政治の季節【稗史(はいし)倭人伝】

稗史とは通俗的な歴史書等をいいます。
現在進行形の歴史を低い視点から見つめます。

舛添要一の汚い進退…バラケだした自民党

2010-03-16 19:53:42 | 自民党
自民党がバラケだした。
舛添要一も与謝野馨もそして鳩山邦夫まで新党、新党と口走っている。
いったいこれで自民党は参院選を戦えるのか?
まったく笑っていいのか、同情していいのか。

ただし桝添だけは笑って済ますわけにはいかない。
世論調査などでは、次の総理候補として毎度上位にきているが、「嫌いな政治家は?」という調査をすれば、間違いなく最上位にくるだろう。
多分小沢一郎の上に来る。

桝添は進退に汚い男である。
前回参院選の前後、「馬鹿につける薬はない」、「徹底的に資質に欠ける」と口汚く安倍晋三を罵っていたが、厚労相起用で豹変した。
安倍のあとの総裁選、告示日早々福田支持を打ち出し、厚労相留任。
後期医療に懐疑的な麻生太郎氏が首相就任直前の9月20日、突然、75歳以上の線引きを改めることを柱とする大胆な見直しを表明(asahi.com )
バカとは同席しないと言っていた麻生太郎にすり寄り厚労相留任でめでたく閣議で同席することに成功。
こんな動きは当然周囲に読まれてひんしゅくを買っている。
去年9月のの自民党総裁選挙に色気を見せていたが、森に因果を含められて出馬を断念。

今頃、新党騒ぎをするぐらいなら、何故あの時立たなかったのか!

舛添氏「新党つくるなら与謝野氏が先」 (YOMIURI ONLINE 3/13)
自民党の舛添要一・前厚生労働相は13日、福岡市の民放番組に出演し、谷垣総裁の辞任を求めている与謝野馨・元財務相について、「私とどっちが先に新党をつくって飛び出すかというと、与謝野氏が先という勢いだ」と述べた。


どうにも踏ん切りの悪い男だ。
こういうことには勢いというものが必要だろう。

 自らの今後の対応については、「新党から党内改革まであらゆる可能性がある。党内に残るなら執行部を握ることになる」と述べ、ポスト谷垣を目指す意欲を改めて示した。

そのために総裁選をやったのだろう!
執行部は総裁の下にある。
「執行部を握る」のは、総裁である。
そのために自民党には総裁と言う役職があり、任期があり、選挙がある。
「執行部」を握りたいなら、桝添も選挙に立候補するべきだったし、そうしなかった以上、次の選挙まで待つべきだろう。
「執行部を握る」手続きが選挙である。
自分で立候補を見送りながら、後からナンクセをつけるのは男らしくない。
桝添だって、自分が降りた時点で谷垣が総裁になることは分かっていただろうし、もしかして自分も谷垣に入れたのではないか?
もっとも誰に入れようと正当な手続きのもとで行われた選挙である。
谷垣降ろしは選挙という手続きを否定するものであり、民主主義そのものの否定につながる。

 新党については、「今、新党をつくっても賞味期限が切れてしまう。むしろ(夏の参院選)直前に一気にやった方が有利かなと思う」と語った。
(2010年3月13日23時11分 読売新聞)


桝添新党は賞味期限は3ヶ月程度らしい。
そんな政党を作ってどうするつもりだ。
目新しさ・話題性だけで選挙に臨むつもりのようだが、政治を弄ぶにもほどがある。

政治に対する真剣さという点では、小沢一郎の足下にも及ばない。

ところで谷垣が降りればまた総裁選が行われることになるだろう。

2006年9月20日 安倍晋三 464 麻生太郎 136 谷垣禎一 102
2007年9月23日 福田康夫 330 麻生太郎 197
2008年9月22日 麻生太郎 351 与謝野馨 66 小池百合子 46 石原伸晃 37 石破茂 25
2009年9月28日 谷垣禎一 300 河野太郎 144 西村康稔 54


自民党総裁選もいまや年中行事となった感がある。
これだけ見たら、自民党総裁の任期は1年のように見える。
実際は3年である。

こんなに念入りに何回も選び直していたのに!
自分たちで選んだ総裁を次から次へと取り替える。
これで政党と言えるのか?
選んだ責任というものがある。

鳩山邦夫が自民党離党、というニュースが流れた。
連休前の新党結成を、ということらしい。

桝添、与謝野、鳩山邦ら三人の動きが、今のこの国の政治の惨状を如実に現している。

二大政党制というのは、小沢が唱えた小選挙区制選挙がその前提あるいは手段となるはずのものである。
さらにいえば、小沢が目標・理想としている政治原理は政党政治である。
小沢は、その目指す政治の基盤を憲法に求めている。
その日本国憲法には三権分立という思想は明確には現れていない。
憲法が前提としているのは政党政治である、と小沢は考えている。

議院内閣制とは、三権分立ではなく政党政治ということの方により親和性のある制度である。
小沢は馬鹿正直にその政党政治の原理を追い求めている。

小沢一郎としては、ようやく二大政党制の出発点に到着したという思いがあるだろう。
しかしながら、二大政党制の相手としては、現在の自民党では大いに不足である。
政権交代可能な二つの政党。
そのためには、一度自民党を分解した上での二大政党の対峙こそが、小沢の理想なのであろう。

桝添や与謝野、鳩山邦夫の動きは、小沢にとっては想定した範囲内での展開であるとも言える。
自民党解体・消滅という小沢の狙いに沿った動きである。
ただしこのままでは、一強四弱だか五弱だか六弱だか分からなくなりそうだ。

戦後60年、自民党政権が続いてしまったために、わたしたちは政党の在り方について深く考えることをしてこなかった。
政党政治とは、選挙によって第一党となった政党が政権を握るシステムである。
連立政権も数の問題上あり得る。
しかし選挙を経ずして離合集散・再編によって政権を握ろうというのは邪道である。
政党は作るだけのものではなかろう。
政党は育てるものでもある。

マスコミの報道も彼等についていきそうな人数を数えたり、人間関係を解説したりで、理念も政策も小沢一郎との対立軸も取り上げようとはしていない。
もともとないものを取り上げることは出来ないだろうが、せめて彼等の理念の無さを形だけでも論評するぐらいの良識を示したらどうか。
今のマスコミにはそれもまた無いものねだりか。

参院の桝添にしろ、衆院の与謝野・鳩山弟にしろ3年程度の任期を残している。
桝添・与謝野は早くも様子見の構えであるが、口先だけの人間である。
もしかすると3年間様子見を続けるかもしれない。
風向きと資金手当の両にらみだろうが、どちらも思うようにはなるまい。

邦夫については、自民党内では冷たい見方が多いようだ。
早くも、母親からのお小遣いに関して、邦夫を証人喚問だ、などと叫ぶ奴までで出て来ている。
どっちもどっちだ。

三人が声高に叫んでいることは、このままでは選挙が戦えないから、谷垣は降りろというだけである。
新党をつくって何をするというわけではない。
ちっぽけな計算はあるが、小沢に立ち向かうべき理念や政治構想があるわけでもない。

鳩山邦夫はいち早く飛び出した。
桝添や与謝野がぐずぐずしていればますます彼等の実行力・決断力のなさが浮き彫りになる。
邦夫はホントはドロ船からいち早く逃げ出しただけなんだが。
鳩山邦夫に何人がついていくか、邦夫にどんな風が吹くか、桝添も与謝野も息を殺して様子見をしている。

鳩山邦夫によると、

日本一頭のいい政治家……与謝野馨
日本一人気のある政治家……舛添要一
平成の坂本龍馬……鳩山邦夫

お笑い三人組!

参院選の予測もちらほらみられるようになった。
一人区での自民党全敗などという予想もある。
どうせ自民党にいて負けるのなら、もしかすると風が吹くかも知れない新党へ、と考える奴もでてくるだろう。

自民党としても困っているだろう。
参院選の候補者を早く決定しなければならないのに、もしかするとその中にも出て行く奴がいるかもしれない、と疑心暗鬼にとらわれる。
これでホントに勝負になるのか?




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自民党破産の恐怖! ネズミが逃げる準備を始めた 

2010-03-10 06:24:31 | 自民党
衆参予算委員会における自民党の狂態は、自民党支持者の目にさえもおぞましいものと映ったことだろう。
人材の枯渇だけではなく、政策そのものの不在、しかも政策立案の基礎になるべき理念の不在、そんなものが洗いざらい国民の目の前に晒されてしまった。
こんな連中がこれまで戦後一貫して政権を握り続けていたことに、あらためて驚きを覚えるし、背筋も凍る思いである。

彼等の武器は、「政治とカネ」だけである。
しつこく「政治とカネ」で下品で愚劣な攻撃を続けている。
しかし、その様子を見て、この連中を総理大臣にしようと思う国民は一人もいないだろう。

彼等はいつの間にか、西松建設献金事件、陸山会事件、鳩山由紀夫政治資金問題をひっくるめて「政治とカネ」問題に変えてしまった。

一つ一つの事件は今となっては、極めてあやふやなものになってきている。
ほんとに犯罪だったのか。
検察からのリークが止まり、マスコミも個々の事件について報道することはめっきり減ってしまった。

すべて検察が起こした事件なのだが、郵便不正事件で検察の信用は徹底的に地に落ちた。
「検察の正義」は迷信だということが知れ渡ってしまった。

「検察が捜査に乗り出した」
「検察が事情聴取を行った」
「検察が家宅捜索を行った」
「検察が逮捕した」
というようなことが、当然には犯罪事実と結びつかないという常識が徐々に広まってくるだろう。

自民党が必死になってすがりついている「政治とカネ」という武器も竹光であることが分かってくるだろう。
そんな無謀な戦いを続ける連中の影に隠れて、逃げ出す準備に入っている奴らがいる。

桝添が派手に動いているが、こんな男についていく奴はいないだろう。
谷垣退陣を叫んでいるが、逆に谷垣に降りられたら困るのではないか。
出て行く口実がなくなる。
もっともそのときは又何か考えるのだろう。

桝添を幹事長に、などという声もあるようだ。
名案である。
もし桝添が引き受けるのなら是非やらせることだ。
そのとき桝添がどんな条件を出してくるか見ていよう。

「連帯保証人のハンコは押しません」

まず第一条件はこれだろう。
自民党には今借金が百二十億程度ある。
去年提出の自民党の収支報告書によると、平成20年度末の借金は以下の通りである。

三菱UFJ    34億円
三井住友    31億円
みずほ      31億円
りそな      23億円
合計      119億円

去年借金していればその分上乗せされる。
りそながトップだと思っていたが、何かあったのだろうか。

建物は自民党本部のビルで簿価15億。
土地は借り物、資産と言えばこの建物だけだが、国有地の上に立っている古くてでかいだけのものである。
たいした価値はないだろう。
買い手も見つからず、取り壊し費用で苦しむ公算のほうが大きい。

借金の担保はいれていない。
代わりにこれまでは幹事長と経理局長が連帯保証人になっていたらしい。
連帯保証人が二人だから借金の負担は半分ずつかというとそうではない。ひとりで全部被ることもあり得る。
これまでと違って、自民党は消滅する可能性もある。
現実的な心配なのである。

かつてある幹事長経験者が語っていた。
「幹事長を辞めて一番ほっとしたことは、連帯保証人を抜けたことだ」

経団連が自民党のスポンサーを降りる姿勢を示している。
その他のスポンサーからの政治献金も入ってこなくなりつつある。
これから参院選がある。
借金がまた増えるかもしれない。

