論番組に出てくると、途端に面白くなくなる。
相手の話を聞かない。
相手に話をさせない。
絶対に参ったと言わない。
視聴者を納得させるのではなく、視聴者に”勝った”という印象を与えればいい。

これがこいつらのディベート術である。

もともと麻生は総理就任後すぐにも解散・総選挙を行うつもりであった。
選挙は自分の人気だけで勝てると思っていた。
だから閣僚の選考には意を払わなかった。
能力不問で自分の仲良し連中を大臣の席に据えた。
内閣発足後この姿勢は現在まで一貫している。
中山国交相の後釜こそ決めたが、中川財務大臣のときは与謝野に兼務させた。
どうせすぐ選挙だから、というのが本心であったろう。
また、新しい大臣を任命してもそいつにスキャンダルでも出てきたらまずい。
鳩山総務相の後任も佐藤国家公安委員長に兼務させた。
大臣の職務というものに対する麻生の無関心さにはまったく驚かされる。

今回の党役員・閣僚の入れ替えの基準は「口達者」、「テレビ受け」である。
政治的な能力などは関係なし。
確かに現在の党三役+古賀選対委員長は、いずれもテレビに出してもまったく国民ウケはしそうにない。
ついでに河村官房長官も入れ替えの対象になっているらしい。
「首が曲がって売り物にならないこけし人形」ではしかたがない。

麻生とその取り巻きたちの思いつきなんだろうが、選挙対策としても余りにも程度の低い発想である。
いくら口の達者な奴らを集めても、伝えるべきことがなければどうにもなるまい。
訴えるべき政策もなければ、理念もない。
ただ野党の攻撃にそつなくかつ派手に言い返すことだけが期待されている。

そしてこれを報じている記事も、麻生のこのような姿勢を批判するでもなく、
「国民的な人気が高い」
「発信力に定評がある」
などと、いい加減なことを書いて恥じる気配もない。

麻生内閣発足から、あるいは発足以前からこの内閣に対する最大の関心事は解散・総選挙であった。
この内閣はそれだけが課題だった。
「いつ解散するのか?」
そう問われ続けた9ヶ月だった。
その解散の決断が出来なかったばかりに、内閣改造やら党役員入れ替えやら総裁選前倒しやら、果ては早くも場外から次期総裁選に手を挙げる奴やらと、空前のシッチャカメッチャカ状態。

これまでも自民党は何度も党を二分するような権力闘争を経験している。
しかし、現在の混乱はまったく性質が異なる。
一人一人が勝手に騒いでいる。
いわばクラスター爆弾状態と言ったらいいか。
しかも場外にいる奴を除いてだれも総理・総裁に手を挙げているわけでもない。

「権力闘争の匂いのしない麻生おろし」
どいつもこいつも自分の選挙の心配ばかりで騒いでいる。


ここまで書いてきたらテレビのニュースで、前総務大臣鳩山邦夫が離党か?などと言っていた。
次には解散が都議選前後になりそうだというニュースが流れた。

状況が急速に煮詰まってきた感がある。
こんな中で、麻生は自分の意思を何一つ示すことが出来ないでいる。

コップの中の嵐と言えなくもないが、その嵐の中に、手足をバタバタ動かしている溺死寸前の口の曲がったハエがいる。





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「そのまんま東」という政治現象

2009-06-26 06:28:15 | 自民党
馬鹿馬鹿しすぎて無視しようと思っていたが、当の本人達がなにやら本気らしいので、一言言わせて貰うことにする。

まず、古賀との会談後の、最初の会見でのそのまんま東の言葉。
(東国原英夫と呼ぶのはやめよう。政治もこの男にとっては芸のうちである。これからは芸人・そのまんま東として扱おう)

「わたくしが次期総裁候補として次の選挙を、自民党さんはオタタカイになるオカクゴがあるか」

意味がよく分からないが、文字通りに解釈すれば、
自民党さんは党の総意としてそのまんま東を次期総裁候補として国民に宣言・お披露目をして総選挙に臨む覚悟があるか、ということか?
「自民党さんは」、ということは、党全体の意志としてということだろう。
それで選挙を戦うのであれば、それはすなわち公約ということになる。

宮崎・東国原知事、次期衆院選の出馬条件として「自民党総裁のいす」を要求   (FNNニュース 6/25)
23日午後、フジテレビのスーパーニュースに生出演した東国原知事は「古賀選対委員長もおっしゃってましたけど、自民党内ではもう変えられないと。選挙を今の首相でお戦いになって、次期の総裁選候補というような位置づけはできると思うんですね」と述べた。


麻生は選挙まで。
その後は「わたしに任せろ」?
最初の会見の時に比べると、ニュアンスは少し後退している。
しかし、党四役の一人、古賀選対委員長の「自民党内ではもう変えられない」という認識も重大である。
もし、そのまんま東が自民党に入ってこなければ、自民党は変われないらしい。
もうそんな政党は不要であろう。

先日わたしは、自民党の二人の選挙対策責任者の無能と邪道 という標題で投稿していたので、その続編という意味もあって、これを書いている。

わたしはそのなかで古賀誠選挙対策委員長の言葉を取り上げた。

内閣改造に否定的 自民・古賀氏「王道を」 (msn産経ニュース 6/20)
 自民党の古賀誠選対委員長は20日、党内の一部で浮上している内閣改造について「やるべきではない。政治は王道を歩くのが大事。目先を変えるのは駄目だ」と否定的な考えを示した。福岡県大牟田市で記者団の質問に答えた。


しかし、古賀の言う”王道”が宮崎へ通じているとは思わなかった。

またわたしはその投稿で自民党の二つの選挙対策機関にも触れた。
繰り返しになるが、選挙対策本部と選挙対策委員会とである。
選挙対策本部長は総裁麻生太郎であり、選挙管理委員会はその下部組織である。

選挙対策本部長 麻生 太郎
  本部長代理 細田 博之
  選挙対策委員長 古賀 誠
  副本部長 笹川 堯 保利 耕輔 尾辻 秀久 谷川 秀善 石原 伸晃
林 幹雄
  本部員 (18名いるが面倒なので指名は省略する)

  選挙対策副委員長 菅 義偉 泉 信也


古賀のそのまんま東擁立は、当然選対本部長たる麻生の了承が必要になる。
古賀はそのまんま東総裁候補案をどんな顔して選対本部にはかるのか。
選対本部長麻生は自分の後釜の話をどんな顔で聞くことになるのか。
それとも麻生も承知の上でのことなのか。
しかしそれにしても次期総裁候補者なんてでたらめな擁立の仕方までは考えていなかったろう。

その自民党総裁・選挙対策本部長麻生太郎は、

首相VS記者団 “骨抜きの方針”批判は「難癖の付け方に無理ある」 6月23日午後6時7分ごろ~ (毎日JP)
◇東国原知事への出馬要請
Q:TBSです。まず東国原(英夫)宮崎県知事……。

A:はい?

Q:東国原宮崎県知事……。

A:はいはいはいはい。

Q:についておうかがいします。今日、古賀(誠)選対委員長が東国原知事に出馬要請を行いました。これは事前に総理の了解を得て行ったものなんでしょうか。

A:東国原さんに会いに行くという話は知ってました。

Q:今回の要請について総理はどのようにお考えになりますでしょうか。

A:要請についてどう考えるか? あの、これは選対委員長のところで、いろいろな候補者に当たっておられる話の一つだと思ってますけど。

Q:今回、この要請に対して、東国原知事は「私を次期総裁候補として選挙を戦う覚悟があるのか」というふうに答えまして、回答を保留しています。これは麻生総理への挑戦とも受け取れると思うんですけれども、どのようにお感じに……。

A:あの、知事を辞めてそれなりにいろんなことをやる。これは人の去就の問題ですから、そんなおちょくったような気持ちで言っておられるとは思いませんけれども、ちょっと詳細を把握しておらないので、コメントのしようがありません。


「これは人の去就の問題ですから」
人の去就と言うけれど、お前の去就の問題でもあるのだ。
お前をやめさせる話なのだ。
そんな話をお前の部下が持ち帰ったのだ。

ところで、「次期総裁候補」とは具体的にどのようなことを意味し、どのような手続きを経ることになるのか、さっぱり分からない。

総裁選に際して立候補させるだけでいい、というような解釈もある。
そこで選ばれるかどうかは別問題ということだ。
ところでその場合、誰がそれを約束し、保証するのか?
選挙対策委員長古賀誠一人の口約束でいいのか。
書面で約束するのか。
機関としての決定がいるのか。

自民党の規約では、総裁選立候補には20人の国会議員の推薦が必要であったはずだ。
前もって20人の推薦人を集めて、彼等の署名入りの誓約書でも取っておくのか。
しかし、20人の署名を集めても、そいつらが落選すればまたやりなおしだ。
第一、古賀自身の当選さえ危ぶまれている。

ここに来て総裁選前倒し論も冗談ではなくなってきている。
そのまんま東はそのときどうするのか。
自民党の規約を変えさせて自分も立候補するつもりなのか。
もしそこで落選したらどうするのだ?
それでも衆院選に立候補するのか?
しかしそのときはもうそのまんま東の価値は暴落している。
いてもいなくてもいい存在に成り下がっている。

総裁選を前倒しすれば、規約を変えない限りそのまんま東は総裁選にはでられない。
そして新総裁で総選挙をやった以上、すぐに又総裁選と言うわけにはいかない。
たとえそのまんま東が衆院選で当選したとしても、総裁選立候補の約束はパー、そのまんま東はそのまんま晒しものになる。
ほんとはそんなところでもいいと思っているのかも知れない。
「次期総裁候補」という訳の分からぬ要求は、結局猿芝居を盛り上げるためだけの空虚な仕掛けに過ぎない。
そのまんま東は、「次期総裁候補者」がどんな意味を持つか、どんな位置づけになるか、どんな手順が必要か、その手順も総裁選がいつ行われるかによってどう変わるか、そんなことは一切考えずにただ衝撃度だけを考えて言ってみただけのことだろう。

宮崎の田舎暮らしに飽きていたが、宮崎を上手く離れる口実がいる。
それがダボハゼ古賀の前にちらつかせた毒エサであろう。
地方分権の提言と自分を総裁候補として認めさせること。
「宮崎のために国政に出る」という口実のカムフラージュである。

大体まともな人間が、次期総裁候補なんて訳の分からない要求を出すか。
どう考えてもそんなこと約束できるわけもないし、たとえ約束したとしても何の保証もない話だろう。
古賀としてもせいぜい、現在佐藤国家公安委員長が兼任している総務大臣の椅子をくれてやる、という程度の腹づもりであったろう。
内閣改造までは前提にしていない話であろう。
内閣改造の中での話とすれば、麻生ともかなり突っ込んだ話をしていたということになる。

結局は、大臣の椅子と、総選挙後の総裁選でそのまんま東が立候補出来るように努力するという古賀の念書かなんかでけりをつける話だろう。

どうせ古賀にしても、約束を是が非でも守ろうなどという気はない。
そのまんま東にしてもそんな約束が守られるなどとは思っていない。
総選挙までの話に過ぎない。
それさえ乗り切ればあとはどうとでもなる。

この話の落としどころがその辺だとすると、麻生の取る段取りは、内閣改造をするにしろしないにせよとりあえずそのまんま東を総務大臣に任命する。その後に解散総選挙ということになるのだが、七月三日に天皇の外遊出発ということを考えると、天皇の認証を受けるためには、その前日までに内閣改造あるいはそのまんま東の大臣任命が必要になる。その評判やら東京都議選の結果やらを見て、天皇帰国後に解散を考える。

と、ここまで考えてきたが、グズの麻生には何の決断もできない、ということに思い当たった。
結局成り行き任せで、自然に落ち着くのを待つということになるのだろう。

このバカ騒ぎを麻生は喜んでいるのか、苦々しく見ているのかは分からない。
そのまんま東に好き勝手なことを言われて不愉快だと思ったらさっさと解散すればいいだけのことなんだが……。
連日メデイアで取り上げられ自民党への注目は集まるが、まともな頭の持ち主はますます自民党を見放す。
もっとも、まともな頭の持ち主ならとっくに自民党を見放しているが。

そのまんま東の取り込みあるいは内閣改造を行ったとしても、その評判やら都議選の結果やらが思わしくなければ、いよいよ麻生内閣は野垂れ死にということになる。

しかし、このバカ騒ぎは自民党に思いがけない恩恵ももたらした。
与謝野財務大臣の迂回献金問題をすっかり吹っ飛ばしてくれた。
悪質さでは西松献金事件よりはるかに上のこの事件を取り上げるマスコミはほとんどない。
ある意味古賀選対委員長は党内では軽蔑と感謝の両方の視線を受けることになる。
国民は軽蔑の視線を浴びせるだけだが。

橋下徹大阪知事もなにやら動き出しているようだ。
こんなやつらに政治がいいように振り回されている。

こいつは、知事会がまとまって支持政党を決めよう、というようなことを前に言っていたな。
無所属で当選した知事、自民党や民主党それぞれのの支援を受けた知事。それらをまとめて自民党陣営へ引きずり込む作戦か。
なんたる非常識!
引きずり込まれる知事によっては有権者への裏切り行為になる場合もある。
もうこいつらにはテレピの世界に帰って貰おう。

馬鹿馬鹿しいやら情けないやら、書いている間にも身体から力が抜けていく。

小泉純一郎の罪は劇場型政治を作り出したこと。
麻生太郎の罪は演芸館政治を作り出したこと。

そのまんま東は、「東国原劇場」と言われて、「シアター」と言って欲しいとほざいていた。
「そのまんま東演芸場」というところがお似合いである。

今、日本の政治は二人のお笑い芸人に振り回されている。

これはたまたま起きている現象というよりは、この国の社会の変質が必然的に生み出した現象なのではないか。
「自民党の劣化」というようなものではなく、この国の「社会の劣化」そのものの表れなのではないか、というようなことを考えさせられている。





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政権交代阻止を狙う共産党の存在意義

2009-06-24 06:38:52 | 政治
西松献金事件以来の日本共産党の姿勢には奇妙というほかない印象を受けている。

事件発覚ののち、共産党の姿勢はほぼ一貫して小沢批判、民主党批判であった。
金権政治の本家本元たる自民党への批判は形ばかりである。
この共産党の姿勢はどこから来るのか?

