政治の季節【稗史(はいし)倭人伝】

稗史とは通俗的な歴史書等をいいます。
現在進行形の歴史を低い視点から見つめます。

官房機密費問題の意味するもの…危険なマスコミ

2010-05-23 13:57:07 | マスコミ
政権交代はまだ終わっていない。
というより、政権交代だけでは十分ではなかったのだ。

「国会は国権の最高機関であり、国の唯一の立法機関である」(日本国憲法)
確かに民主党は国会の主導権を握っている。
衆議院 307/480
参議院 116/242

行政の最高機関である内閣を組織している。
また最高裁判所長官の指名権も持っている。
形式的には、あらゆる国家権力を握っているのが現在の民主党である。

にもかかわらず、彼等を最高権力者と考える人は少ない。
国の最高法規である「日本国憲法」で規定された国家権力を握っているはずの彼等が、憲法で保証されているはずの権力を行使できていない。
権力を行使しようとして、彼等はありとあらゆる場面で激しい抵抗を受けている。

確かに”政権”は、自民党から民主党に移った。
そこでわたしたちは誤解してしまった。
”政権交代”=”権力交代”であると。

しかし行く先々で謝ってばかりいる鳩山総理に権力者の姿を見ることはできない。
身内からでさえしつこい批判・抵抗を受けている小沢幹事長に絶対権力者の姿を見ることは難しい。
自民党から民主党への交代は、政権交代ではあったが権力交代ではなかったのである。
自民党は水面に突き出ていた氷山の一角でしかなかったのだ。
真の権力は水面下に隠れていたのである。
自民党はその権力と妥協し、その一部を構成している存在に過ぎなかったのだ。

真の権力は、官僚、検察、財界、マスコミそして自民党などの複合体、さらにはアメリカの一部勢力に握られていたのであり、それは未だに変わってはいないのではないか。

水面下に隠れている権力構造はまだその全貌を現してはいない。
思いがけないときに思いがけないところからその一部が顔を出す。

「検察審査会」もそのひとつであろう。
こんな組織がかくも重大な力を持っていたとは、去年の時点でわたしも含め多分ほとんどの人が気づいていなかった。
”クジで選ばれた11人の民間人”が、使い方次第で極めて危険で強力な武器になり得るということをわたしたちは思い知らされた。

わたしたちの認識の甘さは他にもあった。
マス・メディアの存在である。
去年の”西松建設献金事件”でマスコミは検察のリーク情報を洪水のように垂れ流した。
わたしたちはそんなマスコミを”権力の走狗”という程度にしか見ていなかった。
しかし今年再び燃えさかっている”陸山会事件報道”を眺めているうちに、わたしは、「そうではないのではないか」と思うようになってきた。
「犬にも意思がある」ということである。

マスコミは、飼い犬のように与えられるエサを貰っていた。

一番分かりやすいエサが現ナマ・現物支給であろう。
官房機密費から多額の現金がマスコミへ流されていたことが暴露された。
各紙の報道をまとめてくれているサイトがあったので紹介したい。

趣旨と提言・野中広務が暴露した官房機密費の各社の記事

朝日・読売・共同通信は、野中発言をサラッと紹介しているだけである。

東奥日報「天地人」 2010年5月4日
少なくとも歴代の官房長官と国対委員長には、事実関係を国会で語ってもらわなければなるまい。何のために、誰にいくら渡したのか、納税者が使途の公表を迫るのは当然だ。重宝な打ち出の小づちを振り続けてきた政治家に、納税者が怒りの拳を振り上げる番だ。


こんな声をあげる地方紙もあったがマスコミの動きは鈍い。
ようやく、東京新聞が少しだけ踏み込んだ記事を載せている。

官房機密費のメディア汚染は? 野中発言の波紋 野中元官房長官の”暴露”波紋 機密費で世論誘導?  (東京新聞 2010年5月18日)”

評論家に盆暮れには五百万円ずつ届けた-。小渕内閣で官房長官を務めた野中広務氏が先月、官房機密費の使途で、暴露発言をした。折しも一連の検察報道などで「メディア不信」が漂う中、発言は波紋を広げた。受け取った人物の具体名については、明かされずじまい。河村建夫前官房長官の使途疑惑に加え、政権交代後も透明化が進まないなど、官房機密費の「闇」はいまだ深い。 (加藤裕治、秦淳哉)