いくらメガバンクといえども、担保もなしにこれ以上貸し込むわけにはいかないだろう。
焦げ付いたら融資担当者だけではなく、銀行そのものの責任が問われる。
簡単には追加融資には応じるわけにはいかない。

逃げ出す奴らにも名分が要る。
今後の生き残りも考えなければならない。
そこで谷垣が飲めない要求を出している。
一応改革への姿勢を示したことにはなる。

一人だけ逃げ出すのはみっともない。
二・三十人は連れていきたいところだろう。
みんなに担がれて新党結成に踏み切る。
これが桝添の理想の展開であろう。
しかし桝添に新党は無理である。
小心者の桝添が新党旗揚げののために自分のお金を使うことはない。
つまりスポンサーを見つけることが前提になる。
自己宣伝のパフォーマンスと権力にすり寄るごますりだけで政界を泳ぎ回っているネズミ男の正体は誰もが分かっている。
すり寄ってくるのは、桝添の知名度だけを利用しようとしている奴らだけである。
お金のある奴は近づかないだろう。

与謝野まで、谷垣に退陣要求を出したらしい。
こいつも新党なんて口走っている。

こっちも本音は逃げ出す準備だろう。
今の自民党を引き受けるつもりなどさらさらあるまい。

自分で新党を立ち上げる力もなく覚悟もない奴らばかりである。
だれか自分を担いでくれる奴が現れるのを待っている。
あるいは、どこかから早くお呼びがかからないかと心待ちにしている。
ひとまず、こちらの準備は出来ているという合図は出した。
みんなの党か、平沼か、それとも亀井あたりが手をさしのべてくるかもしれないなどと淡い期待を持って待っている。

鳩山邦夫あたりをおだててお金を出させようと狙っている奴もいるだろう。

そして今度は山本有二議員である。

自民 党の改革求める動き続く (NHKニュース 3/9)
自民党内では9日、山本有二元金融担当大臣らが執行部に党改革を進めるよう申し入れることにしているなど、党運営に不満を持つ議員の動きが続いており、党の結束を訴える執行部は、対応に苦慮しています。


こうしたなか、経理局長を務める山本元金融担当大臣や政務調査会長代理を務める鴨下一郎元環境大臣らが9日、党改革を進めるよう谷垣総裁あての申し入れを行うことにしています。


経理局長を務める山本元金融担当大臣?
例の連帯保証人ではないか!

離党覚悟か、離党狙いか?
それとも単に経理局長からはずれることを狙っただけか?
あんまり分かりやすくて笑ってしまう。

もう一人の連帯保証人・大島理森はどうしているか?

「顔怖い」相次ぐ批判に大島幹事長キレた「辞めてもいい」 (ZAKZAK 3/5)

「私が辞めて自民党の支持率が上がるなら辞めてもいい」-。自民党の大島理森幹事長が4日、党本部で開いた当選5回の衆院議員との意見交換会で、執行部批判に“逆ギレ”する一幕があった。

 大島氏に対しては、3日に意見交換した当選1、2回生議員からも「テレビに映る顔が怖い。ちょっと芝居がかっていて直してほしい」(平将明衆院議員)といった不満が出たが、その際は「気をつける」と低姿勢をみせていた。


ここまで来ると自民党も完全に終わりだろう。
「顔が怖い」?
顔にまで注文をつけられては、大島もやってられないだろう。
しかし、まだまだこの程度では逃げられないか?
近いうちに、「辞めてもいい」でなく、「辞めたい」と言うようになる日がくる。
しかし、グズグズしていると間に合わなくなる。

逃げ出す奴が増えると、残った奴の借金返済の負担が重くなる。
早い者勝ちである。
ますます動きは加速していくだろう。
メガバンクもおっとり構えていては貸し倒れになってしまう。
早く取り立てに掛からないと、どこかが抜け駆けするかもしれないぞ。

近いうちに自民党を清算、残っている者で分担して借金を払おう、ということになるか。
そうでもしないと、連帯保証人になっている者は自己破産するしかない。

最後に残った者がババを掴む。
最後まで残るのは、麻生か、安倍か、はたまた森か?

小泉進次郎あたりをおだてて総裁にしておいて、みんなで逃げちゃうなんてのもいいかもしれない。





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小沢一郎はどのように自民党をぶっ壊したか? (徳間文庫)
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呪われた自民党…天皇の中国副主席会見問題

2009-12-16 16:22:24 | 自民党
なかなか収まりそうにない天皇の会見問題。
小沢の怒りの会見が火に油を注ぐ格好になっている。
争点はいくつかある。

宮内庁の30日ルールは、内閣を縛れるのか?
羽毛田宮内庁長官の政権批判は、そのやり方と内容が正当なものか?
中国副主席との天皇の会見設定は「天皇の政治利用」にあたるか?

これらについては前回投稿天皇の政治的利用と私的利用で簡単ではあるが取り上げたので今回は触れない。
さて、政権奪回を至上命題とする自民党に目を転じてみよう。
”天皇”という言葉を聞くと血が騒ぐ奴らがいる。

安倍元首相、陛下の政治利用を批判 メールマガジンで (産経ニュース12/12)
政権の暴走は危険水域に入った-。自民党の安倍晋三元首相は12日付のメールマガジンで、鳩山由紀夫首相が14日に来日する中国の習近平国家副主席と天皇陛下の会見について、通常の手続きを踏んでいないにもかかわらず実現を指示したことを強く批判した。
(後略)


「安倍晋三と産経」という最強コンビである。
鋭い批判が展開されるか、と思ったがインパクトはゼロ。
しょうがなくメルマガ本体にあたる。

安倍晋三はメルマガで二度この問題を取り上げている。
最初は12/12である。産経の引用はこれであった。
鳩山内閣 ルール破りの中国副主席、天皇陛下との会見ゴリ押し

これでは言い足りなかったのであろう。
12/14にもう一度書いている。
こちらは多少安倍晋三らしさがでている。

天皇陛下と中国副主席会見 断念すべき
天皇陛下の権威は日本国の権威であり、日本の歴史、文化、伝統はその権威と共に在るといってもよいでしょう。

鳩山政権が誕生し、岡田外務大臣が陛下の国会開会式に於けるお言葉にクレームを付けました。

そして今回、自分達の利益の為に、皇室の権威を売り渡すという暴挙を平然と行い、恥じるところがありません。

左翼政権の持つ共通の特性は「傲慢さ」です。

鳩山政権には先人が築き上げ、守って来た伝統、文化、権威に対する謙虚な姿勢は微塵も感じられません。


相変わらず寝言みたいなことを言っている。
一部のファンにはうけるのかもしれない。
「血が騒ぐ」奴がまだいる。

天皇陛下と中国・習近平国家副主席との特例的措置による会見に強く抗議する  (2009/12/14 )
まるで日本が中国の属国になった感があります。
元首ならいざ知らず、外務省も宮内庁の判断でも会う必要を認めていないのに、強引にルールを無視して面会することになりました。
このような天皇陛下を政治利用しようとする憲法違反に断固反対し、日本会議国会議員懇談会、神道政治連盟国会議員懇談会、真・保守政策研究会の同志と政府に対して厳重に抗議して参ります。
衆議院議員 平沼赳夫


天皇の政治利用ということに関しては、本家本元のような連中である。
「天皇陛下を政治利用しようとする憲法違反」というが、日本国憲法は「天皇の政治利用」なんてことについてはなんら触れていない。
(政治的権能を有しない、と規定しているだけである)
見過ごせないのが次の文言。
「外務省も宮内庁の判断でも会う必要を認めていない」
内閣総理大臣の言葉よりも、外務省や宮内庁の役人の判断を優先させると言っている。
まあ、すべて役人任せの自民党政治家(平沼は一時放浪しているだけ)ならではのセリフであろう。

「血が騒がない」のに騒いでいるフリをしている男もいる。
谷垣自民党総裁である。

天皇特例会見に野党反発 首相「間違っていない」 (asahi.com 12/14)

(自民党の)谷垣禎一総裁は13日の記者会見で、「この政権は権力の行使について抑制の感覚を持っているのか。特に、憲法の運用の中でも天皇と政治の関係は極めてデリケートなものだ。いまさら言うことでもないが、天皇の国事行為は極めて限定されている。日本の政治のデリケートな部分に対して権力をどう行使するかという方向感がめちゃくちゃだ」と語った。


テレビで見た谷垣の口調はことさら力を込めたものだったが、中身は焦点がぼけている。
「政治のデリケートな部分に対して権力をどう行使するかという方向感」
こんな言い方では、攻撃される方も痛くもかゆくもない。

なにはともあれ、民主党攻撃に足並みをそろえた格好なのだが、例によって、民主党に向けた攻撃がことごとく自分にはね返ってくるという呪いが懸かっている自民党。

前原がバラしてしまった。

天皇陛下・習副主席会見問題 前原国交相「自民党の方から要請が総理官邸に届いた」 (FNNニュース 12/15)
天皇陛下と中国・習近平国会副主席の面会実現問題は、意外なところに飛び火している。口火を切ったのは、前原国土交通相だった。
前原国交相は「元内閣総理大臣の方から話があったというふうに、わたしは聞いております。自民党の方から、そういう要請が総理官邸のもとに届いたと」と述べた。
また、平野官房長官は、「(12月7日に中曽根元首相が官邸を訪れているが?)官邸に来られたかどうかも、それは承知しておりません」と述べた。
これに対し、自民党の谷垣総裁は、「事実関係は把握していない」としたうえで、「責任転嫁だ」と反発し、泥仕合の様相も呈してきた。
中曽根事務所は、FNNに対し、「担当者がいないのでコメントできない」としている。


前原は、”元内閣総理大臣”とだけ言っていたが、平野官房長官が中曽根の名前をしっかり出している。
ついでに鳩山もぶら下がり会見で、

「あー、元総理からなどというようなことに関しては、いまの立場から申し上げることはいたしません。また、わたくしに直接そのようなおたずねはありませんでした」

肯定はしないが否定もせずに、前原・平野の話を裏付けている。
因果応報。

呪いは広がりを見せる。

宮内庁、外務省…広がる懸念 「亡国」批判も 天皇特例会見問題 (産経ニュース 12/15)
別の外交筋はこう解説する。中曽根氏ら自民党の政治家は「われわれが『ルール破りはダメです』と説明したら理解してくれたが、民主党側は、まるで中国の走狗(そうく)となった」という。
(阿比留瑠比)


ここで言う中曽根がバカ親かバカ息子の方かは判然としないが、自民党の政治家の代表として挙げているところからみると、バカ親の方なのだろう。
わざわざ「良識ある自民党政治家」の代表として挙げた中曽根が騒ぎの張本人というのでは産経の看板記者も格好がつくまい。





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自民党が党名変更?+頑張る産経

2009-11-26 08:29:40 | 自民党
自民党の動きもなかなかスピード感がある。
予想を超える機敏さである。

政権奪回へ自民が3理念、党名変更も検討課題 (YOMIURI ONLINE 11/25)
 自民党の政権構想会議が年内にまとめる政権奪回に向けた基本理念の原案が25日、明らかになった。

 政府の市場への過剰介入を避けることなど、三つの目標を掲げたほか、検討課題として党名の変更を挙げた。党所属議員の議論を経て、来年1月24日の党大会での承認を目指している。

 原案では「国民に『自由民主党』という党名に対する拒否反応がある」と指摘した上で、党名や綱領の変更を検討項目として提案した。党名変更は1993年の細川政権成立で下野した際も議論されたことがあるが、94年に村山政権で与党に復帰したことや、比例選での党名投票で不利になるなどの意見を考慮して、シンボルマークの変更にとどめた経緯がある。


