政治の季節【稗史(はいし)倭人伝】

稗史とは通俗的な歴史書等をいいます。
現在進行形の歴史を低い視点から見つめます。

さよなら、福田そして自民党

2008-09-23 05:04:29 | 福田康夫
麻生の勝利で決着のついた自民党総裁選。
福田から自民党総裁の肩書きが取れた。
しかし内閣総理大臣の肩書きはまだ残っている。
その福田内閣総理大臣の肩書きも明日には取れる。
残るのは衆議院議員。
それも衆議院解散日まで。
総選挙後、永田町に戻ってこられないかも知れない。
毎日jpの”首相VS記者団”で福田の会見を読むのももいよいよお終いか。
自民党総裁選の期間中、福田は何度か嫌々ながら会見に応じていた。

まずは9月9日の会見

◇ぶら下がり取材

Q 辞任表明以来、ぶら下がり取材を拒否の理由は?

A 拒否しているわけじゃないでしょ? ねえ。あのー、まあ、直後ですからね、なんで拒否したとかね、いろいろ聞かれますけれどもね。そのことでもって政治の情勢が、影響されてはいけないと、こう思って。ただね、大事なことであれば、柔軟に対応しますと、こういうふうに言っているわけ。これは新聞にも出ているじゃないですか。そういうふうに。やりとりしたってことが。拒否したわけではありません。


という具合に、ぶら下がり会見が再開された。

◇次期政権に期待すること

Q 新しい政権についてどのようなことを期待しますか?

A あとでね。


総裁選についての態度は不明。
まあ面白くはないんだろう。

次は9月10日午後6時5分~

Q 総裁選が告示されました。

A ええ。

Q 5候補それぞれ記者会見しましたが、総理はどのような議論を期待しますか。

A ええとね、よく見てなかったんだけれども、あのー、まあいずれの方も個性的な方ですからね。まあ、大いに活発な議論をして欲しいと思います。もちろん全般にわたってね、内政、外交。内政では経済の問題はもちろん、またあの、あれですね、国民生活にね、関係あるようなことについてもですね、十分な議論をして欲しいと思います。


どうでもいい、というのがありあり。思いつくままに当たり障りのなさそうな言葉をいくつか。
ところが、何故か次の瞬間、態度が変わる。

Q 次の総裁について、総裁の資質として必要なものを一言で言うと。

A 資質? 資質というのはどういう意味ですか?

Q どのような方に総裁になって欲しいか。

A どのような方と言われても、おー、一言で言うのはなかなか難しいね。あのー、まあ、いずれ、ね。この総裁選挙は、あー、実施されて新しい総裁決まる。そうしたらね、その段階で、それぞれが皆さん特色あるからね。そういう人にどういう期待をするか、ということは申し上げられるときが来るかと思います。


”総裁の資質”という言葉に対しては、過剰反応。
”総裁の資質”を問題にされ続けてきた福田にしてみれば無理からぬところか。

麻生勝利が決まった後の会見
9月22日午後5時25分ごろ~

◇麻生新総裁誕生

Q 先ほど、麻生新総裁が誕生しました。その瞬間どのように感じましたか。麻生さんに期待することをお願いします。

A あの、あれですね。地方の票もね、満遍なく集めて、順当な勝利だったと思いますけど、そういう地方のね、その支持を得た期待。これに十分答えていただきたい。そう思ってます。全国の、その期待にこたえる自民党の総裁であって欲しいと思います。

Q 今回の総裁選はあまり盛り上がっていないような声もありますが、総裁選をどのように見ていましたか。

A 盛り上がるか、盛り上がらないかということは、皆さん方が盛り上げてくれるかどうかという問題でもあったんじゃないかと思いますけどね。それはともかくとして、みなさん各地域によって一生懸命自分の考えを述べておられた。自民党もですね、いろいろな考え方があることも分かってもらえたし、また、おのおのの政治家の個性も十分発揮したというように思います。ですから、そういうことを通じて全国の方々に自民党というものを理解していただく、そういう良い機会だったと思います。自民党は日本全体のことを考えていると十分、示してくれた。そういうような期間だったと思います。

Q 総理は今回の総裁選でどなたに投票しましたか。

A 私の考えどおりにしました。

Q どういう理由で選ばれましたか。

A やはり、その人が一番ふさわしいだろうというふうに思って投票しました。


さほど麻生には期待していないようだ。しょせん、他人事だ。
おかしいのは次のやりとり。この男、自分の痛いところに触れられるとすぐにムキになる。

◇次期衆院選への出馬問題

Q 総理は総選挙に出馬する方向で調整しているのですか。

A どういう意味ですか。

Q 出馬するのか。

A 予定はないと言うことを期待しているの。何かそういうニュースありますか。もしそういう情報を流しているメディアがあれば、それはそこに行って聞いてください。

Q 出馬するということでいいですか。

A 出ないといえば、こないだの河野議長も出ないということを発表しましたね。それはニュースですよ。出ないということで、出ないということを言わないということはですね。普通は出るっていうことが前提になっているじゃないんですか。常識で考えて。


どうやら次の衆院選には立候補する積もりのようだ。
安倍といい、福田といい、首相は務まらないが衆議員議員なら務まるらしい。
議員というのはよっぽど楽な仕事と見える。

これで福田の会見は最後かな。
笑ってしまうことも多かったが、腹を立てさせられたことの方がもっと多かった”首相VS記者団”であった。

麻生はどうするのかな。
”記者団”にはなお一層鋭い突っ込みを期待する。




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農水大臣は首相の兼任が筋 太田辞任

2008-09-19 15:11:18 | 福田康夫
じたばた騒いだあげくに、”はい、サヨナラ”かい!
後任は町村官房長官に兼任させるとか。
今一番暇なのは、福田だろう。
太田の任命責任もある。
お前が責任をとれ!
農水大臣は首相兼任が当然の責任の取り方。
”自信がない”と言うかもかも知れないが、いい加減な人事を行った罰だ。
せめて最後ぐらいシャキッとしろ。

しかし、太田という男もただ騒いだだけの大臣だったな。
就任後わずか50日足らず。

「消費者がやかましい」発言。
事務所費問題
そして汚染米問題では「じたばたしない」発言。

まったく何のために大臣になったのやら!