共産党からは、この事件に関しては検察批判はまったく聞かれない。
共産党の機関誌というべき赤旗の主張はそのまま産経に転載してもなんの違和感もないものである。

主張 西松献金事件 小沢氏ら政治家の責任免れぬ (2009年6月20日)
準大手ゼネコン「西松建設」による小沢一郎民主党前代表への違法献金事件で政治資金規正法違反などの罪に問われた、同社前社長国沢幹雄被告の初公判が開かれました。注目されるのは、検察側が冒頭陳述で、献金を受け取っていた小沢氏の事務所が東北地方の談合組織に強い影響力を持ち、「天の声」を出していたなどの事実を明らかにしたことです。

 国沢被告は起訴事実を認めています。献金を受け取った小沢氏の公設秘書の裁判は今後始まりますが、一連の事件の裁判を機に、小沢氏ら政治家の責任があらためて問われるのは避けられません。


「小沢氏ら政治家の責任」
”小沢氏ら”というのは、小沢の他に誰を指しているのか?
記事を読むとこの事件でささやかれている自民党代議士二階俊博の名前に触れてはいるものの、攻撃の主眼が小沢その人と言うよりは民主党全体に向けられているのが容易に読み取れる。

言い訳は通用しなくなる
 「西松」は、同社OBが代表を務めるダミーの政治団体を使って、小沢氏や二階俊博経済産業相ら民主、自民の国会議員などに、政治献金やパーティー券の購入などを行ってきました。政治資金規正法は、政治家個人への企業献金を禁止しています。このうち小沢氏には断トツの約2億円が献金されており、国沢被告らが政治資金規正法違反などに問われました。小沢氏の公設秘書も政治資金収支報告書にうそを届け出たなどの疑いで、起訴されています。


「小沢氏には断トツの約2億円が献金されており」
「小沢氏の公設秘書も政治資金収支報告書にうそを届け出たなどの疑い」
客観的な表現を装いながら、小沢の悪辣さを印象づけている。

「国沢被告が起訴事実を認めたことで、政治団体を偽装した献金が「西松」の企業献金を隠すための違法献金であったのはいよいよ明白です」

それに加え、検察側が冒頭陳述で、小沢氏の事務所が東北地方の談合組織に強い影響力を持っており、岩手・秋田両県での公共事業に「天の声」を出していたと指摘して、「西松」の献金が小沢事務所との関係改善のためだったと認めたのは重大です。

民主党もそうした小沢氏の疑惑を追及せず、代表辞任後も筆頭代表代行の重責を任せ、秘書の容疑は「形式犯」だなどと主張する、第三者委員会の報告を公表しました。

しかし、秘書の取り調べでの発言や検察の冒頭陳述どおりなら、小沢氏や民主党の言い訳は、まったく通用しないことになります。とりわけ公共工事での小沢事務所の「天の声」を期待したという検察の冒頭陳述にもとづけば、献金は文字通り見返りを期待したことになり、賄賂(わいろ)性は明白です。小沢氏と民主党がますます重大化する疑惑に正面から答えることは、絶対に免れられない課題です。


検察側の情報と、冒頭陳述に100%寄りかかった内容である。
そして最後に企業団体献金の禁止を申し訳程度に付け加えている。

このような共産党による民主党批判に違和感を覚えるのは、わたしだけではないであろう。

共産党は衆議院9名、参議院7名、計16名の国会議員を擁している。
自民党に対する批判勢力として一定の存在価値が認められてきたのは確かである。
共産党員以外で共産党に投票してきた人たちの多くは、自民党批判の意思表示と考えていたのではないか。
共産主義に共鳴し、共産主義革命を実現可能な目標と考えた人はほとんどいなかったはずだ。
そして今共産党自身も社会主義・共産主義革命を捨て去ったような顔をしている。

中国共産党は中国の資本主義を推進する中心になっている。
日本共産党は何をすればいいのか。
日本の資本主義体制に社会主義的修正を加える、ということくらいしかやるべきことがない。
具体的には、政権批判、金権政治批判しかない。

いま政権交代を目前にして、これまで共産党に投じられた党員以外の票は、その多くが民主党に流れるものと思われる。
批判が批判で終わらなくなる可能性が出てきた以上、自分の票を生かそうと考える人が増えるのは当然である。

これまで自民党批判をすることによって命脈を保ってきた日本共産党にとっては、政権交代は存亡の危機を意味する。
政権交代阻止を狙っているのは、自民・公明両党だけではなく、共産党もそうなのではないか。

「しんぶん赤旗」の記事をもう一本みてみよう。

草の根から“共産党の風”  2009年6月22日(月)
志位委員長、東京駆ける
安心と希望の選択肢を

「自民党政治の古い枠組みの中での『政権選択』では政治は変わりません」―日本共産党は21日、志位和夫委員長が東京都内3カ所で、市田忠義書記局長は大阪府内3カ所、小池晃政策委員長は都内2カ所など幹部を先頭に、精力的に街頭演説を行い、「共産党が躍進してこそ政治が変わり、未来が開けます」と力強く訴え、共感を広げました。全国の党と後援会は草の根から宣伝・対話を行い“共産党の風”を吹かせました。


志位委員長の言葉なのか、記事を書いた記者の言葉なのかよく分からない書き方ではあるが、この冒頭の言葉の意味がまた分からない。

”自民党政治の古い枠組みの中での『政権選択』”?

”自民党政治の古い枠組み”を打ち壊すために政権交代を望んでいる人たちがいるのだ。
そのための政権選択ではないのか。
”自民党政治の古い枠組みの中での『政権選択』”が、具体的に何を言おうとしているのかさっぱり分からない。
まさか自民党内の政権たらい回しを指しているわけではないだろう。
言いたいことは多分、自民党か民主党かという選択では政治は変わらない、ということなのだろう。
しかし今、国民の前にある選択肢は自民党か民主党か、という二つしかないのである。

共産党は、民主党を中心とする連立政権には参加するつもりはない。
単独で政権をとれる見込みもない。
40万人の党員と170万部の赤旗の購読費で党運営は続けられる。
政党助成金も要らないし、企業献金も必要ない。

今や共産党は、ほどほどの党勢を維持すること、そして党を永遠に存続させること以外に目的がないのではないか、とまで思えてしまう。
”存在すること自体が目的化した自己完結型の政党”
共産党の理想的な政治状況というのは、悪逆無道な自民党がのさばっていて、共産党はその自民党に立ち向かう正義の味方という役どころなのではないか。
しかし、政権交代の後では、自民党などやっつけてもだれも拍手してくれない。
かといって、民主党攻撃は自民党相手のようにはいかない。
金権腐敗の度合いは自民党に比べて圧倒的に小さい。

かち佳代子都議らとともに訴えた志位氏は、都政では自公両党だけではなく、民主党も福祉切り捨てなどに賛成してきた「立派な与党だ」と告発。民主党が選挙になって新銀行東京を「都政史上最悪の失策」と宣伝しているが、賛成したのは民主党自身だと訴えると「そうだ」という怒りの声があがりました。

志位氏が「特養ホームの増設こそ必要なときに用地費補助まで削った自公民『オール与党』を許すわけにはいかない」と指摘


志位氏の攻撃は自民党ではなく、もっぱら民主党に向けられているようだ。
民主党政権ができてからでは、共産党の存在感は大幅に小さくなる。
今の内に叩いておこうというのか、責める口調は極めて強い。

東京サバイバル情報  ☆一時避難せよ☆”の卵かけごはん氏が怒っている。
いつから「石原」を利する党になったんだ

東京8区は石原伸晃の選挙区である。
ここに社民党の保坂展人氏が立候補する。
民主党は社民との選挙協力で候補を立てないらしい。
ここに共産党が候補をたてるという。
反自民の票を保坂氏と共産党候補者で分けることになる。
多分反自民・非自民の票が一本化されれば保坂氏の勝利も可能性大である。
共産党が候補者を立てることは、結果的に自民党に有利に働く。

多分各地で同様なことが起こるだろう。
公党である共産党には、どこであろうと候補者を立てる権利はある。
しかし、しかしである。
いまこの国は史上初めて本格的な政権交代を目前にしている。
そのときに当たり、共産党がその障害になるかもしれないのである。
繰り返すが、共産党にはどこであろうと候補者を立てる権利はある。
しかし、共産党が”正当な権利”を行使することが、結果的に自民党を利することになってしまう構図が出来てしまっているのも確かなのである。
「オイラの知ったことじゃない」と言わずに、共産党の存在がこの国の民主主義の進路を妨げることもありうる、ということも自覚した上で行動して欲しいと考えるものである。





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自民党の二人の選挙対策責任者の無能と邪道

2009-06-22 07:12:00 | 自民党
このところ衆議院の解散総選挙の日程の議論がにわかに騒がしくなってきた。
衆議院議員の任期切れまで3ヶ月を切ってきているので、当然といえば当然の動きであるが、麻生内閣支持率の急低下と重なり、議論の行方はますます混迷の度を深めつつある。
解散総選挙の前に内閣改造だの総裁選前倒しだの、さらには総裁信任投票だのという不穏な動きまででている。
”やけくそ解散”や”破れかぶれ解散”を本気で心配する声が自民党幹部の間からも上がるありさまである。

これまで自民党の混乱というものは何度もあったがここまでひどいのはかつてなかったことであろう。
これまでの自民党の混乱とはまるでおもむきが違っている。
これまでの混乱には、派閥抗争とか、主流・反主流の争いとか、政策的な対立とか、多かれ少なかれ権力闘争の匂いがあった。
自然、抗争や混乱の核になるものがあった。
しかし現在の自民党の混乱は議員一人一人のレベルでの騒ぎになっている。
権力闘争の匂いは全くない。
政権を失う可能性が高い今、権力闘争にも熱が入らないのだろう。

混乱の底流にあるのは、議員個人の落選への恐怖である。
党が政権の座から滑り落ちることを心配する以上に自分の落選の方が切実な問題となってきているのである。

さてこんな時頼りにすべきは選挙対策の責任者である。
自民党には二つの選挙対策機関がある。
選挙対策本部と選挙対策委員会である。

従来、選挙対策を担う役職は幹事長の下に置かれた総務局長であった。これは、幹事長の意思に基づいて公認権などの選挙実務を実行する役職であったが、2006年の安倍晋三総裁就任に伴う党役員人事の際「選挙対策総局長」に名称が変更され、事実上党三役に準ずる役職に格上げされた(初代は谷津義男)。そして2007年9月24日の福田康夫総裁就任に伴って「選対委員長」として総裁直属の役職に格上げされ、幹事長、総務会長、政調会長と並ぶ「自民党四役」として位置づけられることになった。なお、選挙対策委員長の上位に選挙対策本部長が置かれており、同職は総裁が兼任する。(ウィキペディアより)

自民党の党則で両者の関係を見てみよう。

第 五 章  選挙対策本部
第 五十一条 本党の総合的選挙対策を樹立するため、選挙対策本部を置く。

第 五十四条 選挙対策本部の業務を適正かつ強力に推進するため、選挙対策本部に、その実務を統括する部門として、選挙対策委員会を置く。
2  選挙対策委員会は、国政選挙の取組方針案の策定のほか、候補者の選定に係る準備手続、選挙対策の調査研究及び企画立案、選挙情報の収集及び分析、選挙対策に係る党内各部局の調整、国政選挙等候補者の準備活動の支援、選挙対策本部会議の運営等に関する事項を統括する。