早くも党名に見切りを付けたらしい。
「党名や綱領の変更」まで実行すれば、まるで別の党になれる?
勘違いはこの部分。
「国民に『自由民主党』という党名に対する拒否反応がある」
国民の拒否反応は、”党名”に対してではなく、これまでの悪業や議員達に対してなのだが。
党名を変え、綱領を変えて別人に成り済まそうとしてもそうはいかない。

しかし、この党名変更は是非にもやって貰いたい。
議論の過程でいろいろな動きが出てきて、瓦解の動きがさらに早まる。
新しい名前が決まった後でゴネる奴もでてくるだろう。
名前はしっかり持っていかないと、ちゃっかりと使う奴も出てくる。

一方、三つの目標として〈1〉資本主義制度を円滑に機能させる〈2〉民主主義を堅持する〈3〉社会の安定を確保する――ことを挙げた。その方策として、経済成長を通じた歳入増による社会保障分野の充実、多様な意見を反映できる選挙制度への改正、地域共同体を利用した国民の「協同連帯」の強化の必要性などを示した。

どれも立派な目標である。
誰にも反対できないだろうが、これでは民主党と区別がつかない。
”多様な意見を反映できる選挙制度への改正”というのは中選挙区のことか?
小選挙区での勝負は諦めたか。
”協同連帯の強化”というのは五人組のようなものなのかな。

さてこれをまとめた政権構想会議とは?
議長 谷垣禎一
議長代理 伊吹文明

委員  大島理森・田野瀬良太郎・石破茂・尾辻秀久・谷川秀善・加藤紘一・額賀福志郎・園田博之・村上誠一郎・野田聖子・河野太郎・西村康稔・井上信治・舛添要一・川口順子・丸川珠代・石田治一郎(長野県議会議員)・藤代耕一(横浜市会議員)


大物が揃っている。
案外、党名変更も実現できるかも知れない。
楽しみなことだ。

一方、その自民党を応援する産経も頑張っている。
わざわざ取り上げるほどのことではないのだが、あんまりおかしいのでご紹介したい。
朝刊一面のコラムというから、内部ではそれなりに権威があるのだろう。

【産経抄】11月25日
 本当に鳩山由紀夫首相は宇宙人かもしれない。自らの献金をめぐって次々と疑惑が明るみに出ようが、国会でろくな審議もしないで採決を強行しようが、米軍普天間基地をめぐって閣内がバラバラだろうが、支持率は6割を超えている。


確かに色々問題が多いのはその通りなのだが、それなのに支持率が6割を超えているというところが気に入らないらしい。
しかし、なんでそれが「本当に鳩山由紀夫首相は宇宙人かもしれない」という感慨につながるのか分からない。

▼メディアは、東京地検が首相の元秘書を政治資金規正法違反で立件する方針と報じたが、それでも「鳩山人気」は大して落ちないだろう。本人も偽装献金の原資が自らの資産とあっけらかんと認めており、世間の怒りもさほどでもない。

鳩山人気が落ちないのが面白くない。
本人があっけらかんとしているのが気に入らない。
世間の怒りがさほどでもないのも気に入らない。

 ▼きのうは首相の祖父である一郎氏が55年前に「日本民主党」を創設した記念日だったが、一郎氏の私邸である「音羽御殿」は、いまや都内屈指の観光スポットになっている。入館料500円を払って見物してきたが、邸内は中高年の善男善女であふれかえっていた。

入館料500円を取られたのがくやしい。
善男善女であふれかえっていたのが面白くない。

 ▼御殿は、一郎氏が大正13年、41歳のときに建てた豪壮なイギリス風洋館。広々とした庭といい、しゃれたサンルームといい、セレブな宇宙人が住むのにふさわしい。こういう恵まれた環境で育てば、2億や3億もちょっとした小遣いにしか感じないのかもしれない。

豪壮なイギリス風洋館が気に入らない。
広々とした庭が気に入らない。
しゃれたサンルームが気に入らない。
2億や3億もちょっとした小遣いにしか感じない金持ちがうらやましい。

 ▼誠にうらやましい限りだが、鳩山首相は6年前のメールマガジンで、こう発信している。「政治家は基本的に金銭に関わる部分は秘書に任せており、秘書が犯した罪は政治家が罰を受けるべきなのです」と。

 ▼秘書の罪が立証されれば、直ちに責任をとれ、とはいわないが、丼勘定がお好きな首相は経済の勉強が足りない。日経平均株価は就任時に1万円台を超えていたのに、今や9401円。869円も下がってしまった。欧米の株価は高騰しているというのにだ。市場は世間ほど甘くない。小手先の事業仕分けに熱中している暇はないはずだ。


ようやく結論に取りかかろうとしたが、嫉妬に目がくらんでいる筆者は何を言っていいか分からないでいる。
”丼勘定がお好きな首相”と切って捨てた積もりのようだが、余りにも唐突過ぎる。
ここは鳩山のどこを指して”丼勘定”というのか一言説明がいるところである。
”2億や3億もちょっとした小遣いにしか感じない”ということと丼勘定は直接には論理的につながらない。
”経済の勉強が足りない”というのも笑わせる。
麻生と比べたか、安倍と比べたのか。
二ヶ月で日経平均が869円下がったことを言うが、去年のリーマンショックの後では、そのくらいは1日で下がっていた。
”欧米の株価は高騰しているというのにだ”という、この部分だけは正しい。
しかし、その帰結が、”市場は世間ほど甘くない”というのでは、思わずため息がでる。
「小手先の事業仕分けに熱中している暇はないはずだ」というのは、国民の間に無闇と評判のいい事業仕分けをやめさせようとする陰謀か?

妬みと当てこすりは目一杯盛り込んでいるが、論理性は完全に欠如しているこんな文章が産経の看板か。

ここまで程度の低いコラムというのは滅多にお目にかかれるものではない。




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田母神にも見捨てられた落日の自民党

2009-11-21 07:55:02 | 自民党
民主党の議員はどうも面白みに欠ける。
突っ込みを入れるのにも張り合いがない。
そこへ行くと自民党は多士済々であった。
なんと言っても大スター・麻生太郎がいた。
今でもいるが……、総理を辞めて活きの落ちた太郎なんて、浜に打ち上げられて3日も経った鯖のようなもので、とても食指は動かない。
福田にしろ安倍にしろ、総理の座にある間はそれなりに面白みがあったが、唯の議員になると、急にくすんだ存在に成り下がる。

しかしそれでもこの連中の方が、残り物の自民党議員のなかに置くとまだオチョクリ甲斐がある。

「麻生さんなら即死」安倍氏が鳩山首相の「恵まれた家庭」発言に皮肉 (産経ニュース 11/17)
自民党の安倍晋三元首相は17日夜、都内で開かれた会合で、鳩山由紀夫首相が自身の資産報告漏れ問題を「恵まれた家庭に育ったものだから」などと釈明したことについて「何言ったって平気という感じだ。麻生太郎前首相が言ったら(政治的に)即死だ。だけどセーフ。鳩山氏は支持率が高いからうらやましい」と皮肉った。


「恵まれた家庭に育った」鳩山を、「恵まれた家庭に育った」麻生を引き合いに出して、「恵まれた家庭に育った」安倍が笑っている。
考えてみると、この国も育ちのいい総理大事が続いているものだ。

 一方、自民党の退潮傾向については「もう少し下がることはあるかもしれないが、そろそろ底に当たった音が聞こえるころだと思っている」と強調した。

それは安倍の勘違いである。
底なし沼には底はない。

こんな奴にも見離されている。

自民、田母神氏に参院選出馬を打診 本人は拒否 (asahi.com 11/20)
自民党が田母神(たもがみ)俊雄・元航空幕僚長(61)に対し、来年夏の参院選比例区からの立候補を打診していたことがわかった。田母神氏に断られたため、航空自衛隊OBで松下政経塾生の新顔、宇都(うと)隆史氏(35)の擁立に切り替えたという。
田母神氏は昨年10月、「我が国が侵略国家だったというのはぬれぎぬ」と主張する懸賞論文を投稿していた責任を問われ、更迭された。イラクでの航空自衛隊の活動は違憲とした名古屋高裁の判決に「そんなの関係ねえ」と発言するなど歯にきぬ着せぬ発言などで知られ、現在、各地の講演では持論の核武装論を展開している。
 野党に転落した自民党は参院選の目玉候補探しに躍起になっており、自衛隊関係者からの候補者を探していた党幹部らが出馬を打診した。田母神氏は拒否したが、宇都氏を支援する考えを自民党側に伝えているという。


本人にしてみれば、今のお気楽で優雅な生活を棄ててまで、落ち目の自民党に何が悲しくて入らなくちゃならんのだ?というところだろう。

保守政党として再生の道を探している自民党にとっては是非にも欲しい極右のお笑いタレントであるが。
どうやら自民党のいう保守とは極右を指している。

省みれば、保守政党として再生を図らねばならない自民党としては、惜しい人材をずいぶんと失ってしまった。

筆頭はこの男である。


この男も忘れがたい。


口が災いして5日で国交相を辞任。
本人は確信犯の積もりだが、麻生内閣のケチのつき始めでもあった。
当選させても良かった男である。

彼等に比べてもお笑いタレントとしては遜色のないキャラクターの持ち主であるのだが……。



究極の保守政党。
真性極右政党の看板を掛けられるところだったのに。

民主の参院選候補公募、過去最高1978人名乗り (asahi.com 11/18)
来年夏の参院選をはじめ国政選挙の候補者を公募している民主党への応募者が、約2千人に達した。同党の石井一選挙対策委員長が明らかにした。公募は今月16日が締め切りだったが、その後も増え続け、18日現在で1978人の応募があった。「与党効果」で、過去最高の1300人を大きく上回った。面接などを経て、年内には合格者を決める方針だ。


こちらは旭日昇天の勢いである。

底なし沼と天井知らず。

沖縄基地問題で民主党がモタモタしても、平野官房長官が機密費をこそこそ使っても、強行採決で本会議を押し切られても、すべてこの間まで自分たちがやった来たことである。
党首がアホでもブレてもやっぱり自分に返ってくる。
民主党をいかに声高に非難してもすべて自分の所にはね返ってくる。

自民党はこの循環から抜け出さなければならない。
衆院選の総括ばかりではない。
結党以来の自民党政治の総括をし、国民に謝罪してからでなければ、何を言っても有権者の信頼・共感は永久に戻らない。

もっとも洗いざらいぶちまけたら、ほとんどの議員たちは刑務所に入るようになるかもしれないし、党そのものが即死であろう。
どちらにしろ、復活の目はないということになる。





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それでもやっぱり自民党には戻らない

2009-11-12 18:15:50 | 自民党
間もなく民主党政権が発足して二ヶ月になる。
この間、政府の動きは決して上々というわけではなかった。
個々にはとてもいただけないというものも多い。

「たとえば、」と言って、ここでそれらをあげつらうのは控えておこう。
国民の多くも、承知の上で政権を見守っているのだから。

JNN世論調査  調査日 2009年11月7日,8日



オット、間違った。
正しいのは下のグラフ。
よく見ると、麻生内閣の支持率と鳩山内閣になってからの不支持率がほとんど同じ水準である。
あの麻生内閣を支持した層がそのまま鳩山内閣不支持ということなのだろう。
”どこまでもついていきます下駄の雪”症候群か。



支持する政党については次の通り。

10月3日調査との比較
民主党 41.0% -2.3pt
自民党 18.2% +1.5pt
公明党 3.3% -0.5pt
共産党 3.4% +0.6pt
社民党 1.2% -1.0pt
国民新党 0.2% -0.1pt
みんなの党 0.6% -0.2pt
新党日本 0.2% +0.1pt
(それ以外の政党を支持) 0.2% -0.2pt
(支持する政党はない) 29.7% +1.1pt
(答えない・わからない) 1.9% +0.8pt


