政治の季節【稗史(はいし)倭人伝】

稗史とは通俗的な歴史書等をいいます。
現在進行形の歴史を低い視点から見つめます。

狂気の朝日新聞と至極まっとうな産経記者

2010-12-23 09:30:23 | 小沢一郎

「政倫審出席―小沢氏はもう逃げるな」

「小沢氏が政倫審出席に応じない理由」

一つは朝日の社説。
もう一つは産経のコラムである。

どちらがどちらかお分かりだろうか?
最初のが朝日の社説である。

政倫審出席―小沢氏はもう逃げるな (asahi.com 2010.12.14)
『これ以上、国会での説明から逃げ続けることが許されるだろうか。民主党の小沢一郎元代表は今度こそ衆院政治倫理審査会への出席を決断すべきだ』


冒頭からこのヒステリックな口調には何事かと驚かされる。
小沢一郎抹殺に社運をかけるかのような意気込みである。

多分、本当に社運が掛かっているのだろう。
小沢一郎を生かしておいたら、記者クラブ制度はなくなる。
クロスオーナーシップも終わりになる。
再販制度も押し紙問題も火を噴くかも知れない。
それにも増して、これまで悪の限りを尽くしてきた過去が暴かれ、凄まじい報復を受けるかも知れない。
ここは業界代表としてのプライドにかけて小沢との戦いに勝利しなければならない。
ジャーナリストのプライド?
そんなものは生き延びてから考える。

『小沢氏は裁判で事実関係を明らかにするので、国会での説明は必要ないとの立場を崩していない。岡田氏は早急に小沢氏を説得し、不調に終われば、議決による国会招致の実現をためらうべきではない。』

だらしのない岡田の尻を叩いて、何としても小沢一郎を政倫審に引きだそうと躍起である。
引き出す口実は「政治とカネ」と自分らが懸命にこしらえ上げた「世論」である。

 『朝日新聞の最新の世論調査では、なお7割近くが小沢氏に国会での説明を求めている』

国民世論の7割が国会での説明を求めていると同時に、6割以上が菅内閣不支持である。

それ程「世論、世論」と騒ぐのなら、菅内閣総辞職も言わねば片手落ちである。
菅内閣支持21% 比例投票先自・民逆転 朝日世論調査 (asahi.com 2010年12月13日)
朝日新聞社が11、12の両日実施した全国世論調査(電話)によると、菅直人内閣の支持率は21%で、内閣発足以来最低となった。不支持率は60%。


ところでこの記事にはおかしな下りがある。

『内閣を支持しない人に理由を四つの選択肢から選んでもらうと、65%が「実行力の面」をあげ、他の理由を大きく引き離している』

ところがこの選択肢の説明が見つからないのである。
他の三つが何だか分からないのだ。
記事は質問事項へ飛べるようになっているのだが、この質問は省略されている。
もしかして、「政治とカネ」なんてのも入っていたか?
入れないわけがないと思うのだが……。

まあそれはそれとして、社説に戻ろう。

『民主党には、税制改正や来年度予算編成が山場を迎えているこの時期に、内紛を重ねている余裕はない。
「小沢か、脱小沢か」の対立から、いい加減に卒業しなければならない』


「いい加減に卒業しなければならない」のは朝日新聞である。
毎日毎日、「政治とカネ」で小沢叩きを続けてきたお前がまず範を垂れよ。

テレビも毎日、反小沢で盛り上げておいて、番組の最後に、
「今大変な危機にあるときにこんな事をしている場合ではない」
とほざく。
新聞・テレビのこの報道スタイルにはうんざりする。

朝日はどうにもならない。

さて、産経のコラムである。
記事の筆者は以前にも朝日の社説に痛烈な批判を浴びせている。

【高橋昌之のとっておき】疑問だらけの16日付朝日新聞社説 (産経ニュース 2010.8.22)
16日付朝日新聞の社説「党首選のあり方 政権交代時代に合わない」を読んで、その論理があまりにも疑問だらけで、驚いてしまいました。社説といえばその新聞社の「主張」で、ベテランの専門記者である論説委員が会議などを経て執筆にあたりますが、とてもそうは思えない論理展開でしたので、今回はその社説を引用しながら、私の見解を述べたいと思います。

