政治の季節【稗史(はいし)倭人伝】

稗史とは通俗的な歴史書等をいいます。
現在進行形の歴史を低い視点から見つめます。

民主党の誤算

2008-04-19 09:58:38 | 民主党
福田内閣、不支持が5割超=支持続落27.6%に-時事世論調査(時事通信) - goo ニュース

これだけ支持率の落ちた福田内閣を攻めきれない民主党。逆にここにきて、むしろ守勢に立たされている感さえある。
原因は、実はこれらの世論調査の中にある。たとえば次の世論調査。

内閣支持率30%……前月調査より3.9%減  読売調査 

内閣支持率が下がっているのは同じだが、問題は道路特定財源に関する部分。

ガソリン税の暫定税率を政府・与党が4月末にも復活させる方針を示していることには賛成が30%、反対が61%となった。ただ、暫定税率がどうあるべきかについては「暫定税率を続け、幅広い目的に使う」42%、「道路整備に使う」9%で、維持すべきだとの考えが5割を超えた。「廃止する」は40%だった。

暫定税率の復活に賛成が30%ある。反対が61%しかない。さらに驚きは暫定税率の維持については、一般財源化を前提にしてはいるが、賛成が50%にのぼる。

対立軸が微妙に変わってきているのだ。”暫定税率廃止か維持か”から”暫定税率廃止”対”一般財源化と暫定税率維持”のセット。前者は民主党案。一般財源化も言っているが印象が薄い。後者は自民党案。一般財源化をするのなら、暫定税率くらい認めてやるか、というのが国民の50%ということになる。
自民党の思惑と国民の受け止め方には実は大きなギャップがあるのだが、民主党はそこをうまく突けないでいる。国民の方は、一般財源化が前提で、暫定税率はそれに付随するものと考えているのに対して、自民党は、暫定税率維持が前提で、一般財源化はそのあとで考えようというものだ。順序が逆なのだ。
自民党は暫定税率さえ復活できれば、あとはどうとでもなると考えているのだが、ナイーブな国民は、自民党がそこまで悪辣だとは想像もできない。自民党は一般財源化の閣議決定も総務会での決定も頑なに拒否している。口約束だけにしておいて逃げ道は確保してあるのだ。
自民党の言い訳も多彩である。町村・伊吹・冬柴の鉄面皮三人組の繰り出す詭弁、強弁はとどまるところを知らない。
「将来の世代につけを残す」、「環境問題に逆行する」、「景気を悪化させる」、「外国ではもっと高い税金をかけている」、「歳入不足をどうするのか」、「地方に迷惑が掛かる」等々。
口下手小澤、坊主頭にしてからまったく生彩を欠く菅、お坊ちゃんのカッコマン鳩山ではそれに反撃しきれない。だいたい「ガソリン代が下がって国民は喜んでいる」くらいしか言えないようでは、敵は倒せない。戦を始めるにはそれなりの準備というものがあるだろう。せめて、暫定税率廃止による経済効果のシミュレーションくらいしておくのが常識だろう。二つほど、民間機関が計算結果を発表したのを目にしたが、維持・廃止の大きな差は無かったようだ。わずかに維持したほうの効果が大きいとしたものと、短期で維持、長期で廃止が上、としていたものであったようだ。これが公正な計算であるかどうかは分からないが、しかし、先にそれを自民党に使われるようでは情けない。
すでにガソリン再値上げがあるかも知れない、という雰囲気も広がりだしている。
ガソリン再値上げを許すようでは、民主党の存在意義はなくなる。ここが民主党の正念場だ。

開き直った自民党はしぶといぞ!