谷垣自民党の支持率が麻生自民党のそれとほとんどかわりが見られない。
ということは、麻生のせいで自民党が負けたというより、自民党そのものが有権者に見捨てられていたということだろう。

文句は言うまいと思っていたのだが……。
昨日から事業仕分けというものが始まっている。
テレビのニュースなどでも繰り返し報じられて、なかなかの賑わいを見せている。
これに亀が注文をつけた。
仙谷大臣の人選が気に入らないらしい。
しかし、この程度の人選は所管の大臣たる仙谷氏の専権事項だろう。
あの日本郵政に斉藤なんたらという渡り鳥を連れてきて、お供の渡り鳥も何羽か連れてきて、「わたしがよく考えて決めたことだ。文句あっか!」と言っていた男が
他の大臣のやった人事に口だしできるのか。
もし、連立政党の党首としての立場での発言ならば、鳩山に直接言うべきである。
ほかの場所で言うのは筋違いである。
(テレビカメラに向かって吠えていたが、鳩山に話しを通した後ならばわたしの誤解である)
仙谷大臣も、亀にちょっと噛みつかれたぐらいでオタオタするな。
国民新党から人を入れることにしたらしいが、もう少しシャンとしろ。

ついでにもう一つ。
暫定税率の話である。
暫定税率を廃止してかわりに環境税とやらを創設するとか。
差し引きリッター当たり5円程度安くなるらしいが、灯油などにも課税するので一般家庭では増税ということになるらしい。

これでは暫定税率の廃止ではなく、名称変更だろう。
どちらにしろ道路特定財源の一般財源化は自民党でさえ決めていたことである。
実質的にはそうはなっていないが。
一般財源にして環境に振り向けるというのと同じことである。
昨年春、一ヶ月間だけ暫定税率が廃止されていた。
来年度からの暫定税率廃止もそのときと同じことになると思っていたが、その分は別に新税として国民から徴収する?
まるで詐欺だ。

事業仕分けでもどうやら財務省の役人が仕切っている様子が見える。
郵政人事といい、新税の創設といい、なにか財務省が出しゃばりすぎているのではないか!
脱・官僚依存政治と言うのは結構だが、肝心なのは表面よりも実質である。

まあ多少モタモタしていても、支持率は今のところさほど落ちていないし、自民党は勝手に雲散霧消していくだろう。
だからといって、民主党よ、安心してはいけない。
突如、素晴らしい新党が出現して、国民の気持ちをわしづかみにするかもしれない。
4年間あると思っているだろうが、国民世論の力を侮ってはいけない。





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みんなでやろうぜ、右向け右!

2009-11-07 20:00:44 | 自民党
自民党に政権構想会議というものができているらしい。
その立派な名前の会議が最初に打ち出した政権構想が世襲議員容認とは!

自民政権構想会議、世襲候補の容認が大勢…参院選 ()YOMIURI ONLINE 10/30)

自民党の政権構想会議(議長・谷垣総裁)は30日、来年の参院選の候補者選定の方針を協議し、選考過程の透明化を前提に、「世襲」候補の立候補を容認する意見が大勢を占めた。
 同党は先の衆院選の政権公約で、国会議員の子や配偶者ら3親等以内の親族が同一選挙区から続けて出馬する場合は、次回の衆院選から公認しないと明記した。この方針は次回の参院選にも適用されると見られていたが、見送りとなりそうだ。


ちなみにこの会議のメンバーは、

議長    谷垣禎一 世襲
議長代理  伊吹文明 官僚
幹事    園田博之 世襲
      野田聖子 世襲
      舛添要一 テレビタレント
      河野太郎 世襲
      西村康稔 官僚


このメンバーにしてこの結論あり。
「世襲は悪」という国民感情に敢然と挑戦する意気込みがなければ党再生も政権奪還もおぼつかない。
次世代のエース小泉進次郎にも気持ちよく働いて貰わなければならないし。

毎日の記事によると、この会議の発足は10月16日。

自民党の再生策を検討する「政権構想会議」の初会合が16日午前、党本部で開かれた。議長の谷垣禎一総裁は「伝統、歴史、文化を大事にし、自助努力に基礎を置いた社会という政策の基本理念や組織(のあり方)を議論したい。年内に方向をまとめ、来年の通常国会に理論武装して挑みたい」とあいさつし……
(毎日新聞 2009年10月16日)


ここでもやはり「伝統、歴史、文化」

この会議も、それなりに仕事らしきことはしているようだ。
日を置かず次の会合を開いていた。
中身は、まあ興味とお暇があったら読んでみてください。

自民政権構想会議の勧告要旨 (jiji.com 11/6)

衆議院予算委員会では自民党はありったけの面子をそろえたようだが、結果は人材不足をありありと露呈してしまった。
初日から自信を持って論客(の積もり)を投入。

衆院予算委、攻守逆転で自民「ネチネチトリオ」炸裂 (産経ニュース 2009.11.2 )
野党・自民党は大島理森幹事長、町村信孝元官房長官、加藤紘一元幹事長と重鎮3人が次々に質問に立ち、現政権の経済・外交政策などを執拗(しつよう)に追及した。


応援団の産経にさえ「ネチネチトリオ」と呼ばれる始末である。
次の日は石破茂が前日の連中に輪をかけてネチネチ。
菅義偉は亀を怒鳴りつけて存在感を示した。

3日目は産経によると、

政権内の食い違い浮き彫り 自民、“左派色あぶり出し”成功? (産経ニュース 11/5)
「保守派の論客である自民党の稲田朋美氏が外国人への地方参政権付与についてただしたところ、首相は「前向きに考えている」と述べる一方、宇宙人的な答弁であいまいにかわした」

この日は、自民党のもう一人の保守派論客、下村博文氏も質問に立った。下村氏は平成11年8月成立の国旗国歌法に反対した菅直人副総理・国家戦略担当相、原口一博総務相、千葉景子法相、赤松広隆農水相、前原誠司国交相、小沢鋭仁環境相、福島氏の7閣僚を名指しし、「国旗を大臣室に掲揚しているか」と迫った。

 福島氏は掲げていることを明言したが、加えて「個人の思想、良心に極めて属している問題だ。学校現場で思想、良心の自由を侵害する形で強制するのは許されない」と答弁。下村氏は「思想、信条の問題ではない。学習指導要領は法規だ」とかみついた。


いよいよ自民党保守派のエセ論客・稲田朋美の登場。
映画「靖国」にナンクセをつけた極右女である。
衆議院議員わずかに2期目ではあるが、予算委員会という晴れ舞台に登場。
極右政党として再生を図る自民党の看板娘?
しかし、稲田といい、下村といい、この程度が自民党の論客なのか。

「国旗を大臣室に掲揚しているか」と迫った?
下村は、福島瑞穂はどうせ国旗を飾っていないだろうと思いこんで攻めたらしいが、案に相違して、「掲揚している」という返答に、あてがはずれたという風情だったらしい。
(この場面は見ていないので)

福島も、国旗を掲揚しているなどと言い返して得意になっている場合ではなかろう。
「国旗は飾っていないけれど、それが何か?」ぐらいの切り返しが欲しかった。

松井秀喜がワールドシリーズでMVPを獲得したり、イチローが9年連続200本安打の大リーグ記録を作ったりしたとき、日本人のほとんどは心から彼等の偉業を喜び、なにがしかの誇りを感じたことだろう。

自民党の連中が大好きな「愛国心」というようなものは、ことさら大げさにわめき立てるものではない。
松井やイチローの活躍を喜び、声援を送り、あるいは試合場で日の丸を振ることも、”愛国心”(わたしはこの言葉が好きではないが)、そういうものの表れである。





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自民党の算術・報われない努力

2009-10-28 18:17:17 | 自民党
民主党も大分モタモタしているが、自民党の方がそれ以上なのでまだまだ余裕をもっていられる。
自民党は、てんでんバラバラに分解・消滅への道を探っている。
本人達はそれぞれ大まじめに駆け回っているのだろうが、藻掻けば藻掻くほど死期を早める。

真保守研、再始動へ 安倍元首相を新会長に (産経ニュース)
2009.10.28 01:01
 保守勢力の再結集を掲げる自民党国会議員を中心とした「真・保守政策研究会」は27日、国会内で衆院選後初の幹部会を開き、民主党を中心とする政権が誕生したのを受けて、活動を再開させる方針を決めた。11月中旬にも総会を開く。また、平成19年12月の発足から会長を務めていた中川昭一元財務相の死去を受けて、後任に安倍晋三元首相を内定した。

 安倍氏を会長にする人事は、中川氏が衆院選落選直後に希望していたといい、中川氏の遺志を継ぐことを重視した。

 真保守研は、先の衆院選で、所属する議員が77人から45人に減少した。このため幹部会は、自民党を中心に新たに参加者を募ることも決めた。


自分たちこそ自民党の救世主たらんと思いこんでいるのだろうが、ここまでの自民党没落の最大の功労者たちである。
中川昭一から安倍晋三への交代劇というのも落ち目の自民党を見事に象徴している。

保守という言葉につられるのは、もともとの右翼連中だけである。
多くの有権者にとってはもはや死語である。
もともとの自民党支持者に訴えるだけのことで、離れていく有権者の方が多い。
もっとも、彼等の趣味の集まりと考えれば騒ぐほどのことでもない。

故中川元財務相、正三位に  (NIKKEI NET 10/27)
政府は27日の閣議で、4日に東京の自宅で死亡しているのが見つかった故中川昭一元財務相を正三位に叙し、旭日大綬章を贈ることを決めた。


勲章が欲しければやればいい。
しかし位階は不要であろう。
一般に”官位官職”といわれる。
”官職”は職務を表す。
古くは、左大臣、右大臣、大納言等々ピンからキリまである。
その上に太政大臣、さらには摂政・関白。
現代ならば、内閣総理大臣、衆議院議長、東京都知事、長崎市長、広島警察署長、あるいは東海村役場庶務課長、大阪府警巡査、海上自衛隊二等陸士等々が官職に当たる。
しかし現在、官位(位階)は死後にのみ与えられることになっている。

生前贈れないものが、なぜ死後ならいいのか?
勲章に等級をつけるのはいい。
しかし官位は別である。
官位は天皇の臣下たる者の序列である。
戦後一旦廃止された生前叙勲が復活したときにも、復活できなかったのが生前叙位である。
奈良時代以前からの天皇統治のシステムを今に残す事の意味はまったくなかろう。
国民と天皇との関係が変化しているのである。
気分の悪い制度である。

政権交代を機に官位制は廃止して貰おう。
それにしても、民主党政権が最初に追贈した官位が中川昭一というのは皮肉と言うべきか。
民主党政権樹立に大いなる功績はあったのは間違いないが……。

他にも次の選挙に向けて一生懸命やっている積もりの奴らがいる。

自民、世襲制限を事実上撤回 (asahi.com 10/23)
自民党は23日の臨時役員会で、次の総選挙の公認候補予定者となる小選挙区支部長の選任基準を決めた。比例区での復活当選者を含め現職は原則支部長とし、落選者は年齢や惜敗率、地方組織の意向などを勘案して年内に決める。8月の総選挙でマニフェスト(政権公約)に掲げた世襲制限は事実上撤回した。