(以下略。高橋記者の非難は一々もっともで、朝日はこんな社説を書くようなノータリンは窓ふきでもさせておけ!
詳しくはこの記事をお読み下さい)

その高橋記者の今回のコラムは、ここまではっきり言うかというほど核心をついている。
産経とはいえ、大手メディアの記者がこんな記事を公にしたということには、やはり大きな意味がある。

【高橋昌之のとっておき】小沢氏が政倫審出席に応じない理由 (産経ニュース2010.12.19)

その第1の理由は、現在の菅直人首相をトップとする民主党執行部が小沢氏の国会招致を実現しようとしていることについて、「小沢氏を政治的に抹殺しよう」、あるいは「小沢氏に厳しい態度をとることで内閣支持率を上げよう」という不純な動機を感じているからだと思います。

 実際、現在の党執行部は、小沢氏に批判的な、いわゆる「反小沢グループ」が中心を占めています。党幹部からは「小沢氏を衆院政治倫理審査会、さらには証人喚問に引きずり出せば、政治的にイメージダウンさせることができ、さらに偽証罪に問えれば、小沢氏を政治的に抹殺できる」との声も聞こえてきます。

 つまり、対立状態にある小沢氏を政治的に抹殺してしまえば、自分たちのグループが民主党内をおさえて、政権を自由に動かせるという「政治的思惑」があるわけです。現在の党執行部の全員が、そう考えているわけではないでしょうが、一部にそういう思惑があるのは間違いありません。

第2に、そもそも衆院政治倫理審査会で議決して、小沢氏を呼ぶことができるのかどうかという問題があります。衆院政治倫理審査規程第2条によると、まず審査の申し立てをするには25人の委員のうち3分の1以上が必要です。

 そして、申し立てには「申立書に(呼ぶ)議員が行為規範等の規定に著しく違反していることを明らかにした文書を添えて、審査会の会長に提出しなければならない」と定められています。そのうえで、申し立てを受けて開催するには「出席委員の過半数による議決を要する」となっています。それで審査会は初めて開かれます。

 つまり、小沢氏の審査の申し立てをするには「小沢氏が行為規範等の規定に著しく違反していることを明らかにした文書」を提出しなければならないのです。民主党執行部は「議決してでも小沢氏を呼ぶ」としていますが、小沢氏が行為規範等の規定に著しく違反しているという具体的な事実を、文書で示すことができるでしょうか。

(是非全文をお読みいただきたい。記事には最近の高橋記者のコラムへのリンクもあるのでそれも合わせてお読みいただきたい)

朝日ばかりではないが、とにかくマスコミが煽るから馬鹿な民主党議員達はその気になる。

とにかく朝日はしつこい。

12月21日 社説
小沢氏拒否―執行部は強い姿勢で臨め
『 民主党の小沢一郎元代表が菅直人首相に対し、自らの政治とカネの問題について、衆院政治倫理審査会での説明を拒否する考えを伝えた。
 予想されたこととはいえ、その重い政治責任を果たそうとしない小沢氏のかたくなさに驚く
 もう時間を浪費してはいられない。菅首相と党執行部は、より強い姿勢で小沢氏に対さなければならない。
 当面、政倫審への出席を求める議決を目指すとしても、小沢氏があくまで出ないという以上は法的拘束力のある証人喚問を実現しなければなるまい』


