政治の季節【稗史(はいし)倭人伝】

稗史とは通俗的な歴史書等をいいます。
現在進行形の歴史を低い視点から見つめます。

白痴国家の白痴外交 ; 結局笑われる日本

2010-09-27 07:40:44 | 菅直人内閣

白痴と言ったのは民主党政権に対してのみではない。
白痴政権を尤もらしく応援し、偉そうに意見までするマスコミ。
白痴マスコミに洗脳され、白痴政権を応援する白痴国民。
白痴マスコミや白痴国民を利用する、しかしまともな仕事はできない白痴官僚。
中途半端な悪知恵しか持ち合わせていない白痴検察。

今回の尖閣騒動は、この国の抱える問題点を浮き彫りにしてくれた。

「国内法に則って粛々と対処しろ」
「国内法に則って粛々と対処する」

政府もマスコミも口を揃える。
だれも国内法で外交問題に対処することの危険性を言わない。

日本の法律が世界中に信頼され、世界中の国々に尊重されているのならそれもいい。
しかし、日本に法があるようにどこの国にも法がある。
中国にも法がある。
中国漁船が中国の「国内法」の枠内で行動したものであるならば、中国政府が「国内法」に則った漁船の行動を擁護するのは当然であろう。
中国法がわたしたちの目にいかに不備なものと映っていたとしてもである。
中国政府側に何らかの政治的意図があったとしてもである。

「国内法」と「国内法」がぶつかったらにっちもさっちもいかなくなるのは当たり前である。
本気で菅内閣は「国内法」で押し通せると思っていたのか?
確かにそれで国内マスコミは納得するだろう。
愚かな国民も納得するだろう。
しかし、中国は?

4人の邦人が中国政府に拘束されている。
中国は言うだろう。
「国内法に則って対処している」

日本政府は何と言って彼らの解放を求めるのか?

これは外交問題なのだ。
「国内法」だけで対処できる問題ではないのだ。

【中国人船長逮捕】日本大使を未明に緊急呼び出し 中国政府 (産経ニュース 2010.9.12 )
事件発生してから12日まで6日間の間、丹羽大使が中国当局者に4回も呼ばれた。最初の2回の相手は外務次官と外務次官補だったが、3回目には楊潔●外相が登場した。4日目となった今回は、外交担当の副首相級、戴国務委員による異例の直接抗議となった。中国政府はこの事件を重要視し、徐々に日本側に対する圧力を強化していることがうかがえる。


もうすでに外交問題だったのだ。
中国はどんどん格上の人間を投入し、事件を大きくしている。

前原外務大臣は何をしたのか?

5回ではなく3回=丹羽大使呼び出し-前原外相説明 (didi.com 2010/09/18)
 前原誠司外相は17日深夜の記者会見で、尖閣諸島沖の海上保安庁巡視船と中国漁船の衝突事件で中国側が丹羽宇一郎駐中国大使を繰り返し呼び出して抗議したことに関し、「呼ばれたのは3回。2回は(日本側から)抗議に行った」と説明した。
 在北京日本大使館の説明などから、大使が呼び出されたのは5回とこれまで報道されていた。
 

呼び出された回数を数えていただけか!

菅直人は?
国連で愚にも付かない演説をしていた。

「疾病(シッペイ)」を「シツビョウ」と読んで笑われた演説である。

ついでながら菅直人の読み間違いをもう一件。
小沢一郎相手の代表選当日の演説、例の延々と続けた職業尽くしの締めに使ったのが「多士済々」。
菅は「タシサイサイ」と読んでいたが、正しくは「タシセイセイ」

NHK放送文化研究所
「多士済々」は「たしせいせい」が伝統的な読み方ですが、「たしさいさい」という誤読も広がってきたことから多くの辞書は「たしせいせい[多士済々]」の見出し語で、「『たしさいさい』とも」と記述しています。しかし、辞書の中には「誤って『たしさいさい』とも言う」と明記しているものもあり、「たしさいさい」への違和感・抵抗感は強いようです。放送でも伝統的な読みである「たしせいせい」のみを使っています。


大したことではないが、50ぐらいの職業をわざわざ調べ上げたのだからもう一手間かけて辞書で確かめておいても良かったろう。
”釈迦の説法屁一つ”ということわざもある。


それはそれとして国を挙げて「国内法で粛々と対処」した結果はどうなったのか?

