フランス人観察記録

日本人から見て解ってきたフランス人の考え方、行動についての覚書

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大人の国では、こういう関係もあり

2012年07月26日 | パリ11区

フランスは愛の国で、その関係もいろいろあることは何度も述べているが、また特例として紹介したい。 

イザベルと一緒に来てしゃぶしゃぶを気に入った食いしん坊のクリスチャン、その奥さんのジョエルからメールが来た。

「私の前の夫が来日するので、またそちらで泊めてもらいたい」ということだった。 

そして「私たちは別れてからもいい関係を続けているのよ。びっくりしたかもしれないけど」と付け加えられていた。

東京ではベルニのところにやはりジョエルからお願いをしたようで、ベルニからもよろしくと連絡があった。 

そして新しい?妻?(彼女?)とともにその「前の夫」が我が家へやってきた

前夫ティエリは現夫クリスチャンと職場の同僚で映画関係の仕事をしていることもわかった。

皆とてもいい関係なんだそうだ。 

ティエリの今の妻、この人もまたイザベルと言うのだが、このイザベルも映画関係の仕事の仲間である。

 

 

一泊だけ、しかも夕方着いて翌朝には出発したので、彼らは奈良観光をせずに帰って行ったのだった。

つまり、私に会いに来てくれたようなものだった。

短い時間ではあったが、一緒に習字を楽しんだり、ベルニからの要望ですき焼きを夕食に用意したのだが、彼らにとって思い出に残る夕べになっただろうか。 

 

この二カ月後、私がパリのクリスチャン宅に行った時、私たちの訪問を知らせるべく、ジョエルが現夫の前でティエリに電話をした時もあったが、まあ皆平和でいい関係と言うことなのだろう。

 

大統領に愛人がいても政治さえきちんとやっていれば、国民は私生活についてあれこれ言わない大人の国、愛の国だと改めて感じた次第である。

 

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どこからともなくやってくる彼

2011年10月04日 | パリ11区

山の辺の道を歩いた翌日は、奈良市内を案内した。

 

                      

 

ここでも彼は何を話したか、ほとんど覚えていない。

彼女はたわいない話や、私の解説を笑顔で関心を示してくれた。

 

彼女は写真を撮るのが好きなようで、影を撮影してみたり、面白い写真を撮っていた。

もちろん鹿も可愛いと言い、とりわけバンビを見つけた時は嬉しそうだった。

 

                        

 

彼はと言うと、「あれ?姿が見えない!!」、すると彼女は「いつもそうなのよ。でもそのうち現れるの」と。

 

 

東大寺の入場料を払おうとすると、彼女はまたすごい剣幕で「何しているの!!早く払いに行かないと」と彼に言う。

彼はひょうひょうとしている。

 

                     

 

二月堂の舞台で、ここにまつわるいくつかの話をしようとした時も

「いない。でも仕方ない。彼女に聞いてもらえればいい」と話し始めた。

するとどこからかやってきて、ちゃんと肝腎のところは聞いている。

すべてこんな感じだった。

 

                     

 

彼はブルターニュの出身と言うから、シャイというのはなるほどであるが、ここまでのシャイは珍しい。

どうしてもいつか弁護している雄弁な彼を、見てみたくなるのだ。

 

この後は、九州へと向かった彼らだが、後で送られてきた写真を見ると、「ウォーリーを探せ」のポスターの中に紛れているひょうきんな彼の写真があった。

 

帰国後もポルトガルやイタリアへ行った写真を送ってくれる。

 

ただ最近気がかりなことがある。

彼女から震災後頂いたメールによると、彼女は仕事でカナダにいるらしい。

また別々の暮らしのようだ。

二人が一緒にずっといられる日が来るのを願いながら、私は彼らとの再会を楽しみにしている。

 

美人の彼女も魅力だが、かなりすでに髪が少なくて無口な彼の存在は、私に大きな印象を残した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 


「能ある鷹は爪隠す」

2011年10月02日 | パリ11区
この若いカップルは、マルチーヌの紹介でやってきた。
マルチーヌが育った家の隣の家のお嬢さんなので、マルチーヌは彼女の小さい時から知っているそうだ。
 
