政治の季節【稗史(はいし)倭人伝】

稗史とは通俗的な歴史書等をいいます。
現在進行形の歴史を低い視点から見つめます。

史上最低の政党・”改革クラブ”

2009-12-27 09:23:18 | 政治
多分史上最低の政党と言えるだろう。
結党以来、この党の至上命題は所属議員5人の確保である。
それだけのために悪戦苦闘を続けているのが、改革クラブである。

結党は2008年(平成20年)8月29日。
お笑い政党にふさわしい幕開けであった。



この場にあるべきはずの姫井由美子議員の姿がない。
数時間後、姫井議員は別のところで会見を開いていた。



民主党へ離党届を出していた姫井由美子参議院議員は29日の午後6時半から民主党本部で記者会見し、新党「改革クラブ」には参加しない意向を表明、「これまで通り民主党参院議員として頑張っていく」と語った。

女心と秋の空。
出足でずっこけた改革クラブの苦難の始まりである。

彼等が5人にこだわるのには理由がある。

党首   渡辺秀央  民主党 参議院比例区
幹事長  荒井広幸  自民党 参議院比例区
      大江康弘  民主党 参議院比例区
      松下新平  無所属 参議院宮崎選挙区


比例区選出の議員は、当選後その時点で存在していた政党への移籍を行うと議席を失うことになる。
新党結成は許されるが、自民党へ入ることは出来ない。

そこで改革クラブ結党ということになるのだが、今度は政党助成金を貰うためには5人の議員が必要になる。
姫井由美子を騙してだかおだてだかして仲間に引き入れたのだが、こいつらに騙されるくらいのバカ娘である。簡単に説得されて民主党に戻ってしまった。

仕方なく四人でスタートしたのだが、二階俊博が裏で糸を引いていたらしい。
いわば自民党別働隊である。
二階も責任を感じたのか、あるいは渡辺達が動き回ったのか、ようやく一人を引き入れることに成功した。

2008年9月24日 - 改革クラブへ参加

西村慎吾    民主党公認・衆議院比例復活(2005年)
        2005年11月29日 - 民主党が除籍処分


人も知る極右議員である。
クズはクズを呼ぶ。
しかしせっかくの入党も、今年の8月総選挙であえなく落選。
再び5人を割ってしまった。
そこで見つけてきたのが、

中村喜四郎   無所属 衆議院茨城7区 
2009年10月16日 改革クラブ入党


自民党在籍中、ゼネコン汚職事件で逮捕・実刑判決、仮釈放で出所、無所属で当選を繰り返し、現在通算11期目。
選挙にはめっぽう強い。

これでめでたく5人確保となった。
しかしそれですんなり収まらないところがお笑い政党たる由縁である。
意外な騒ぎを引き起こした。

自民を離党検討 参院議員・長谷川大紋氏 党本部対応に不快感
自民党参院議員の長谷川大紋氏(66)は十日、本紙の取材に離党を検討していることを明らかにした。十月に衆院茨城7区の中村喜四郎氏が入った改革クラブと衆院で統一会派を組んだことをめぐり、県連に事前に相談せずに事を進めた党本部執行部への不満を理由に挙げた。 (高橋淳)

 自民党出身で長らく無所属議員として活動してきた中村氏と県連は衆院選で何度も対決し、過去には中村氏支持に回った同党県議を県連が除名したこともある。


結局、長谷川議員は12月22日、自民党離党。
自民党茨城県連の大重鎮、次期県連会長の呼び声の高い人物である。
茨城県自民党は全国二位の党員数を誇る、自民党王国であった。
今回の離党も自民党執行部に対する反発からのことで、身も心も自民党議員であることに変わりはない。
民主党に駆け込む心配はなさそうだが、県連の弱体化は避けられそうにない。

来年7月には参議院選挙がある。
改選を迎えるのは
渡辺秀央・荒井広幸・松下新平の3人。

内心穏やかではいられまい。
まず松下新平に動きがあった。
これ↓が引き金だったのだろう。

参院選で松下氏推薦せず 民主党県連決定 (宮崎日々新聞MIYANICHI e PRESS 2009年09月11日)
民主党県連(井上紀代子代表)は10日、幹事会を開き、来年7月改選の参院選の対応を協議した。2004年の参院選で支援し当選した松下新平議員(改革クラブ)は支援せず、公認候補を擁立する方針を確認した。