釈放!
船長を処分保留で釈放した那覇地検の言い訳はこれもまた白痴の水準である。

「わが国国民への影響と今後の日中関係を考慮すると、これ以上、身柄の拘束を継続して捜査を続けることは相当でないと判断した」

”今後の日中関係を考慮すると”というのは、政治的・外交的判断ということを意味する。
これはある意味検察の自殺行為であろう。
検察は法と証拠に基づくのではなく、政治的・外交的判断で動くという宣言である。
(いいように政府に利用された検察の、せめてもの嫌み・当てつけ・開き直りとも受け取れるが……)

まあ、そんな検察であればなるほど、「国民への影響・我が国の政治への影響を考慮すると、小沢一郎は処断しなければならない」と考えてもおかしくはない。

政府は船長釈放をどこまでも「検察の判断」で押し通すつもりのようである。

コロコロ総理を替えたら笑われる、と言ってアホな総理を守った結果が、笑いの倍返しである。




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マッチ・ポンプの前原誠司、結局尻ぬぐいは小沢派に?

2010-09-21 07:25:32 | 小沢一郎

八ッ場ダム、日航再建、普天間(沖縄担当相)、どれもこれもかき回しただけで逃げ出した前原誠司国交相。

海保巡視船衝突の中国漁船、検査妨害で船長逮捕 (YOMIURI ONLINE 2010年9月8日)

事故発生からの経過を整理すると、

9月7日 午前10時55分頃 中国漁船が海上保安庁の巡視船「みずき」と衝突・逃走
9月7日 午後1時前に停船
9月8日 未明に船長を逮捕
9月9日 船長を送検
9月19日 拘置延長

中国側の反発は当然予測できたところである。

中国企業1万人旅行中止 尖閣衝突 (沖縄タイムス 2010年9月20日)
中国が日本との閣僚級交流を停止、船長拘置延長に対抗措置 (ロイター 2010年 09月 20日)

もちろん、東シナ海のガス田開発もやり玉に挙がっている。
その後も対日抗議の動きは強まるばかりである。

ところで海上保安庁は国交省の外局である。
直接の最高責任者は国土交通大臣の前原誠司である。
事件勃発は、民主党代表選たけなわの9月7日。
中国船船長の逮捕そして送検は前原の了解なしに行われたとは考えられない。

この時期にこの海上保安庁の強硬姿勢は、国民の間に反・中国感情を盛り上げる意図がなかったとは言い切れまい。
勿論、親・中国と思われている小沢一郎の脚を引っ張る効果もある。
どちらが主であるかは分からないが……。

9月14日、思いがけなく党首選で菅直人が勝利。
前原は玉突き人事で外務大臣に昇格。
中国の猛抗議の矢面に立つことになってしまった。

自分で火を付けたものの、前原にこの難問を解決する能力はない。

党首選勝利で舞い上がっている菅直人は閣僚人事で徹底的にに小沢派を排除している。
しかしアホな菅直人も、対中国外交が厄介なことになりつつあることにようやく気がついたのだろう。
またもや小細工を施した。
菅内閣は今日、副大臣・政務官人事を発表する予定らしい。
内定人事が伝わっている。

総務・鈴木氏、国交・三井氏=小沢グループに配慮-副大臣人事 (jiji.com 2010/09/21)
国土交通省副大臣 三井辨雄(小沢支持)
外務副大臣 松本剛明(小沢支持)、伴野豊(小沢支持)

何のことはない。前原の尻ぬぐいではないか。
うまくすれば小沢の中国パイプが使えるかも知れない。
だめなら彼らに責任を押しつける。

バカでもなければ一蹴する人事案である。
まあ、目の前に人参をぶら下げられて断れるかどうか、政治家としての器量の見せ所なのだが……。

前原?
心は既にアメリカへ飛んで行っている。

米国務副長官「前原外相を歓迎」 (YOMIURI ONLINE 2010年9月18日)