選挙に関する実際的な権限は選挙対策委員長が握っているようだ。
選挙対策本部は「総合的選挙対策を樹立」するのが目的らしいが、選挙対策委員会の決定・活動等の承認程度が仕事なんだろう。
解散・総選挙を逃げ続けてきた麻生選挙対策本部長の姿は、「総合的選挙対策の樹立」とはほど遠い。

選挙対策委員長 古賀 誠(平成20年9月22日就任)
  委員長代理 石原 伸晃 林 幹雄
  副委員長 菅 義偉 泉 信也
  委員 船田 元他(計10名)


ついでに選挙対策本部の陣容も見ておこう。

選挙対策本部長 麻生 太郎
  本部長代理 細田 博之
  選挙対策委員長 古賀 誠
  副本部長 笹川 堯 保利 耕輔 尾辻 秀久 谷川 秀善 石原 伸晃
林 幹雄
  本部員 (18名いるが面倒なので指名は省略する)

  選挙対策副委員長 菅 義偉 泉 信也


選挙対策の最高責任者が選挙の最大の障害になっていては、自民党議員たちが悩むのも無理はない。

当の本人は都議選の応援に出かけてはチョンボを繰り返し、都議選の立候補予定者達を悩ませている。
候補者たちのなかには麻生が来ると聞いて、しまい込んでいた麻生のポスターをあわてて探し出して事務所に貼ったりするものもいたという。

他に都議選応援に関して伝わっているところをいくつか挙げる。

「世襲がんばれ」首相が都議選応援で立候補予定者の子供に持論? (msn産経ニュース 6/9)
麻生太郎首相は9日夜、7月の東京都議選のてこ入れのため、東京都品川区の自民党の立候補予定者の事務所を訪れた際、候補予定者の子供に「おまえも後を継ぐのか。世襲頑張れ。親の後を継いで悪いことは何もない」と声を掛けた。

菅選挙対策副委員長が言いだした”世襲制限”も選挙対策本部長があっさり切り捨てた。
もともとこんなものを信用した人はまったくいなかったろうが。


◎ ゲリラライブで家宅捜査を受けた浜崎あゆみを「岩崎あゆみ」と知ったかぶりで繰り返し、聴衆をしらけさせた。

◎ 定額給付金を「雇用調整助成金」と何度も叫び、「わたしのところでは孫が3人で6万円」と付け加えた。

あれほど騒いだ定額給付金も麻生にとってははるか昔の出来事のようである。
麻生の孫が何歳になるのかは知らないが、多分まだ雇用調整助成金の対象にはならないだろう。


◎ 都議選に「惜敗を期す」? 麻生首相、「必勝」を言い間違え (NIKKEI NET 6/21)


麻生太郎首相が20日、東京都文京区の都議選立候補予定者事務所を訪れて激励した際、「必勝を期して」と言うべきところを「惜敗を期して」と言い間違える場面があった。同席した深谷隆司元通産相がすかさず指摘。首相はしどろもどろになりながら「再び勝って、必勝。大いなる力が発揮できるよう、お願い申し上げます」と支援を呼び掛けた。(01:46)


麻生が帰った後、この立候補予定者は「縁起でもない」と塩でも撒いたかもしれない。

6月17日の党首討論では、終了一分前に突如「第七艦隊」を持ち出して、全国民を唖然とさせた。


実のところわたしは麻生が正常な精神状態からはずれだしたのではないかと疑っている。
チョンボの頻度が急激に高まっている。

選挙対策本部長がこの有様では、もう一人の責任者、選挙管理委員長古賀誠に余程しっかりしてもらわねばなるまい。

内閣改造に否定的 自民・古賀氏「王道を」 (msn産経ニュース 6/20)
 自民党の古賀誠選対委員長は20日、党内の一部で浮上している内閣改造について「やるべきではない。政治は王道を歩くのが大事。目先を変えるのは駄目だ」と否定的な考えを示した。福岡県大牟田市で記者団の質問に答えた。


「政治は王道を歩くのが大事」と言ってることは正しい。

自民・古賀氏、衆院選と都議選のダブル選挙を主張 (msn産経ニュース 6/15)

衆院選と都議選のダブル選挙が「政治の王道」なのか?

東国原知事に出馬依頼? 入閣打診? 古賀選対委員長 23日に宮崎入り (西日本新聞 6/20)
次期衆院選出馬か‐。自民党の古賀誠選対委員長は23日、宮崎県庁を訪れ、東国原英夫知事に次期衆院選などでの自民党応援を要請する。麻生太郎内閣の支持率が低迷し、起死回生策を模索する自民党は、次期衆院選で東国原知事を担ぎ出したい意向で、出馬要請のほか、総務相就任の打診をするのではとの憶測も呼んでいる。


これが「政治の王道」なのか!
いずれも奇手奇策、単なる人気取りのための「政治の邪道」と言うべきであろう。

しかし、古賀もご多分に漏れず自身の選挙が安泰というわけにはいかないようだ。
(以前に引用した記事だがもう一度使わせていただく。)

自民ベテラン、どぶ板全開…古賀選対委員長こまめ地元入り (YOMIURI ONLINE 5/31)
衆院選が近づく中、自民党のベテラン議員が、地元でこまめな「どぶ板選挙」に乗り出している。
(中略)
 古賀誠選挙対策委員長(福岡7区)は、先週末と今週末の計4日間で、選挙区内の計22か所でミニ集会を開催している。30日夕、福岡県大牟田市の公民館で開かれた集会では、「日本の将来をどちらの政党に任せた方が安心か、考えていただきたい」と、民主党への対抗心をあらわにした。古賀氏は毎週地元入りし歩道拡張の陳情を受けて現地視察したり、後援者を訪れるなどしている


話は戻るが、「権力闘争の匂いのない党内混乱」の原因には、自民党の人材払底もあると思われる。
小泉以後の3人の総理大臣。
安倍晋三は父の果たせなかった夢の実現のために総理大臣の席についただけであった。
福田康夫は成り行きで総理大臣になっただけであった。
麻生太郎はただ総理大臣になりたかっただけだ。
いずれも総理大臣の持つ強力な権力を欲したわけでもなく、強烈な政治理念があったわけでもない。
派閥の領袖と言われる連中も以前のオーナ領袖ではなくいわば雇われマダムのようなもので、自分で金集めをして派閥を拡大して総理の座を掴もうなどという野望の持ち主は見あたらない。
もちろん自ずと人望を集め、黙っていても総理の座にまで担ぎ上げられそうな存在もいない。

これでは鳩山から「是非麻生総理の手で総選挙を」と同情とも応援ともつかない発言が出てくるのも無理はない。
幸い、麻生も”意地”と”勘違い”で行くところまで行く可能性が高い。

自民党の二人の選挙対策責任者と民主党の選挙担当代表代行小沢一郎の力量とを比較してみれば、勝敗の帰趨は自ずと明らかであろう。




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第二回党首討論・細田幹事長の無礼

2009-06-19 17:57:44 | 麻生太郎
党首討論の勝敗を取り上げていたテレビ番組もずいぶんと目についた。
政治家たちは個人的な受け止め方は別として、それぞれ自軍の大将に軍配を上げていたが、彼等はそれでいい。
どの番組にもコメンテーターと称するジャーナリストらしき連中が巣くっていて、井戸端談義に毛の生えた程度のおしゃべりをしている。
彼等が付けた点数に首をひねった方も多かったろう。
麻生に与えた点数は、実は彼等の権力による汚染度を示している。

”勝敗”を言えば、麻生の上げた得点は、最後まで立っていられたということぐらいだろう。
鳩山の追求にも何カ所か歯がゆい場面もあったが、以前と比べると大分喧嘩上手になった。
それが如実に表れたくだりがあった。
討論の途中の部分であるが、まずそこから触れたい。

鳩山 「それからですね、前回の党首討論の時に、確かに私が申し上げました。トータルで12兆1000億円。
4500の天下り団体に2万5000人が天下っている。
そのことを指摘を申し上げたら、こともあろうに、細田博之幹事長から、質問、公開質問状なんてものが来ました。
ちょっとこれはいくらなんでも失礼な話でねぇ、今、まさに麻生総理と私との間のこういった議論を通じて解明すればいいのに、
何ですか、この、顔もみないでペーパーだけ出して、これはいつまでに答えてくれなければいけませんと。
これは大変、失礼な話だなと。ご無礼なことだなと思っておりますので、2度とこういうことはなさらないでいただきたい。私の方からきちんとお答えしますから」


前回討論の後で、細田幹事長が鳩山に公開質問状を送っていた。
細田の行為は二つの点で責められなければならない。
一つは、討論の当事者でもないものが、事後に討論の一方の当事者に質問状(本当はナンクセをつけているだけなのだが)を送ったと言うこと。
しかも公開質問状という形をとっている。
麻生の舌足らずを補ったつもりであろうが、それは麻生の討論の能力が足りなかっただけである。鳩山の主張がおかしければ、その場で麻生が反論するのが討論であろう。細田が場外から口出しすることではない。

もう一つの点。
英語にカウンターパート(counterpart)という単語がある。
対の片方、相対物というような意味だが、地位・階級等が対等な相手という意味でも使われるようだ。
かつて田中真紀子が小泉内閣の外務大臣をしていたとき、アーミテージという米国防次官補が日本に来たことがあった。
そのとき外務大臣田中真紀子はアーミテージとの会見を拒否した。
「彼はわたしのカウンターパートではない」というのが田中真紀子があげた理由であった。
大臣のカウンターパートは長官である。
相手がこちらに出向いてきたという点を考慮に入れれば、次官までなら許せる。
しかしその下となると、おいそれと会談に応じるわけにはいかない、というのだろう。
そのときの田中真紀子の対応を全面的に肯定するものではないが、一つの見識と言うこともできよう。
麻生と鳩山はまさに政党党首としてカウンターパートにあたる。
しかし細田は違う。
与党幹事長に過ぎない。
この討論に関して、鳩山に公開質問状を出すなどということは、”僭上の沙汰”と言うべきである。

「これは大変、失礼な話だなと。ご無礼なことだなと思っておりますので、2度とこういうことはなさらないでいただきたい」

実は、この部分こそこの討論の白眉、というのは大げさだが、わたしは鳩山の一番の見せ場だったと思っているのだが。
ただし”ご無礼”の”ご”は余計。
まあ言葉の勢いというものだろう。
何はさておき、細田と麻生を一緒に叱った鳩山の態度は大いに評価されていい。

その細田の公開質問状である。
都合3回出されている。
最初は第一回討論の当日朝。
しかし今あらためて読み返してみるとその無礼さには、鳩山ならずとも抑えきれないほどの怒りを覚える。
すでに鳩山は民主党代表である。
その肩書きに「新」は不要であろう。

◆公開質問状 

拝啓 鳩山民主党新代表殿

 鳩山さん、新代表ご就任まことにご苦労様です。新しい執行部が決定したようですが、メンバーを拝見しますと、代表を退いたはずの小沢さんが代表代行、代表選で惜敗された岡田さんが幹事長、さらには、菅さんも代表代行、前原さんが副代表と、新鮮味のないかつての代表がズラリ勢ぞろいしています。

 とはいえ、民主党の代表は鳩山さん、あなたです。前任者の小沢さんは、「国民の生活が第一」と言いながら、「政局が第一」の国会運営に始終し、「政権交代」を繰り返すだけでした。鳩山さん、政権交代はゴールではなく、スタートでしかありません。政権交代が実現するだけで、すべてが解決するわけではありません。そのあと、「何をどうするか」が問題であろうと思います。そこで、鳩山さんに確認したいことが3点あります。

第1点は財源の問題です。民主党は「高速道路の無料化」など様々な甘い政策を掲げていますが、恒久的な政策の実行には恒久的な財源を示さなければ責任ある政党とはいえません。財源をどのようにお考えですか。小沢前代表は、「野党だから金のことは考えなくていい」とおっしゃったそうですが、それは論外として、本当に「無駄の排除」と「予算の組み替え」だけで膨大な財源が捻出されるとお考えなのでしょうか。

第2点は、公務員制度の改革です。労働組合は、民主党の強力な支持母体です。このため民主党には組合出身の国会議員が多数いらっしゃいます。自治労や日教組など公務員の労働組合である「官公労」出身の議員も少なくありません。このような労働組合に支えられている民主党が、本当に公務員の二割削減など思い切った公務員制度改革が実現できるのでしょうか。

第3点は、政党の基本政策についてです。再三小沢さんを引き合いに出して恐縮ですが、小沢さんは、代表のとき「在日米軍は第七艦隊で十分だ」とか、「国連の平和活動(自衛隊の海外派遣)は、たとえそれが武力行使を含むものであったとしても、日本国憲法に抵触しない」との発言がありました。これは民主党の総意だったのでしょうか。いまはどうなのでしょうか。政権をめざす政党ならば、国のあり方を示す憲法や安全保障に関する考え方を、ぜひ明確に示していただきたいものです。


 鳩山さん、本日は久しぶりに「党首討論」が行われます。国民の皆さんも注目していると思います。私たちも、鳩山さんにこれらの点について、明確にお答えいただくことを期待しています。

 平成21年5月27日
自由民主党
幹事長 細田 博之


党首討論がこれから行われようというその日に、討論の当事者でもない者が、討論のテーマを限定するような質問状を出すというのは僭越に過ぎよう。
何が話し合われるかは、討論に臨む二人の問題である。
細田にしてみれば、麻生の理解できるテーマに前もって限定しておきたい、という意図があったのかもしれないが。
幸い麻生は細田の質問状の通りに討論を進めたが、いったい鳩山の相手は麻生だったのか細田だったのか!

