
花椿です。
平成30年1月末に角川が発売したDVD「千姫御殿」を見た。 1960年に
大映が制作した総天然色作品だ。 主演は山本富士子と本郷功次郞。 事前調査
はしていないが大映の女性時代劇は悲恋物が多いので、たぶんこの作品も悲恋物
なのだろうなと想像しつつ見た。 で、いきなり男狂いの千姫が登場したかと思
うと謎の殺人事件。 オープニングから一気に映画の世界に引き込まれた。
簡単にストーリーを書いておくと、とにかく千姫(山本富士子)が男狂いになっ
て町人の男や浪人を御殿へ連れて来てはSEXをする。 しかし、翌日、その男
が死体となって発見されるという事件が相次いだ。 この噂は大御所(家康)の
知るところとなって、真相を探るべく公儀隠密の若侍である本郷功次郞に内偵さ
せたのだ。
ところが千姫は本郷に一目惚れして離さない。 それどころか本郷も千姫の美貌
と気高さに心を奪われてしまって、やがて二人は嵐の晩に合体して男女の関係に
なった。 言ってみればミイラ取りがミイラになったわけ。 ただ話はこれだけ
では終わらない。
実は千姫を燃える大坂城から救い出しながらも、その千姫に嫌われて自害させら
れた坂崎出羽守の一門が仇討ちするために御殿の女房達に潜んでいたのだ。 謎
の殺人事件も千姫を貶める目的で仕組んだ彼らの罠だったとわかる。 そして坂
崎出羽守の命日に彼らは千姫暗殺に立ち上がったが、本郷の活躍で千姫は九死に
一生を得た。
一方、本郷は公儀隠密でありながら千姫と男女関係になったのを咎められて切腹
して果てた。 千姫はその事実を知らなかったが、好きでもない大名へ嫁ぐのを
拒否して出家する道を選んだ。 その出家の日、かつて世話をしていた娘が本郷
の遺書を持って来た。 千姫は初めて本郷の切腹を知り泣き崩れたのである。
もう、むちゃくちゃにオモロい。 見終わった後、続けて同じ映画の2回目を最
後まで見てしまった。 まあ、大時代な台詞や山本富士子のちょっと大袈裟な演
技とか臭みのある台詞の喋り方に抵抗を感じる人がいるかも知れないが、俺なん
かは宝塚の「ベルサイユのばら」を好きで何十回も見ている男だから、大袈裟な
芝居は大歓迎だ。 むしろその方が面白いと思う。 ついでに言えば悲恋物は3
度のメシよりも好きだね。
(ブログの連載を「Jリートのばら」としたくらい)
個人的には山本富士子の超絶な美貌と気高さに圧倒された。 山本富士子が29
才の時の作品であるが(撮影時は28才だったかも)、もともと大人っぽい顔立
ち、悪く言えば老け顔の人であるから23才の頃と全然変らない。 はっきり言
って心臓がドキドキしながら見た。 着物を着て立っているだけでエロスを発散
するのは山本富士子しかいない。 大好きな女優でございますね。
映画はこの時代の豪華時代劇らしく衣装もセットもめちゃ豪華。 色々な意味で
見所のある映画であった。 俺の評価は高いね。
じゃね、
2018年2月4日、21時30分記。 録画した『そこまで言って委員会NP』
見ながら。