アメリカは歓迎している。
アメリカにとっては歓迎すべき外務大臣らしい。
相手に喜ばれることは外交担当者としての無能の証明である。
アメリカに気に入って貰うことが出世の近道、と考えている外務官僚。
アメリカ大事の外務大臣。
結末は見えている。

前原外相、普天間移設「時間かける」 沖縄側と対話優先 (asahi.com 2010年9月19日)

前原氏は番組で、鳩山前政権による普天間問題への対応が沖縄県民の失望を招いたことを認め、「沖縄の皆さん方には心からおわびをしなくてはいけない」「沖縄の理解なくして日米合意の履行はありえない」と強調した。

 一方、沖縄県名護市辺野古を移設先とする日米合意については「名護市の皆さん方には新たな基地建設ということで負担をお願いすることになる」と語り、別の移設先に変更するつもりはないとの考えを示した。

 前原氏は21日から訪米し、23日にクリントン米国務長官との日米外相会談に臨む予定。今後の日米関係のあり方について前原氏は、「日米関係がぐらぐらしているかというと、私の感覚ではそう思っていない。確かに普天間問題で少しさざ波は立ったが、しっかりとこれから(日米合意を)履行していく」と語った。(山尾有紀恵)


前原が説得すべきは沖縄県民ではない。
アメリカを説得してこい。

「少しさざ波が立った」で片付けられては沖縄県民は立つ瀬があるまい。






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小沢一郎は死なず…来年は小沢一郎総理が実現する

2010-09-15 08:13:55 | 小沢一郎
禍福はあざなえる縄の如し

勝つに越したことはなかったが、しかしものは考えようである。
小沢政権がすんなり成立しても、マスコミとの総力戦で火だるまになる心配もあったのだ。

少なくとも小沢一郎は旗を揚げた。
今回はそれでよしとしよう。
しばらくは様子見でいこう。

近いうちに検察審査会の2度目の議決も出るだろう。
どうせなら「起訴相当」の議決を出して貰おう。
裁判ではっきりと白黒をつけよう。
さほど時間は掛かるまい。

いずれマスコミは菅内閣を叩き始める。
今回菅直人を支持したのは、マスコミの虚偽報道に簡単に踊らされる愚かな大衆である。
彼らは今度はマスコミと一緒になって菅叩きを始めるだろう。

そのとき、わたしたちは冷たい傍観者でいよう。
民主党などどうなってもいい。
真に国民のための政治を行う政治家・政党の出現をこそわたしたちは願っているのである。

その時は近い。
自民党は仮死状態である。
しかし、自民党支持者とは既得権益維持層であった。
曲がりなりにも実態はあったのである。

民主党支持層の少なくとも2・3割は小沢一郎を支持している。
この人達の支持は堅い。
残りは空気のようなものである。
風向き次第で一瞬のうちに消えてしまうような支持である。
小沢一郎とその支持者を除けば、その支持基盤は自民党にも劣る脆弱なものである。

小沢一郎には、あの暴力的な逆風のなかでも離れなかった支持者がいる。
一人の政治家が、覚醒した民衆にかくも強固な支持を受けたことがあったろうか?

菅内閣が発足して3ヶ月が経つ。
その間それこそまったく何もしてこなかった政権である。
この先何も出来ないのは明白である。

円高対策に力を注ぐ?
菅勝利を受けて早くも為替は一ドル82円台を見てしまっている。
菅内閣の存続そのものが円高要因なのである。
菅内閣の退陣こそが最善の円高対策・景気対策なのだが……。

菅内閣に対する怨嗟の声が世に溢れる頃、小沢一郎の出番がくる。
精々半年というところであろう。

それまで小沢一郎さん、ゆっくり体を休めていてください。





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菅直人を支持する一年生議員に議員辞職を勧告する

2010-09-13 06:07:15 | 民主党
菅直人を支持する一年生国会議員の皆さん!
あなたたちは国会議員をやめなさい。
小沢一郎を「政治とカネ」という言葉で批判するあなたは国会議員をやめなさい。
検察とマスコミに簡単に洗脳されるような国会議員は要りません。
検察とマスコミの嘘を見破ることのできない国会議員は要りません。
この先何年国会議員を続けていても国民の利益にはなりません。
今は菅直人を応援しているマスコミも、戦いが終わればすぐまた民主党を攻撃してきます。
自民党を応援するために菅直人を攻撃してきます。
あなたたちはその時マスコミと戦えますか?