二回目は一回目の討論の後の六月二日である。
相変わらず鳩山を新代表と呼んでいる。
無礼さは増幅し、まるでやくざの喧嘩状とも言うべきものである。
「六日の菖蒲(あやめ)、十日の菊」
麻生が討論の場で言えなかったからと、後から持ち出すな。
反論できなかったのは麻生がバカだったからに過ぎない。

公開質問状 鳩山民主党新代表殿

 5月27日の国家基本政策委員会合同審査会において、貴殿は、平成19年度予算の支出先と、いわゆる〝天下り〟に言及し、「民主党の調査によれば、4500の天下り団体に2万5000人の天下った方々がいて、そこに国の予算が12兆1000億円流されている。そこのうちの半分が随意契約だ」との発言をされ、また貴党は、かねてより12兆1000億円が、無駄に使われているかのような発言を繰り返されています。
 わが党は、貴殿の発言があまりにも常軌を逸しているため、さっそく貴党が衆議院の調査局に作成を依頼した資料を取り寄せ、検証しましたが、その結果、貴殿の発言は、一面の事実のみを持ってそもそもの政策目的や必要性など、すべてを切り捨て、葬り去る暴言であり、国民を誤解させ、欺き、プロパガンダで民主主義を破壊する暴挙であって、看過すべきではないとの結論に至りました。
 貴党は、来るべき総選挙で政権交代を主張しておられます。当然、その代表の発言は重く、国民に大きな責任を伴わなければなりません。わが党は、貴殿の発言は、もし民主党が政権を獲得した後には、この12兆1000億円の国家予算は廃止し、関係団体への天下りはすべて廃止することを国民に公約したものであると受け止めます。
 12兆1000億円の国家予算を廃止することは、国民生活やわが国経済に大きな混乱と壊滅的な打撃を与えることになります。当然、次の総選挙における貴党とわが党との立場の違いであり、大きな争点となりうるものです。この観点から、貴党に対し、以下の諸点について公開質問をいたします。明確な主張の根拠とあわせ、6月4日(木)17時までにご回答いただきますようお願い申し上げます。
貴殿は、「4500の天下り団体に2万5000人が天下っていて、そこに国の予算が12兆1000億円流されている」と発言されましたが、貴党作成依頼の資料を精査すると、実際に国の支出があるのは4504法人のうち、1606法人であり、そこにいる天下りOBの数は1万4665人となっています。貴殿の発言は、国民を欺くため、意図的に数字を大きく膨らませたものなのでしょうか。見解を明らかに願います。
貴殿の発言は、事情を知らない国民が聞けば、天下り団体に天下っている官庁OBの人件費として国から12兆1000億円が流れているかとの誤解を与えかねません。しかし、現実的に試算すれば、平均給与を年収700万円とした場合、1万4665人の給与総額は1026億円、12兆1000億円の0.8%にすぎません。しかも、これは人件費がすべて国費で賄われていると仮定した場合の数字です。つまり、残る12兆円は政策目的をもった支出であるという事実が、今回、貴党作成依頼の資料によって明らかになったわけですが、この事実について、見解をお示しください。
12兆1000億円の内訳(わが党が支出の性格や支出先等に応じて分類したもの)は、 財政融資資金貸付 4.2兆円
国公・私立大学等 1.2兆円
防衛関係 1.5兆円
独立行政法人 3.7兆円
その他 1.5兆円
となります。以下、この内容について伺います。
「財政融資資金貸付」とは、国民生活金融公庫(零細企業・自営業等の資金繰り1.8兆円)、中小企業金融公庫(小規模企業の資金繰り0.6兆円)、国際協力銀行(途上国支援0.4兆円)、日本政策投資銀行(企業の資金繰り0.4兆円)、日本学生支援機構(奨学金など0.4兆円)、農林漁業金融公庫(農林漁業者の経営支援0.2兆円)などへの貸付です。これらの政策目的に対する必要性の有無を含めた貴党の見解、また天下り批判との関係について明らかに願います。
「国公・私立大学等」とは、私学助成(0.4兆円)、国公立大学の運営費(0.7兆円)などです。これらの政策目的に対する必要性の有無を含めた貴党の見解、また天下り批判との関係について明らかに願います。
「防衛関係」とは、防衛関係装備等の調達金(1.5兆円)ですが、貴党はこれを「随意契約」として批判していますが、現実問題として、事柄の性質上随意契約とならざるを得ない(防衛機密、ライセンス生産等)支出であるとわが党は考えます。したがって、いたずらに大きい数字をあげつらうのではなく、これは「随意契約で仕方のないもの」と注釈をつけるのが、政党・政治家としての矜持であると考えますが、この点についての貴党の見解を明らかに願います。
「独立行政法人」とは、住宅金融支援機構(住宅取得者の資金支援0.3兆円)、宇宙航空研究開発機構(0.2兆円)、新エネルギー・産業技術総合開発機構(0.2兆円)、JICA(国際協力機構0.2兆円)日本原子力研究開発機構(0.2兆円)など、そもそも国の政策を実施する機関であった旧公社・公団、事業団等に対する支出である。これらの政策目的に対する必要性の有無を含めた貴党の見解、また天下り批判との関係について明らかに願います。
国家基本政策委員会合同審査会において、貴殿は「半分が随意契約」と指摘されましたが、その内訳(費目等)および金額を明らかに願います。例えば、貴党は財政融資資金貸付も随意契約として集計していますが、日本学生支援機構等への貸付が「随意契約」とは、首をかしげざるを得ません。前回の平成18年度予算の調査も、今回の調査も貴党の集計は、随意契約の金額を大きく見せ、あたかも官僚が勝手放題にふるまっている、との印象を国民に与えるための詐術ではないのでしょうか。見解を明らかに願います。
 以上、貴殿の発言について質問させていただきましたが、12兆1000億円は、いずれも重要な政策のための支出であることは明らかです。

 一体、貴殿はそもそも、貴党の調査の中身をよく御存じなのでしょうか。中身の数字を知らずに暴言を吐かれているとしたら財政に対する無知をさらけ出すものであり、政権担当能力なし、と言わざるを得ません。また、中身を知った上で紛らわしい数字で国民を欺こうというのなら、政治家の資格はないというしかありません。
 貴党の明快な回答を重ねてお願い申し上げます。

 平成21年6月2日
自由民主党
幹事長 細田 博之


狂態と言うべきか。
鳩山に無視されたので、三たび公開質問状。


◆公開質問状 鳩山 民主党新代表 殿

 前回、提示しました質問項目に関して、毎週、党首討論の場で討論することを当方も歓迎いたします。是非、鳩山代表も逃げずに党首討論の場に出てきて欲しいと切に願っております。
 さて、今回の公開質問状は、貴党が誤ったメッセージを国民に与えていることを払しょくすべきであること、また、貴党が主張している数字や見解を事前に把握し、より明確な党首討論が行われることを目指したものです。貴党が、前回の質問に正面から答えることなく、不誠実な対応をとられたことは極めて遺憾であります。
 改めて、別紙の通り、同じ質問をいたしますので、6月12日(金)正午までにご回答下さい。誠実なご回答を頂けない場合は、貴党が説明責任を放棄したと理解し、然るべき対応をさせていただくことを申し添えます。

以上
質問事項(前回とほぼ同内容なので省略する)


 平成21年6月9日
自由民主党
幹事長 細田 博之
担当 筆頭副幹事長 原田 義昭


細田という男には良識のカケラもない。
自党の党首をないがしろにして自分が前にでて、鳩山と対峙している無礼さに気づいていない。
鳩山に対する無礼と麻生に対する無礼。
そして麻生はバカだから、細田にないがしろにされていることに気がついていない。

討論の中で麻生は細田の振り付け通りに、天下り法人に流れている12兆1000億円を持ち出したが、流れを考えずにしゃべるだけだから簡単に反論される。

麻生首相 「鳩山代表は前回の党首討論の中においても、4500の団体に、2万5000人の天下りOBがいて、そこに12・1兆円のいわゆる国の予算が流れていると主張をされておられました。12兆1000億円のほとんどというものは、これ、よーく調べていただかないといかんところだと思いますが、国立大学、私立大学などなど、教育に1兆2000億円出しております。また、独立行政法人に3兆7000億円入れておりますが、この中には、住宅金融支援機構に3000億円など、いろいろ例を挙げて出てまいりますが、われわれは、この間の話を聞いておりますと、これ全部足して申し上げてもいいですよ、これ。時間がもったいないんだと思って申し上げないだけなんですが、民主党は12兆1000億円が全部、天下りOBの人件費かのごとく話をされておられますが、これは12兆1000億円のうち、人件費は0・8%です。0・8%しか使われていない」

(赤字はわたしの強調箇所です。ほとんど赤字にしたいところですが、読みにくくなりそうなのでこれだけにとどめました)

12兆1000億円を全額人件費であるかのように鳩山が言っていたというすり替えも、0.8%という数字もそのまんま。
まるで腹話術師のお人形さながらである。

鳩山氏 「だから、最初から私の話を聞いてくださいと申し上げているんでありますけれども、これは210兆円を官僚のやり方の仕分けをするのではなくて、私どもがきちんと別の費目で検討し直したんですよ。それで、さっき言ったじゃないですか。
(中略)
人件費なんて言葉も、一言も使った覚えはありません。人件費がごく、ごくごくわずかであることは十分に理解をしています。だからこそ、随契とかそういう話を申し上げているわけじゃありませんか」


スピーチライターがスピーチを練るのは当然だが、そのスピーチライターが本番の前にスピーチ内容を自分でさらけ出していては様になるまい。
相手に十分な準備の時間を与えることになる。

これ以上何回党首討論をやっても、小沢問題が下火になってしまった今、麻生のネタは安全保障と財源問題しかない。
そのネタの披露が済んでいないことを思いだしたのか、終了間際に突如といおうか唐突にと言おうかあるいはあわててと言おうか”第七艦隊”を持ち出したのにも唖然とさせられた。
余りにも情けない日本国内閣総理大臣の姿に暗澹たる思いを抱いたのはわたしだけではないことと思う。




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大新聞朝日の矜恃と品格……政権交代阻止統一戦線

2009-06-18 07:54:08 | 麻生太郎
西松建設献金事件のような超弩級爆弾はなかなか見つからないようだ。
厚生労働省現役女性局長逮捕で、郵便不正事件もずいぶんと騒ぎは大きくなってきた。
ところでここで小さな疑問。
「証明書偽造」とか「偽証明書」という言葉が飛び交っているが、出された証明書は本物ではないのか?
証明書を発行する権限のある者が、正式なハンコを押した証明書である。
それなら対外的には本物であろう。
単なる手続き違反ではないのか。
「偽証明書」とか「証明書偽造」という言葉は正確ではないのではないか?
この辺は素人のわたしには断定的なことは言えないが……。

それはさておき、大阪地検特捜部の狙いは、民主党副代表石井一だろうが、たとえ石井一に行き着いたとしても前回ほどの効果は上げられまい。
民主党副代表とは言え、国民の目にはご隠居さん同然の存在である。

すでに大阪地検特捜部の下心が見透かされている以上、ご隠居さんを捕まえても効果は極めて小さい。
裁判所にたしなめられた大阪地検特捜部・郵便不正事件・第二の西松事件狙いか?

