花椿です。
「新東宝の世界!」のその2になります。 今回は「スター毒殺事件」。 実は
つい数日前にDVDを入手して17日に見たばかり。 何でか言うとこの作品、
廃盤になっていてずっと入手不可だったのが、アマゾンのマーケットプレイスに
突然2枚出品されたわけ。 しかも3500円とレア作品としては安かったので
即買った。
(残りの1枚は4980円に値上げされて今も健在)
これで新東宝作品で俺が欲しいのは前田通子が主演する「女競輪王」の1作品が
残るのみ。 これはマーケットプレイスに1枚だけ出品されているが24000
円もするので悔しいけど見送っている。
(ちなみに俺が5年くらい前に録画成功した新東宝映画「ハワイの夜」なんかは
マーケットプレイスで24万円!もする。 「スター毒殺・・」の3500円は
レア品にしてはめちゃくちゃ安いのだ。 まさに僥倖だった。)
で、この作品。 新東宝映画の大ファンを自称する作家の桂千穂サンなんかは評
価するに値しない駄作だと本に書いているが俺は結構良かったと思う。 少なく
とも水準作には達している。
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◇スター毒殺事件(1958年、モノクロ)
映画会社で専属俳優をしている天知茂が恋人の万里(ばんり)昌代を女優にしよ
うと考えて会社に紹介する。 会社はもう1人の人気俳優である江見渉とコンビ
で売り出すわけ。 ところが江見が万里に一目ぼれ。
しかもコンビを組むうちに万里も江見の方へ気が移ってしまった。 当然、天知
はこれが気に入らない。 結局、撮影で使うウイスキーの瓶に毒を混ぜて江見を
殺害してしまう。
ところが助監督と万里がこの真相を知ったためにケンカとなって天知は2人も殺
してしまった。 あとは車で逃げる天知と警察のカーチェイス。 最後は工事現
場に逃げた天知が自害するのか、警察に射殺されたのか記憶にないが、まあ、そ
んなストーリーだった。
サブストーリーとして同じ映画会社の女優をしている三原葉子が天知と同棲する
ってのがあったけど、これは万里を嫉妬させる目的で天知が仕組んだ当て馬だっ
たくさい。 結局、最後は天知に捨てられた。
個人的には1970年代に粗製乱造されたハレンチ系の映画よりも断然面白かっ
たと思う。 天知茂も27才の若い時で「非情のライセンス」や「明智小五郎~
美女シリーズ~」で演じた眉間にシワを寄せるニヒルな探偵とかのイメージは全
くない。 すぐに逆上する純情可憐な天知茂なのだ。(苦笑)
それとバックステージものの楽しさがある。 主役が俳優の役なので映画の撮影
風景とかが楽しめる。 本物のストーリーなのか劇中劇のストーリーなのかわけ
わからん時があった。 もちろん日大に売却する前の当時の新東宝の撮影所が見
られるのも一見の価値だね。
女優陣は大映でも活躍した万里昌代がヒロイン。 それと映画史に燦然と輝くセ
クシー女優の三原葉子が楽しめる。 万里昌代は劇中劇でダンサーの役を演じる
のも見どころだ。
(万里昌代が柔道の有段者ってのは最近知った)
■写真1
DVDのジャケット。 天知と万里だね。 ポスターはド派手やけど新東宝のポ
スターは客寄せパンダのつもりかいつもこんな感じ。
(だから新東宝=エログロと間違われる)
■写真2
劇中劇でダンサーを演じる万里。 写真でははっきりしないけどブラとパンティ
だけ。 これも新東宝らしいところか。 こんなシーン、俺は大好きやけど、で
きれば総天然色で見たかったね。
■写真3
天知茂。 少し眉間にシワが寄っている?
■写真4
天知と三原。 写真じゃわからないが伝説のセクシー女優らしく胸の谷間が半分
くらいモロ出しの衣装である。 25才の時であるが大柄だし何もかも迫力満点
だ。
じゃあね、
2018年10月17日、23時ころ記。