河村健夫前官房長官の二億五千万円持ち逃げ事件に触れているのも東京新聞だけである。
自分のカネを動かしただけの小沢に「政治とカネ」という非難を浴びせ続けているマスコミは、二億五千万円の税金の持ち逃げ事件についてはほとんど無視を決め込んでいる。

官房機密費引き出し 河村前官房長官を市民団体が告発 (asahi.com 2010年1月19日)
鳩山政権の発足直前、当時の河村建夫官房長官が内閣官房報償費(官房機密費)の国庫から2億5千万円を引き出していたとして、大阪市の市民団体が18日、河村氏に対する背任容疑などでの告発状を東京地検特捜部に提出した。

 告発したのは、市民団体「公金の違法な使用をただす会」のメンバー39人。

 告発状によると、自公政権時代には、国庫から引き出された機密費はほぼ毎月1億円だったのにもかかわらず、河村氏は衆院選2日後の昨年9月1日、通常の2.5倍にあたる2億5千万円を引き出した。さらに、遅くとも鳩山内閣が発足した9月16日までに使用したとされる。市民団体は「誰の目から見ても目的外使用、私的流用でしかあり得ない」としている。


朝日はこんなちっぽけな記事を載せただけである。
その後どのメディアもこの問題について大きく取り上げたことはない。
一月に東京地検に出された告発状がどうなったかという報道も皆無である。
検察審査会が異常とも言える速さで「起訴相当」の議決を出したのとは格段の落差がある。

さて再び東京新聞に戻る。

機密費の使途については、これまでも写真週刊誌「FOCUS」(現在は廃刊)が2000年、複数の評論家の名と金額とみられる数字が並んだ「極秘メモ」を報道。01年の外務省職員による外交機密費横領事件の際も、共産党が1990年代初頭の官房機密費の内部資料を入手し、国会で取り上げた。
(中略)
 まずは、テレビでおなじみの政治評論家の三宅久之氏。「野中さんから官房機密費をもらったことは一切ない。彼が思わせぶりなことを言うから、大変迷惑している」

 ただ、三宅氏は中曽根内閣当時、故藤波孝生官房長官の秘書から百万円の提供があったと振り返る。「藤波氏が予定していた二回の後援会に出られず、代わりに講演し、百万円(講演料)をもらったことがあった。しかし、自分の信条からして恥ずかしいことはしていない。お金の出どころが官房機密費かどうかは考えたこともない」と語る。

 メディアや評論家と政治権力の距離について、三宅氏は「提供を『断ればいい』と言うのは簡単だが、必ず相手との関係が悪化する。最終的には良心の問題」と悩ましさを隠さない。


三宅久之よ、こんな言い訳が通るか!
「お金の出どころが官房機密費かどうかは考えたこともない」?
100万も貰ったら、領収書を出すのが普通だろう。
領収書には、これもまた当たり前のことだが宛先を書く。
講演会の主催者にしても領収書もなしでは会計処理はできなかろう。
領収書を書かなかったということは、三宅久之が、その100万円が領収書のいらない金であることを知っていたからであろう。
さらに笑わせるのが、「最終的には良心の問題」というセリフである。
三宅久之の”良心”というものが、どの程度のものか明らかである。

次は浜田幸一が登場する。
こんな男がどんな汚いカネを手にしていても不思議はないが、浜田は驚くべき事を口走っている。

浜田氏が国会で活躍した当時は、いわゆる55年体制。機密費の使途は法案を通すための野党対策と、自民党議員の選挙資金だったと明かす。
(中略)
選挙資金については「派閥の親分から。自分は手を出して催促する方。額は二千万円や三千万円だ」。ちなみにメディアや言論人に対しては「私と親しい記者たちには受け取る人はいなかった」と話した。


ここには二重の犯罪が潜んでいる。
一つは官房機密費の目的外使用である。
そしてもう一つは─こちらの方が重大だが─、政権与党・自民党議員の選挙に使われていたという事実である。
官房機密費は税金である。
その税金を自分の選挙のために私していたのである。
言うなれば「公金横領」であり、自民党は党を挙げて「公金横領」という犯罪を犯していたのである。
民主主義国家として有り得べからざる事実である。