世襲でも何でも、選挙に勝てる奴が良い候補。
第一、今や自民党内で世襲でない奴を探す方が難しい。
世襲否定は自己否定につながる。

しかし世襲候補を増やせば、国民はますます自民党を見離す。
世襲候補一人当選させれば、そのおかげで三人が落選する。
しかし、自民党ではこんな高等算術は理解できないだろう。

次は足し算。

改革クラブ、中村喜四郎氏加わり政党要件満たす (2009年10月19日 読売新聞)

改革クラブ(代表・渡辺秀央参院議員)は19日、無所属の中村喜四郎衆院議員が合流し、所属国会議員が5人となったと発表した。

 先の衆院選の結果、参院議員4人だけとなり、政党交付金を受けるための政党要件を失っていたが、中村氏の合流で回復した。


中村喜四郎は選挙はめっぽう強い。
汚職で裁判を受けている間も9年間当選を続け、有罪が確定して初めて議員辞職した男である。
刑務所を出てからまたまた当選を続けている。
政権交代など”どこ吹く風”と無所属で小選挙区を勝ち上がってきた。
これで4+1=5

自民、衆院会派名「自民党・改革クラブ」に (YOMIURI ONLINE 10/20)
自民党は20日午前、衆院の会派名を「自民党・改革クラブ」に変更することを衆院事務局に届け出た。

 改革クラブに入党した中村喜四郎・元建設相と統一会派を結成したことに伴うもの。衆院の新勢力分野は次の通り。

 民主党・無所属クラブ311▽自民党・改革クラブ119▽公明党21▽共産党9▽社民党・市民連合7▽みんなの党5▽国民新党3▽国益と国民の生活を守る会3▽無所属2


201+5=206
201は衆参合わせての自民党議員数である。
大勢に影響はないが、溺れる者はわらをも掴む。
こんな奴らは、いざ選挙の時には何の役にも立たないということが見えていない。

次は引き算。

河野太郎氏、青木前参院議員会長に引退勧告 (YOMIURI ONLINE 10/22)
自民党の河野太郎国際局長は22日配信の自らのメールマガジンで、来夏に改選を迎える青木幹雄・前参院議員会長について、引退すべきだとの考えを示した。

 河野氏は「参院選の候補者は、勝てる候補に差し替えなければならない。青木氏が自分はやるけどダメな奴(やつ)は差し替えるよとか、自分がやるからみんなやろう、というわけにはいかない」とけん制した。


引き算の対象は森喜朗や青木幹雄である。
しかし、彼等こそ自民党の精髄である。
彼等こそが自民党なのである。
彼等がいなくなったら自民党が自民党でなくなってしまう。
まだまだ現役で活躍して欲しい人材である。

無理な引き算に挑戦などせずに自分が出て行った方がよさそうなものだが……。

何を足そうが何を引こうが、結局は引き算になってしまうのが今の自民党である。




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取り残される自民党

2009-10-15 05:59:20 | 自民党

政治は動く。
政治は変わる。
そんなことを実感させる日々が続いている。
政策に賛否もあろうし、その進め方にも異論が皆無とは言えまい。
しかし、全員が真剣に政治に取り組んでいるのはひしひしと伝わってくる。

それにひきかえ、

谷垣まんじゅう、賞味期限は60日 届いた本人微妙 (asahi.com 10/10)
 小泉純一郎元首相の「純ちゃんまんじゅう」などで知られる東京の菓子会社「大藤」が10日、自民党の谷垣禎一総裁にちなんだ商品の販売を始めた。12個入りで630円(税込み)。その名も「よみがえれ!自民闘 勝栗まんじゅう」。野党転落後、「火中の栗」を拾った谷垣氏にエールを込めて名付けたという。
           

9日に試食した谷垣氏は、賞味期限の長さが売りと聞いて「末永いお付き合いということですね」とご満悦。ところが肝心の期限が「60日間」とわかって微妙な空気が流れ、茂木敏充・党報道局長が「まんじゅうの60日は(総裁)任期の6年ですかね」ととりなした。(冨名腰隆)


谷垣には60日と言わず6年でも60年でも、自民党が存在し続ける限り、総裁でいてほしい。
普段は理論派らしい顔をして偉そうに民主党を責めていた茂木もこんな訳の分からぬお追従を言う。
落ち目の党というのはこんなものだろう。

「英国のまねで良くなるのか」自民幹事長、小沢氏を批判 (産経ニュース 10/13)

   
自民党の大島理森幹事長は13日の記者会見で、民主党の小沢一郎幹事長が官僚答弁の禁止などを目的とした国会法改正を目指していることに「何でも英国のまねをして日本の政治は良くなるのか。国会のルール作りに絶対強行採決をしてはならない」と批判した。


これまで自民党国対委員長として、強行採決や再議決を繰り返してきた大島幹事長だからこそ言える核心をついた指摘である。
強行採決の威力は誰よりもよく知っている。
この男、面の皮の厚さでは全国会議員中随一であろう。

自民党の動きの緩慢さにはあきれるばかりである。
民主党は、内閣も党も連日目一杯の仕事をしている。
政治が毎日激しく動いている。
自民党はこの政治のダイナミックな流れから完全に取り残されている。

まんじゅう談義をしている間にも味方は離れていく。

経団連:09年分の政策評価「採点見送り」 献金額は自主判断に (毎日jp 10/14)
日本経団連は13日、会員企業が政治献金をする際の指針となる「09年政策評価」を発表した。昨年までは10分野の政策を5段階で採点してきたが、今年はそれを中止。民主、自民両党への期待を短文で表現するにとどめた。両党の政策の優劣を示す表現はせず、献金額は会員企業の自主判断に委ねた。採点の中止は政策評価を始めた04年以降で初めて。
経団連は自民党が最初に下野した93年、企業献金あっせんを廃止。「カネは出すが口も出す」と、奥田碩会長(当時)が04年に政策評価を導入し、献金あっせんを再開した。民主、自民の政策について「合致度」「取り組み」「実績」の3項目に分け5段階で評価。これまでは自民党の評価が一貫して高く、会員企業の08年の献金額は自民党26億9900万円、民主党1億900万円と差がついていた。


もともとは自民党へ献金するためにどうでもいいような政策評価をやっていただけだ。
経団連にとって都合のいい政策を挙げて都合のいい評価を下す。
結果ははじめから見えているが、試みに2008年度の評価をみてみる。
10の政策で合致度欄は

自民党 A 7   B 2   C 1
民主党 A 0   B 3   C 6  D 1


今年もこんな評価を下したら、政権与党に喧嘩を売るようなものだろう。
お金で政策を買うようなことを続けた来た経団連だが、自民党からはもう買う物はなくなってしまった。
献金したくても口実がない。
下手すれば、株主から訴えられる恐れまである。
そっと手を引くに如かず。

神奈川・静岡参院補選での共闘を断った公明党も、さらに自民党から離れだしている。
というより、自民党を見捨てたと言ったほうがいい。

公明ゆるりと自民離れ=「らしさ」求め是々非々で (jiji.com 10/11)
公明党が野党転落以降、自民党と少しずつ距離を置き始めた。与党時代、同党との連立維持を優先したあまり、「らしさ」を犠牲にしたとの思いが背景にある。ただ、民主党に擦り寄るわけにはいかず、当面は二大政党と是々非々で対応しながら、地力の回復に努めることになりそうだ。
(中略)
実際、連立時代から続けていた幹事長らによる自民党との定例会合の誘いも、「必要なときに」とやんわり断った。当面、国会対策での限定的な協力にどどまる見通しだ。
 一方、民主党との距離も簡単には縮まりそうにない。同党は選対委員長に公明党・創価学会批判の急先鋒(せんぽう)である石井一前副代表を起用。さらに、来年の参院選で改選定数2以上の選挙区で複数候補を擁立する方針を打ち出した。公明党は埼玉、東京、大阪の各選挙区に改選議員を抱えており、「うちをつぶしにかかっている」(関係者)と警戒感が先に立っているのが現実だ。(2009/10/11-14:19)


選対委員長石井一にはなるほど公明党つぶしの意味があったのか。
恐るべし小沢一郎。
公明党もしばらくは静かにしているほかはなさそうだ。




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つるべ落としの落日・自民党の凋落

2009-10-11 15:49:04 | 自民党
見出しだけで笑わせてくれる記事があった。

自民、影の内閣見送り…“大臣”ポスト争い心配 (YOMIURI ONLINE 2009年10月9日)
自民党は8日、政策立案と国会運営との一体化を目指して新設する「政権政策委員会」の概要を固めた。
(中略)
谷垣氏は、政権奪還の決意を示す観点からも、「影の内閣」設置に意欲を示したが、「『影の大臣』と、『大臣』の名がつけばポスト争いが始まる」との異論もあり、構想を変更した。


貧すれば鈍す!
落ちれば落ちたものである。
影の内閣の大臣ポストが争いの種になるとは!

影の内閣設置はもともと谷垣自身が言いだしたもののようだ。
しかし、どこまで本気だったのか。

臨時国会前に「影の内閣」 (京都新聞 10/2)
自民党の谷垣禎一総裁は1日、京都新聞社など報道各社の共同インタビューで、設置の意向を示していた「シャドーキャビネット(影の内閣)」を臨時国会までに発足させる考えを明らかにした。さらに臨時国会の招集時期や八ツ場ダムについて鳩山内閣の対応を批判した。
 -「シャドーキャビネット」の構想と発足時期は。
 「民主の『次の内閣』のようなものだ。臨時国会前に発足させ、(影の内閣の担当者には)国会の常任委員会理事と党政務調査会の部会長を兼務させる」


谷垣は総裁就任後、党三役こそ早々と決めたが、その後は実にのろのろとした歩みが続いている。
これまでのところ大体この程度までが決まっているがこの先もまだ時間がかかりそうだ。
実際に動き出している民主党に比べると、その動きの鈍さには目も当てられない。

■総裁 谷垣 禎一(平成21年9月28日選出)
■幹事長 大島 理森(平成21年9月29日決定)
  幹事長代理 二階 俊博 園田 博之 長勢 甚遠 茂木 敏充
  副幹事長 (筆頭)
林 幹雄 村田 吉隆 古屋 圭司 西野 あきら 木村 太郎
竹下 亘 松本 純 江渡 聡徳 梶山 弘志 柴山 昌彦
■選挙対策局長 二階 俊博
■経理局長 山本 有二
■情報調査局長 村田 吉隆
■国際局長 河野太郎
■報道局長 茂木 敏充
■財務委員長 遠藤 利明
■組織運動本部長 石原 伸晃
広報本部長 小池 百合子
■国会対策委員長 川崎 二郎(平成21年9月29日決定)
  副委員長 (筆頭)浜田 靖一
  委員 伊東 良孝 小泉 進次郎 斉藤 健 橘 慶一郎

■総務会長 田野瀬 良太郎(平成21年9月29日決定)

■政務調査会長 石破 茂(平成21年9月29日決定)

……等々。


まだまだ埋めなければならないポストがある。
さて影の内閣を作ろうと思って党内を見回したら、もうろくな奴が残っていない。
残っている暇な連中で組閣しようとすると次のような内閣になる。

内閣総理大臣   谷垣禎一
外務大臣      武部勤  (偉大なるイエスマン・アメリカのご用聞きに)
財務大臣      鴻池 祥肇 (税金を女に貢ぐ色ボケじじい)
法務大臣      稲田朋美 (筋金入りの極右女・靖国法案成立を) 
総務大臣      鳩山邦夫 (亀井と競争で郵政いじめを) 
厚労大臣      福田康夫 (あなたとは違う厚労行政を)
国交大臣      古賀誠  (全国津々浦々に高速道路を)
文科大臣      麻生太郎 (漢字教育の推進)
経産大臣      中川 秀直 (議員収入トップ・金集めの才能を生かす)
農水大臣      加藤紘一 (裏切った元親分に総理からの恩返し)
防衛大臣      安倍晋三 (美しい国はまだ道半ば)
内閣官房長官    森喜朗 (象の巨体・ノミの心臓・サメの脳みその本領を)
国家公安委員長   平沢勝栄(ええこと言いのええ顔しい)