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安倍も福田も見習え、北の湖の粘り腰!

2008-09-08 11:54:48 | 福田康夫
朝青龍の仮病問題に始まって弟子の暴行死、大麻疑惑等々ごたごた続きの大相撲。
これまでなんど北の湖辞任という見出しが新聞紙上を賑わせたことか。
その都度あの分厚い面の顔で乗り切ってきた北の湖理事長。
福田にもこれくらいのしぶとさが欲しかった。
さすがに今度は北の湖も年貢の納め時ではあろうが、次の総選挙には自民党は是非北の湖を公認候補として擁立するように。
こういう男を身近に見ていれば、あんな政権投げ出しなど恥ずかしくて出来なくなるだろう。
自民党の議員はすべからく北の湖をお手本として、あの驚異の粘り腰を身につけること!




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福田と安倍の衆院選立候補を許すな

2008-09-03 16:32:11 | 福田康夫
一度なら何かの間違いで済むかも知れない。
しかし、二度続けば間違いでは済まない。
一度だけなら個人の資質・能力の問題で済むかも知れない。
しかし、これが二度続けば、システムの問題ということになるだろう。

そして自民党は、そのシステムについての反省や検証を抜きにしてまた前回・前々回と全く同じことを繰り返そうとしている。
安倍や福田はなぜ行き詰まったのか。理由も原因もどこ吹く風で、次の総理・総裁選びに大わらわである。
マスコミも立候補を取りざたされている顔ぶれを追いかけ回しては、競馬の予想屋なみの解説を繰り返している。この風景もまたちっとも変わっていない。

さて私もそのマスコミに乗って、少々……。黙っていると身体に悪い。

最有力候補は麻生らしい。
しかし、麻生は自民党の幹事長。
福田の政権放り投げに、幹事長の責任を問う声がほとんどどこからも上がらない。
安倍のときも麻生が幹事長。
このときも麻生の責任などという言葉はどこからもあがらなかった。
幹事長は総裁を支える党の最高責任者。言うなれば一番番頭。総裁を支える立場の人間が、総裁がつまずいたら、いの一番に自分が手を挙げて総裁に取って代わろうとしている。
『禅譲の密約』などという疑問を呈している報道もあったが、こんなやめ方で禅譲もヘチマもなかろう。

次いで小池百合子の名前が。
自分で”マダム寿司”というバカ女。
だれか”マダム回転寿司”といった人がいたが、うまいことをいったもんだ。
とにかくめまぐるしく政党を渡り歩いた女渡世人。
◎麻生、○小池といったところ。
穴が野田聖子らしい。こっちは出戻り。
小池・野田は思惑があって担ぐ奴がいる。自力で立てる力はない。
こんなのが総理・総裁になれば陰で糸引く奴らのそれこそ操り人形。
”マダム・パペット”とでも呼ぶか。

庶民のあずかり知らぬところで、茶番劇が進んでいく。

話は変わるが、いずれにしろ総選挙は近そうだ。
福田と安倍は立候補するつもりなのか。
最近の安倍の元気の良さを見ると、多分立つんだろうな。
政権をあんなふうな投げ出し方をしておいて、立候補なんて恥ずかしくて出来ないだろうと思うのは我々庶民の小心さ。
今頃は、『美しい国をもう一度私の手で!』なんて演説の草稿でも考えているかもしれない。
そして福田。
こいつはまさか立たないだろう、と思うのもやはり一般庶民の人の良さ。
『俺が立つか、息子を立てるか』と思案中。
『息子も40だし、家業も覚えてきたし……』

福田首相の長男、3代目家業継承 (中央日報 2007.9.27)
日本で初の父子首相となった福田康夫首相が、長男福田達夫氏を政務秘書官に起用した。

福田首相は40歳だった1976年、父親である福田赳夫元首相の秘書官として政界に入門、父の後を継ぐように総理職に就いた。そして自分の息子をまた秘書官に座らせたのだ。日本の報道機関は「達夫が民間企業に勤めた後、政界に入門した経歴が父とまったく同じだ」と、これら3代に大きな関心を見せている。


親子同時に税金で飯を食える家業。むざむざ飯のタネを他人に渡す事なんてできないだろう。

いっそ今度の選挙は世襲禁止にしてみるか。
福田・安倍はもちろん小泉、町村、高村、谷垣、渡辺、石原等々(多すぎて書ききれない)。
小沢も鳩山も世襲議員だし、どちらも公認候補選びが大変になるな。
そう言えば麻生も世襲議員だった。




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福田辞任 幕引きは再び麻生

2008-09-02 06:43:39 | 福田康夫
福田の悪口を書くのもあと少しか。
ちょっと寂しい。
しかし残された期間、死人にむち打つようでかわいそうな気もするが、精一杯書かせて貰おう。議員まで辞職するなら話はべつだが、どうせまだまだ税金で飯を食うつもりだろう。近いうちに行われるだろう総選挙に本人が立つか、それとも子供(長男 達夫(総理大臣政務秘書官) にでも立候補させるつもりか。いずれにしろ一家眷属あげて税金で飯を食ってきた一族だ。
首相辞任ぐらいで同情してはいられない。

さて辞任会見で福田はいくつかの理由を並べていた。
野党が重要法案に抵抗して、聞く耳を持ってくれなかった。
前政権からの積み残しが山積していた、等々。
星野ジャパンの敗北会見の言い訳を思い出させてくれた。
審判の技量が低かった。
ボールの大きさが違っていた。
ルールが突然変わった。
いろいろ並べていたが、条件はどこのチームも同じ。
星野は負けたことより、言い訳を並べ立てたことで男を下げた。
福田も言い訳でさらに男を下げることになるだろう。

さて麻生幹事長。
昨年安倍改造内閣で幹事長に就いたのが、8月27日。
阿部首相が辞任表明を行ったのが9月12日。
幹事長就任後17日で安倍を辞任に追い込んだ。
安倍の後継総裁を選ぶ選挙は9月23日。
麻生はちゃっかり立候補している。
その麻生を幹事長に迎えて福田改造内閣が発足したのは今年8月2日。
昨日の辞任会見まで31日もかかってしまった。
このあとの総裁選を仕切るのは幹事長たる麻生本人。
多分今度も立候補するつもりなんだろう。
しかし、幹事長と言えば、総裁にかわって党を預かる最高責任者。
いわば総理・総裁の連帯保証人。
普通の神経なら政権投げだしの共同責任をとって謹慎でもするところだ。