次に俵孝太郎。
こいつにもあきれて開いた口がふさがらない。

さらにメディアと政治権力の金銭関係について「例えば閣僚の外遊。一般には新聞社が同行記者の分担金を払う。だが、それでまかなえるとは限らない。文化担当が取材相手から本やチケットの提供を受けて批評を書くのと構図は同じで、機密費だけ批判するのはおかしい」と主張した。

「機密費だけ批判するのはおかしい」?
これがいい大人の言うことか。
「文化担当が取材相手から本やチケットの提供を受けて批評を書くのと同じ」?
ついでに交通費・食事・酒・女もついてくるか。
もしかして現金も?
メディアの文化批評とはそんなものだったのか!
そういうのは批評とは言わずに、提灯記事、宣伝・広告文と言う。
文化担当者達も言うだろう。
「政治部と同じことをしているだけだ」
みんなでやってろ!

一つ付け加えれば、彼ら官房機密費を受け取った連中は、全員脱税犯である。
事業収入にしろ、雑所得にしろあるいは贈与にしろ所得税申告の必要なカネである。
事業収入・雑所得は総所得に合算されるからまず税金はかかるカネである。
贈与税は、控除額が110万円であるから、それ以上の金を受け取った場合、申告をしていなければこれも又脱税である。
以前は控除額はもっと低かったから大抵は引っかかっているはずである。
河村の持ち逃げした機密費を受け取って、今年3月に申告をしていなかった奴らはそれが判明した時点で脱税によって処分しなければならない。
大した罪にはなるまいが……。

ちなみに東京新聞(中日新聞東京本社)の河津市三編集局長は「取材相手と深い関係を築くことは必要。だからといって、取材相手から記者が金銭を受け取っていいことにはならない。仮に提供があっても断るのが当然だ。私自身は取材の過程で、金銭の提供を受けたことはない」と話した。

こんなごく当たり前のことが当たり前でなくなっている。
東京新聞は河村前官房長官事件についても言及している。

最近の官房機密費をめぐる問題では、麻生内閣当時の河村建夫官房長官が昨夏の衆院選二日後に二億五千万円を引き出していたことで、大阪の市民団体が河村氏を詐欺や背任容疑で東京地検特捜部に刑事告発した。河村氏側は「使い切った」とするが、市民団体の代理人の辻公雄弁護士は「政権交代まで間がない時期に多額の機密費が必要なはずがなく、着服した可能性がある。野中発言も一部だけで、使途のすべてを言ったとは思えない」といぶかる。

東京新聞のこの記事は多少なりともわたしたちを慰めてくれる。
辛うじてジャーナリズムが息づいている。
いつぞや東京新聞は、検察庁から出入り禁止を喰らったことがあった。
その姿勢は是とするが、それを貫いてこそのジャーナリズムである。
まだまだ安心はできない。
それ程わたしたちのメディア不信は強いのだ。

東京新聞はまた、検察の2度目の小沢不起訴の決定を比較的公正な目で論じている。

【社説】小沢氏再不起訴 焦点は次の市民判断 2010年5月22日
問題は一回目の議決に加わった市民のうち、五人の任期が七月末まであり、審査会に残る点だ。二回目の議論は別のメンバーで行われるべきではないだろうか。新しく入った審査員との“情報格差”が生まれる問題点もある。

 法的見地からの助言を行う審査補助員の弁護士も、一回目とは異なる人を充てた方がよい。会議が非公開なため、助言が適切かどうか、チェックできないからだ。

 「民意の反映」が検察審査会の役目であり、むろん検察官とは異なる視点があってよい。だが、同じ証拠なのに、その評価が検察官と市民とで分かれたことに違和感を覚える人もいる。より公正を図る意味で、審査会は市民も弁護士も一新して、民間人の良識を示す結論に導いてほしい。

 検察の再捜査が、審査会の議決から一カ月程度で終結したことは、拙速との批判が出る恐れもある。結論を急いだのは、審査会に下駄(げた)を預けたのかという憶測さえ生みかねない。ゼネコンマネー疑惑はどうなったのか。検察も説得力ある説明がいる。


惜しむらくは東京新聞の影響力が三大紙やテレビに比べてずいぶんと小さいということである。

マス・メディアに投げ与えられるエサはまだまだある。
その最大のものは、彼等の”飯の種”である報道材料そのものである。
記者クラブを通して彼等だけに与えられる日々のニュース。
彼等はそれを垂れ流すだけの、単なるニュース・ブローカーに成り下がっている。
時には社説やコラムを使って彼等の言いたいことを代弁までする。