内閣総理大臣より偉そうな奴が多くなってしまった。
『みんなでやろうぜ』の超重量級内閣。
自民党の本質を国民に理解してもらうためには魅力的な内閣だと自画自賛するのだが……。

谷垣にすれば、どんな内閣を作っても、民主党内閣に比べようもないみっともない内閣になるのは目に見えている。
やめたのは賢明であった。

笑わせてくれる記事をもう一つ

【石原知事会見詳報(1)】五輪招致「夢のため決して間違いじゃない」 (産経ニュース 10/9)

すでに石原慎太郎の見苦しい言い訳は多くの人が批判しているが、わたしも一つ取り上げたい。

都議選での与党自民党の敗北。
築地市場移転問題。
新銀行東京問題。
三男宏高の衆院選落選。
そこにこのオリンピック招致失敗。

弱気を見せることは男の恥と思いこんでいるただの駄目オヤジ。
内心、度を失っているので、強気な口調とは裏腹に言うことは滅茶苦茶である。
本来は怒るところなんだが、怒る価値もない、老醜をさらし続けているみじめな存在に過ぎない。
笑ってやるほかない。

「私が就任したときはね、東京の貯金、積立金というのは200億しかなかった。もうまさにですな、土俵を割りそうで、東京はですね、国から援助をもらわなかったら立っていけない交付団体に転落する寸前でしたが、人員の整理をし、歳費をカットしてですね、これは組合もですね、議会も全面協力してくれまして、10年間で1兆を超す積立金をつくりました。その金利だけでも、これ、今、金利低い時代ですけども、数百億はあるでしょう。
(中略)
これはやっぱり膨大な経費がかかるんですよ。そういったものを加えるとですね、150億円使わざるを得なかった。しかし、これはわれわれが苦労してやってきたね、財政再建の1つの余剰の分でありましてね、これやることで東京の財政は痛くもかゆくもありません。そういうものは、ちょっとね、冷静に眺めた上でね、要するに150億円の支出についてのうんぬんをしてもらいたい」
(中略)
で、その結果失敗に終わった、それにかかった経費もね、かなりのもので、かなりのものだ。そういうこともあらんと思うから、こっちは一生懸命になって、議会も一緒になって財政再建やってきたんでね、その余剰の部分で、ま、こういう夢を見ようということでやったのは私は決して間違いじゃないと思う。それをただ支出というものがね、無駄に終わったという形でとがめればね、日本中でこれからオリンピック言い出す国は、町はないよ」


結局、『東京都の財政はオレが立て直した。
そのほんの一部を無駄遣いしただけだ。
文句あるか!』ということである。

もともと『他人(ひと)の手柄はオレのもの、オレの失敗は他人のせい』
を貫いてきた男である。
『オレの作った金をオレが使って何が悪い!』
この程度の開き直りはどうということない。

この男はこんな言い分が通ると本気で思っている。
反論することも馬鹿馬鹿しいほどの世迷い言(よまいごと)に過ぎないのだが……。
少なくとも”まだらボケ”の進行が相当加速しているのではないか、と東京都民のために心配する。
そして首都東京の在り方は日本全体に影響する。
わたしたち全部に影響することでもある。
東京都民以外の人にとっても他人事ではないのである。

この男は、善悪いずれにせよ、他人より大きな評価を受けたがっている。
”大善人”も”大悪人”も同じ褒め言葉なのである。
この男にとっての最大の侮辱は、『普通のアホ老人』と言われることである。

麻生太郎と石原慎太郎が、中央からそして地方から競うように自民党凋落を引っ張ってきた。
石原慎太郎には残りの任期をさらにがんばって貰おう。
もっと見苦しくジタバタを続けるように!





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自民党は再生しない方がいい

2009-10-06 17:20:01 | 自民党
新総裁に谷垣禎一を選んだ自民党。
「みんなでやろうぜ」の谷垣と「腐ったリンゴを取り除け」という河野太郎、そして若いというだけの西村康稔という、不毛の選択肢のなかからの選択であった。
そして新総裁谷垣の選んだ新三役は、
幹事長  大島理森国会対策委員長(63)
総務会長 田野瀬良太郎政調副会長(65)
政調会長 石破茂前農林水産相(52)

まったく意外性も、清新さもない、サプライズなき人選である。
あるいはサプライズがないのがサプライズと言うべきか。
特に総務会長の田野瀬良太郎などというわたしたち一般市民にはまったく馴染みのない「だれ、それ?」というような人物。
なんのことはない、谷垣の選挙責任者だとか。

そして選挙対策責任者が二階俊博。
しかし今度の総選挙で二階派12人のうち、本人以外の11人全員を落選させおめおめと自分一人が生還した人間。
どんな選挙対策を展開するのやら。
発想は、二階が小沢のやり口に詳しいから、というところらしい。

そして次は幹事長代理人事。
政務調査会と国会対策の担当として園田博之前政調会長代理
組織担当に長勢甚遠元法相
報道担当に茂木敏充元行革担当相
他に参議院から二人を予定。
二階には筆頭幹事長代理という重々しい肩書きがついた。

質より量ということらしい。

中川昭一元財務大臣の突然の死去で一段と大きくなったのが”保守”のかけ声である。
保守とは守るべき価値があってこその保守であろう。
中身の議論はいずれそのうち。
とりあえず保守。

政権与党という衣を取り去ったら、保守というもう一枚の衣が出てくる。
そしてその中身は極右。

日の丸君が代、再軍備
靖国、改憲、神の国

戦後65年。
国民の大半は新憲法の下で生きてきた。
彼等の目指す戦前の価値を直接体験として持っている人は少数になってきた。
彼等のあがめる価値はすべて間接体験からの絵空事であると言ったら言い過ぎか?

戦後65年の歴史は無視して、見たこともない戦前回帰が保守なのか?

自民党に期待するところはなにもない。
できることなら、このまま消滅するのが一番国民のためになる。
復活はあり得ないだろうが、たとえ万が一復活しても、この顔ぶれではこれまでと同じことを繰り返すのは分かり切っている。

「保守」のかけ声で駆け回るほど国民は甘くはない。

鳩山総理の政治資金問題を追求してやろうと手ぐすねを引いているようだが、そんなことが自民党最大の政治課題なのか。
検察が捜査を始めたらしいが、そんなことは検察に任せておいて他に仕事を探したらどうか。

政権交代によって多少なりとも政治がわたしたちに近づいてきた。
戦後、日本は経済を中心に動いてきた。
戦後とは経済の時代であった。
国民の幸福は経済によって実現される、と多くの国民が思いこんできた時代であった。
しかし、主役が変わった。
経済成長、経済的利益の追求だけでは幸福実現は不可能であるということが露わになったのが、小泉以後のこの国の現実の姿である。

経済を国民の幸福につなげるために政治が主役にならなければならない。
自民党にはその役割は果たせない。
経済から政治へ。

政治の時代の始まりである。
そして次の主役が現れるまで、民主党には走り続けて貰いたい。


”時代”とまではいかなくても、せめて「政治の季節」といえるぐらいの長さは続くことを願って、当ブログの名称を「政治の季節」と変更します。
政・官・業の一角が崩れだしていることもきっかけのひとつです。


「狐と狸とカラスどもに怒りを」改め「政治の季節」をよろしく。





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高速道路無料化の一側面…民営化は正しかったか

2009-09-23 20:21:10 | 自民党
高速道路無料化に関する議論が妙な方向に向かっている。
というより、向けられている、と言った方がよい。
無料化に反対する側は思いつく限りのもっともらしい理由・口実を繰り出している。

受益者負担の論理
環境(CO2増加)問題
渋滞問題
痛みを受ける業種の言い分
事故の増加

そして今のところ、これらの理由を国民に刷り込むことに成功しているように見える。
しかし、真の問題は裏に潜んだままである。

実は高速道路無料化は郵政民営化以上の大問題であるとわたしは思っている。
もちろん、国民にとってではなく、自民党・官僚・高速道路会社とその関連企業、関連利益集団にとってである。
高速無料化への抵抗は今後益々強まっていくものと思われる。
それは、反・郵政民営化への抵抗をはるかに超えるものになる可能性がある。
郵政民営化が、今後まったく逆戻りしたとしても、郵政事業そのものは存在し続ける。
郵便局がなくなるわけではない。
しかし、高速道路無料化となると事情はまったく違ってくる。
事業そのものが消滅してしまうのである。

発端は道路公団民営化にある。
このデタラメ至極の道路公団民営化は、小泉純一郎の号令で動き出した。
小泉の走狗として無理に無理を重ね、横車を押し通したのが猪瀬直樹である。
それは道路公団民営化委員会の経緯にも明らかである。
猪瀬は、反対する人たちを抵抗勢力として印象づけることに成功して、反対者を次々と排除していった。

委員は、内閣総理大臣が直接任命した。

今井敬(委員長)(途中委員長職辞任・欠席) - 新日本製鐵相談役名誉会長、元社長。第9代経済団体連合会会長
中村英夫(途中から欠席) - 武蔵工業大学(現東京都市大学)学長
松田昌士(途中辞任) - 東日本旅客鉄道(JR東日本)元社長・会長
田中一昭(委員長代理)(途中辞任) - 政治学者
大宅映子 - ジャーナリスト・評論家
猪瀬直樹 - ノンフィクション作家・評論家
川本裕子(途中から欠席) - 早稲田大学大学院教授


残ったのは猪瀬直樹と大宅英子の素人二人である。
バランスシートも損益計算書もろくに読めない二人の評論家によって無理矢理進められたのが道路公団民営化なのである。
委員が次々と辞任していくのを小泉は無視して猪瀬一人に民営化を強行させたのであった。
七人の委員のうち、少なくとも四人の委員が欠けた時点で、この委員会は正統性を失っている。

果たして、出された結論は、自民党・国交省・道路公団・関係企業にとっては理想に近いものになった。
高速道路会社と資産保有・返済機構といういわゆる上下分離方式を考えだし、高速道路建設を採算無視でいくらでも作れるようにしてしまったこと。
民営化によって公団そのものが模様替えだけで実質的に存続できること。
借金返済後は高速道路を無料開放するというそれまでの共通概念をなし崩しにして、高速道路会社を永久に存続できるようにしたこと。
たしかに資産保有・返済機構は45年後に解散することになっているが、その後の道路会社の在り方は極めて不透明である。
無料化という方針が残っているともいないともはっきりしない状況である。

株式売りだし後でも三分の一の株式は国が保有することになっているが、無料化で収入の柱がなくなってしまうような会社の株式を買う人がいるとは思えない。
民営化は永久的な有料維持を意味する、というのが多くの方の共通認識である。

高速道路無料化は単に料金収受員の首切りだけではない。
この人たちは高齢者が多く、人員整理の影響はさほど大きくはない。
なんとでも対策は打てるのである。
問題は、本体とその周辺の膨大な人員と利権である。

実際に高速道路で飯を食っている人間の数がどれだけいるか正確に掴んでいるところはあるのだろうか。

2004年2月10日
特定非営利活動法人 建設政策研究所の提言・見解より
各公団の収支状況悪化の原因として公団OBの天下り先となっているファミリー企業がある。「民営化委員会」の調査によっても日本道路公団OBが700社に2500人、首都高速道路公団OBが300社に530人、阪神高速道路公団OBが150社に280人、本四公団OBが90社に150 人天下っていることが判明したと述べている。