総裁選までは仕方がないが、自民党は引き続き衆議院で新総裁を内閣総理大臣に指名する予定だろう。
新内閣総理大臣は解散総選挙を国民に約束した場合に限り認めてもいい。
新内閣がそれ以外の仕事をすることは認められない。
国民生活が苦しい状況にあることは明らかだが、それを理由にした国会審議などは認めてはいけない。
小泉郵政選挙というたった一回の選挙で、小泉・安倍・福田そして次の総理大臣と4人の首相は、度を超した選挙の使い回し。
正統性のない内閣、民意を無視した政権の私物化という非難は免れない。
景気対策などは緊急を要する、というような主張を自民党が言いだすかも知れないが、それが分かっていての首相辞任だろう。
そんな言い訳は通るはずがなかろう。




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福田・高村の屈辱外交 新テロ特措法をめぐって

2008-09-01 17:54:15 | 福田康夫
この高村という外務大臣はなんとかならないのか?

給油中断なら「ただ乗り批判が噴出」 外相 (NIKKEI NET 8/31)

高村正彦外相は31日、海上自衛隊によるインド洋の給油活動継続問題に関し「海自が退いたら『日本はインド洋を平和の海にする努力を他国に押しつけるのか』と、国際社会からただ乗り批判が噴出する」と述べ、法的期限となる来年1月以降も活動を継続する必要性を重ねて強調した。フジテレビ番組で語った。

 与野党の一部に、ガソリン価格高騰にもかかわらず無料で他国艦船に給油する点を批判する声があることについて「本来、日本は(テロの)海上阻止活動自体に参加しないといけないのだが、憲法などの事情で参加できないから、参加国への油の一部提供で勘弁してくれとお願いしている」と反論した。〔共同〕(14:47)


『安保ただ乗り論』を日本の外務大臣が蒸し返すのか。
日本のほうから言いだせばアメリカも安心して乗ってくる。
”バカ”としか言いようがない。
それともアメリカにそう言って貰いたいのか。
給油法案の成立が難しくなったので、また外圧を利用しようという魂胆か?
それならそれて゜全くのバカという訳ではないが、その政治手法は愚劣きわまりない。
日本の国民もいつまでも同じままだと思うな。
もはや、”安保ただ乗り論”なんていういい加減な理屈にびっくりして”思いやり予算”なんていう上納金を認めた”うぶな国民”ではないぞ。

記憶をたどっていただければ、戦後50年の期間というのは、どちらかというと日本は、国際世論というものに対して非常に敏感であった。私が外務省に入ってからの時代を考えても、国際世論、とりわけアメリカの世論なるものに対して、極めて敏感であったと思うんです。
(中略)
要するに、日本は国際社会に対して、どういう貢献をしていくかということがキーワーズであった。これは外交にとって非常に大きな意味合いを持って、私たちは外務省にいて、どちらかというと、日本の国内世論よりも、そういう国際世論、抽象的に言えばそれは外圧ということなのかもしれないけれども、外圧を使ってでも、日本の国内改革を進めていくということであったんです。
(朝日新聞シンポジウム「日中摩擦」とメディア 田中均氏の講演 2005.12.13)


もうこんな屈辱的な外交はやめてくれ。
こっちのほうが恥ずかしくなる。

「本来、日本は(テロの)海上阻止活動自体に参加しないといけないのだが、」と高村はいうが、そこが私たち庶民には分からない。
「なんで?」と訊いても多分、”国際世論が許さない”だの”日本の石油の通り道”だのという答えが返ってくるだけだ。
タリバンが軍艦でも持っていて、インド洋を通る船を襲撃でもするのか?いくらタリバンでも石油タンカーは襲えないだろう。
これで『ただ乗り』はないんでないか?
あることないこと屁理屈をつけて国民をたぶらかしおって!
はっきり言ってみたら?
アメリカがそれを望んでいるから、と。
高村にとって国際世論というのはアメリカ政府のことらしいから。
それじゃ、アメリカ政府の意向はアメリカ国民の世論か、というとそれもまた違うだろう。
アメリカ政府とはブッシュか、というとそれも正確ではない。
共和党とか民主党とかいうことを超えたアメリカの支配構造というべきものがそれなんだろう。
世界に影響力を保持し続けること。
それがアメリカの意志なのではないか。
言い換えれば、アメリカの正義を世界にあまねく世界に行き渡らせること、それがアメリカという国自身が持つ意志なのではないか、と思えるのである。

しかし、アメリカはアメリカ、日本は日本。
アメリカの正義に無批判に追従する外交を私たちは望んでいるわけではない。
ましてアメリカに”勘弁”して貰おうなどとは思わない。

高村の外交姿勢は”勘弁して貰う”というだけ。
言い訳の外交に過ぎない。
ロシアを見ろ。
中国を見ろ。
イランを見ろ。
彼等は言い訳ではなく反論をしている。
ロシアや中国・イランの政策を肯定しているわけではない。ただ外交姿勢として、反論すべきところは反論しろといっているのだ。
高村や福田に望んでも無理なのは分かっているが。

頭をなでられて喜んでいるポチの外交か?
煙たがられても存在を認められる外交か?




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本当に必要なのか国際貢献? 自民党のトラウマ

2008-08-28 11:47:41 | 福田康夫
『国際貢献をしなくていいんですか』
こう言われると、なかなか『しなくてもいい』とは答えにくい。
しかし、一般庶民の立場からすると、『無理してまですることか?』という気持ちがあるのも確かだ。むしろそのほうが強い……のではないか?