こんな楽な商売をしていられるのは誰のおかげか?
かれらはそれをよく承知している。

彼らの飼い主の一人である自民党が壊滅状態である。
──今となっては、どちらが飼い主だったのか判然としないところもあるが──。
彼らはここに来て自分で自分を守る必要があることに気がついた。
まだまだ飼い主のいくつかは健在である。
彼らが健在のうちに敵を倒さなければ自分たちの生き残りは不可能になる。
マス・メディアは戦いの最前線に立つことを決意したのだろう。

守るべき利益はまだまだたくさんあるのだ。

記者クラブ制度(情報寡占維持)
クロスオーナーシップ(新聞・テレビ等の系列化による企業利益・情報寡占の維持)
電波利権(電波オークション制の導入防止─格安電波料金維持・寡占体制維持)
再販制度(全国一律価格維持)
押し紙問題(公称発行部数の水増し─広告費・チラシ収入の水増し等)


番犬がすっかり猟犬か闘犬になってしまった。
彼らは、緊急に狂犬病の予防接種が必要なほど危険な状態になっている。
それともいっそ薬殺処分か!

マス・メディア以外にも権力の座から追い落とさなければならない勢力がまだまだある。
それが出来て初めて政権交代の果実がわたしたちの手に届くことになる。




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NHK経営委員会に潜む狂人

2010-05-13 07:50:22 | マスコミ
NHKの新しい経営委員(候補)の顔ぶれが発表された。
任期切れの委員の入れ替えのようだ。
しかし、委員のうち6月で任期が切れるのが5人(多分19年6月20日就任となっている委員がそれに当たると思われる)、新たに任命される予定の人数は6人である。(再任の一人を含む)
だれか他に退任するのかも知れない。
退任予定者のリストが見つからないのでよく分からない。
国会の同意人事である。

NHK経営委員会委員
定員は12名で現在欠員はない。
任期は3年である。

新任予定のNHK経営委員会委員
作家・幸田真音氏
漫画家・倉田真由美氏
ANA総合研究所社長・浜田健一郎
元日本民間放送連盟専務理事・北原健児
社会福祉法人プロップ・ステーション理事長・竹中ナミ
福山通運社長・小丸成洋(再)


異色なのは竹中ナミ氏であろう。
「大阪郵便不正事件」の公判の様子をレポートしている人らしい。

《第18回》竹中ナミの郵便不正事件公判傍聴記:厚子さんにみる公務員の矜持と、それを失った検察官たち

彼女のレポートによって大阪地検特捜部のデタラメ捜査がほぼリアルタイムで多くの人の知るところとなっている。
大手メディアがほとんど伝えることのないこの公判の様子を、NHKで大きく取り上げる、なんてことになると面白い。

経営委員にはそれくらいの口だし権限は与えられるのだろうから。
現にそうしている委員もいる。
(議事録によると、安田委員は自分の仕事に関する番組を作らせている)
報酬も大きいが、権限も大きいのだろう。

月額報酬
期末報酬
(各期)
年間報酬

委   員   長
1,995,000円
3,990,000円
31,920,000円

委員長職務代行者
1,731,250円
3,462,500円
27,700,000円

委     員
1,410,000円
2,820,000円
22,560,000円


さぞ大変な仕事なんだろう。
仕事は月に2回も経営委員会に出席することである。
臨時の委員会というのもあるらしいが、議事録をみると臨時の委員会は去年から一度も開かれていない。
出席日数から計算すると、ヒラの委員で一回あたり100万円近くの報酬を受けることになる。
もっとも、これは常勤の経営委員についての報酬である。
別に非常勤の委員についても規定がある。

驚くことに経営委員12人中11人が非常勤らしい。
多分委員長だけが常勤なのだろう。

委   員   長
396,000円
792,000円
6,336,000円

委員長職務代行者
356,400円
712,800円
5,702,400円

委     員
316,800円
633,600円
5,068,800円


月2回の出席で年間500万円の報酬が高いかどうかはわたしには何とも言えない。
しかし、NHKの最高意思決定機関である経営委員会が非常勤のアルバイト委員で構成、運営されているとは!
この連中はNHKの経営を何と心得ているのか!
これでは会長以下執行役員どもの好き勝手のやり放題、思うがままではないか。