その彼女、仕事でニューカレドニアにいた帰りに日本に寄ることになり、パリ在住の恋人と日本で待ち合わせての旅行と言うことであった。
 
JR奈良駅に着くと言うことで、いつものように待っていた。
だいたいフランス人は見ただけでわかるようになっていたが、さてどんなカップルだろうと楽しみだ。
 
足が長くスリムでロングヘアの彼女が目に留まった!!ラフな格好をしているが、かなり美人である。
隣に目をやると、何やら恥ずかしそうにうつむき加減だが、口元ではニヤニヤとしていて、何とも愛きょうのある相棒だった。
 
そのまま我が家に着くまで、彼女主導で話し続けた。
彼はと言うと、ほとんど口を聞かない。でもニコニコして、時々うなづく。
 
                
 
夜だったので、着いてすぐ夕食にした。
お土産にと多分彼がフランスを発つときに買ったのであろうシャンパンをいただいた。
早速皆で乾杯しようと言ったら、彼女は「これはお土産だから」と遠慮したが、彼はさっとグラスを出し、にっこり微笑んでおいしそうに飲んだ。
彼は口数は少ないが、何でも食べて、シャンパンも注ごうとすると、黙ってグラスをさしだしお代わりをした。
 
とうとう彼女は厳しく叱った!!まるで子供を叱る母親のように。
「お土産なのに、何でそんなに遠慮なく何杯も飲むの!!」と。
それでも彼は、「大丈夫。私はあまり飲めないから一緒に皆で飲む方がいい」との私の言葉に励まされ、よく食べ、よく飲んだ。
 
12月だったと思うが、家の中では彼は暑いと言ってTシャツ一枚だ。
「寒くない?」と尋ねると、彼女は「彼はいつもこんななのよ」と笑う。
不思議なカップルだ。
 
彼女は舞台などのデザイン関係の仕事をしていたと思うが、彼は何と弁護士であると言う。
日本では試験を突破するのもかなりの難関だけどフランスではどうかと尋ねたら、「日本ほど難しくはないから」とさらりと答えたが
後に他のフランス人に聞いたところによると、やはり日本のように難しい資格の一つであると言うことだった。
「能ある鷹は爪隠す」とはまさしく彼のことである。
しかしこの無口な彼が弁護をするとは想像しがたい。
 
彼女に彼の仕事をしている姿を見たことがあるか?と聞いたら、何人かの友達と法廷で見たそうで、さすがに「雄弁に」弁護をし、見違えるようだったとちょっと誇らしげに答えた。「まあ、確かに仕事はしていたわ。」と言うわけだ。
機会があれば、私も是非そんな姿を見てみたいと思っている。
 
 
 
歩くことが好き、自然が好きでハイキングがしたいと言うことで、翌日は二人で山の辺の道を歩くよう勧めた。
JR駅のホームまで見送り、にっこり笑って出発した。
 
                                 
この日は寒い日で、初雪がちらついたそうだが、迷うことなく、三輪神社に到着したそうだ。
 
翌日はいよいよ一緒に奈良観光だ。
 
 
 
 
 

「(ご飯を)お代り!」「ごめんなさい。空っぽです!」

2011年09月26日 | パリ11区

彼らについて、印象に残ることは、控え目で自然体のいいカップルで、日本食に関してはほぼ完ぺきというくらい、何でも食べられることである。

 

特にご主人は、朝ごはんも日本食のリクエストだった。

甘い朝ごはん(甘いパンとコーヒー、ヨーグルト、ジュースが基本である)彼らには、日本食の朝ごはんだけが苦手と言う人も多い。現に奥さんは我が家では、「朝はパンでお願いしたい」ということだった。

民宿や宿坊で出されたらもちろん食べるが、選べるなら朝はパンがいいということであったので、もちろんそうした

 

そんななか、このご主人は、魚の干物やみりん干しはもちろん、らっきょもお漬物も美味しそうに食べる貴重なフランス人の一人である。 

おとなしめのご主人だが、二度目とあって、前回よりは口数も多い。

 

自然の好きな彼らと、今回は山の辺の道に行くことにした。

奈良からJRで天理駅に出て、そこから天理教本部を経て石上神宮へ。

ここからが山の辺の道の始まりである。

                                  