他に何かないか、と必死に探し出してきたのがこれ↓

鳩山代表に「故人」献金? 少なくとも5人、120万円 (asahi.com 2009年6月16日3時3分)
民主党の鳩山由紀夫代表の政治資金管理団体「友愛政経懇話会」の政治資金収支報告書に、すでに亡くなった人が個人献金者として記載されていることが分かった。朝日新聞が03~07年分の報告書を調べたところ、少なくとも5人の故人が延べ10回、120万円分を献金したことになっていた。遺族のうち、1人は「よく分からない」と答えたが、4人は「死亡後に献金した事実はない」としている。


03~07年と言えばその間5年である。
5年間で120万円の誤記載を見つけて、鬼の首でも取ったような大はしゃぎ。
しかも見出しが「故人献金」
大新聞の政治関連の記事にしては余りにも程度の低い駄洒落ではないか。
まあ、程度が低いから駄洒落なんだが……。

この件に関しては朝日の記事が最初らしい。

鳩山代表:「故人」献金 5人から計120万円 (毎日jp  2009年6月16日 11時37分)

鳩山代表の「故人献金」、民主が次期衆院選への影響懸念 (YOMIURI ONLINE 6月16日20時11分)

三紙揃って「故人献金」という見出し!
もちろん産経も、
民主鳩山氏“故人献金”一部報道で釈明 「予期せぬこと」「早急に調査指示」 (msn産経ニュース 2009.6.16 12:02)

新聞記者というのはこの程度の駄洒落が好きなのか?
朝日と毎日は「故人」献金と故人に括弧をつけているが、
読売と産経はもろに”故人献金”
それにしてもいずれもスポーツ新聞並みの感覚である。
もしかして、ニュースソースが同一なのか?
中身はどこもほぼ同一である。
朝日がやや詳しい。

しかし、朝日が独自に発掘した記事とは思えない。
国会議員の政治資金をチェックしていて偶然見つけたものとは到底考えられないのだ。

平成20年度の鳩山由紀夫「友愛政経懇話会」の収支報告書によると、収入はほぼ2億870万円。
そのうち個人献金は5500万円。
(毎年の収入も多分似たようなものだろう)
60人ほどの献金明細が載っているが、記載項目は
氏名・金額・献金月日・住所・職業である。
記者はこの内訳をどういう意図のもとにチェックしていたのか分からないが、偶然知っている名前を見つけ、それが既に死亡している人だと気がついて5年分の収支報告書に当たって5人の死亡者を見つけたというわけか。

有り様は、朝日の記者がどこやらから情報を貰い、一応確認した上で記事にしたものであろう。
多分、他紙もその情報は手に入れていたのだろうが、5年間で120万円、しかも明らかに記載ミスと思われることをわざわざ記事にしないでいた。
しかし、朝日が記事にした以上無視することもできなくて、おざなりに記事にしたのではないか。
情報をくれたところに対する義理もあるか?

まあ、おおよその情報の出所は見当がつくというものだろう。

友愛政経懇話会の収入は五年間で恐らく10億円前後だろう。
そのうちの120万円!
これが大新聞が揃って取り上げるほどのニュースなのか!

政権交代阻止統一戦線の現在の最大の標的が民主党党首鳩山由紀夫であることは間違いないであろう。

わたしの”あらぬ妄想”なら結構なことである。





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裁判所にたしなめられた大阪地検特捜部・郵便不正事件・第二の西松事件狙いか?

2009-06-15 19:59:53 | 政治
ちょっと気にかかる記事があった。
郵便不正事件に関するものであるが、見過ごし難いので、その背景を考えてみたい。
事件そのものは単純な詐欺事件であるが、厄介な ことに逮捕された容疑者の数が多く、しかも彼等が何度も繰り返し逮捕されているので、経過がたどりにくくなっている。
事件の構図そのものは大方の方はご存じだろうから、詳しくは触れない。

郵便不正事件で大阪地裁、「捜査に疑問」と拘置短縮 (msn産経ニュース 6/12)
大阪地裁(植野聡裁判長)は11日、郵便制度悪用事件で大阪地検特捜部が再逮捕した障害者団体「白山会」会長守田義国容疑者(69)の拘置延長について、「捜査に疑問を感じる」といったん認めた期間の延長を取り消し、3日間短縮する決定をした。

 弁護人が10日に「懇意の国会議員に依頼をした経緯ばかり連日調べられ、別件捜査だ」と延長取り消しを求め、準抗告していた。

 植野裁判長は決定理由で「証拠隠滅や逃亡の恐れがある」と拘置の必要性は認めた。その上で「(議員との関係は)郵便法違反事件の処分を決める際に解明が必要な事情とは認められない」と指摘。さらに「捜査の在り方に疑問を感じる。拘置は無限定に許されるものではない」とした。

 守田容疑者はこれまで、2件の郵便法違反罪で起訴され、5月29日には同法違反や私文書偽造・同行使容疑で3度目の逮捕をされた。


拘置延長の請求は多分、3度目の逮捕にかかわるものなんだろう。
しかし考えてみれば、最初の逮捕が4月16日である。それから数えても拘置期間はすでに二ヶ月になる。
弁護士の話によると、検察の取り調べは、「懇意の国会議員に依頼をした経緯ばかり連日調べられ」という状態だったという。
検察の関心がどこにあるかを明瞭に物語っている。
「捜査の在り方に疑問を感じる。拘置は無限定に許されるものではない」
裁判官がここまで言うのはよくよくのことだと思える。

「単純な詐欺事件」と書いたが、意外な広がりも示し始めている。
事件発覚当初から民主党議員の名前が取りざたされていた。
牧義男議員と石井一議員である。
彼等が実際に関与していたかどうかは分からない。
しかし、検察が何とか彼等にたどり着こうと悪銭苦闘しているのは容易に想像できる。
もっとも、牧義男などという全国的には無名と言っていい議員に辿り着いたところで、たいしてインパクトはない。
党副代表の石井一にしろ、小沢の時と比べてその効果は極めて小さい。
検察としては事件を出来るだけ盛り上げたいところだろう。

【郵便制度不正事件】厚労省現役女性局長を逮捕 組織ぐるみ犯行解明へ 大阪地検 (msn産経ニュース 6/14)
障害者団体向け郵便制度悪用事件で、障害者団体の証明書を偽造、発行したとして、大阪地検特捜部は14日、虚偽公文書作成・同行使の疑いで、当時の担当課長だった厚生労働省雇用均等・児童家庭局長村木厚子容疑者(53)=埼玉県和光市=を逮捕。同省係長上村勉容疑者(39)=同容疑で逮捕=ら3人を再逮捕した。

 事件は、障害者福祉の根幹を担う厚労省の組織的な関与を問う局面に発展。凛の会の証明書は省内で「政治案件」として扱われていたとの供述もあり、特捜部は政界からの口利きも含め全容解明を進める。

 再逮捕されたほかの2人は、「凛(りん)の会」(現・白山会)を設立した倉沢邦夫容疑者(73)=郵便法違反容疑で逮捕=と、同会元会員河野克史容疑者(68)=虚偽公文書作成・同行使容疑で逮捕。


事件盛り上げにはうってつけの人材。
厚生労働省現役局長。女性キャリア。同期の出世頭とか。
これで顔でも美しければますます面白くなるところなのだが……失礼。
そしてまたまた再逮捕。
倉沢邦夫容疑者などは何度目なのか。

まあ、これで政・官・業の癒着の構造は一応完成したが、なんともみみっちいスケールである。

鳩山総務大臣辞任の不手際で麻生の支持率は再び急降下。
並大抵のことでは、回復は不能だろう。
検察がいくらがんばっても前回ほどの効果は到底上げられない。
かえって国民の間に検察不信を増幅させるだけになる。

民主党は小沢事件のダメージからほぼ回復した。
真にダメージを受け、それからまったく回復できていないのは検察自身である。





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鳩山辞任…日本郵政の社長は誰が決めるか・3

2009-06-13 07:02:17 | 麻生太郎
「民間会社の経営に政治は口出しすべきではない」というような理屈が罷り通っている。
石原伸晃・竹中平蔵はじめ多くの連中が言っていたが、麻生まで言いだしている。
言っている連中はその愚かしさに気がついていないか、あるいは知っていてそれを通そうとしているのだろう。
日本郵政は株式の100%を国が保有する国有会社である。
株主名義は財務大臣になっているが、実質的には政府が保有していることになる。
しかし、真の問題はその先にある。

民間会社である株式会社の最高意思決定機関は株主総会である。
しかし日本郵政の場合、政治が口出ししないということになれば、株主総会はまったく機能しないことになる。
株主総会は取締役会の追認機関にしか過ぎないということになる。
前2回の投稿でわたしは、日本郵政株式会社が委員会設置会社であることを指摘してきた。
現在日本郵政には九人の取締役がいる。
この取締役の内の五人が指名委員会を構成している。
指名委員会の権限は取締役の選任と解任を株主総会に提案することである。
しかし、株主総会が取締役会・指名委員会の追認機関に堕していれば、彼等の決定・提案は最終決定と同様の意味を持つ。
彼等は永遠に取締役であり続けることができる。
そして指名委員会によって選任・再任された取締役会が実際の業務にあたる執行役を指名し、その中から代表執行役(社長)を決める。
これは株主総会の承認さえ要らない。

日本郵政株式会社法
 
第二条  政府は、常時、会社の発行済株式(株主総会において決議をすることができる事項の全部につき議決権を行使することができない株式を除き、会社法(平成十七年法律第八十六号)第八百七十九条第三項の規定により議決権を有するものとみなされる株式を含む。以下この条において同じ。)の総数の三分の一を超える株式を保有していなければならない。

附則
第三条  政府は、その保有する会社の株式(第二条に規定する発行済株式をいい、同条の規定により保有していなければならない発行済株式を除く。)については、できる限り早期に処分するよう努めるものとする。


日本郵政の株式総数の三分の一以上は、政府が保有しつづけなければならないとした上で、残りの株式については「出来る限り早期に処分するよう務めるものとする」とだけ規定している。
去年前半までの数年続いた株の上昇局面においても、相場を冷やすという懸念から、NTT・JR・JT等の政府保有株の売り出しが出来ないでいた政府に、郵貯銀行・かんぽ生命に加えて日本郵政本体の株式売りだしなどいつになったらできるのかまるで見当もつかない。
つまりいつになったら株主総会が一般の民間企業並に機能するか、まったく予測できないのである。
政治が経営に口出ししないということであれば、株主総会不在のまま取締役会はまったく好き勝手な経営ができるということになる。
しかも最終的には政府保有が義務づけられた三分の一の株式が取締役会の決定を無条件で支持するということになれば、たとえ株式売り出しが終わった後でも、相変わらず株主総会が取締役会を抑制することはほとんど不可能なままである。

現在の取締役が指名委員会を構成し、自分たちの再任を永遠に決定し続ける。
彼等は自分たちで構成する”報酬委員会”で自分たちの報酬を決める。
同様に”監査委員会”も取締役で構成されている。
監査に当たる監査法人も自分たちで選び、まずいことが生じれば、責任は執行役に取らせる。
政府の口出しがなければ、日本郵政の現在の取締役たちにはこれだけのことができるのである。

鳩山を辞めさせたことで、麻生はとんでもない”悪しき前例”を作ってしまったのである。


ついでに鳩山辞任の茶番劇にも触れておきたい。

鳩山辞任は結局予想通りの結末である。
罷免と思っていたが辞任というところが、わたしの予想とちょっと違ったが……。
鳩山は最後まで突っ張ってこそ男になれたのに。
どうやら麻生と会う前に筋書きはできていたのだろう。
午前の麻生との会談ではまだ決着はついていなかったようだが……、

「罷免されても信念曲げない」 日本郵政社長人事で鳩山総務相 (NIKKEI NET 6/12)
鳩山邦夫総務相は12日午前の閣議後の記者会見で、麻生太郎首相が日本郵政の西川善文社長を再任させる方向で調整する意向を固めたとの報道に対して、「首相からは何もない」と述べた。そのうえで「(罷免されても)そんなことで信念曲げたら男ではない。首相は分かって下さると信じている」とした。さらに「私の主張が受け入れられず、もし内閣の方針が西川氏続投なら、タイミングによって罷免あるいは辞任は十二分にありうる」と語った。


すでにトーンダウンしていた。
それまでは”なぜ辞任しなくちゃいけないのか”
”落としどころなんてない”
と息巻いていたのが、”辞任”という言葉を自分から持ち出している。
どこやらから説得を受けていたのかもしれない。
二度目の会談で辞表提出。

鳩山総務相を更迭 (nikkansports.com 6/12)
鳩山邦夫総務相(60=衆院福岡6区)は12日午後、日本郵政の西川善文社長の進退問題をめぐり、麻生太郎首相と官邸で会談し辞表を提出、受理された。首相は、鳩山氏が西川氏続投方針を受け入れない考えを示していることを受け、事実上の更迭に踏み切った。


”更迭”にしろ”罷免”にしろ上からの命令でその職を辞めさせることである。
”辞任”は自分のほうから辞めることである。
”辞表”を書いた以上、”辞任”である。
鳩山としては、無理矢理書かされた辞表である、と言いたいだろうが、”腰砕け”と言われてもしょうがない。
”事実上の更迭”という表現は、麻生・鳩山双方にとって都合のいい表現である。
鳩山にすれば、抵抗した末での”疑似更迭”。
麻生にすれば”決断力を発揮した更迭”
しかし、決断したなら”罷免”しなければならない。
麻生にはその”罷免”ができなかった。
ずいぶんと裏から表から鳩山に辞表を書かせようと努めたものと思われる。