経営委員会とは
経営委員会は、会長以下の役員に対する目標管理・業績評価を行い、評価結果を処遇に反映させるなど、執行部に対するガバナンスを強化し、監督を行っています。


さてこの年間500万円のアルバイトをしている人間の中に、とんでもない人間が住み着いている。

安田 喜憲
現 職 国際日本文化研究センター 教授
就 任 平成21年3月1日


この男は残るのか?
彼の経営委員会での発言を議事録から紹介する。

日本放送協会第1110回経営委員会議事録
(平成22年1月12・13日開催分)
会議日時
平成22年1月12日(火)午後 2時00分から午後5時00分まで
    1月13日(水)午前10時00分から午前11時00分まで

(記録を見ると1年に一度だけ二日連続の開催がある。そのほかはすべて一日開催である。それにしても楽な会合である)

(安田委員)
日本は、いつの間にか文明が成熟しているので、今の日本の若者の接触者率を増やさなければならないとか言っていますが、私は、今の若者に徴兵制はだめとしても、徴農制とか、徴林制とか漁村に行けとか、そういう法律で、テレビの番組も何時から何時まできちんと見るということにすればいいと思います。この番組を見なければ会社に就職させないとか、抜本的に政策を変えないと、日本は本当に大変なところへ行くのではないかと思います。したがって、そういう面でNHKの役割は非常に大きいので、許される範囲を超えるものもあると思いますが、もっときつい方策をとらなければならないところまで来ているのではないか思います。

(安田委員)
 プラグマティック(実利的)だということですから、学生や若者は自分なりに価値があると判断しなければ見ません。だから、これを見たら受験に役立つ、これを見たら就職に役立つというようなイメージの番組作りをしていくことが必要だと思います。NHKのある番組を見ていなかったら就職もできないよというような。

(安田委員)
 忘れてはいけないことは、若者の心は変わりやすく、無責任だということです。ですから、きちんとわれわれが、どういう方針を与えて、未来に対してどういう放送をしていくのかという、確たる意識があれば、若者もそれにおのずからついてきます。そういう若者の意見にふらふらされるようでは、執行部の意味がありません。われわれがきちんと、確たる未来に、どんな日本をつくらなければならないか、どんな若者を育てなければならないかということをはっきり持っていれば、若者は必ずそれについてきます。


狂人であろう。
こんな人間がNHKの経営委員として大いばりしているのである。
支払われる報酬は、視聴者から強制的に集めたお金から出される。
税金と同じなのである。

経営委員と言うのであれば、まず真っ先にやるべき事があるだろう。
こんなバカ高い報酬を削減することである。
まず経営に当たる者の姿勢を正すことから始めなければならない。
こんな馬鹿な報酬を受けながら”経営委員会”とは、チャンチャラおかしい。

NHKも政府も何か勘違いしているのではないか。
経営委員会の議事録をみれば分かるが、こいつらはただの番組モニターの水準である。
せいぜい番組編成のアドバイザーというところである。

NHKの番組は聴取料で作られている。
国民から強制的に徴収する聴取料は税金と同じである。
税金で番組を作っているのである。
税金で維持するほどの価値がNHKにあるか!
税金で大河ドラマを作り、紅白歌合戦を続け、歌謡番組を作り、下らないドラマを作り、偏向報道を続け、育てたアナウンサーは高い金で民放へ移っていく。

NHKの民営化は簡単にできるだろう。
いつまでも甘やかしてはいられない。

心配しなくても次代のメディアは育っている。
NHKは民営化して有料放送にしてもいいし、広告を取って民放と同じになってもいい。
それで国民は何の不都合も感じない。
(広告主を奪われる民放は大反対するであろうが)

新しい経営委員には是非、NHK民営化の旗振りをやってもらいたい。
なんなら、ただ解体してお終いにしてもいい。





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暴走検察
上杉 隆,週刊朝日取材班
朝日新聞出版

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メディアの惨状・小沢報道から見えるもの

2010-01-24 11:12:50 | マスコミ
駄目な閣僚の筆頭と思っていたこの男がようやく存在感を少しだけ示した。
政権交代後すでに4ヶ月を過ぎているのに、この男のホームページはいまだにこんな状態である。


