阪口直人の「心にかける橋」

衆議院議員としての政治活動や、専門分野の平和構築活動、また、趣味や日常生活についてもメッセージを発信します。

福島県の「手抜き除染」について環境委員会で質問

2013年01月27日 00時56分58秒 | 政治

 昨日は福島県における不適切な除染問題について環境委員会で質問しました。昨年秋以降、現場の作業員からたびたび「手抜き作業」について指摘されていたにもかかわらず、環境省の対応が極めて遅く、実態調査についても後手後手の対応でした。一方で、環境省はこのような大きな事業をマネージメントする能力や経験が十分ではなく、作業を受注したゼネコン業者が下請け、孫請け業者に安く回して利ざやを稼ぎ利益を確保する一方で、下請けに行くほど当事者意識が薄くなり、現場作業の監督者は作業員に手抜き作業を指示しているとの報告も多数寄せられていました。

 28日に開会予定の通常国会は今は閉会中ですが、放射線で汚染された地域に住む方々にとって除染の信頼が失われるとすれば重大な問題です。急遽閉会中審査を行うことになり、私は日本維新の会のトップバッターとして質問することになりました。一日も早く除染問題の本質を明らかにして、より良い体制で除染作業を行う。何よりもそんな視点で質問しました。


 http://www.shugiintv.go.jp/jp/index.php?ex=VL&deli_id=42372&media_type=(環境委員会質疑)

 
 先日、福島第一原発を視察して驚いたのは、同じ原発施設においても放射線量の数値が極端に違うことです。6マイクロシーベルトの場所もあれば、100マイクロシーベルトを超え場所もあるのです。そして、その大きな要因は周辺が除染されいるか否かだそうです。原発事故から1年10か月が経過しており、対象地域があまりにも広いこともあって、当初私は除染作業の効果についてはかなり疑問を感じていました。しかし実際に現場に行くと、その効果は決して小さなものではないことを痛切に感じました。だからこそ、もし手抜き作業が恒常的に行われているとすれば、一日も早く安心して生活したいと願う人々への重大な背信行為であり、日本が世界に対しても信頼を失うことになります。また、来年度当初予算1兆2893億円の国家的プロジェクトが全く無意味なものにもなりかねません。従って、所轄官庁である環境省における除染事業の位置付けや、素早い情報共有の必要性、また、下請け業者に丸投げする構造の問題点や今後の対応について質問しました。

 この問題については朝日新聞の記事(2013年1月4日)が大きく掲載されたことが転機になったのですが、それまでは環境省による危機感を持った対応がされておらず、石原大臣が知ったのも記事が掲載された当日だったそうです。また、手抜き作業発覚後も、調査はゼネコン任せであり、問題の本質に迫る意識が十分ではありませんでした。様々な指摘によって「除染適正化プログラム」を18日に策定しましたが、作業を劇的に改善する予算、そしてマンパワーが備わっておらず、引き続き国会による監視が必要と感じました。

 私自身、与党時代は提案型の質問だったのに対し、追求型の野党スタイルには慣れておらず、完全燃焼した手応えはありませんでした。命を削って現場で作業を行う方々への敬意を忘れることなく、一方で、そんな努力を無にする手抜きが横行するようであれば、違反者には厳しい処分を下した上で改善しなくてはなりません。

 この問題は引き続き注視し、必要なアクションを直ちに起こす体制を作りながら追及していきます。