中山国土交通相のときもグズグズと処分出来ずにいて、辞任でけりをつけた。
中川財務大臣の時でさえ辞任である。
鴻池官房副長官の議員パスを使っての不倫旅行でさえも罷免できなかった。
そいつらと比べて、鳩山を罷免できるか。
鳩山は総務大臣としての職務に忠実なだけであった。
その鳩山を罷免するならば、その理由を説明しなければならなくなる。
麻生には鳩山罷免の理由を国民に向かって、国民が納得できるような説明はできない。

西川をとって鳩山を切った理由は明らかである。
西川続投を決めている日本郵政の指名委員会・取締役会と喧嘩する訳にはいかなかっただけである。
西川更迭も喧嘩両成敗も、はじめから麻生の選択肢には入っていなかったのである。
財界全部を敵に回すなんてことは、麻生には恐ろしすぎる想像である。



くどいようだが、日本郵政の取締役及び指名委員会の構成を記しておく。

取締役兼代表執行役社長(CEO)
西川 善文  三井住友フィナンシャルグループ元社長。元全国銀行協会会長、

取締役兼代表執行役副社長
高木 祥吉  金融庁長官・2004年4月 内閣官房郵政民営化準備室副室長

社外取締役

牛尾 治朗   ウシオ電機株式会社代表取締役会長
奥田 碩    トヨタ自動車株式会社取締役相談役
西岡 喬    三菱重工業株式会社相談役
丹羽 宇一郎  伊藤忠商事株式会社取締役会長
奥谷 禮子   株式会社ザ・アール代表取締役社長
高橋 瞳    青南監査法人代表社員
下河邉 和彦  弁護士

指名委員会

西川 善文  
高木 祥吉  
牛尾 治朗  
奥田 碩   
丹羽 宇一郎 

関連投稿……ついでに読んでみてください。
日本郵政の社長は誰が決めるか
日本郵政社長を決めるのはだれか・2──麻生絶体絶命




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日本郵政社長を決めるのはだれか・2──麻生絶体絶命

2009-06-10 17:33:08 | 麻生太郎
落とし穴は意外なところにあった。
麻生本人にも意外であったろう。
漢字が読めなくとも、
中川財務相が酔っぱらっても、
鴻池が女狂いしようとも、
そ知らぬ顔で政権の寿命を引き延ばしきたのに。
まさか、たかが日本郵政西川社長の続投問題でにっちもさっちもいかない袋小路に追い込まれるとは!

(全回投稿でも触れたが、問題をややこしくしているのは、日本郵政株式会社が委員会設置会社であるという点にもある。日本郵政の社長は誰が決めるかもついでにお読みください。
委員会設置会社は従来の株式会社とは異なり、取締役と業務執行役員とが分離されているのが特徴である)

今更、麻生のブレなど取り上げても仕方ないが、それでも一応取り上げておこう。
はじめは「総務大臣が適切に判断する」
つぎは「財務大臣、官房長官、総務大臣で話し合って判断して貰う」
そして今度は「自分が判断する」

「最終的に私が判断」郵政社長人事で麻生首相 (YOMIURI ONLINE 6/8)
麻生首相は8日夜、鳩山総務相が日本郵政の西川善文社長の更迭を主張していることについて、鳩山氏と与謝野財務相、河村官房長官の3閣僚による調整を引き続き見守る考えを示したうえで、「最終的に(自らが)判断しなければならない」と述べた。
 自らの判断の時期については、「今がいいのか、29日の株主総会の日がいいのか、色々意見の分かれるところだ」と語った。


麻生の気持ちでは西川続投なのだろう。
西川を首にする気であれば、鳩山と揉めることはあるまいから。
しかし、首にする気でいて、騒ぎを盛り上げ最後にスパッと格好良く麻生が決断する、なんてことを考えているかも知れないが……そんなこと出来るわけがない。

麻生にとって一番いいのは、西川続投、鳩山が渋々でも承認という形なんだろう。
実は、麻生には西川解任の決断をすることは不可能なのではないか。

西川の任期は、というと実は二つある。
取締役としての任期と執行役としての任期である。
どちらも株主総会の日に任期が切れる。
いわゆる”社長”というのは、代表執行役としての職務であって、取締役とは別なのである。
西川の肩書きを見てみよう。

取締役兼代表執行役社長

これは日本郵政株式会社が委員会設置会社であるところから、こんな肩書きになる。
取締役と執行役を兼任しているのである。
つまり西川を日本郵政から追い出すには、両方で首にしなければならないということになる。
しかし、それぞれの首の切り方には別々な手続きがいる。
どちらが先でもいいのだろうと思うが、まず執行役の首の切り方である。
”社長”という肩書きをはずさせるためには、これだけでもいい。
(ただしこれだけでは西川は取締役として日本郵政に残ることになる)
これは取締役会で決定しなければならない。
株主総会では決められない。



取締役会が西川の代表執行役続投を決めると、西川を解任するためには政府は取締役会の構成を変える必要が生じてくる。
取締役の選任・解任は指名委員会の決定がいる。
それとは別に、株主総会にも当然その権利があるものと思われる。
しかし、株主総会、この場合は政府ということになるが、政府が指名委員会と異なる決定ができるのか?

前回も書いたが、指名委員会の顔ぶれは次の通りである。
(委員会設置会社における各委員会は取締役で構成され、その委員は過半数が社外取締役でなければならない)

指名委員会
委員長  牛尾 治朗(ウシオ電機株式会社代表取締役会長)
委員   西川 善文(日本郵政社長)
委員   高木 祥吉(日本郵政副社長)
委員   奥田 碩(トヨタ自動車株式会社取締役相談)
委員   丹羽 宇一郎(伊藤忠商事株式会社取締役会長)


西川・高木の他の3人は、いずれも財界の重鎮といわれる連中である。
この連中の決定を麻生や自民党は蹴飛ばせるのか。
もし、この連中が西川続投の意思を固めているとすると、麻生には手に負えまい。
もしこの連中がヘソを曲げて、取締役を辞任するなどと言いだしたら、郵政民営化そのものが頓挫してしまう。

もし、指名委員会の決定(西川の取締役続投)を政府あるいは鳩山が拒否すれば、指名委員会は面子を潰されることになる。

そのときこの連中がすんなり政府に協力し続けるか?
そう簡単に、政府の言うことに従うとは思えない。

まして指名委員会には、西川・高木の郵政のコンビが入っている。
そこで西川の首を切るという話がすんなりまとまるのか?

麻生が指名委員会の判断に反して西川の取締役を解任しようとすれば、指名委員会と正面からぶつかり、場合によっては構成取締役を解任しなければならなくなるかもしれない。
そして執行役を解任しようとすれば、取締役会の構成そのものを変えざるを得なくなるかもしれない。

しかし、麻生に経団連前会長・大トヨタの奥田を辞めさせられるか?
内閣府経済財政諮問会議議員を務め、地方分権改革委員会の委員長丹羽を辞めさせられるか?
安倍晋三の縁戚で元経済同友会代表幹事・経済財政諮問会議議員の牛尾を辞めさせられるのか?

麻生は西川を切る決意を固めたとしても、次にはこの大物財界人を相手にしなくてはならないのだ。

結局鳩山を説得し、駄目なときは鳩山の首を切るというところに落ち着かざるを得ないだろう。

しかし、麻生には問題の所在がはっきり分かっていないのではないか?

「今がいいのか、29日の株主総会の日がいいのか、色々意見の分かれるところだ」

株主総会の日に取締役会の決断を受け入れるにしても、鳩山の承認は依然必要である。
受け入れないとなると、混乱は収拾がつかなくなる。
株主総会で西川取締役を解任するつもりなのか?
しかし、取締役解任はできても、株主総会では代表執行役つまり社長解任はできない。
取締役会で解任する必要がある。
結局、取締役会に言うことを聞かせなければならない。
取締役会が言うことを聞かなければ、取締役を入れ替えなければならない。
そんな決断を株主総会当日にできるのか?
出来るとすれば鳩山総務大臣罷免という決断しかない。

結局、この問題の鍵を握るのは、西川・高木以外の3人の指名委員会のメンバーであり、そのほかの取締役会のメンバーであるるということになる。取締役会が西川続投に強い意志を示せば、麻生にはなすすべがない。鳩山を罷免して西川続投を認めるしかない。
もっとも取締役会特に指名委員会の3人が西川罷免に同意し、自分たちが取締役に留任することを承諾すればそれはそれで鳩山を罷免しなくとも問題はなんとか解決するだろう。
しかし多分、それはあり得ない。

麻生が鳩山をとって、取締役会の意思に反して西川を切る決断をすれば、問題は複雑になるし、民営化そのものが大混乱になるだろうが、それはそれで立派な政治決断と言えなくはない。

しかし麻生には財界重鎮を敵に回すほどの度胸はない!



そもそも、取締役会の構成がおかしい。
まるで財界に郵政会社をプレゼントしたようなものだ。

日本郵政株式会社 取締役一覧

取締役兼代表執行役社長(CEO)
西川 善文  三井住友フィナンシャルグループ元社長。元全国銀行協会会長、

取締役兼代表執行役副社長
高木 祥吉  金融庁長官・2004年4月 内閣官房郵政民営化準備室副室長

社外取締役

牛尾 治朗  ウシオ電機株式会社代表取締役会長
奥田 碩   トヨタ自動車株式会社取締役相談役
西岡 喬   三菱重工業株式会社相談役
丹羽 宇一郎 伊藤忠商事株式会社取締役会長
奥谷 禮子  株式会社ザ・アール代表取締役社長
高橋 瞳   青南監査法人代表社員
下河邉 和彦 弁護士

9人中7人が社外取締役。
西川・高木たちの業務執行を監督できるほど、郵政の業務に精通しているとは思えないのだが……。
権限だけは意外に大きい。




裁判員制度廃止!天下り禁止!議員世襲禁止!


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日本郵政の社長は誰が決めるか

2009-06-08 18:39:51 | 自民党
日本郵政株式会社の社長人事が揉めている。
西川善文現社長の続投に総務大臣鳩山邦夫が反対を表明しているからだ。
すでに鳩山としては引っ込みのつかないところまで来てしまっている。
郵政民営化にそれ程熱心だとも思えない麻生が西川続投に執着しているらしいのも腑に落ちないところである。
麻生としては、鳩山を切るか、西川を切るか悩ましいところであろう。
西川に自主的に身を引いて貰うように裏工作などしているかもしれないが、これからも起こり得ることである。
いい加減な決着を図るべきではない。

首相VS記者団 日本郵政社長人事「法律の規定通り、やっていただく」 (毎日jp 6月3日)
Q:まず、日本郵政の社長人事についてです。鳩山総務大臣は、西川社長の続投について、改めて認めないという考えを強調されましたけれども、西川社長の続投について、総理はどのようにお考えでしょうか?

A:これは法律の規定がありますんで、法律の規定に従って、努めて、何でしたっけ、法律の規定通り、やっていただくと。それをまとめるのは総務大臣だと思いますが。

Q:そうすると、鳩山総務大臣の主張も、判断の材料にはなるということでしょうか?

A:鳩山総務大臣は所管大臣。株主は財務省、財務大臣。人事のあれをやるのが官房長官。その3者で話し合うということだと思いますが。


3者というのは、「鳩山総務大臣は所管大臣。株主は財務省、財務大臣。人事のあれをやるのが官房長官」

しかし「法律の規定通りに」というのであれば、鳩山の主張は無視できない。

日本郵政株式会社法
(取締役等の選任等の決議)
第九条 会社の取締役の選任及び解任並びに監査役の選任及び解任の決議は、総務大臣の認可を受けなければ、その効力を生じない。


ところで”株主は財務大臣”というのはその通りである。
しかし、財務大臣は形式的な株主であり、政府の代理人に過ぎない。
与謝野財務大臣は、与謝野馨個人として株主権を行使できるわけではない。
政府の決定に従って、つまりは内閣総理大臣麻生太郎の指示に従って株主権を行使するだけである。
与謝野馨が、自分の考えで、株主として社長人事に介入することは許されることではない。
内閣の一員として、麻生に意見を述べることは許されるが、それはあくまで閣僚としてであり、株主としてではない。

郵政民営化推進本部という組織が設けられている。
本部長は内閣総理大臣。
副本部長が内閣官房長官、総務大臣、財務大臣、国土交通大臣他。
この組織の下に、郵政民営化推進委員会というのがある。

この郵政民営化推進本部というのがどんな権限をもつのかよく分からない。
総務大臣・財務大臣・内閣官房長官の3人は確かにこの推進本部の副本部長である。
しかしこの3人で日本郵政の社長を決めるという規定はどこにもない。
実は鳩山も、社長人事を拒否は出来るが、社長を決めることはできない。

話をややこしくしているのは、日本郵政株式会社が委員会設置会社であるという点だ。
日本郵政が委員会設置会社であるということも、委員会設置会社というものの性質もわたしは知らなかった。

委員会設置会社(ウィキペディアより)