政策で菅直人を選んだ一年生国会議員たちよ、あなた達は国会議員を辞めなさい。
あなた達には政策を考える能力はありません。
小沢一郎と菅直人の政策の違いが分からない議員は要りません。

政策とは作文ではありません。
美辞麗句を競うものではありません。
インチキ会社の事業計画や宣伝広告ではありません。
実現可能性があってこそ始めてそれを比較する意味があります。
菅直人が”政治主導”と叫ぶとき、それを信じるような国会議員は要りません。

政策とは、それを言う人によって価値が決まります。
実行できない政策は無価値なのです。
政策を比較するとは、人を比較することなのです。

未だに旗幟を明らかに出来ない一年生国会議員はすぐにヤメなさい。
選挙区に帰って支持者の意見を聴いて決める、と言っているあなたは議員を辞めなさい。
移ろいやすい支援者の意のままに動く議員など要りません。
支援者とはあなたの思想・行動を応援してくれる人たちです。
あなたは自分の信念を堂々と明らかにしなさい。
それで離れていく支援者は無視しなさい。
あなたの信念を支持する人たちを新たに増やしなさい。
それが出来なければ、今すぐ国会議員を辞めなさい。

マスコミの意のままに動かされる支援者。
その支援者の意のままに動かされるあなた。
そんなあなたは要りません。
早く次の仕事を探しなさい。

「3ヶ月で総理を替えると外国から笑われる」と言うあなた。
あなたは国会議員を辞めなさい。

無能な船長のもとで嵐の海に乗りだそうというのですか?
あなたは国民をそんな船に乗せようとしているのですよ。

社長をコロコロ替えると同業者から笑われるからと、無能な社長を据え置くのですか?
そんな会社こそ笑われます。
それで会社が潰れたらますます笑われるのですよ。

選挙が怖くて菅直人を支持するあなたは今すぐ国会議員を辞めなさい。
次の選挙を考えて菅直人を支持するあなたは国会議員を辞めなさい。

菅直人があと3年も政権を維持できると考えているあなた。
次の選挙で菅・民主党が大惨敗することが予測できないあなた。
次の選挙で又当選できると考えているあなた。
真の国民の声を聞くことのできないあなた。
国民の生活より自分の議席を守ることを優先させるあなた。

あなたが国会議員でいることは、国民の利益を損ないます。
今すぐ国会から去りなさい。
そして、二度と国会議員になろうなどと考えてはいけません。






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最高裁は検察庁の下請けか! 開き直ったマスコミと官僚が進める恐怖政治

2010-09-11 07:53:42 | 小沢一郎
マスコミと官僚の開き直りがあからさまになってきた。
もちろん小沢一郎総理誕生に対する恐怖心が彼らを駆り立てている。
彼らは何でもやる、という覚悟を決めている。

連日の朝日新聞の白痴社説は、メディアが論理的思考を放棄したことを明瞭に表している。
テレビも負けず劣らず白痴状態である。
多分彼らは自分たちが、筋の通らない、不公平な、愚劣極まる言説を連ねていることは分かっているのだろう。
それでもなおかつ愚かさを晒している。
バカと蔑まれても、生き残ることの方が大事らしい。

たちの悪いのが官僚である。
こいつらは各所に時限爆弾や地雷を無数にセットしている。

漆間官房副長官事件
(西松建設事件で捜査は自民党に及ばないと発言)
羽毛田宮内庁長官事件
(中国要人との天皇会見で小沢攻撃)
藤崎駐米大使事件
(普天間問題でクリントンから呼び出されたと嘘をついて民主党を攻撃)

