3日間のブルゴーニュの滞在を終えて再びパリに戻る前、ブルゴーニュのムッシュは、「リヨン駅からはどうやって帰るんだ?」と尋ねた。
「タクシーで」と答えた私に「パリの友人は迎えに来てくれないのか?こんな大きなスーツケースがあるのに?」と「それでも友達か?」と言わんばかりに不思議そうに言った。
私は「そこまで甘えるわけにはいかない」と思いつつも、「そう言えば二年前はモンパルナス駅まで迎えに来てくれたなあ」とも思った。
そしてタクシーでミッシェルさんの家に戻った。
「ブルゴーニュの旅はどうだった?」と聞かれ、ブルゴーニュについて話しながら、私は出掛ける時の、リヨン駅で散々だったことを思い出し尋ねた。
「あなたはあれから無事に帰れた?」と特に何の意図もなく、「うん」という答えを想定するいわば社交辞令のようなつもりだった。
しかし彼の答えはこうだった!!
「もうあれから大変だったんだ。駐車場に戻るのに迷い、また車を探すのも時間がかかり、車を見つけるまで一時間半かかったよ」と言ったのだ!!
確かに私が列車に乗ったホームから駐車場に戻るのは簡単ではなかったであろう。
ミッシェルさんは少し方向音痴?なところがあるからと想像はできるが、一時間半?それはあまりにも・・・・で、ここまでくると気の毒に思えるくらいだ。
送ってもらった私も責任を感じた。
見つけやすいように「オレンジ色の車」にしていると言うわけがやっと理解できた。
そんなことを聞いたら、もう「送ってもらう」ことはできない。
実は希望の列車が取れず、この日の夕方パリに着いた私は21時過ぎの列車でブルターニュへと向かわなければならなかった。
慌てて荷物を詰め替えて、夕食を取る時間がない私に奥さんが持たせてくれたドライフルーツとクラッカーを手に、呼んでもらったタクシーに乗りモンパルナス駅へと向かったのだった。
方向音痴と言うのはよく耳にするが、本当に存在するのだとよくわかった。
しかしこの現象はもう一回起こるのだが、それは次回に紹介する。
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