ようやく臨時国会の召集日と会期が決まった。
ここまで決定が遅れた原因は『新テロ特措法』をめぐる自民と公明の思惑の違いであるらしい。(実際には、公明党には矢野問題という強力地雷もあるが……)

【主張】国会会期 給油継続へ延長も辞すな (産経ニュース 8/27)

政府・与党は臨時国会を来月12日に召集し、会期を70日間とすることで合意した。インド洋での海上自衛隊の給油支援を継続するための新テロ対策特別措置法改正案を、会期中に成立させるのは事実上困難になったことを意味する。

 来年1月以降、再び支援活動が途絶える事態が危惧(きぐ)される日程が組まれたのは極めて残念である。福田康夫首相はもっと長い会期を求めていたが、8月召集を断念したのに続き、短い会期を主張する公明党に押し切られた形だ。

 テロとの戦いから離脱し、国際協調の輪を乱してはならない。会期延長も含めた万全の対応を取ることを、首相には求めたい。

この間、首相は林芳正防衛相に対し、給油支援活動の意義を国民に訴えるよう指示した。また、自民党の麻生太郎幹事長は「世界中がアフガニスタンに増派している中で、日本だけ撤収というのは通らない」と述べている。

自民党以上に自民党らしい産経の主張は主張として、この間の経過をよく説明してくれている。

『テロとの戦いから離脱し、国際協調の輪を乱してはならない。』
確かにこの産経の主張には正面きって反論はしにくい。
しかし、それでもなお素朴な疑問がいくつかある。
”テロとの戦い”=”国際協調”言い換えれば”国際協調には”テロとの戦い”しかないのか?
”テロとの戦い”=”インド洋での給油”なのか?
”国際協調”は憲法に優先するのか?
今どき青臭い憲法論議ははやらないようだが、無視していい問題ではないだろう。
そして最大の素朴な疑問は、なぜ自民党はそんなに国際協調を重視するのか。
なぜ”インド洋での給油活動”にそこまでこだわるのか?

「インド洋、給油継続は必要」高村外相 (産経ニュース 8/24)
 高村正彦外相は24日、長野県軽井沢町での会合で、インド洋での海上自衛隊による給油活動継続問題に関して「活動から手を引けば国際社会の理解を得られない」と述べ、根拠となる新テロ対策特別措置法改正の必要性を重ねて強調した。

 高村氏は「日本は憲法との関係で(テロなどの)海上阻止活動はやらないが、艦船に油や水を補給することで勘弁してもらっている」と指摘。その上で「野党、特に民主党とよく話し合い、理解してもらう努力をしなければならない」と述べた。


『勘弁して貰っている』
何だ、この言い方は!
だれが勘弁して貰っているのか!
日本の国民が勘弁して貰っているのか!
お前達が勘弁して貰っているのか!
だれに勘弁して貰っているのか!  

「活動から手を引けば国際社会の理解を得られない」

国民の理解は要らないが”国際社会”の理解は必要らしい。
もしかして”国際社会の理解”というのはこんなことなのか?

海自の給油活動継続、米大使が要望…林防衛相と会談 (YOMIURI ONLINE 8/13)
インド洋補給活動継続を 駐日英大使が要請 (産経ニュース 8/27)

”国際社会”というのはどこの国際社会なんだ?

1991年の湾岸戦争がいまだに政府・自民党の大きなトラウマになっている。
当時日本は百数十億ドルの経済的な協力をしたものの、戦争終結後クゥエート政府がニューヨークタイムスに出した感謝広告の中に日本の名がなかったからだ。
このことに政府・自民党は大きなショックを受けた。以後政府・自民党にとって”国際貢献”とは”血と汗を流す国際貢献”でなければならなくなってしまった。
しかし一般庶民にとっては、たいした問題ではなかった。
「そんなに大騒ぎすることでもないだろう」というのが、大方の受け止め方だった。
マスコミは政府と一緒になってずいぶんと騒いではいたが……。

おがげで、今でも政府・自民党は『国際貢献』、『国際協力』という言葉を聞くと、とたんに周章狼狽、正常な判断力を失って集団ヒステリーに陥ってしまう情けないありさまだ。




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太田農水相個人に判断をゆだねる問題か?

2008-08-27 16:50:17 | 福田康夫
太田農水相の事務所費問題
太田に合理的な説明ができるとは、全国民が思っていない。

説明責任果たすべきだ 農水相事務所費問題で麻生幹事長 (産経ニュース 8/26)

臨時国会召集を目前に発覚した太田誠一農水相の事務所費問題を受けて、自民党の麻生太郎幹事長は26日午前、役員会後の記者会見で「個人事務所(の問題)なので説明責任は政治家個人に問われている」と述べ、太田氏自らが説明責任を果たすべきだとの考えを示した。


麻生の立場では『個人の問題』におさえたいのは、まあ理解できないでもない。
しかし、福田となるとそうはいかないだろう。
自民党総裁としてなら、『こっちの勝手でしょ』と言うのもいい。自民党という政党がそんな政党だというだけのことだ。後は法律違反があるかないか、という問題が残るだけだ。
ところが内閣総理大臣という立場となると話は変わる。
内閣総理大臣は実質、国の最高指揮権を持つ者。
国務大臣は国の省庁の責任者。
どちらも公人中の公人。

首相VS記者団 (毎日jp 8/26)
◇太田農相事務所費

Q 太田農相の政治団体が政策秘書の自宅を事務所として2000万円以上の事務所費を計上していました。本人は問題ないといっていますが、総理はどう説明責任を求めますか。

A それはあの、太田大臣の政治活動の問題ですから、太田大臣が一政治家としてね、きちんと説明をすべきであると、それに尽きます。

Q 太田大臣は領収書の公開もできればしたい、と言っていますが。それも必要だと?

A それは必要があらばね。そういうこともされるのは太田大臣の判断として、あるのではないでしょうか。

(そして臨時国会、アフガニスタンと話が進み、再び)

Q 太田大臣の件ですが…

(秘書官がさえぎり終了)

2008年8月26日


自民党総裁が自民党議員に対して言う言葉なら許せないこともないが、内閣総理大臣が国務大臣に対していう言葉としてはもってのほかだ。
一代議士と国務大臣とでは公的性格の度合いがまるで違う。
その認識があるからこそいわゆる『身体検査』の必要性が巷間言われているのだろう。
福田が太田の『身体検査』をしたかどうかは分からないが、そういうことをやっているらしいというのは、いまでは一般庶民の間でも常識になっている。
大臣というのは、一般代議士よりはるかに高いモラルが要求される。
それを『大臣個人の判断』にゆだねる、という福田の姿勢は内閣総理大臣のとるべき態度ではあるまい。
『太田大臣の政治活動の問題』『一政治家として』、『太田大臣の判断』というような言い方をしているところをみると、福田の頭の中には、大臣と一代議士を区別する認識はないようだ。
しかし大臣の椅子の重さを考えれば、福田は内閣の主催者として福田自身が先頭にたって、自身の任命した大臣の疑惑を晴らさなければならないのだが……。
総理大臣には国務大臣に対して任命責任もあるが、監督責任もあるんじゃないか?