そして今度の鈴木宗男上告棄却事件である。
最高裁のうさんくささは前から分かっていた。

有罪率99%という数字は何を意味するか。
検察が起訴したらもう有罪が決定したということである。
裁判所は検察の判断を追認するだけである。
裁判所は検察の下請け機関なのである。

昨年の衆院選を前にして、こんなことがささやかれていた。

民主党が恐れる鈴木宗男 最高裁判決
2009/7/18 10:00

●衆院選の波乱要因

 8月30日に決まった総選挙。もはや政権交代が確実視されているが、民主党が密かに恐れているのが、「新党大地」を率いる鈴木宗男(61)の最高裁判決だという。
 つい先日、外務省分析官だった佐藤優(49)の懲役2年6月、執行猶予4年という最高裁判決が確定したばかり。
 斡旋収賄罪に問われ、1、2審で実刑判決を受けた鈴木宗男も現在、上告中だ。もし、選挙前にそのまま有罪判決が確定したら、収監されてしまう。そうなったら、北海道の選挙が激変するのは確実だ。
「北海道9区の鳩山由紀夫が民主党の代表に就いたこともあり、地元は『北海道から総理大臣を』と盛り上がっている。自民党は最悪の場合、小選挙区は0勝12敗の全滅といわれています。町村信孝、中川昭一、武部勤……皆あぶない。民主党が強いのは、鳩山効果もあるが、なんといっても地域政党『新党大地』との選挙協力が見込めるからです。地元の宗男人気は圧倒的。前回の郵政選挙でも、比例ブロックで43万票も獲得している。一選挙区あたり3万6000票です。しかし、もし最高裁判決が選挙前に出たら、民主党がアテにしていた票が消えてしまう。まさか、最高裁がそんな政治的なことをするとは思いませんが……」(地元関係者)
 総選挙まであと50日間もあるだけに、何が起きても不思議ではない

(日刊ゲンダイ2009年7月15日掲載)


「まさか、最高裁がそんな政治的なことをするとは思いませんが……」
という疑念が最高裁に向けられている状況には言葉もない。

そしてそれは杞憂ではなかった。
衆院選で使わずに温存しておいたムネオ爆弾は、もっとも効果的な時期に使用された。
小沢総理実現阻止である。
民主党代表選投票日の一週間前という時期を見計らって爆発させたのである。

2002年6月19日 逮捕
2002年7月20日 起訴
2003年8月29日 保釈 拘置日数は437日で、戦後の逮捕された衆議院議員で最長。
(2002年12月と2003年4月に保釈を申請しているが「罪証隠匿の恐れがある」として却下された。)
2004年11月5日 一審判決即日控訴
2008年2月26日 控訴棄却
2010年9月7日  上告棄却

二審判決から二年半経ったこの日になぜ最高裁は判決を下したのか?
なぜあと一週間待てなかったのか?
なぜ政治的影響の大きいこの時期でなければならなかったのか?

郵便不正事件も関係しているのだろう。
村木被告の無罪判決が下りると、検察への批判が高まる。
その前に鈴木宗男の有罪を確定させてしまおう、という計算も働いたであろう。

言い訳はどうせ決まっている。
「政治的な動きとは無関係に、司法としての判断を下したものである」

日本国憲法には、三権分立という言葉は使われていない。
しかし、一般人のわたしたちは、日本は三権分立の国であると思っている。

日本国憲法では、最高裁判所長官の選び方には規定がない。

第6条 天皇は、国会の指名に基いて、内閣総理大臣を任命する。
  2 天皇は、内閣の指名に基いて、最高裁判所の長たる裁判官を任命する。

第79条 最高裁判所は、その長たる裁判官及び法律の定める員数のその他の裁判官でこれを構成し、その長たる裁判官以外の裁判官は、内閣でこれを任命する。
第80条 下級裁判所の裁判官は、最高裁判所の指名した者の名簿によつて、内閣でこれを任命する。


最高裁長官は内閣が指名するとあるだけで、その選び方についての規定は一切ないのである。
内閣の恣意的指名が許されるのである。
その他の裁判官も最高裁が名簿を作るとある。