委員会設置会社に相当する制度は、2003年4月施行の株式会社の監査等に関する商法の特例に関する法律(商法特例法)改正により、委員会等設置会社として導入された。当時は、商法特例法上の大会社ないしみなし大会社のみが導入することができ、初年度に導入を決定した企業は36社であった。
その後2006年5月施行の会社法において、委員会設置会社に名称を変更して引き継がれた。

委員会設置会社とは、日本における株式会社の内部組織形態に基づく分類の1つであり、取締役会の中に指名委員会、監査委員会及び報酬委員会を置く株式会社をいう(会社法2条12号)。

取締役会の中に社外取締役が過半数を占める委員会を設置し、取締役会が経営を監督する一方、業務執行については執行役にゆだね、経営の合理化と適正化を目指した。


要は、取締役は業務執行は行わず、執行役を選任・監督するだけであるということである。
そして取締役は業務執行役を兼任できるという。

いわゆる社長つまり代表執行役は取締役会が選任するということらしい。
社外取締役というのは単なる名誉職でもなく、ご意見番でもない。
大きな権限をもった役職なのである。

今度の場合でいうと、西川の社長続投を決定するのは取締役会である。その決定は総務大臣の承認が必要になる。

日本郵政の取締役

取締役兼代表執行役社長(CEO)
西川 善文(にしかわ よしふみ)

取締役兼代表執行役副社長
高木 祥吉(たかぎ しょうきち)

社外取締役

牛尾 治朗 ウシオ電機株式会社代表取締役会長
奥田 碩  トヨタ自動車株式会社取締役相談役
西岡 喬  三菱重工業株式会社相談役
丹羽 宇一郎 伊藤忠商事株式会社取締役会長
奥谷 禮子 株式会社ザ・アール代表取締役社長
高橋 瞳  青南監査法人代表社員
下河邉 和彦 弁護士


財界の郵政進駐軍といったおもむきである。
この連中が三つの委員会を構成している。

指名委員会
委員長 牛尾 治朗(うしお じろう)
委員  西川 善文(にしかわ よしふみ)
委員  高木 祥吉(たかぎ しょうきち)
委員  奥田 碩(おくだ ひろし)
委員  丹羽 宇一郎(にわ ういちろう)
監査委員会
委員長 高橋 瞳(たかはし ひとみ)
委員  西岡 喬(にしおか たかし)
委員  下河邉 和彦(しもこうべ かずひこ)報酬委員会
報酬委員会
委員長 奥田 碩(おくだ ひろし)
委員  西川 善文(にしかわ よしふみ)
委員  高木 祥吉(たかぎ しょうきち)
委員  奥谷 禮子(おくたに れいこ)
委員  西岡 喬(にしおか たかし)


特に注目されるのが”指名委員会”である。
西川、高木の社長・副社長の二人に加え、奥田・牛尾・丹羽といった財界の重鎮。
普段から自民党政治の応援団として、諮問会議だの有識者会議だのに引っ張りだこの人気者である。
どこまで郵政会社の実情に通じているかは疑問である。
取締役を指名する委員会に西川・高木の二人が入っているのでは委員会の結論は見えている。

これらの取締役がどういう経緯で選ばれたのかは分からない。
小泉・竹中の意思による選任だろうが、疑問の多い人選である。
取締役の選任というところから見直す必要がありそうだ。

政治が民間会社の経営に口出しするのはおかしい、などと石原伸晃などが言っているが、バカの言うことは無視しよう。
政治が口だししなければ、現在の取締役と執行役員による会社支配を牽制するものはなくなる。
永遠にこいつらの支配が続くことになる。
日本郵政の株式売りだしがいつ始まるかは分からないが、三分の一は政府が持ち続けることになっている。
株主総会がまともに機能するのは何十年先になるか分からない。

社長人事ばかりが騒がれているが、取締役の顔ぶれにも気をつけていなければならないだろう。

「鳩山総務相、1人で騒いでる」自民党内で批判相次ぐ (asahi.com 2009年6月4日)
(抜粋)
日本郵政の社長人事の混迷については、経済界も懸念を強めている。

 経済同友会の桜井正光代表幹事は2日の会見で「社長人事は指名委員会に議論してもらう委員会設置会社方式になっている。それを重んじるのが大事だ」と述べ、人事への過度な政治介入を批判。ある財界首脳も「経営問題のはずが、政争の具になっている」と半ばあきれ顔だ。

 水面下で西川氏の後任探しを進める鳩山総務相は複数の民間企業の元トップなどに打診したが、難航している模様。日本経団連幹部は「この逆風下で社長を引き受けるとしたら、よほどの物好き。後任の推薦を求められても、責任は持てない」と冷ややかだ。


経済界の思い上がりも甚だしい。
それというのも、これまでの自民党政治が経済界におんぶにだっこできたからであるある。
金で世話になり、無数にある有識者会議などに委員を出して貰い、政策の中身まで世話になってきたから、こんなことでまで大きな面をされる。





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日本郵政・麻生と鳩山の確執・任命責任とは?

2009-06-05 15:58:16 | 麻生太郎
これまで次々と不祥事を起こした内閣のメンバーに辞表を出させ、自分の任命責任は一切取って来なかった麻生も、今度はちょっと様相が異なる。
麻生と鳩山の日本郵政をめぐる確執がもつれてきた。

今までの麻生のやり方を振り返ってみる。

中山斉彬国土交通大臣 2008年9月28日、国土交通大臣を辞任。在任期間は5日。
就任早々失言で辞任 中山成彬国交相 (毎日jp 2008年9月27日)
首相は28日夕、中山氏の発言について「甚だ不適切。国民かつ関係していた方々に心からおわびする。必然的に辞めてもらった」と述べ、陳謝した。そして「指名した段階では適任だった」としたうえで「任命責任はあったということだったと思う」と語り、自らの任命責任を認めた。


麻生は辞表を受け取り、任命責任を一応は認めたがそれでお終い。
「指名した段階では適任だった」
愚痴とも言い訳ともつかない一言を付け加えたのがせめてもの抵抗。
責任を認めたなら、その責任を取らせなければならないが、だれも追求しなかった。

次は中川昭一財務大臣。
例の泥酔会見で辞任表明会見。
しかも2回!

中川財務相が辞任表明 (msn産経ニュース 2009.2.17 )
責任をとって平成21年度予算案、予算関連法案の衆院通過後に辞任する意向を表明した。中川氏は首相に辞任の考えを伝えており、首相は後任人事に着手する。


1回目の辞任表明会見。
しかし、麻生・中川のお坊ちゃまコンビの甘い見通しとは違って、すぐ辞めろ、という声が強くて、

中川昭一財務・金融担当相辞任 (毎日jp 2/17)
17日午後7時、中川氏はこの日2回目の辞任会見に臨んだ。目は充血し、疲れ切った表情。

麻生首相、中川氏辞任で陳謝/任命責任認める (四国新聞社 2009/02/19)
首相は「閣僚に任命した責任は当然私にある」と表明。辞任までに判断が二転三転したとの指摘には「本人の意思を尊重した。健康、体調の話は政治生命にかかわる」と説明。一時続投を指示した理由を「名誉挽回の機会を与えた方が良いと思った」とも述べた。


任命責任を認めることなど痛くもかゆくもないと学習していた。
今回も辞表を受け取ってお終い。
しかし、不祥事はまだまだ続く。
財務大臣に続いて財務副大臣も。

平田財務副大臣が辞任、6億円の株売却で引責 (YOMIURI ONLINE 3/6)
自民党の平田耕一財務副大臣(60)(衆院比例東海ブロック)が今月、保有していたジャスダック上場の石こうボードメーカー「チヨダウーテ」(三重県四日市市)の株式を、自身のオーナー企業に約6億円で売却していたことが分かった。
 民主党は、閣僚や副大臣の在任中の株取引自粛などを求めた「大臣規範」に抵触するとして平田氏の辞任を要求。平田氏は26日夜、財務省で記者会見し、「国会の審議が滞れば国民に多大な迷惑をかける」と述べ、辞任する考えを表明した。
 これを受け、政府は26日夜に持ち回り閣議を開いて平田氏の辞任を認めた。


麻生はぶら下がり会見であっさり”任命責任といやぁわたしにあります”と言って、やはりそれで終わり。
任命責任慣れしている。

4人目は鴻池官房副長官。

鴻池官房副長官が辞任、女性問題報道で 後任は浅野氏  (msn産経ニュース 2009.5.13 )
鴻池祥肇官房副長官(68)=参院兵庫選挙区=は、「健康上の問題」を理由に麻生太郎首相に辞表を提出、首相は13日午前、受理した。鴻池氏は、12日夜に秘書官を通じて辞表を提出後、「間質性肺炎」のため都内の病院に入院したが、週刊誌に自身の女性問題が掲載されたことの責任を取ったとみられる。


今度もまた任命責任が持ち出される。
麻生はどういう訳か今度は抵抗する。

任命責任については、「健康上というのに関しましては、健康上というんであれば、その件に関しましては、うん、健康までちょっと任命責任になるかどうかよく分かりかねます」

もちろんそれで済むはずもない。

5月14日午後6時36分~

JRパス目的外使用「こういうことしちゃいかん」 (毎日JP)

Q:自らのご責任については。

A:任命責任ですか? その点については僕はあの、いろいろな方々の発言やら何やら、これまで辞めていかれた方々に対して任命者、任命者としてははなはだ残念、任命責任はすべてあるとずっとこれまで申し上げてきておりますんで、このことに関しても例外ではありません。


麻生はここまで任命責任は渋々認め続けてきたが、その責任は一度も取っていない。
責任を認めてもそれだけの話である。
麻生は、誰一人罷免したわけでもなく、国民に対して頭を下げてもいない。

5人目になるかも知れないのが鳩山邦夫総務大臣。
しかし、今度は、非行・不祥事ではなく、政策そのものが問題となっている。

日本郵政西川社長続投の是非が問題になると、麻生は例によって丸投げ、他人任せの無責任ぶりを見せていた。



麻生首相「総務相が適切に判断」 日本郵政社長進退で答弁 (msn産経ニュース 2009.5.21 )
6月に任期が切れる日本郵政の西川善文(よしふみ)社長の進退について、麻生太郎首相は21日の参院予算委員会で「まず鳩山邦夫総務相が適切に判断すると思う」と述べ、自らの考えについては明言を避けた。国民新党の自見庄三郎参院議員の質問に答えた。

 首相は、自見氏が「鳩山氏が西川社長の再任に反対すれば、総務相を罷免するか」と問いかけても、「鳩山氏が適切に判断する」と繰り返した。


ここまで言ったんだから、あとは鳩山の判断に任せるのが筋である。
国会の場で言ったことである。
たとえ鳩山の判断が自分の意にそまないものであるとしても、鳩山に従わなければなるまい。
しかし、そこは麻生のことである。
さっそくブレた。

日本郵政・西川社長進退問題 鳩山総務相、西川社長の続投は認可しないと明言 (6月4日6時32分配信 フジテレビ)
麻生首相は3日夜、この問題について「鳩山総務大臣の所管。株主は財務大臣。人事のあれをやるのは官房長官。その3者で話し合うということだと思いますが」と述べ、総務相と財務相、官房長官の3者が話し合う問題だとの認識を示した。


鳩山に任せたはずが、どうやら鳩山が西川拒否で突っ張りそうな気配を見せると、3人の話し合いに任せると、大幅に方向転換した。

鳩山はあくまで西川続投を拒否する姿勢を見せている。
ここまできたら自分からは辞表をだすことはあるまい。
ここで折れたら鳩山の男がすたる。

麻生は、どうしても西川を続投させたいと思えば、鳩山を罷免するほかはない。
しかし、「鳩山氏が適切に判断する」と繰り返してきた麻生には、鳩山を罷免する名分がない。

西川を続投させたければ、鳩山を罷免し、西川続投を宣言し、今度こそ任命責任をとって総辞職するほかない。
当然、自民党は政権を野党に渡して下野する。
どうせすぐ総選挙である。
野党の内閣も選挙管理内閣になる。

それが嫌なら、鳩山罷免、西山続投を宣言した上で解散・総選挙で国民の意思を問え。
一度ぐらいは任命責任というものを取ってみろ。

しかし麻生に、中川財務大臣も鴻池官房副長官も罷免しないでいて、失策を犯したわけでもない鳩山を罷免できるわけはない。





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個人事業主互助会・自民党

2009-06-03 16:01:00 | 麻生太郎
自民党議員たちを結びつけているものは何か?