国民は誰一人、政治家の良識などは信じていない。
太田が自主的に国民が納得するような説明をするなどと信じているのは、福田や麻生の他にはいないだろう。

思えば、この国はお粗末な内閣を持ってしまったものだ。




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冷酷無比の社会保険庁

2008-08-26 06:42:19 | 福田康夫
鬼のような社会保険庁
人の集団
冷酷無比
こういう事を思いつく役人を辞めさせる方法はないのか!

後期高齢者医療保険制度もひどい制度だが、役人というのはよくこんなことを考えつくものだとあきれてしまう。
制度自体もひどいが、なかでも被保険者証の取り上げというやり方は許し難い。
保険料を1年間納めないと、普通の保険証を渡さずに短期被保険者証というものに切り替える。なお未納が続くと資格証明書にかわり、医療機関の窓口で全額本人が負担しなくてはならない。保険料を支払うのが困難な高齢者に全額窓口で支払う余裕などあるはずがなかろう。あとで保険から支払われるらしいが、未納保険料があるとどうなるのかは分からない。いずれにしろ保険料を払えない人には罰を与えてやるという発想である。

今度驚いたのは次の記事である。いつの間にこんなことが決まっていたのか全く気がつかなかった。

国民年金:滞納者の保険証取り上げ 自治体反発、実施ゼロ (毎日jp 8/7)

国民年金保険料の納付率を上げるため、国は4月から、滞納者の国民健康保険証を取り上げて、代わりに有効期間が短い短期保険証を発行できるようにした。


注意すべきは、国民年金滞納が健康保険証取り上げにつながるという点。
年金と健康保険は別物だろう。とにかく自分の役所さえよければ国民はどうでもいい、というのがアリアリ。
短期被保険証を病院の窓口に出すときの貧乏人の悔しさ・恥ずかしさなどどこ吹く風。保険料を払わない人間が悪いのだ、威張りくさっている。

しかし、8月4日現在、実施に踏み切った自治体は全くない。納付率低迷に悩む社会保険庁から協力を求められた自治体がそっぽを向いた形だ。「年金滞納を理由に保険証を制限するのは難しい」との指摘が相次いでいる。【野倉恵】

実際に窓口で業務にあたる自治体の職員としてはやりきれないだろう。
しかし、この程度の常識も持たない社会保険庁の役人やこんな法律を通してしまった国会議員というのは、国民を不幸にするだけの存在だ。

昨年6月の社会保険庁改革関連法成立により、国民年金保険料をおおむね13カ月以上滞納した人に対し、市町村は正規の国民健康保険証を出さず、有効期間1~6カ月程度の短期保険証を発行できるようになった。

役人や自民党がなにか改革をやると、隠れたところで必ず悪さをしている。
何が国民目線の政治だ!
何が声なき声を聞く政治だ!

弱い者、苦しんでいる者の嘆き、苦しむ姿をよく見ろ!
耳を澄まして貧乏人の上げる悲鳴を聞いてみろ!




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福田-指導力-決断力=福田

2008-08-21 08:42:03 | 福田康夫
要するに指導力ゼロ、決断力ゼロ。
指導力ゼロはすでに全国民の知るところである。
内閣改造もやるんだかやらないんだか、いつまでもグズグズしていたのも国民全部が見ていた。
とうとう追いつめられて仕方なく改造はしたものの、支持率は依然どん底に張り付いたまま。
こんどは臨時国会の召集日でグズグズ。
あらためて決断力の無さを全国民の前に露呈している。

臨時国会:首相、主導権握れず 会期幅、公明となお溝  (毎日jp 8/20)

さっさと決めればよかったのにグズグズしていて追い込まれるパターンは改造の時とまるで同じ。
しかしここまで自分で何も決められない首相も珍しい。
かといって根回しの能力もなし。

福田康夫首相が19日、臨時国会の召集日を具体的にせず、会期にも言及しなかった背景には、この問題に神経をとがらせる公明党との折り合いがつけられていない事情がある。公明党は9月中旬の召集は受け入れたが、焦点は次期衆院選のタイミングと絡み始めた会期の幅。年末・年明けの衆院解散・総選挙も念頭に独自色を強める同党に翻弄(ほんろう)され、首相の政権運営は不安定感を増している。【川上克己】

首相は19日夜、召集日や会期の幅を明確に決められなかったことについて首相官邸で記者団に「決められるものなら早く決めたいが、いろんな状況があって総合的に判断した」と説明した。


『総合的に判断した』と言うが、結局のところ、決断を先延ばししたに過ぎない。ものは言いようである。

首相は18日夕、召集日に関し「私にも考えはあります」と記者団に述べ、19日の政府与党連絡会議で決断を示す構えをみせた。ところが、18日深夜に及んだ自民、公明両党の幹事長、国対委員長会談も召集日、会期幅で合意できなかった。公明党幹部はこの夜「与党で調整がつかないうちに首相が決めるというなら『勝手にどうぞ』ということになる」と突き放した。

『私にも考えがあります』とすごんで見せたがだれも驚いてくれない。
昔、似たようなセリフを吐いて詰め腹を切らされた首相がいた。
(1991年11月、総辞職に追い込まれた海部俊樹。きっかけは『重大な決意』発言だった)
頼みの公明党に、『勝手にどうぞ』と言われては福田程度では黙って頭を下げるしかなかったということだろう。

さらに問題なのは会期の幅だ。公明党の漆原良夫国対委員長は19日、新テロ対策特別措置法の延長問題に関し「わが党は(参院送付後60日で可能となる)衆院再可決を前提に日程は組まないと言っている。そこは首相とぶつかる」と記者団に明言。会期を長く取りたい首相と、短期で閉じたい同党との相違を隠さなかった。