最高裁判事の人事は、国会の承認すら不要である。
裁判官の選定については国民には何の権限もない。
国民審査がまったく機能していないのも明白である。

法務省は検察庁の支配下にある。
(法務省事務次官は検事出身者しか就けないし、法務官僚の上がりの地位は検察庁長官である)
法務省と裁判所の関係を通して検察庁は裁判所を支配し、官僚は最高裁判事に二つの指定席を確保し、持ちつ持たれつである。

国会議員でさえ、鈴木宗男・小沢一郎の例を見るまでもなく、検察ににらまれるとただでは済まない。

総理の選定にさえ検察が強力・凶暴な力を振るっている。

司法・立法・行政の三権を睥睨(へいげい)し、屹立しているのは検察庁なのである。
この国の支配者は検察なのである。

司法・行政・立法すべてが腐っていくのは当然であろう。





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もしかすると小沢一郎ほどクリーンな政治家はいないんじゃないか?

2010-09-06 17:21:53 | 小沢一郎
◇ 
考えてもみて欲しい。
あの狂気と執念、悪意に満ちた東京地検特捜部が全力を挙げて取り組んだ小沢一郎捜査である。
膨大な資料を押収し、膨大な数の関係者の事情聴取を続け、特捜部の陣容だけでは足りなくて、全国から応援の検事まで集めての無茶苦茶な捜査である。

それでも特捜部は小沢を起訴できなかった。

これだけの検察の捜査でも何も出てこなかったのだ。
こんなクリーンな政治家が、他に誰かいるだろうか?
これだけの捜査を受けて、何も出てこない政治家が他に誰かいるだろうか?

贈収賄もない。
事務所費問題もない。
脱税もない。

何にもない!

昨年三月、東京地方検察庁特捜部が小沢一郎秘書大久保隆規氏を逮捕した。

まさか天下の東京地検特捜部があれだけの大布陣で臨んだ捜査である。
代議士の一秘書が標的のはずはない。
標的は小沢一郎その人である。

田中角栄、金丸信の系譜をひく政治家である。
叩けば何か出てくるはずだ、と甘すぎる見通しで特捜部は小沢一郎に手をつけてしまった。

伏線はその前年の2008年の西松建設裏金事件であった。

2008年6月4日 西松建設本社などを東京地検特捜部が外為法違反容疑で家宅捜査

2009年2月10日  西松建設前社長を起訴、法人としての同社も略式起訴

2009年3月3日 小沢一郎民主党代表の資金管理団体の会計責任者で公設秘書大久保隆則、政治資金規制法違反容疑で逮捕


西松建設に手を付けた時点で、特捜部が小沢一郎を視野に入れていたのかどうかは分からない。

1991年の金丸信脱税事件以来、業績らしい業績を上げていない特捜部である。
元福島県知事・佐藤栄佐久事件、元大阪高検検事・三井環事件等、検察の威信は落ちっぱなしである。
ここらで大花火を打ち上げないと特捜の存在意義が問われる。

元々、特捜部などというのは盲腸のような存在に過ぎない。
あっても何の役にも立たないが、時に悪さをする。
しかし、盲腸にも盲腸の意地がある。

さて三月三日に大久保秘書を逮捕した東京地検特捜部。
拘置期限一杯の3月24日にようやく起訴。
それで釈放か、と思えば特捜部は大久保秘書の拘留を続け、裁判所の保釈決定にも抵抗した。
大久保秘書が釈放されたのは、5月26日になってである。
実に83日に渡る拘留であった。
それですぐ公判が始まるかと思えば、第一回公判が開かれたのは12月18日である。
第二回公判が2010年1月13日である。
以後公判はストップしている。
このままでは大久保秘書の無罪が決まってしまうと検察側が恐れたのだろう。

万が一大久保秘書の無罪判決が下りたりすれば、あれだけの大捜査陣を敷いて、野党党首を陥れようとした特捜部への批判は避けられない。
特捜解体まで進むかも知れない。
まして小沢の息の根はまだ止められていない。