(この画像は3度目の紹介です)

国家公安委員長「捜査当局からリーク記事」 (YOMIURI ONLINE 2010年1月22日)
中井国家公安委員長は22日の閣議後記者会見で、再審公判が行われている足利事件に関連して、「今の自白中心の捜査と捜査当局から一方的にリークされる記事しか書かないマスコミという中では、冤罪(えんざい)被害はこれからも出ると思う」と述べた。


小沢問題についての感想かと思ったがそうではなかったらしい。
足利事件についての感想であった。
しかし、「捜査当局から一方的にリークされる記事しか書かないマスコミ」と言い方は間違いなく小沢をめぐる報道を念頭に置いたものであろう。

 中井委員長は会見で発言を問いただされると、「リークされたことばかり書くマスコミと言ったんだ」と繰り返した。「今もリークがあると思っているのか」との質問に対しては、途中で「ずっとそうだ」と遮り、「お互い気をつけてほしいものだと申し上げている」と声を荒らげた。

なかなかの策士である。
足利事件にかこつけて、小沢報道のひどさをはっきり切って捨てている。
他の奴らもこれくらいのことは言って欲しいものである。

民社党→新進党→自由党→民主党という歩みは小沢一郎と行動を共にしてきたことを示しているようだ。

「リークされたことばかり書くマスコミと言ったんだ」
「ずっとそうだ」
「お互い気をつけてほしいものだと申し上げている」と声を荒らげた。


確信犯と言えば確信犯であろう。
鳩山・平野をはじめとして、歯に衣を着せたような物言いしかできない民主党の中では、貴重な存在ではないか。

リーク報道を臆面もなく続ける日本のマスコミの愚劣さを思い知らされるコラムを目にした。
小沢事件をめぐるいくつかの海外メディアの見方を紹介したものである。
取り上げられているのは、ニューヨークタイムス、英タイムズ、ワシントン・ポスト、英フィナンシャルタイムズの4紙である。

長い文章なので要点だけ抜粋する。
時間があったら全体を読んでいただきたい。

「小沢vs検察」はゴジラ級の権力闘争と英米メディア、「壊し屋」への勧告も (gooニュース 英語なニュース 2010年1月20日)

ニューヨークタイムス
マーティン・ファクラー特派員は、「日本のスキャンダルで新旧体制が衝突」という見出しの記事で、
◎東京地検特捜部の捜査は、「今までとはがらりと違う理由から、日本中の関心を集めている」と解説。それは、このいかにも典型的な政治スキャンダルが、「恐れ知らずな改革派指導者」対「日本戦後に確立された権力機構の中でも最も強力な組織のひとつ=検察庁」との白昼の闘いと化しているからだと。──
◎巨大な自由裁量権(discretionary power)を振るう検察に対する批判もかつてないほど多い──
◎京地検特捜部という「エリート捜査官集団」は従来、「腐敗した政財界トップ」を懲らしめてくれる存在として国民から喝采される立場だったのだが、今回はむしろ国民は「小沢氏の民主党が服従させると約束した、責任説明をほとんど負わない強力な官僚機構を、つまりこの国の鈍重な権力体制(status quo)を、検察は守ろうとしているのではないか」と疑問視しているのだと

◎さらには小沢氏が党内で、総理大臣の検察庁に対する指揮監督権限強化を検討する委員会を設けたことを、検察は懸念しているのではないかと指摘しています。

そしてさらに「これでは日本の民主主義は危うい、有権者に選ばれた改革勢力に既存の官僚組織が反撃しているのに等しいと持論を展開。検察の動きは、新政権がいかに波風を起こしているかの証でもあると同時に、旧体制はこうして反撃するのだという表れでもあると」郷原氏の見方を紹介している。

英タイムズ紙
リチャード・ロイド=パリー特派員は19日付の記事で、
東京地検が恣意的に情報をリークしていると指摘しつつも、石川知裕衆院議員の逮捕理由について東京地検幹部が「逮捕する緊急性、必要性があった」として自殺の可能性を示唆したことを説明。

米ワシントン・ポスト紙
ブレイン・ハーデン特派員はすでに9日付の記事で
「自民党との間に長年の忠誠関係があるため東京地検特捜部の政治的動機に対する疑問もある」と紹介。