無所属ながら民主党支援で当選していた男である。
民主党の支援無しでは当選はおぼつかない。
まして民主党が公認候補を立てるとなれば、当選可能性はゼロである。

自民・改革ク、参院議員「交換トレード」へ (YOMIURI ONLINE 2009年12月26日)
衆参両院で統一会派を組む自民党と改革クラブが、参院議員を各1人、「交換トレード」する方向で調整を進めていることが25日、分かった。

 両党関係者が明らかにした。自民党は、改革クラブの松下新平参院議員(宮崎選挙区)(43)に、次期参院選で自民党からの出馬を打診。改革クラブ側は松下氏の自民党入りを了承しているが、問題は同クラブ所属議員が4人となり、政党交付金を受け取れる政党要件(国会議員5人以上)をみたさなくなることだった。そこで、自民党は、今期で引退を表明している山内俊夫参院議員(香川選挙区)(63)が改革クラブに移籍することを申し出たという。


それにしてもここまで愚劣な移籍劇があったろうか。
松下新平は選挙区当選議員だからいつでも自民党に入ることが出来る。
幸い、山内俊夫参院議員(香川選挙区)も同様である。
どうせ今のままなら落選確実な議員と引退表明をしている議員との交換である。
どちらにも損はない。
あからさまな政党助成金の確保と政党要件の維持が目的である。

政党要件を満たすことによって。政党助成金の受け取り以外にも種々恩恵がある。

◎政党は比例区に1人からでも候補を立てられるが、政治団体は衆院では定数の10分の2以上、参院では10人以上(選挙区と含めて)候補を立てなければならない
◎企業(法人)からの政治献金を受け取ることができる(政党以外の政治団体は、個人献金のみ受け取れる)

……等々。

しかしどんなに悪あがきをしても、選挙区で勝ち残れるような奴はいない。
比例区でも無理だろう。
全員落選という事態が待ち受けている。
残るは、中村喜四郎と大江康弘の二人。
党の存続は中村喜四郎次第ということになる。
大江康弘なんて男は何の役にも立たない。

改革クラブという政党は、その存在自体が日本の政党政治史上の一大汚点と言えよう。

こんなところとバーター取引をしたり、統一会派を組んだり、自民党も情けない存在に成り下がってしまった。




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7 コメント

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Unknown (らむちゃのパパ)
2009-12-27 11:51:27
渡辺秀央は、民主党で比例代表で当選しておきながら、離党。残っておれば、今頃大臣になっていたかもしれないのに、でも、今の民主党にもまだ隠れ渡辺みたいなのが散見してます。
夏の衆議院選挙ので、この党の主張にも笑わせてもらいました。来年夏の参議院選挙で消えて欲しいですね。
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阿呆政党 (ももだぬき)
2009-12-27 16:58:47
田村の阿呆、荒井ら5人。荒井は郵政民営化反対の思想あり。地元、田村の恥さらし。母校の街で恥ばっかりかかせてきました。田村は玄葉がしっかりやってくれれば十分。上田という、ださいたまの知事は改革クラブ思想。民主党の裏切り者。2010年の参議院選挙は自公・改革クラブとも激減を期待してます。オールスター内閣のチェックは共産党いれば十分。弱肉強食&利権食い政党は解体しろよ。シロアリジミン・犬作らよ。
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こんばんは (udonenogure)
2009-12-27 19:12:46
TBが通らないと思いますのでv

しかし、改革クラブは笑わせてくれますねw

ttp://udonenogure.iza.ne.jp/blog/entry/1387934/

h抜きです。
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Unknown (Ping)
2009-12-27 23:27:07
現在公明・共産を除く小規模政党は民主からも自民からも立候補するのチャンスも能力も無い連中の集まりいわばゴミ捨て場になっていますから、改革クラブもその一つに過ぎないと言うことです。
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らむちゃのパパ様 (亭主)
2009-12-29 12:08:14
渡辺と大江は、民主党にいるくせに、党の方針に反する投票を繰り返してきた反民主の確信犯でした。
小沢に憎まれてもいたことから離党は時間の問題でした。
まもなく野垂れ死にの運命です。
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ももだぬき様 (亭主)
2009-12-29 12:12:07
地元の恥的な議員はあちこちに散見できます。
荒井なんかは無能+お笑いということで二重の恥さらしということになりそうですね。
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Ping様 (亭主)
2009-12-30 00:26:48
議席を獲得するだけが目的の連中はいりません。
1日も早く消えて欲しいものです。
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