追いつめられた特捜部がでっちあげたのがいわゆる陸山会事件である。
第二回公判の3日後、2010年1月16日明け方、特捜部は再び大久保隆規氏を逮捕するという、暴挙に出たのである。
前日には、小沢氏元秘書池田氏と石川知裕議員を逮捕していた。

容疑は、民主党の小沢一郎幹事長の資金管理団体「陸山会」が平成16年に購入した土地をめぐる政治資金規正法違反。

西松建設事件であれだけ徹底的な捜査をした特捜部が、この取引を見逃していたはずはあるまい。
とても事件には出来ない、と捨てていた一件であろう。
それをこの期に及んで持ち出してきたのは、追いつめられた検察の焦りの現れであろう。

検察の目的は、公判引き延ばしである。
大久保氏の公判では検察不利の証言が続いていた。
「西松建設側の政治団体には実態があった」
「献金をしても見返りがなかったので政治団体を解散させた」等々。

勿論小沢事務所側に不法行為の認識がなかったのは明瞭である。
これだけ用心深い小沢事務所である。
もし献金主体の実態に疑問があると認識していれば、政党支部でそれを受けていたはずである。
それならば違法でも何でもない。
それを資金管理団体で受けていたのが違法とされたものであるが、検察に無理があるのは明らかである。

陸山会事件は検察も元々無理筋なのは分かっていたのであろう。
今回は拘置期限一杯の2月5日、逮捕した元秘書たちを釈放した。
そして持ち出してきたのが大久保秘書の訴因変更である。

東京地検は2月4日に東京地裁に両年分の訴因変更(07年分のみ追起訴)を請求した。訴因変更請求があった場合、裁判所はすぐに許可するケースが多い。

渋っていた裁判所もついに8月4日になって、訴因変更を認めた。
同時に公判前整理手続きというものに9月24日に入ることも決定した。

1月13日の第二回公判以後、西松献金事件の公判は開かれていない。
訴因変更請求で裁判はますます先延ばしになる。
特捜部にとっては好都合である。
まるで訴因変更請求を出すために三人を逮捕したようなものである。

裁判が進んで困るのは検察なのである。

改めて問う!
ほぼ3年にわたる東京地検特捜部の大々的で執拗な捜査を受けて、違法行為、犯罪行為が出てこないという政治家がほかにいるだろうか?

西松建設献金事件、陸山会事件の検察の論理はすでに破綻している。
(今改めて取り上げることはしないが、多くの人が綿密な検証を発表している)

小沢一郎ほどクリーンな政治家はいないのだ。
図らずも東京地検特捜部がそれを証明しているのである。





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今朝のテレビ朝日・スーパーモーニングは出色!…菅内閣で進む政・官・業・米・報の癒着構造復活

2010-09-03 13:08:01 | 小沢一郎

マスコミは完全に菅直人側についている。
菅直人もはっきりとマスコミと手を組んだ。

ただ、今朝(9/3)のテレビ朝日・スーパーモーニングを見て多少見直した。
たまたまテレビをつけたら、小沢一郎が生出演とあった。
どうせいつもの「政治とカネ」の話かとうんざりしたのだが、席に連なる顔ぶれを見て少し見ていようと思い直した。

山口一臣はいいだろう。
鳥越俊太郎もまあまあいいだろう。
大谷ナントカというのは多少あやしい。
三反園ナントカはまあいいだろう。

なによりいいのはシロート・芸人がいない点である。
一応大人だけが並んでいる。
多少期待できるかもしれない。

時間にして40分程度であったろうか。
マスコミもこんな番組が作れるのか、と新鮮な驚きを覚えた。

彼らは、小沢一郎の頭の中にあるものを引きだそうという姿勢を保ち続けていた。
テーマは多岐にわたっていた。
しかし、小沢一郎はすべてのテーマに対して深い見識を十分に見せつけた。
予算、円高、雇用、普天間、外交・安全保障……。