                                           

 

手作りのおにぎりを食べたり、行きかう人と挨拶を交わしながら、楽しい道のりは続く。

 

彼らがびっくりしたのが、無人の野菜販売所である。

彼らは「フランスではありえない」と、口をそろえる。

こういうとき、やはり日本の田舎の良さを強く感じる。

 

                                            

健脚の彼らは、7kmあまりの道のりも問題にしない。途中田畑や、古墳、お寺、古い集落を見ながらあっという間に三輪神社に到着だ。

 

日本の田舎の風景を堪能し、帰路へと向かう。

 

前夜は、日本食は何でも大丈夫な彼らに手巻きずしを食べてもらった。ひじきの和え物も好きらしい。

彼らは、鰻や紫蘇が大好きだと言いながら、ほとんど残さず食べてくれた。

 

お魚好きな彼らであるが、今日はすき焼きを食べてもらう。

もちろん生卵もOKだ。これも好評でしっかり食べてくれた。

 

しかし実は今、思い出しても恥ずかしいことがある。

フランス人は日本食が好きな人でも、白いご飯をお代わりする人はめったにいない。

そういうこともあって、いくぶん少なめにご飯を用意していた。

 

そんなとき、奥さんが言った。「(ご飯を)お代わり!」と。だけど、お釜の中は空っぽであった。本当に申し訳ないことであった。

 

次に来てくれるときは、たくさんのご飯を用意しようと思っているが、

昨年ふたごの赤ちゃんが生まれたので、しばらく来日は無理かもしれない。

 

この夫婦が帰国して数日後、私はフランスに向けて旅立ち、旅の前半に彼らの両親宅に泊ったが、終盤に彼らの家でお茶をご馳走になり、すぐにパリで、日本の旅の続きを聞けることになる。

 

 

 


身元引き受けます。そうですか、それならば

2011年09月22日 | パリ11区
初めて両親一緒に来日したこのカップルが、大いに日本が好きになって、二度目の来日を一年後に果たすとは驚いた。
 
文化や歴史もだが、このカップルは日本食と自然の美しさに魅了されたようである。
高野山の精進料理も気に入り、鰻が大好きなのだ。
 
今回の旅程は、自然を満喫するべく、JRとレンタカーも利用するという。
上手にお得なレンタカーのサイトを探し、紀伊半島の和歌山を中心に、また丹後半島へ足を伸ばすときにもレンタカーの利用だ。
 
宿泊に当たって、依頼が来た。
地方では民宿に泊まりたいと言う。しかし英語での予約が出来ないところも多いので、予約代行の依頼だった。
彼らが予め決めた宿に私が電話で予約するのは簡単なことなので、もちろん引き受けた。日本の場合、ほとんど現地決済なので、クレジットナンバーを言う必要もないところがほとんどである。
 
この時は、確か城崎、天橋立、紀伊半島では湯の峰温泉、また関西ではないが、富士山を見ると言うことで、確か河口湖の民宿を電話で予約した。
こういう場合、私は連絡先として、我が家の電話番号を伝えておく。
 
しかし湯の峰温泉は、最初こう言われた。「うちは今は外国人はお断りしているのです。」と。
「どうしてですか?」と尋ねたところ、「以前連絡なしのキャンセルが続いたことがあって」とのことだった。
 
それは理解できた。しかし「私が彼らの宿泊の保証をしますが、それでもだめでしょうか?」と、もうひと押しした。
そうすると「そうですか。それならば」と、引き受けてくれた。
 
このことを彼らにも伝えると、「(湯の峰温泉は素晴らしいところらしいから)キャンセルなんて何で私たちがするでしょう?あり得ないわ」と言うことだった。
 
事前に宿の方から確認の電話があることもあるけれど、この宿には安心させるため前日に「明日宿泊しますからお願いします」と伝えておいたので、全く問題なく料理も温泉も自然にも満足してくれたようで、こちらも嬉しかった。
 
前回は京都泊で奈良には日帰りだったが、今回は二泊してくれることになった。
市内観光は済んでいるので、山の辺の道を歩くと言う目的である。
 
 
 
 
 

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