英フィナンシャル・タイムズ(FT)紙
19日付の社説
検察がマスコミを使って小沢氏に不利な情報をリークしているやり方は、実にみっともない(disgraceful)し、日本で真の権力を握っているのは有権者に選ばれたわけでもない官僚たちだと言う民主党の主張を裏付けるものだ」と批判した上で、「しかし民主党が撤廃を主張する従来型の金権政治に、小沢氏自身も関わっているとされてきた」とやはり小沢氏を批判しています。


各紙の見方は概ね納得できる見方である。
取り上げたいのは日本の大手メディアはこんなことを書かないということである。
彼等はこんなことは百も承知であろう。
しかし、決して書こうとはしない。

メディアということに関してもう一つ取り上げたい。

グーグルをめぐる問題である。
グーグルが、報道媒体かというとそうは言い切れないが、問題の核心はまさに「表現の自由・報道の自由・検閲」というところにある。

「これ以上、検閲を容認しない」 グーグル、中国からの全面撤退も視野 (産経ニュース 1/13)
(抜粋)
その後の調査で、同様の攻撃はグーグルだけでなく金融やメディアを含む20社以上の事業体にも仕掛けられていたことが判明。さらに、グーグルへの攻撃を分析したところ、攻撃者の主な目的は中国の人権活動家が使用するGメール(グーグルが提供する無料電子メールサービス)のアカウントへのアクセスだったことがわかった。

 グーグルは、こうした攻撃は「言論の自由に関する世界的な議論にかかわる問題」と事態を重視するとともに、「中国でわれわれが事業を続けることが本当に可能なのか、見直しに入る」と表明。グーグルの中国でのサービスであるグーグル・チャイナに対する検閲をこれ以上容認しないと表明するとともに、今後数週間のうちに中国政府との協議に入ると述べた。

協議が不調に終わった場合、中国からの全面撤退も視野に入れているという。

 グーグルは2006年、中国でのサービスを開始する際、「インターネットによる情報量の増大は、検閲を受け入れることのマイナスを補ってあまりある」との判断により、中国当局からの検閲を受け入れた経緯がある。


2006年の中国進出に際しての、検閲受け入れも苦渋の選択であったようだ。
企業利益の追求と「言論の自由」との間でグーグルは苦しんでいる。

記者クラブ制度、新聞・テレビの系列化、そしてリーク情報に頼って恥じることのないこの国のメディアの姿とは天と地の開きがある。

クリントン米国務長官:「ネット検閲拒否を」 グーグル問題、中国に調査要求 (毎日jp 1/22)
【ワシントン草野和彦】クリントン米国務長官は21日、ワシントンで「インターネットの自由」について演説し、インターネットの「政治的な検閲」を批判した。その上で、米ネット検索最大手グーグルが中国でサイバー攻撃を受けたとされる問題について、「中国は徹底的な調査をすべきだ」と主張した。

 長官は「企業もネット上の表現の自由を守る責任がある」と述べ、中国政府などによるネット検閲策を拒否すべきだとの考えを強く示唆した。また、「我々は中国とは(ネット利用について)認識の違いがあるが、きたんなく協議していきたい」と述べた。


価値観の共有、価値観外交とは安倍晋三ら自民党が言っていたことである。
価値観の共有とはまさにこんな所にある。
「表現の自由」とはクリントンをして中国を相手に立ち上がらせる価値なのである。
日本のマスメディアは勿論、記者会見の開放すら出来ない政府には理解しがたいことだろう。

さきのニューヨークタイムスの記事の見出しに old guard という言葉が使われている。
( Japan Stalls as Leaders Are Jolted by Old Guard)
コラムの筆者加藤祐子氏が別のコラムで説明している。
「old guard」は直訳すれば、「老兵」とか「老いた、昔からの衛兵」とかの意味。そこから転じて、「旧体制をがっちり守ってきた保守派、守旧派」という意味にも。

問われているのは、彼等(Old Guard)が網の目のように張り巡らした利益収奪の構造である。
問われているのは、現状維持に利益を見いだす勢力によって好きなように操られてしまうわたしたち国民である。
問われているのは、彼等を甘やかし増長させてきたわたしたち国民の責任であり、能力であり、程度なのではないか。
言い換えれば、この国の民主主義が問われているのである。




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