いずれも本質的な深みのある議論であった。
大人の議論であつた。
テレビでこんな深みのある番組は始めてではないだろうか。

つくづくメディアというのは、人であると感じさせられた。

対照的なのは、昨日の日本記者クラブ主催の公開討論会である。

「政治とカネ」というマスコミのでっち上げたフレーズに全面的に寄りかかった個人攻撃に終始した菅直人の醜態には、眉をひそめた人の方が多かったろう。
政策批判をする小沢一郎に対して、菅は小沢の人格攻撃だけである。

菅・小沢の討論の不毛さ。
そしてメディア代表として質問に当たった連中の愚劣さ。
この連中の顔ぶれをみただけでおよそ想像はついていたのだが……。

橋本五郎氏(読売新聞)
倉重篤郎氏(毎日新聞)
星浩氏(朝日新聞)
原田亮介氏(日本経済新聞)

特に朝日の星浩は最近の小沢攻撃のヒステリー言動でひんしゅくを買っている人物。
橋本五郎は以前からである。
他の二人は馴染みがないが、結果からみると同類の連中であった。

こいつらははじめから小沢をおとしめることが目的で、小沢の言い分をじっくり聞いて理解しようという態度は放棄している。
この討論会が不毛であったのは当然であった。

マスコミが必死になって小沢を叩く背景を考えさせる報道記事が相次いでいる。

「政・官・業+報+米の癒着構造の復活」である。

元米高官、小沢氏を酷評 『反米的発言 打撃与えた』 (東京新聞 2010年9月2日)
【ワシントン=岩田仲弘】知日派のマイケル・グリーン元米国家安全保障会議(NSC)アジア上級部長は三十一日、民主党代表選に出馬した小沢前幹事長について「昨年来の反米的な発言は、日米関係に相当の打撃を与えた」と強く批判した。

 ワシントン市で邦人記者団に述べたもので、グリーン氏はさらに「米政権は当初、(実力者として)小沢氏と接近を図ったが、逆効果だった。彼が勝つとは思っていないが、どんな影響を及ぼすか神経質になっている」と述べた。

 グリーン氏は、菅首相については対米関係重視の姿勢は評価するものの「勝っても政権はますます不安定になる。十一月の日米首脳会談に向け、普天間移設問題をはじめ重要政策が進展しないことに米政府はいら立っている」と指摘した。

 代表選については「日米関係をさらに漂流させる。やっかいだ」と述べ、政治が混乱することに懸念を示した。

民主代表選:財界は菅首相続投に期待 (毎日jp 2010年9月1日)
多くの財界首脳の本音は菅首相続投支持だ。「強い経済、財政、社会保障」を旗印に税財政の一体改革を掲げる菅政権の路線は、財界の主張にも沿う。
経団連には、民主党への政権交代後の鳩山前政権時代に、小沢幹事長(当時)の主導で政府・与党に距離を置かれ、政策要望さえままならなくなったトラウマもある。菅政権になって、経団連は円高対策を要望するなど政府との対話が復活したばかり。経団連関係者の間には「小沢氏が代表選に勝利し、政権につけば、政府との関係が再び冷え込む」との警戒感も漂う。【米川直己】

出先機関改革に国交省「ゼロ回答」 (asahi.com 2010年9月2日)
国土交通省は1日、国の出先機関改革で、地方整備局と地方運輸局の業務の大半を国が引き続き担当するのが適当との内容の仕分け結果を公表した。移管には道州制など広域的な「受け皿」が必要などと理由を挙げた。全国知事会などの要求に対し、実質的なゼロ回答となった。
省庁定員574人増を要求 23年度、総務省絞り込みへ (産経ニュース 2010.9.1 )
総務省は1日、各省庁から出された平成23年度の定員要求をまとめた。全体で増員6753人、減員6179人の要求で、差し引き574人の純増だったが、同省は年末の23年度予算案の編成に向け、純減になるよう絞り込む方針。


アメリカは言いたい放題である。
財界もそろそろと頭をもたげてきた。
官僚は菅内閣を舐めきっている。

菅内閣の取り込みも終わって、あとは小澤つぶしに全力を注ぐだけである。

わたしたちは、こんな構造をぶちこわすことを民主党に期待したのだ。

小沢一郎総理実現は国民からの緊急要請である!





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