花椿夕月の『雪*星*さざれ石』

日本映画ネタ、雑ネタなど

☆6月15日 映画「愛染香(1950)」を見た

2022年06月14日 | この映画見ました
花椿です。

新東宝作品の「愛染香(1950年)」を見た。 題名の読み方は「あいぜんか」また

は「あいぜんこう」どちらも良いらしいが、俺個人は「あいぜんか」と読んだ。


「愛染」とは文字どおり「愛に染まる」の意味であり、それが香りとなって発散する

ほどの愛。 純愛メロドラマ一筋の俺にとっては心の琴線に触れるような題名じゃな

いだろうか。 まず題名を見ただけで視聴したくなった。


そして配役を見たら主演の藤田進はともかく、ヒロイン役が俺の好きな月丘夢路であ

り、さらに池部良と久慈あさみ。 俺の好きな役者ばっかりじゃん、これは絶対に見

なければという気分になりましたね。


ただ事前にこの作品が第一部というのは知っていたので少し気になったけど、まあ、

とにかく見るぞ!である。 視聴方法はPC画面上で再生した動画をクロームキャスト

機能を使って75型ブラビアに映すやり方。 部屋を暗くしたら映画館さながらに

なった。 やはり大画面の効果は凄い。


で、ストーリーは簡単に書けば、戦時中のさまざまな成り行きから華族家である花小

路(高田稔)の夫人となった月丘夢路がある日、ゴルフ場で医師になった藤田進を偶

然発見する。 この7年ぶりの再会から、かつての愛が復活するという不倫モノ。


戦後、没落華族となった高田に愛想が尽きていた月丘にとって藤田の存在は大きく

なる一方。 逢引きを重ねたが、実は藤田には許嫁(いいなずけ)がいて藤田の病院

で働く事になっていた。 


上京した許嫁の久慈あさみは看護婦となって働くが、やがて藤田の心は月丘にあると

知って失望から姿を消した。 月丘は高田と別れる決心をしたものの高田が交通事故

に遭い障害者になると知って離婚を躊躇した。


結局、藤田の心も傷付き一人で東京を離れるのだが、ここで第一部 終となる。


ドラマの最後に藤田が同僚の池部良に行方不明になった久慈の世話をしてやってくれ

と頼むシーンがあった。 おそらく第二部は池部と久慈のメロドラマへと展開する予

定だったのだろうが、実は第二部は存在しない。 


何らかの事情で制作を中止したと思うが、日活の「かくて夢あり」と違って話は一応

完結したから特にストレスを感じるわけではなかった。


☆気が付いた点を列記しておくと。

1.藤田進は俺の世代では戦争映画の軍人役とか怪獣と戦う自衛隊の指揮官とかのイ

メージでメロドラマは似合わない。 そもそも撮影時すでに30代後半だから年齢的

にも無理がある。 最初から順当に主役は池部良で良かったんじゃない?


2.千石規子が風俗の女の役で登場! 俺がこの人の風俗女を見るのは2回目だ。

1回目は「白い野獣」という赤線の更生施設を舞台にした東宝作品で元売春婦の役だ

ったと思う。 俺の世代では千石規子=意地悪なおばさんのイメージだから、まさに

天地がひっくり返ったような気分になったぜ。(笑)


3.高田稔がまたしても没落華族を好演。 前に見た「七つの宝石」でも没落華族の

役じゃなかったかな。 ちょっと屈折した心理を持つ富豪とか貴族がハマっている。


4.病院の婦長が怪描でお馴染みの入江たか子だった。 なかなかの美女ぶりで恐れ

入った。 久慈あさみよりも美貌。


5.悲恋のヒロインを演じた月丘夢路は俺が今まで見た中では過去最高レベルと言っ

て良い。 ほとんど着物の出演やけど洋装も数シーンあった。 色々な意味で楽しめ

た。


まあ、こんな感じです。

1950年(昭和25年)12月29日公開の新東宝映画だね。 監督は阿部豊で

日活時代の月丘夢路の作品が多い印象。 モノクロで76分。 俺の評価はランクB

(水準作より上)だけども、月丘夢路が奇麗なのでランクAでも良し。 不倫ドラマ

の佳作じゃないかな。


□写真上

公開時のポスター。 左から藤田進、月丘夢路、久慈あさみ。 久慈あさみはこの

作品がデビュー作らしい。

□写真2番目

藤田進(左)と月丘夢路。

□写真3番目

同じく藤田進と月丘夢路。

□写真4番目

左の起立している男が高田稔、右は藤田進と久慈あさみ。

□写真下(左)

池部良が月丘夢路に向かって「あなたが二人(藤田、久慈)を不幸にした」と詰め寄

る場面。

□写真下(右)

月丘が藤田が乗った列車に思い出の白薔薇を投げる場面。


じゃ、またね。

2022年6月14日、21時40分記。
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1 コメント

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Unknown (北アカリ)
2022-06-17 10:05:11
おはようございます。
ブログ拝見しました。
毎回同じような感想ですが、
ブログ拝見しました。
月丘夢路さんの私が知っている姉御肌のイメージは
姉御肌の女性という感じでしたが、それは若い頃の
作品を観ていないからですね。
うりざね型の日本人形のような美人さんですね。
久慈あさみさんは、次郎長三国志シリーズに
投げ節お仲役で出ていました。
シリーズものが好きなので、一気に観ました。
唄が上手だと思っていたら宝塚出身とわかり納得でした。次回を期待しています。
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