焼酎のオンザロック

ただの好み。

神様のカルテ

2022年07月02日 11時53分05秒 | 本や映画、音楽
 全く久々の投稿である。

 現役を退いた身であるから日常は暇そのもので、特に変わったこともなく退屈な時間を過ごしている。
ただよく考えてみればこの退屈な日常というのは案外貴重なものかも知れない、などと時には考える。
今や死ぬまでの貴重で平和な日常であるかもしれない。運が悪ければ、いや良くても歳を取れば何らかの
病気に苛まれるのは当然のことで、とりあえず然したる病魔に遭遇していない日常というのは貴重である。

 表題の「神様のカルテ」というのは医師・栗原一止の物語で、神様のカルテ(1)~(3)と(0)、
それに「新章・神様のカルテ」と5冊が上梓されている。

 (1)と(2)は映画化もされている。桜井翔と宮崎あおいが主人公を演じていた。もちろん原作とは
微妙に違うが、その雰囲気というか、その世界は十分表現されていたと思う。

 スリルやサスペンスとは縁のない物語であるが、読ませる。

 実はこの半年で5冊の物語を二度読んでいる。通勤電車の中で読むのには適さない物語であるから
年寄りには最適な本と言っても良い。

 通勤電車に適さないという理由は、いい歳をして泣かされてしまうからである。

 地方の病院で患者の多くは年寄り、全くの市井の人々である。毎日というのは大袈裟だが年寄り達は
死んでゆく。その患者達を必死で支える篤実な若き医師の物語である。

 ちょっと題名が甘ったるいのは玉に瑕だが、この歳になってこの本に出合ったのは僥倖であった。

 生々しい欲望に突き動かされて戦争を始め平然と人々を殺し回っている人間も居り、総体として人間
というものの限界がまたまた露わになってきたという現実を突き付けられているのが昨今の状況である。

 しかしこの本のような世界もあるのだろう。そう願って止まない。




 
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