臨時国会を出来るだけ早く、出来るだけ長く、と考えている自民党。
それにたいして、出来るだけ遅く、出来るだけ短くと考える公明党。
来春の都議会議員選挙を優先する公明党の前に妥協を余儀なくされる総理大臣。
実は公明党にとってある意味、都議選以上に重大な事情があった。

加えて同党は支持母体・創価学会を提訴した元委員長の矢野絢也(じゅんや)氏が臨時国会で参考人招致されるのではないかと危機感を募らせている。野党はすでに矢野氏招致をちらつかせており、会期幅を最小限にとどめ矢面に立つ機会を封じたい思惑がある。

公明党の元委員長矢野絢也氏が創価学会を訴えた事件である。
そもそも公明党の存在目的は、創価学会の安泰と繁栄である。
しかし、これまでこの国の政治家もマスコミもこの”創価学会と公明党”、言い換えれば”政治と宗教”、”祭政一致”の問題には正面から向かい合おうとはしてこなかった。
矢野問題はその根幹に触れるおそれがある。

公明・太田氏、矢野元委員長を非難「人間として信じがたい」 (産経ニュース 5/16)

公明党の太田昭宏代表は16日午前の記者会見で、同党の矢野絢也元委員長が支持母体の創価学会を相手取り、損害賠償を求める訴訟を起こしたことについて「『支援団体にお世話になった、感謝している』と言いながら提訴するとは、人間として信じがたい」と非難した。

 矢野氏は12日、評論活動をやめるよう強要されたとして創価学会と幹部7人を相手取り、慰謝料など5500万円を求める訴訟を東京地裁に起こした。


公明党はこの訴訟の重大性を早くに認識し、これを矢野氏の人格を非難することで、問題を矮小化しようとしてきた。
”言論弾圧”、”政治と宗教”という公明党にとって致命的な問題に発展することを阻止することは、今や公明党執行部にとっては重大な課題となってきている。
民主党がどこまで公明党を追い込む覚悟があるのかは疑問だが、いい加減な妥協をせずに、この問題を徹底的に取り上げることは、この国の民主主義の健全性を検証する格好の試金石となろう。

それやこれやで、臨時国会の召集日と会期の問題は、福田には解けない方程式ということになってしまった。




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福田内閣 経済と外交のお粗末話題を二つ

2008-08-19 17:43:36 | 福田康夫
経済対策のかけ声がかかってからもう大分経つ。
具体策はさっぱり。ただ与党内のあちらこちらから勝手な言い分だけがあがる。

経済対策の要望、22日が期限 自民政調会長 (NIKKEI NET 8/18
保利政調会長は「バラマキと言われないように財政規律も考えなければいけない。構造改革に資する案を出してほしい」と述べた。部会長らからは「中小企業の資金繰りを支援しなければいけない」「離島向けの原油高対策が必要だ」などの意見が出た。


会長は『ばらまきと言われないように……』と言っているのに出てくるのはばらまき案ばかり。
全くこの連中には選挙対策と経済対策の区別もついていない。

次は外交。実は外交というのも恥ずかしいほどのお粗末。
「ギョーザ問題は非常に大切」 訪中の高村外相 (産経ニュース 8/17)

この外務大臣のお粗末さ!
この内閣のメンバーでは町村や伊吹は”ワル”、太田は”馬鹿”だが、高村は”お粗末”としか言いようがない。

北京を訪問中の高村正彦外相は17日、中国の戴秉国国務委員、楊潔●(=簾の广を厂に、兼を虎に)外相と相次いで会談し、中国製冷凍ギョーザ中毒事件や北朝鮮問題について話し合った。高村、楊両外相は、2国間の戦略的互恵関係を進めてゆくうえで、ギョーザ事件は極めて重要とし、早期に真相を解明すべく捜査当局間で意見交換をしてゆくことで一致した。

いきさつはすでに周知のことではあるが、格好の記事があったので。
【政論探求】「ギョーザ政局」の恐れも (産経ニュース 8/17)
これまでの経緯をおさらいしておくと-。問題の「天洋食品」が事件後に回収した冷凍ギョーザによる被害者が中国国内で出たという。これが中国側から伝えられたのが北海道洞爺湖サミット初日の7月7日。「非公表」を条件にしたものだった。

 北京五輪開幕直前の今月6日、読売新聞のスクープによって明るみに出た。中国当局も日本側も事実関係をただちに認め、福田首相は「捜査に支障が生ずるということで、公表しなかった」と釈明した。


中国での事件発生は6月初旬。
中国が日本に知らせてきたのが、7月7日。
隠していたのがばれたのは8月6日。
折しもオリンピックの開会式に出かけていった福田も触れないわけにはいかなかったようだ。
ギョーザ事件の捜査強化、日中首脳会談で一致
 【北京=遠藤剛】福田首相は8日午後、北京市内で中国の温家宝首相、胡錦濤国家主席と相次いで会談し、中国製冷凍ギョーザによる中毒事件が中国国内でも起こったことを踏まえて早期解決を求めた。

 中国側も同意し、今後、日中の捜査協力を強化することで一致した。


そして今度は高村。17日に中国側と二度にわたって会談をしている。結論は相変わらず捜査協力をすすめるというもの。
福田の時の結論とまるで同じ。
まるっきり進展なし。
福田といい、高村といい中国からの新情報はゼロ。

中国で中毒事件が起きてからすでに二ケ月以上がたつ。
信じられないほどの捜査能力と外交能力の欠如。

高村は本当は何しに行ったんだ?
17日に二度の会談を行ったのは確かだが、高村がその間、オリンピック競技を見に出かけていたということを報じているマスコミは少ない。
高村は女子マラソンと女子レスリングを見に出かけているという。
こうなると高村の北京訪問の目的はどちらが主でどちらが従か分からない。
そう疑われてもしょうがないほど、成果のない訪問であろう。

ついでに”【政論探求】「ギョーザ政局」の恐れも”の続きをどうぞ。

この一連の流れを見ると、どうにも釈然としないものが残る。中国当局は当初、中国国内での汚染を否定し、あたかも日本国内の流通過程で有機リン系殺虫剤メタミドホスが混入されたかのような口ぶりだったのだ。