民営化後はまったく自由な天下りができる。
現在はいったいどんなことになっているか想像もつかない。
ここに挙げられているだけでファミリー企業は述べ1450社もある。
(実際には重複しているファミリー企業もあるだろうからこれよりも少ないものと思われるが……)
多分孫会社、ひ孫会社、持ち分適用会社、資本関係があるその他の企業というとわたしのような素人では、その数は掴みようがない。

一例をあげる。

東日本高速道路株式会社
従業員 2700人

グループ子会社

ネクセリア東日本株式会社
 サービスエリア・パーキングエリア内商業施設の管理運営
株式会社ネクスコ東日本リテイル
 サービスエリア・パーキングエリアの直営店舗を運営
株式会社ネクスコ東日本エリアサポート
 サービスエリア・パーキングエリア内商業施設の管理点検業務など
株式会社ネクスコ東日本トラスティ
 用地調査管理業務、財産整理業務、道路敷地管理業務、社屋管理業務など
 ・料金収受業務
株式会社ネクスコ・サポート北海道(交通管理業務を兼営)
株式会社ネクスコ・トール東北
株式会社ネクスコ・トール関東
株式会社ネクスコ・トール北関東
・交通管理業務
株式会社ネクスコ・サポート北海道(料金収受業務を兼営)
株式会社ネクスコ東日本パトロール
株式会社E-NEXCOパトロール
・保全点検業務
株式会社ネクスコ・エンジニアリング北海道
株式会社ネクスコ・エンジニアリング東北
株式会社ネクスコ東日本エンジニアリング
株式会社ネクスコ・エンジニアリング新潟
・維持修繕業務
株式会社ネクスコ・メンテナンス北海道
株式会社ネクスコ・メンテナンス東北
株式会社ネクスコ・メンテナンス関東
株式会社ネクスコ・メンテナンス新潟

グル-プ関連会社
東京湾横断道路株式会社
東京湾アクアライン、海ほたるパーキングエリアの管理・運営
東北高速道路ターミナル株式会社
仙台南トラックターミナル、郡山トラックターミナルの管理・運営
株式会社NEXCOシステムズ
NEXCO3会社の経理、人事・給与システムや、高速道路の交通量、料金収入の計数を管理するシステムなど、基幹となるシステムの運用管理
株式会社高速道路総合技術研究所
NEXCO3会社の高速道路技術に関する調査・研究及び技術開発
ハイウェイ・トール・システム株式会社
料金収受機械保守業務を実施
株式会社NEXCO保険サービス
損害保険代理店業務、生命保険募集業務など


以上は東日本高速道路会社のホームページに載っているものだけである。
多分これらの会社が更に子会社・関連会社を作っているだろう。
6高速道路会社全体についても構成はほぼ同じである。
民営化によって国の監視の目も入りにくくなっている。
(料金値下げは、国の負担を増やすだけで人員削減にはつながらず、ファミリー企業を温存するだけである)

道路公団民営化によって野放図に膨張してきた利益集団にとって、無料化は何が何でも阻止しなければならない文字通りの死活問題なのである。
国交省・高速道路会社・自民党族議員・膨大な関連企業・自動車・鉄鋼・建設会社・システム会社・地方自治体、そしてそれらに巻き込まれたマスコミ等が足並みをそろえて、無料化つぶしに全力を挙げることだろう。

政権交代・脱・官僚政治によって国交省の官僚は表だっては動きにくくなる。
自民党族議員も政権から離れてしまった。
しかし、それだけに無料化つぶしは目立たない陰湿なものになると思われる。
(八ツ場ダム建設中止に反対する住民の動きを取り上げるマスコミの姿勢はその好例であろう。建設中止賛成の声が取り上げられることはほとんどない)

高速道路無料化は数万人の首がかかった大事業である。
しかし、その数万人を喰わせるために国民がお金を払い続けるというのは本末転倒である。

道路は本来国民のもの、無料が原則である。
高速道路無料化は高速道路の国道化である。
国道として使うものに受益者負担という反対意見はあたらない。

高速道路無料化は高速道路民営化の解消をも意味する。
今、無料化を実現しなければ民営化会社が永続してしまう。
これは道路の私有化なのである。

高速道路無料化問題は、そもそもの出発点・道路公団民営化ということから考え直さなければならない問題なのである。

株式が売り出された後では取り返しがつかない。
民主党には過去の経緯まで徹底的に洗い直し、民営化の誤謬に光を当て、高速道路無料化を断固として実現し、まともな道路行政を確立してもらいたい。





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クズが去りゴミが残った…自民党総裁選

2009-09-22 07:13:56 | 自民党
民主党政権が発足した。
自民党政治のデタラメの後始末、官僚との緊張した関係等新政権の動きがマスコミを賑わせている一方、自民党総裁選はどのメディアもおざなりな取り上げ方しかしていない。
政権与党という外殻を取り去ったら、急にその中身のお粗末さが露わになり、自民党は急速に国民の関心を失いつつある。
自民党に対する失望は、選挙前より、返って選挙後にますます大きくなっている。

自民党:総裁選 舛添厚労相が不出馬の意向を表明 (毎日jp 9/2)
舛添氏は国民的な人気が高く、「ポスト麻生」の有力候補として党内で待望論が出ていたが、1日夜に東京都内で森喜朗元首相と会談し、出馬しない考えを伝えた。


なぜ麻生総裁でもなく、細田幹事長でもなく、森との会談なのか。
しょせんパンくずをちょこまかと探し回るネズミ男である。
森の脅しかおだてだかに遭って一も二もなく手を下ろした。

小池百合子・元防衛相、自民総裁選に不出馬表明 (YOMIURI ONLINE 9/2)

中川秀直氏、自民総裁選不出馬を表明 (asahi.com 9/9)

自民・石原伸晃氏、総裁選不出馬を表明 (YOMIURI ONLINE 9/13)

石破農水相、総裁選不出馬を表明 谷垣氏を支持 (asahi.com 9/16)
昨年秋の総裁選立候補時の推薦人の大半が総選挙で落選。所属する額賀派内にも支持が広がらず、「推薦人が集まらなかった」(同派幹部)との見方が大勢だ。


これらとは多少おもむきが異なるのがこちら。

小野寺五典氏 自民党総裁選出馬断念 (YOMIURI ONLINE 9/18)
小野寺氏は同日、東京の自民党本部で、「中堅・若手議員の勢力を結集するため、あえて立候補しない決意をした。このままいくと、誰も出馬できない可能性も出てくる。それは避けるべきだ」と断念した理由などを語った。


この期に及んでカッコつけてる場合ではなかろう。
20人の推薦人が集まらなかっただけのことである、ということはだれもが知っている。
「あえて立候補しない決意」?
若手も笑わせてくれる。

一方、泥水の底から浮かび上がってきたアブクもある。

西村氏が出馬意向=小野寺、林、町村氏は見送り-自民総裁選

石破も河野も小野寺も20人の推薦人を集めるのに苦労していたが、まったくその苦労なしに出てきた男。
地元の選挙民以外にほとんどその名を知る人もいない人間がいきなり総裁候補!
しかし、自民党の老人達はよくこんな見え透いたことをするものだ。
もちろん河野の脚を引っ張るためなのはいうまでもない。
そしてこれに歩調を合わせて谷垣支持に走る石破・石原・小池等の浅ましい連中。
河野総裁となると自分たちまで2階席に棚上げされる心配があったのだろう。

一応、本命とされているのが、谷垣禎一のようだ。
谷垣氏、「自分が捨て石に」と総裁選出馬表明 (産経ニュース 9/13)

西村・河野・谷垣氏 自民総裁選3氏届け出 ( 産経ニュース 9/16)
いち早く立候補を表明していた谷垣氏は、東京都世田谷の自宅前で記者団に「党再生の礎(いしずえ)になり政権奪還を目指して頑張る」と語った。


たったの3日で「捨て石」が「礎」に昇格していた。
若手に劣らずいぶし銀のベテラン芸人も笑わせてくれる。

対抗馬の河野太郎。
妙にテンションの高い声を上げているが、やや不似合いの感がある。

自民党総裁選記者会見要旨(1)(産経ニュース 9/19)

河野太郎元法務副大臣(以下、河野) 野党になってしまった今、自民党を再定義する格好の機会だ。

 小さい効率的な無駄のない政府をつくり、健全な公平な競争環境を作り出すことで経済を発展させる。発展をした経済の果実がきちんと社会保障として手当てされる世の中を目指す。少子高齢化が進んだ人口構成では、それなりの財源を社会保障に出さなければいけない。やや大きな社会保障にならざるを得ないが、大きな政府、再分配を志向する民主党とは明確に対(たい)峙(じ)していく。


余分な語句を取り去ると、
「小さい政府をつくり、競争環境を作り出すことで経済を発展させる。」
これではまるで小泉政治の継承である。
「やや大きな社会保障にならざるを得ないが、大きな政府、再分配を志向する民主党とは明確に対(たい)峙(じ)していく。」
「やや大きな政府」と「大きな政府」との対立らしい。
これではとても対立軸にはなり得まい。
対立軸を立てたいが、やっぱりあちらの票もほしい、こちらの支持も頂きたいという乞食根性がこんな屁のような言い方をさせている。
もっとも河野太郎の本音は別のところにあるようにも見える。

“劇薬”河野氏、ますます暴走 真の争点は参院選の候補者差し替え (産経ニュース 9/20)
「自民党が大敗したのは派閥親分の言うままの人事をやったからだ。古い自民党がもう1度出てきたら、次の参院選で誰が自民党を支持するものか。古くさい方は退いてほしい。もうあなた方に出番はない!」

 「古くさい方」とは、森喜朗元首相や青木幹雄前参院議員会長らを念頭に置いていることはこれまでの言動からも明らか。河野氏は「全員野球は断固反対だ。よい自民党と切り捨てる自民党を明確に分けることが総裁選で私に課せられる使命だ」と断じた。


「よい自民党」と「切り捨てる自民党」とが共存しているらしい。
「良い自民党」とは自分たち若手議員たち。
「切り捨てる自民党」とは、森・青木その他の派閥領袖たちに支配される議員たち、ということらしい。

河野太郎には二段構えの作戦があるのだろう。
まず、派手な喧嘩を売ることで地方票の取り込みを図る。
小泉作戦の亜流であるが、他に取るべき方策が見つからない。
それで勝てればよし。
負けたら?
負けたら出て行く。
このけんか腰の言い方はそのときのための布石であろう。
どうせ4年間は政権は戻ってこない。
それならいっそ自民党をでて、”みんなの党”あたりとくっついて民主党に色目を使った方がいい思いができそうだ。

もちろん、森・青木たちは河野太郎の思惑などお見通しだろう。
無事、谷垣勝利の暁には、谷垣・河野の政策調停あたりで手打ちにできると多寡をくくっている。
だいたいが河野の強硬姿勢そのものがいじましい党内駆け引きに過ぎない。

出て行く気があるなら既に出て行っている。
ただ河野としては、どちらでもいいというところまではきているのだろう。

だれが勝っても自民党の行く手に光明はみえない。
いっそ河野太郎のいうように「よい自民党」と「切り捨てる自民党」と二つに割ったほうが良さそうだ。
「良い自民党」は「よい子の党」とでもするか。
残った連中は「大日本自由老人党」とでもして敬老精神の普及にでも力を注いで貰おう。