さきの社説からちょうど一週間経っている。
多分同じ人間が書いているのだろう。
『その頑なさに驚く』
そっくりお返しする。

ついでに朝日の愚行をもう一件。

朝日新聞会社案内
郵便制度の不正利用の実態を特報
ページをめくってご覧下さい。
事件を捏造する朝日の真骨頂がここにあります。





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10 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (らむちゃのパパ)
2010-12-23 10:22:59
郵便不正事件は、朝日がスクープして世論に問題提起したことから検察が動いた事件で、当初は朝日が胸を張って自らの宣伝にまで登用していましたね。他人に説明責任をどうのこうの言うなら、まず自身が自らの間違いに対して誠実に行うべきでしょう。
小沢事件は、私の周りにいるB層諸君は、度重なるマスコミの偽報道の結果、水谷建設から不正なカネを受け取ったその責任を秘書の単独犯にして、自分は知らぬ存ぜずを通して逃げているというふうに未だに信じて疑いませんね。元福島県知事の佐藤栄佐久氏のことなどを思うと、問題の核心たる事件性の方は容疑が霧散して秘書は無罪になり、小沢氏だけが、意味不明のまま有罪になるのではと思ったりします。
それにしても、できの悪い菅政権は、政策的にも自民と同じなんだから小沢氏を切りさえすれば、自民の協力が得られると考えているみたいですが、これほど国民無視、政権交代を反故にする話はありませんね。
返信する
阿鼻叫喚の地獄絵図 (SN)
2010-12-23 13:28:42
何かとても胡散臭い動きですね。
要するに国民から金を絞り取れということで、あとから「超莫大な防衛費(ネオコン献上費用)、超莫大な米国への献上金、老人や国民から絞り取るだけ取れ」

「政治家ども、朝日、読売、毎日、共同通信、NHK、従順な犬ども」

「みんなで国民の身体をネジマゲて搾るだけ搾って、金を渡せ」

「おまえらの甘汁だけはたーんとくれてやる」

「民主党で出来るならやれ」
「できないなら大連立で自民の腐れ議員どもと一緒に金金法案を通せ」

「日本の平民などくたばってちょうどいい、日本は我々に金を出せ」

「その方向にマスコミを動かす」

「従順なる政治家には甘汁をたーんとやるぞ」

つまり国民などはじめから不在。

マスコミは権力を監視するのではなくある巨大な権力の洗脳機関であり道具。

政治家は彼等のために国民を騙す駒。

菅は総理でいたいだけ。

仙谷以下七奉公は国民不在の権力の為に頭を地面に擦り付ける。

自民党や他党の同種の議員も同じ穴のムジナで民主党現執行部とのやり取りは兄弟の派閥争いのようなもの。
マスコミは大親分のための金金法案を通させるためだけに存在し、それに邪魔な勢力を批判するの全力を尽くす。

国民?

「知らないよ、勝手に死んでね」

法案通す勢力が出来たら国民からあらゆるものを搾り取るビックリ法案のオンパレードが出てきて小泉のように駆け込みでヒッソリと可決しまくる。

その後は阿鼻叫喚の地獄絵図が待っている。
返信する
Unknown (ルースター)
2010-12-23 20:02:03
世の中変われば変わるもので、あの産経がどうしちゃったの?って言う位まともな事を書いてますね。
業績不振に喘ぐ身として、その名前を出せばグ~ンと売り上げが伸びると言われる、ドル箱スターの小沢一郎に今消えて貰っては困ると言う事で必死に擁護してるのでしょうかぁ・・・・・。
まあとにかく、こういう数少ないまともな記事を読んでは溜飲を下げると言う日々が続いている訳で・・・
それ位今テレビも新聞も揃いも揃って本当にヒドい!!
返信する
バカサヨは死ね。 (くろす)
2010-12-23 20:08:17
バカサヨは評価しないかもしれないが、麻生政権の功績はすばらしかった。もういちど麻生太郎に総理をしてもらいたい。
返信する
Unknown (Unknown)
2010-12-23 20:31:42
>くろす

麻生総理時代、新幹線のコンクリート工事他を麻生ファミリー企業で独占して九州全土のコンクリート事業利権独占で2000億の利益を得た麻生が好きな腐れは麻生翼賛ブログで勝手にコメしてろ。

お前のような輩が来て汚らしい雑言をわざわざ撒き散らすところじゃないわ。

消えろ
返信する
Unknown (Unknown)
2010-12-23 20:33:38
>バカサヨは死ね


サヨク?ウヨク?