 これは「事件」であって歴史認識や領土問題のような政治的見解を異にするたぐいの話とは違う。事件捜査は純粋に事実究明を踏まえて行われるべきものだ。

 日本側はそれまで、中国側から「侮られ、罪をなすりつけられていた」といっていい。だが、そのことで中国側を非難することもなければ、国民への丁寧な説明もない。

 とかく中国が相手となると腰が引けてしまう外交パワーの欠落が透けてみえる。ギョーザ中毒事件は、日本政治の致命的欠陥を浮き彫りにさせたのではないか。この問題の深刻さは、どうやらそこにある。(客員編集委員 花岡信昭)




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いわゆる有識者を利用した行政の在り方

2008-08-18 08:14:14 | 福田康夫
福田のいわゆる有識者に名を借りた人任せ政治が進んでいる。

首相、公務員改革顧問会議の人選で「大物」「改革派」に固執 (NIKKEI NET 8/16)

関係者によると、首相がこだわった点は2つ。1つは「公務員が『この人たちに言われるなら仕方ない』と納得できる人選」で、経済同友会の桜井正光代表幹事ら経済3団体首脳や連合の高木剛会長といった大物の起用につながった。(16日 07:00)

「公務員が『この人たちに言われるなら仕方ない』と納得できる人選」
内閣総理大臣の軽さもここまできたか。
内閣総理大臣の言うことを公務員が聞かないから、大物財界人から言って貰おうということらしい。
行政の長たる内閣総理大臣のこの”存在の耐えられない軽さ!”

顧問会議のメンバーは次の通り。(敬称略、*印は懇談会と重複)

 麻生渡(福岡県知事)▽*岩田喜美枝(資生堂副社長)▽*岡村正(日本商工会議所会頭)▽川戸恵子(TBSシニアコメンテーター)▽*堺屋太一(元経企庁長官)▽桜井正光(経済同友会代表幹事)▽*佐々木毅(学習院大教授)▽*高木剛(連合会長)▽*田中一昭(拓殖大名誉教授)▽御手洗冨士夫(日本経団連会長)▽*屋山太郎(評論家)


経団連会長、経済同友会代表幹事、日本商工会議所会頭と、経済界そろい踏み。
立花宏日本経団連参与がすでに事務局長に決まっている。
事務局長については、福田はこう言っている。
立花氏は経団連事務局で規制緩和や行政改革を長年担当。奥田碩前経団連会長も推薦した。首相は選任理由を「経団連に長くいて、政府の行政を応援してくれた。大変立派な方で適任だ」と語った。(05日 07:04)
公務員制度改革、事務局長を決定 官僚主導の懸念も (NIKKEI NET 8/5)

福田の大物好きはこんなところにも表れていた。

舛添厚生労働相は25日の閣議後会見で、厚労省の組織のあり方を見直す目的で有識者による「厚生労働行政在り方懇談会」(座長・奥田碩トヨタ自動車相談役)を設置し、8月1日に初会合を開くと発表した。


当初は事務局を厚労省に置く方向だったが、官邸と厚労省の共同管轄に変わった。奥田氏や演出家のテリー伊藤氏ら6人だった委員も、急きょ4人が追加された。
厚労省改革 「行政在り方懇」が初会合 年内に方向性示す (毎日新聞 8/7)


桝添が超大物財界人を座長に引っ張り出して作った懇談会。
大物過ぎて、福田に取り上げられてしまった。
もう一つ、役人の言いなり大臣の桝添

舛添厚労相、雇用開発機構の存廃「行革相と相談し結論」 (NIKKEI NET 8/15)
同機構を巡っては、厚労省の有識者会議が7月にまとめた中間整理で現行組織の維持をにじませた。これに対し、福田康夫首相が行政減量・効率化有識者会議で組織見直しを急ぐよう指示した経緯がある。


有識者会議と有識者会議の喧嘩。
どうやら福田の有識者会議のほうの勝ちらしい。
役人の都合でいくらでも作られるいわゆる有識者会議。
有識者連中も所管の役所の都合に合わせた議論ばかりしているからたまにはこんな事も起こる。
しかし、たいていの場合入り口で対立していても、出口では役人の共通の利益のために妥協が図られている。

話は元に戻るが、

公務員制度改革本部:福田色乏しく 顧問会議の11人決定 (毎日jp 8/15)
 政府は15日、国家公務員制度改革推進本部(本部長・福田康夫首相)の顧問会議のメンバー11人を決定した。安倍前内閣から引き継いだ「公務員制度の総合的な改革に関する懇談会」と7人が重複しており、「福田カラー」は乏しい。日銀総裁人事以来続く人脈の狭さは相変わらずだ

急進的な改革を嫌う首相の意向を尊重し、これまでの路線の延長線上で議論が進む可能性が強い。


福田にはもともと行政改革などやるつもりは全くない。というより、そんな動きには反対なのだ。

平成20年7月15日、福田総理は総理大臣官邸で、国家公務員制度改革推進本部(第1回)を開催しました。(国家公務員制度改革推進本部

 福田総理は冒頭のあいさつで、「今回の国家公務員制度改革は、行政に対する国民の信頼を取り戻すための重要かつ緊急の課題であります。公務員一人一人が国民全体の奉仕者としての高いモラルを維持し、能力を高め、誇りを持って職務に専念するよう全力を挙げて改革に取り組んでまいります。閣僚各位におかれても、国家公務員制度改革の重要性を改めて認識し、国民の立場に立って改革の実現のために努力いただくようお願いをいたします。」と述べました。

『公務員一人一人が国民全体の奉仕者としての高いモラルを維持し、能力を高め、誇りを持って職務に専念するよう全力を挙げて改革に取り組んでまいります』


『モラルの問題』に矮小化したテーマの設定。
制度改革に踏み込む意欲や意識はまったくなし。
公務員のモラルには国民は絶望している。
公務員のモラルの向上などは全く期待していない。
モラルの低い公務員にまともな仕事をさせる制度にすることこそが改革だろう。
国民はそれを望んでいるのだ。




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福田のインチキ国民目線

2008-08-15 08:37:17 | 福田康夫
声なき声は聞こえない。
声ある声も聞く気がなければ聞こえない。

私は、世の中に聞こえてこない声の中に、多くの国民の気持ちが込められていると思うときがあります。この声なき声をどうしたら聞くことができるのか、そして、どう応えていけばよいのか、それこそ身体全体を耳にして、聞かなければと考えます。
福田内閣メールマガジン(第43号 2008/08/14)より


”身体全体を耳にして”も声なき声は聞こえない。
聞こえたら、それは幻聴。
本人にしか聞こえない声は言ってみれば神のお告げのようなもの。
そんなもので政治をやられてはたまらない。

国民の実際にあげる声や悲鳴を聞かずに、”声なき声”を聞くのが”国民目線”の政治か!