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小泉進次郎の政治資金・世襲の実態

2009-09-19 12:45:41 | 自民党
小泉純一郎が政界引退を地元で表明したのが昨年9月27日であった。
そしてその場で進次郎の襲名も発表した。

それをきっかけにまた世襲の是非をめぐる議論が多少盛り上がったが、例によっていつのまにかそれも下火になっていった。

小泉進次郎氏「世襲判断は有権者」 ライバル横粂氏は「脆弱な世襲候補より雑草魂を」 2009/08/18
小泉元首相の次男として世襲批判の矢面に立たされ、この日も英BBC放送が世襲問題をテーマに取材に訪れていた。小泉氏は取材に対し「世襲がいいか悪いか判断するのは有権者。進次郎なら未来を託せると思ってもらえるよう頑張る」と話した。

世襲 ゆえに悩む (YOMIURI ONLINE 2009年8月5日)
政治家の世襲は、歌舞伎役者や落語家みたいなものではない。有権者が当選させて初めて成立する」

 三浦半島の三崎港近く、三浦市民ホールで7月28日夜に開かれた、神奈川11区の公開討論会。自民党の小泉進次郎は、他の候補予定者からの世襲批判に苦笑を浮かべながら反論した。


進次郎は折に触れ、世襲の是非の判断は有権者にある、と責任を有権者に預けている。
しかし、世襲の利点を利用することには抜け目がない。

進次郎は6月下旬まで街頭に立つのを控えていた。「先代からの支援者あいさつが先」と党県連幹事長の竹内英明ら陣営幹部が抑えてきたためだ。

 しかし、6月28日の横須賀市長選で父、純一郎が支援した現職が敗れると、危機感は高まり、進次郎も街頭へ飛び出した。


「先代からの支援者」!
こんなものまで引き継いでいたのか!
世襲擁護論者は決してこういうことは言わない。
彼等がいうことは大体決まっている。

◎だれにも職業選択の自由はある。
◎本人に能力があるかどうかが問題である。
◎日本の伝統芸能は世襲によって受け継がれてきた。だから世襲は悪くはない。
◎親の背中を見て育った子供が親の仕事を継ぐのはすばらしいことだ。
◎最終的には有権者が判断することである。


「先代からの支援者」が金と票の面倒をみる。
それが世襲なのである。
「先代からの支援者」はなぜその後継者を担ぐのか?
人間的なつながりもあるだろうが、それ以上に大きな理由がある。
自分たちの利益の代弁者として最も適切なのが世襲議員なのである。
他の議員に後から食い込むのは大変な苦労である。
もうそこには既存の利権集団がいるのである。
そこに後からのこのこ出て行っても簡単には食い込めない。
それなら後継者を育てた方が手っ取り早い。
そして世襲の連鎖が続く。

自民・小泉進次郎氏:後援団体の収入99%、父純一郎氏団体から--08年政治資金 (毎日jp 9/18)

8月の衆院選神奈川11区(横須賀市など)で初当選した自民党の小泉進次郎氏(28)を後援する政治団体「小泉進次郎同志会」の総収入の約99%は、父純一郎元首相の資金管理団体の寄付だったことが、県選挙管理委員会が18日公表した08年政治資金収支報告書から分かった。一方、対抗馬となった民主党の横粂(よこくめ)勝仁氏(28)は党支部のために自腹を切っており、世襲候補との資金力の格差が浮き彫りになった形だ。【木村健二】

 小泉進次郎同志会は08年10月に県選管に設立の届け出があり、08年の収入は355万円だった。うち350万円は同10~12月に3回に分けて純一郎氏の資金管理団体「東泉会」が寄付し、残る5万円は個人献金だった。

 さらに進次郎氏は08年秋、純一郎氏の後継として自民党県第11選挙区支部の代表にも就任。支部には繰越金約2630万円のほか、08年は約2533万円の収入もあった。政治団体の代表交代は名義変更だけで、相続税などは課税されない。


バカ親の動きも素早い。
引退表明したかと思うと、息子にすぐさま政治資金団体をつくらせている。
同時にバカ親が支部長を務めていた自民党支部の支部長の座も息子に譲っている。

ばか親からの350万円の寄付という名のプレゼント。
支部の繰越金2630万円の非課税贈与。
二ヶ月で2533万円も集められる資金源の継承。

一方、横粂氏は愛知県出身で11区にとっては落下傘候補。代表を務める民主党県第11区総支部に08年12月、借入金として100万円を拠出した。総支部の他の収入は党本部からの交付金100万円、党費など約36万円しかなく、収入の約42%を自己負担して選挙準備に臨んでいた。

総額236万円!
バカ親純一郎から息子へのプレゼント350万円にも届かない。

政治は、社会正義の実現ということもその目標に入らなければならない。
このような現実的な不平等は到底職業選択の自由などという口実で容認できることではない。

日本国憲法

第12条 この憲法が国民に保障する自由及び権利は、国民の不断の努力によつて、これを保持しなければならない。又、国民は、これを濫用してはならないのであつて、常に公共の福祉のためにこれを利用する責任を負ふ。

第13条 すべて国民は、個人として尊重される。生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする

第22条 何人も、公共の福祉に反しない限り、居住、移転及び職業選択の自由を有する。

第29条 財産権は、これを侵してはならない。
2 財産権の内容は、公共の福祉に適合するやうに、法律でこれを定める。

第99条 天皇又は摂政及び国務大臣、国会議員、裁判官その他の公務員は、この憲法を尊重し擁護する義務を負ふ。


国会議員や公務員は、一般国民以上にこの憲法を尊重する義務があるのである。
個人の権利も一般国民以上に「公共の福祉」のために、「公共の福祉」に反しないように使わなければならないのである。

バカ親・小泉純一郎は、「公共の福祉」に沿って地盤と金を息子に譲ったのか!
進次郎は親の地盤と金を貰うことが「公共の福祉」に沿うことだと思っているのか!
息子に寄付した金はどうやって集めたものなのか?
政治資金とは政治活動に使うべきお金であろう。
息子への寄付が政治活動なのか?
バカ親が集めた政治資金は、憲法で守られた財産権に含まれるものなのか。

日本国憲法において、「公共の福祉」という概念は決して軽いものではない。
国会議員は、公平・公正な社会の実現のために、一般人以上の高い規範が要求されているのである。
それは道義的規範という以上の、憲法上の義務である。

国会議員による自主規制ができないのなら、法による規制が必要であろう。




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再生自民党、ライバルは共産党!

2009-09-17 06:41:12 | 自民党
麻生太郎が内閣総辞職、自民党総裁を辞任した。
しかし、次期総裁選告示を明日に控えて、自民党内はさっぱり盛り上がらないようだ。
桝添が、森喜朗に脅かされたのか因果を含められたのか、早々と降りてしまい、前回総裁選で何やらもっともらしいことを言っていた小池百合子、石原伸晃、石破茂が次々と降りて、与謝野馨は下馬評にも挙がらない。

仕方なくといおうか、いそいそと、といおうか、谷垣禎一が手を挙げた。

谷垣氏の発言要旨=自民党総裁選 (jiji.com 9/13)
自民党の谷垣禎一元財務相が13日、総裁選出馬に関して記者団に語った内容は次の通り。
 立候補する決意をした。衆院選での大敗北を受け、自分が捨て石になって党の再生を果たす。家族や自分が生まれ育ち、住んでいる地域のきずなを大事にしていく中で、自民党を長い間支えてきた良質な保守層の期待に応える。


どうやら自民党再生のキーワードは”保守”のようだ。
理解しがたいのは、”良質な保守”の意味するところである。
選挙中の自民党の右翼キャンペーンが”良質な保守”なのか?
生き残った森喜朗や安倍晋三や麻生太郎やらとともに進めるのが、”良質な保守”なのか?
このブログにも時々やってきては、訳の分からぬことを書き散らしていく連中が”良質な保守層”なのか?

自民党再生のためには確かに何か旗印が必要であろう。
しかし、それが”保守”なのか?
政権奪還のためには民主党政権との”対立軸”が必要であろう。
ただ、今どき”保守”が対立軸なんかになるのか?
民主党が”革新”の旗でも掲げているのなら、それも良かろうが、民主党を革新政党と呼ぶ人はいなかろう。
自民党が”保守”を叫べば叫ぶほど対立するのは共産党と言うことになる。
政権の中央から遠く離れたところで、”保守”と”革新”の対立が鋭くなる。
共産党にとっては大歓迎であろう。
民主党政権の成立で攻撃相手がぼやけて困っているところである。
民主党政権に対しては、”建設的な野党”というようなスローガンを掲げているがインパクトの弱さは隠しようもない。
そこに、うってつけの仮想敵国が現れてくれるのだ。

幸いなことに自民党機関誌「産経」もこれまで以上に自民党応援に尽力する覚悟のようだ。

「民主党さんの思うとおりにはさせないぜ」 ツイッター軽率発言を産経新聞が謝罪 (J-CAST ニュース  2009/8/31)
産経新聞は衆院選に合わせ、公示日の8月17日に公式twitterをスタートさせた。投開票日までの13日間限定で、主に掲載記事や、編集部の日常を紹介。30日は選挙結果を実況中継していた。現在も、440人にフォローされている。

問題の「つぶやき」があったのは、選挙結果が出そろい、民主圧勝、自民惨敗が確定した31日早朝。

「そろそろ、中の人が交代しますー。皆さんお付き合いいただいて、ありがとうございました!」
と選挙特集が終わることを告げたあと、

「産経新聞が初めて下野なう」
「でも、民主党さんの思うとおりにはさせないぜ。これからが、産経新聞の真価を発揮するところ」
と投稿してしまった。公式アカウントなだけに、産経新聞が自民寄りで「反民主」を表明したとも受け取られかねない発言だ。


自民党の余りの惨敗に周章狼狽、アタマ真っ白状態で思わず言ってしまったのだろう。
まあ、この程度は笑って済ませられる。

それでも「小鳩関係」が心配だ 政治部長・乾正人 (msn産経ニュース 2009.9.17 )
鳩山由紀夫内閣が静かにスタートした。

 ご本人が「歴史を変えるわくわくする喜びと、歴史を作らなければならないという大変重い責任の両方が交錯している」と力んで語った割には、支持者が道頓堀に飛び込むわけでもなく、閣僚人事もごくまっとうなものだった。


多分産経新聞の政治部長というのは、社内では偉いのだろう。
しかし、その政治部長氏がこんなお粗末なアタマの持ち主で、この新聞社は大丈夫なのか?
だれも道頓堀に飛び込まなかったのが問題なのか?
閣僚人事がまっとうだったことがいけないのか?
そして話は例によって”二重権力”へと進む。

問題は、やはり「小沢一郎」との関係だ。
(中略)
いくら政策決定を内閣に一元化し、法案を国会に提出しても、どの法案を優先して審議し、成立させるかは小沢氏の判断次第となるのは厳然たる事実なのである。

 さらに、内閣の目玉である国家戦略局の全体像もいまだにはっきりしない。一家言を持つ社民、国民新党の両党首との調整も同時進行でこなさなければならず、政治主導をめざす「新システム」は煩雑このうえない。

 それらをはねのけて鳩山首相が、持ち前の粘りで「脱官僚政治」を実現できるだろうか。「二重権力」構造への危惧が杞憂に終わることを願ってやまない。


こうなるとコロツキの言いがかりのようなものである。
「二重権力」構造への危惧が杞憂に終わることを願ってやまない。
と結んでいるが、筆者が「杞憂に終わらないことを願っている」ことはアリアリである。

保守対革新!
自民党対共産党!
産経対赤旗!


余り建設的とは言えないが、いい勝負にはなるだろう。





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