政権与党であることだけが彼等を結びつけている。
政権与党であることによって握っていられる予算。
そして戦後、営々として築いてきた政官財の癒着構造。
それらの上に乗った、選挙における優位性。

なかでも第一に優先されているのは、選挙である。
一人一人の議員は個人商店のオヤジのようなものである。
商品は政治。
品質の保証はない。
選挙に落ちれば店は閉店ということになる。
2回も続けて落ちれば倒産である。
何とか当選を続けて、店を息子に継がせようとがんばり続けている。
イデオロギーも政治信条も二の次、三の次である。
とにかく当選しないことには何事も始まらない。

自分の当選が最優先。
党の勝利はその次。
自分の選挙が危ういとなるとなりふり構わぬ行動に出る。

自民に麻生おろしの芽 総選挙前の総裁選求める署名集め (asahi.com 6/3)
自民党内で2日、麻生首相(党総裁)の任期切れに伴う9月の総裁選を総選挙前に実施することを求める署名活動が始まった。町村派の山本拓衆院議員=福井2区、当選4回=が文書にまとめ、同党の全国会議員と各都道府県連に配った。同調者の広がりは見通せないが、7月12日の東京都議選で与党が敗北したりすれば、「麻生おろし」の発火点になる可能性もある。


自民党は麻生を圧倒的多数で総裁に選んだはずである。
一回の総選挙で小泉・安倍・福田と3人の総理を使い捨て、4人目の総裁として麻生を選んだのだ。
すでに4人目の総理に対しては、その正統性についての疑問は広く叫ばれていた。
そういう声を承知の上で、人格・識見・能力等、すべてを考えた上での選択ではなかったのか。
選んだ者の責任というものがある。
自分たちの選んだ総理・総裁で選挙に負けたら、選んだ自分たちの不明を恥じて、潔く下野するのが、政治家として取るべき道であろう。

 文書は「自民党総裁選の前倒し実施を実現する会世話人一同」の名前で配布。「衆院選は今後4年間の政治を担う総理大臣候補、政権公約を明確に打ち出して戦うことが、国民への責任だ」とし、「総裁選の立候補者(麻生総裁も含め)は『次の政権公約』を項目別に具体的に明示」するよう訴えている。

「国民への責任」というなら、自分たちの選んだ総理・総裁のもとで戦うことこそ国民への責任の取り方である。
自分たちの選択が誤っていたから、もう一度選び直す?
余りにも無責任ではないか!
「政権公約を明確に打ち出す」のは麻生のもとでいい。

もし、麻生が総理・総裁としてふさわしくない、と考えるのなら、党内に規定があれば、──あるのかどうか知らないが──それに従って、麻生を解職すればいい。
それが出来なければ、内閣総理大臣の不信任を衆議院に提案すればよい。
理由は、「これ以上国民を不幸にしないために」ということでいいだろう。
それがバカな総理大臣を選んでしまった者の責任の取り方であろう。

麻生首相は2日夜、記者団に感想を問われ、「背景をよく知りませんし、コメントできません」と述べた。

まるで他人事である。
麻生が余りにもバカなので、みんなが焦っているというのに。

自民ベテラン、どぶ板全開…古賀選対委員長こまめ地元入り (YOMIURI ONLINE 5/31)
衆院選が近づく中、自民党のベテラン議員が、地元でこまめな「どぶ板選挙」に乗り出している。
(中略)
 古賀誠選挙対策委員長(福岡7区)は、先週末と今週末の計4日間で、選挙区内の計22か所でミニ集会を開催している。30日夕、福岡県大牟田市の公民館で開かれた集会では、「日本の将来をどちらの政党に任せた方が安心か、考えていただきたい」と、民主党への対抗心をあらわにした。古賀氏は毎週地元入りし、歩道拡張の陳情を受けて現地視察したり、後援者を訪れるなどしている


今度の選挙で当選が危ぶまれている古賀誠選挙対策委員長。
他人の選挙の心配どころではないようだ。
「日本の将来をどちらの政党に任せた方が安心か、考えていただきたい」
言うことは大きいが、やってることは、
”歩道拡張の陳情を受けて現地視察したり、後援者を訪れるなどしている”
これが政権与党の選挙対策委員長か。
小沢は自分の選挙区など回らない。
せっせと所属議員の選挙区のてこ入れに飛び回っている。
与野党の選挙責任者の動きを比較すれば、選挙の行方も大体想像つくというものだ。






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返り討ちにあった麻生・党首討論2

2009-06-01 16:07:38 | 麻生太郎
「話すように書け。書くようにに話せ」
誰の言葉だったか忘れたが、党首討論を文字にしたものを読んでいるうちについそんな言葉を思い出してしまった。
鳩山の方は、文章としてなりたっているが、麻生の方はまるで文章になっていない。
自分の考えたことを、文として組み立てる能力が低いのだろう。

まず鳩山が北朝鮮の核実験に関しての事前通知の有無について政府内が混乱していることについて質すと、

麻生は党首討論に臨む姿勢についての考えらしきものを述べたのに続けて、

麻生 「ぜひ、われわれとしては、今置かれております状況というものは、よく100年に1度といわれますように、極めて経済危機というものに端を発し、いろいろな危機がわれわれの目の前に存在をいたしております。したがって、われわれとしては、国民に対するいわゆる社会保障と、そして国家としての安全保障と、2つの保障というものが極めて大きな意義をもっている問題だと思っております。ぜひその上でわれわれとしては、この基本的な2つの保障という問題に関しては、どのような考え方をお持ちなのかということがわれわれとして最大の関心事であろうと存じます」

討論を通して目につくのが、「われわれ」の多用である。
麻生と鳩山との一対一の討論なのであるが、麻生は「われわれ対鳩山」という話し方をしている。
「われわれ」とはだれなのか、文脈から読み取ろうとしてもはっきりしない。
どうやら麻生+与党議員+官僚を指しているようだが……。

語句のつながりの悪さも目につくところである。
たとえば最初の一文。

”ぜひ”
”われわれとしては”
”今置かれております状況というものは”
”よく100年に1度といわれますように”
”極めて経済危機というものに端を発し”
”いろいろな危機がわれわれの目の前に存在をいたしております”

辛うじて最後の部分だけは形になっているが、その前がまるで脈絡のない語句の羅列になっている。
”ぜひ、われわれとしては”と切り出したが、それがどこにも繋がらない。
”100年に1度と言われますように”も掛かっていく部分がない。
”極めて”も宙に浮いてしまっている。
麻生の言葉を正確に翻訳できる通訳はたいしたものだ。

「ぜひその上でわれわれとしては、この基本的な2つの保障という問題に関しては、どのような考え方をお持ちなのかということがわれわれとして最大の関心事であろうと存じます」

「ぜひ・その上で・われわれとしては」
この部分もすべて繋がるところがない。
自分のことなんだから、「……関心事であろうと存じます」という言い方もおかしい。
せいぜい、「われわれとして、最大の関心事であります」というところである。
麻生の「存じます」も聞き苦しい。

事前通知の有無については、

「しかし、その事実をいつの時点でどうだったかというのは、これは双方、この種の話はしない約束になって、これまで来ておりますので、これまでこの種の情報をあらかじめ何時何分にいつ来たということを政府として申しあげたことは1回もないと存じますし、他国もそれは同様にそういったことは約束して、お互いの情報に関してはきちんとしたものを言わないことになっているというのがルールでありますんで、私どもとしては、その点はぜひご理解をいただいておいていただかなければならないと思っております」

わたしは読んでいないが、「頭がいい人、悪い人の話し方」というタイトルの本があったのを覚えている。
麻生の話し方がどちらに分類されるかは、言うまでもないだろう。

「この種の話はしない約束になっていて」
すでに中曽根外相が、アメリカからの事前通知はなかったことを白状している。
事前通知があったなら、麻生が黙っているはずはない。
得意げに吹聴しているはずだ。
第一、当のアメリカが韓国・日本等に通知したと発表しているではないか。
北朝鮮核実験:爆発規模は数キロトン…米政府高官 (毎日jp 5/26)
また高官は、核実験実施の1時間足らず前に北朝鮮から国務省に実験の通知があり、6カ国協議の日本、韓国、中国、ロシアの各政府に直ちに連絡したことも明らかにした。


この記事の内容の真偽はともかくとして、政府の説明が混乱したのは間違いない。

鳩山 「それ(は)言わないことになっているんだとすれば、皆さんおっしゃっているじゃないですか。知らなかったと言ったり、あるいは知っていたと言ったり。そのようなことに関して、もっと情報管理をしっかりしないとこの国は持たないんじゃないか」

鳩山に突っ込まれてもしょうがない。
得意のはずの安全保障でモタモタしているようでは、討論の行方もおぼつかない。

麻生首相 「また、『官僚目線』というお話がありましたけれども、公務員には、私は公務員としての仕事があると思っております。公務員というものは、誇りを持って、公のために、国家のために尽くすような誇りをもってやれるようにしてやるというのが基本であって、官僚バッシング(たたき)だけやってても、なかなかうまくいかないのではないか」

官僚主導の政治を攻められると、麻生は意識してか無意識にか、官僚と公務員をすり替えて議論している。
麻生の非論理的な話し方のために、この程度のすり替えはあまり目立たない。

鳩山が政治献金の話を持ち出すと、待ってましたとばかり攻撃に転ずる。

麻生 「国民からして今、最大の関心事は西松(建設の違法献金)の問題だと思います。この国民からの目線というものは、一番の関心事であって、これに対して、鳩山代表として、十分に国民に対して、説明を果たされたと思っておられるのでしょうか」

麻生は、自分の関心と国民の関心とがズレていることに未だに気づいていないようだ。
国民とすれば、いつまでそんなことを言っているのか、というところである。
とにかくきっかけがあれば小沢問題に話を持って行こうとする下心がありありである。

麻生 「また、責任を取られたというような話をされますが、説明を取られた方(小沢一郎前代表)が、鳩山代表に次ぐ代表代行になっておられるのが、責任の取り方なんでしょうか」」

小沢は、責任をとって代表を辞めたわけではないし、そんなことも言っていない。
総選挙での勝利のために、自分が障害になるのならば辞任する、というのが理由であった。

「従って、秘書の、秘書の違反を、秘書の違反を契機に、秘書の違反を契機に、制度が悪いというのは論理のすり替えだと思います」

「秘書の違反」を繰り返すが、違反かどうかはこれから裁判で争われることである。
その総理の無知は既に多くの人が指摘しているところである。

「それを犯された方が、そこにいらっしゃるわけです」

判決の下される前に、内閣総理大臣が断定するか?
鳩山に突っ込まれるのも無理がない。

鳩山氏 「首相、今ですね、大変、聞き捨てならない発言をされました。私どもの側に、何? 政治資金規正法に犯した人がいる? 決まったわけじゃないですよ、これは。これから裁判で決着がつく話ですよ」

ホントはここをもっと攻めるべきであったが、中途半端になってしまった。
しかし麻生もしつこい。
簡単には小沢から離れない。

麻生 「またその後、そのときには一心同体だとか、殉ずるときには殉ずると言っておられた方(鳩山由紀夫氏)が、そのまま代表になっておられますんで、そういった意味ではわれわれとしては、なかなか、あれ、この間の話とは違うではないかと、正直にそう思っております」

安倍晋三が政権を投げ出したときの幹事長は麻生太郎。
後継総裁選挙に手を挙げたが落選。
次の福田康夫が投げ出したときの幹事長も麻生太郎。
真っ先に手を挙げて、今度はめでたく当選。
鳩山を攻撃できるか!
「殉ずる」とは言ったが、二人して党の中核に座ったのだから、殉じたことになるのではないか?

麻生首相「いろいろご意見があるようですけども、まず最初に、先ほどのお話をうかがって、一つだけどうしても気になったことがありますんで、ここだけ再確認させていただきたいのですが、正しいことをやったのに秘書が逮捕されたといわれたんですか」

討論もいよいよ終わりか、というときに、麻生はまた話しを蒸し返した。
結局また墓穴を掘ることになってしまったらしい。

麻生 「少なくとも、それをもって国策捜査のごとき話にすり替えられるのは、本人が正しいと思ったというお話ですけれども、本人が正しいと思ったことであっても、少なくとも間違った場合は逮捕されるということは、十分にある。」

この発言が間違っているらしい。
既に多くの方が指摘している。

刑法第38条

1. 罪を犯す意思がない行為は、罰しない。ただし、法律に特別の規定がある場合は、この限りでない。
2. 重い罪に当たるべき行為をしたのに、行為の時にその重い罪に当たることとなる事実を知らなかった者は、その重い罪によって処断することはできない。
3. 法律を知らなかったとしても、そのことによって、罪を犯す意思がなかったとすることはできない。ただし、情状により、その刑を減軽することができる。


内閣総理大臣としては、余りにもお粗末。
自民党総裁としては、まあそれなりにお似合いか。

あらためて討論の冒頭の麻生の発言に戻る。

「ぜひ、われわれ、そしてどちらが内閣総理大臣としてふさわしいか、もしくはどちらの政党が、政党が政権担当を担う力があるかということを、こういった党首討論という機会にいろいろ意見を戦わせるのは正しいことだと思っております」

「どちらが内閣総理大臣としてふさわしいか」
「もしくはどちらの政党が、政党が政権担当を担う力があるか」


答えは出てしまっているようなものだが、麻生は総選挙の結果が出るまでは勘違いしたままでいるだろう。


党首討論詳報を利用させていただきました。




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