おまえがとっとと死ねや
返信する
友達が待ってますよ (Unknown)
2010-12-23 20:42:14
>くろす
>バカサヨは死ね

上記のような、著しくマナーに反する、あなたのような人ここのコメント欄には当然ながら必要ありません。
あなたのようなコメントばかりが集まっている場所に消えなさい。

同じ人種のお友達と好きにしなさい。
返信する
Unknown (Unknown)
2010-12-23 20:44:32
この輩はサヨクもウヨクも何だかわからないでコメントしている馬鹿ですからね。サヨク、ウヨクが何だか説明できない馬鹿ですから。
返信する
Unknown (幻滅)
2010-12-24 09:51:05
首相の一日。

小沢氏を新聞で捏造、偏見書き込み排除。

卑しくも蝿が揃って食事とは菅はもう駄目だ。

菅は叩かれるべき。


6時35分、東京・芝公園の日本料理店「とうふ屋うかい」。星浩朝日新聞編集委員、岩見隆夫毎日新聞客員編集委員、橋本五郎読売新聞特別編集委員と食事。

8時37分、東京・赤坂の日本料理店「球磨川」。民主党の石井一副代表、藤井裕久元財務相と食事。10時35分、公邸。

返信する
argument (noga)
2011-01-01 23:03:57
持論・結論がなければ、議論する資格もないはずだが、相手かまわず言いがかりをつけて議論をしたがる人がいる。
折角、相手を議論で打ち負かしても、それに代わる自説を提案できないのは非建設的である。
議論では「破壊は建設なり」とは行かない。不毛の議論にしかならない。時間はいくらあっても足りない。

自説を述べればそれで万事発表は終わる。
さらに、自説に似た他説があれば、自説の優位性を述べることも有益なことである。
これは、人類の進歩につながる建設的な態度である。

考える人にならなければ、自説はできない。このような人は、とらえどころのない人と呼ばれている。
しかるに、丸暗記と受け売りの学力を使って議論をしかけようとしている。
真正でない学問をもって世俗におもねり、人気に投ずる言説をなすことを曲学阿世というが、こうした行いが横行している。
こうした行為は、あながち個人の責任には帰しがたいが、由々しい事実であることには間違いない。
イザヤ・ベンダサンは、自著<ユダヤ人と日本人>の中で、我が国の評論家に関して下の段落のように述べています。

評論家といわれる人びとが、日本ほど多い国は、まずあるまい。本職評論家はもとより、大学教授から落語家まで (失礼! 落語家から大学教授までかも知れない) 、いわゆる評論的活動をしている人びとの総数を考えれば、まさに「浜の真砂」である。もちろん英米にも評論家はいる。しかし英語圏という、実に広大で多種多様の文化を包含するさまざまな読者層を対象としていることを考えるとき、日本語圏のみを対象として、これだけ多くの人が、一本のペンで二本の箸を動かすどころか、高級車まで動かしていることは、やはり非常に特異な現象であって、日本を考える場合、見逃しえない一面である。 (引用終り)

日本語には、時制というものがない。だから、未来時制もない。
自分達が努力して向かうべき理想の内容も語られることがない。いわゆる無哲学・能天気である。
未来社会の内容が明らかにならないので、われわれは未来社会の建設に着手出来ない。

日本人の世の中の把握の仕方は、現実の有様に関するものである。「世の中は、、、」の形式で表現される内容である。
現実の内容は、皆がほぼ一致する。一人から答を得たら、それで皆の答がわかる。
現実の内容は、変えられない。政治家には、政治哲学がない。
だから、日本人は閉塞感に襲われる。
英米人の世界観は、未来時制であり現実とは別次元の内容である。
これは人によって違うから、意見は一人一人聞かなくてはならない。
良い提案があれば、相互に協力して建設に励むことができる。

皆が同じ現実の内容を話すばかりでは議論はいらない。
「理屈などは、どうでもよい。現実は見ればわかる」ということになる。
議論をすれば、現実描写に関する個人的なケチの付け合いとなり喧嘩になる。
皆が仲良く生きてゆくには、問答無用で生活することである。
現実にばかり囚われては、別次元の世界が一向に見えてこない。向かうべき所に関する夢も希望もない。
それで、諦観も必要になる。

アングロ・サクソンの考え方が我々の現状の打開策となるであろう。
彼らのメンタリティを理解するために、我々には英語の勉強が必要である。
ある時、私はアフリカの学者から「日本では、何語を使って大学教育を行っているのか」と尋ねられたので、「日本の大学は、日本語を使う」としごく当然のように答えると、相手はびっくりしていた。
きっとその人は、日本語で学問ができるなどとはとても考えられなかったに違いない。

http://www11.ocn.ne.jp/~noga1213/
http://page.cafe.ocn.ne.jp/profile/terasima/diary/200812
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