◇改造内閣スタート

Q 各社の世論調査については。

A 見ないことにしている。

(首相VS記者団  毎日jp 8/4 より)


これのどこが”国民目線の政治”なのか。
”国民目線の政治”とは、”全身を耳にして”国民の実際の声を聞き、”目を皿のようにして”国民の暮らし振り”を見つめるところから始まるのではないか。




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国民不在の自公政権 経済より党利党略

2008-08-14 18:13:28 | 福田康夫
自民党・公明党にとって政治とは何か?

自公幹事長ら非公式会談 臨時国会で大型補正で合意 召集時期溝埋まらず
自民党の麻生太郎、公明党の北側一雄の両幹事長ら自公幹部の非公式会談が13日昼、東京・帝国ホテルで開かれた。景気後退が懸念される中、総合経済対策を8月末にパッケージで示し、次期臨時国会に大型補正予算案を提出する方針で一致した。バラマキ批判をかわすため、財源には特別会計の積立金などの「埋蔵金」の充当を検討する。


景気後退と物価上昇で庶民の暮らしはいよいよ苦しくなりつつある。
経済対策が必要なのは当然なのだが……。
中身は経済政策とはとても言えない代物。

景気悪化・原油高対策に補正予算検討 政府・与党
骨格では、(1)非正規雇用対策や学校耐震化といった国民生活の不安解消(2)省エネ、新エネ技術の開発加速など日本経済の体質強化(3)燃料負担の大きい業種の構造改善支援や中小企業への金融支援をはじめとする原油高対策、の三つの柱を示した。これに沿って8月末までに具体策をまとめる。


ほころびを小銭で繕うだけ。
総合対策なんて恥ずかしくて言えないような内容だ。
まあ、それはいい。
しかし、自民党も公明党もその対策が必要だと考えるなら、やれることからすぐに取りかかれ。
補正予算を組む必要があれば、すぐに臨時国会を開いて予算を組め。

一方、臨時国会の召集時期については自民党は当初案の8月下旬から9月初旬に譲歩したが、公明党は9月下旬召集で譲らず、両党の溝は埋まらなかった。8月下旬の合意に向け、今後も水面下の折衝は今後も続きそうだ。

国民はどうするんだ。
国民をほったらかしにしていったいお前らは何をしているんだ!

自民党は早く開きたいらしい。
インド洋で燃料を配達するために、衆院での再可決の時間を計算してのこととか。
公明党は9月下旬を主張している。理由は来年の都議選のためらしい。
どちらも国民の生活に関係ないこと。
国民の暮らしを無視して下らない駆け引きにうつつを抜かしている場合ではなかろうが!




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世論調査 読売の苦しい言い訳

2008-08-13 15:23:30 | 福田康夫
前回調査との落差の大きさに読売が苦しい分析をしている。

内閣支持率28%、物価対策「不適切」は89%…読売調査 (YOMIURI ONLINE 8/11)
読売新聞社が9、10日に面接方式で実施した全国世論調査によると、福田内閣の支持率は28・3%で、前回面接調査(7月12、13日)から1・7ポイント上昇した。
不支持率は59・7%で1・6ポイント低下した。福田首相が内閣改造に踏み切った直後の緊急電話調査(8月1、2日)では支持率の好転が明らかになっていたが、改造から1週間を過ぎた今回面接調査の結果を見ると“改造効果”は一時的だったことがうかがえる。


前回内閣改造直後の各社調査は

改造内閣支持率バラバラ マスコミ世論調査信用できるのか
読売調査の内閣支持率がプラス14.7ポイントで41.7%と突出した高さを示している。
他には日経の12ポイント増が目立っている。
他の3社は0~4.7ポイント増。
読売新聞では前回比14.7ポイント増の41.3%という結果が出ている。今回調査が行われた各社では、最大の伸び率だ。別の設問で、麻生太郎氏を自民党の幹事長に起用したことに対して66%が「評価する」と回答したことを受けて、支持率上昇の理由を「実力者の起用による政策実行力向上への期待感が政権への評価を押し上げていたことがうかがえる」と分析している。
(中略)
町村信孝官房長官は、8月3日午前、テレビ朝日系の報道番組「サンデー・プロジェクト」に出演、各紙によって世論調査の数字がばらついていることについてコメントを求められると、

  「読売新聞は(支持率が)大幅に上がってますよねー。各社によってこれだけ数字が違うと、いったい世論調査って何なんだろうかと、いささかの不信感を持ちますね。うーん、わからないですねー」

町村にまで不信感をもたれてしまった。こいつらは都合の悪いときは目をつむり、都合のいいときにははしゃぎまくる。その町村をもってしても眉唾だと思っている。
さてその読売は、今回調査については次のような分析をしている。

数値は単純比較できないものの、改造直後の電話調査で支持41・3%、不支持47・0%だった内閣への評価がしぼんだ背景には、改造後も物価対策への機敏な対応が見えないことへの不満があるようだ。中国製冷凍ギョーザ中毒事件で、中国での被害発生を政府が公表していなかったことも影響していると見られる。

しかし、『内閣への評価がしぼんだ背景には』という表現にはいささか無理があるだろう。
もともと前回調査がおかしかったのだ。
それが正常に戻っただけのこと。
それを前回の数値を異常と認めることが出来ずに無理な理屈をこじつけている。
”物価対策への不満”とか”中国毒餃子事件の情報隠し”などを挙げるが、今更というところ。
改造前も後も福田内閣の体質は全く変わっていない。
読売は潔く前回調査の失敗を認めるべきではないか。




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