4月11日の投稿の続編
結論は見えていた。
TCIのJ・パワー株買い増し 外為審が事実上拒否
どうせ御用学者の集まり。全員一致というのもうさんくさい。
前に投稿したのは下の記事に関して。
経産次官 「対日投資ブレーキにならず」 Jパワー問題
Jパワー問題というのは、Jパワー(電源開発)の株式の9.9%を保有している外国ファンドが同社の株式を20%まで買い増しする意向を届け出たことで始まる。
経産省の甘利大臣と北畑事務次官はこれを阻止するつもりでいる。
たまたま4月15日の日経新聞にJパワー関連の記事が3本のっているので、それにそってこの問題とこの問題次官について考えてみたい。
一つ目 政府の原子力委員会と原子力安全委員会は、14日。J・パワーが計画する大間原子力発電所(青森県)の設置を「妥当」とする答申を経済産業省に提出した。経産省は認可する方針で5月にも着工の見通し。
二つ目 Jパワー株の買い増しを申請している英投資ファンド(TCI)が政府に対し、信託の仕組みを使って追加取得した株式の議決権を一部凍結する新たな提案をしたことが、14日分かった。……。政府は「電力の安定供給や原子力の平和利用に支障をきたす」として、TCIに計画の変更か中止を勧告する公算が大きい。
三つ目 こちらは同紙の編集委員のコラム。産経省の対応に過剰防衛ではないかと、疑問を呈している。
甘利経産省は、「経済協力開発機構(OECD)のルールで国の安全や公共の秩序に関することは規制できる」という。しかし、OECDルールの英文解説書を読む限り、日本は電気事業を規制対象として明示していない。突然、「公共の秩序」を持ち出して規制するのは、外国人からみると、後出しジャンケンである。
また甘利と北畑のインチキ説明を実例をしめして列挙している。
甘利は、EUの当初メンバー15ケ国のうちベルギー等4ケ国以外は規制している、と説明する。ところが英国では、電力・発電事業の55%を外国の投資家が保有している。フランスでは電力事業への外資参入には制限がない。
甘利はまた、米国は「エクソン・フロリオ条項によってどんな業種でも10%超の出資を投網をかけるように規制をし、事後に取り消しを求めることがある」という。しかし、実際にこの条項が使われるのは、国防に影響が及ぶおそれがある場合だけで、過去1500件の報告があり、そのうち25件を審査、投資を禁じたのは、中国企業が航空宇宙部品企業を買収した1件だけだそうだ。
北畑は、Jパワーが原子力発電所を持っていることを念頭に、「米国では電気のうちでも原子力に関してはより厳しい規制をしいている」と言う。しかし、株式を50%以上保有するなど支配目的以外はこれまで認められてきた。要するに欧米では国防産業は外資参入の規制対象だが、電気事業に網は掛かっていない。ましてや20%程度の出資は問題にならない。
不透明なルールをもとに過剰防衛をすれば、日本は投資先として信じてもらえなくなる。Jパワーを守るつけは大きそうだ。
なんだ、甘利と北畑の説明は嘘だらけではないか。都合のいいときだけ外国の例を持ち出すのはこいつらの常套手段だが、この場合はそれまでデタラメときている。
100歩譲って、国益を守るための対応だとしても、嘘はいかん、嘘は。ましてこいつらには、国益を守るなんてことは頭の片隅にもない。あるのは省益だけ。とくにこの北畑という次官。
経産省事務次官北畑隆生はなかなかの有名人だ。最近はこんなことで話題になった。
「ディトレーダーは馬鹿」 経済産業省次官 講演で発言
日本株低迷の背景に「市場見えぬ官僚トップの無知」
この男の独善的な話しぶりは鼻持ちならない。税金で飯を食わせてもらっている公僕であるという認識が全くない。”確信的統制経済信奉者”。いや”狂信的”と言ったほうがいいか。
かなり旧聞に属するが、最近またにぎやかになってきている話題もある。検索のキーワードは、恥ずかしくて書けないので、”北畑隆生”で当たってみてください。
個人のプライベートなことに関しては言いたくないが、まあこれは公私の境目のようなことなので。