(ずいぶんお世話になったブルーの道案内)
(和田宿 9)
その先のカーブを曲がると、東餅屋のドライブインに到着する。
山を登って疲れた体にエネルギーを補給するのは今も昔も変わらない。
東餅屋の力餅には期待していた。
以前碓氷峠を歩いた折も、峠の熊野神社の前には、
元祖力餅屋があって、そこでいただいた餅の味が忘れられない。
入り口から中を覗くと、お客様は誰もいない。
夫婦で中に入ると結構年配の頑固そうなオッチャンがいる。
(東餅屋ドライブイン)
「ここで食べられる力持ちはどれですか?」
碓氷峠では小さい餅が六個ほど出てきたように思う。
それでもやや多めであったので聞くと、おじさん指差して言う。
「見本がここにあるよ」
見ると大福もちの大きさの餅が二個と
高菜漬けが一山ついて 350円。
それにコーヒーが付くと 500円。
力餅だけ頼む。
食べた餅はずいぶん柔らかくて、
餡もそれほど甘くなくちょうど良い加減の甘さ。
高菜漬が塩分含んでいてピッタリのおやつ。
(店内の状景)
それでもやはり液体がほしくなり、コーヒーを追加する。
これには少し時間が掛かって出てきたコーヒーも山の中の割には美味しかった。
おっちゃんいわく、
「これから先、峠までが急で少し大変ですよ。今日はどこから来ました?」
「和田宿から」というと
「本亭旅館に泊まった?」
「お客さんはたくさんいましたか?」と矢継ぎ早の質問。
「いえ、もう一組いらっしゃったようですが、
私たちより先に朝食もとらずに和田峠へ出かけられました」
(おっちゃんは今日の和田宿方面からのお客はこれで終わり)と判断したようである。
おっちゃんの話では、(今日は6月11日)
6月17日と23日には団体の予約があるという。
旅行社のツアー客を、和田宿からバスで草の茂る道まで来て降ろし、
そこから山道を歩かせ、国道に出たところでバスに乗せ、
草道でまた歩かせ、ここのドライブインでバスは待ち受けて、
休憩をとったら、また歩く。(これ以上歩けない人はここでバスに乗る。)
元気な人は、峠から西餅屋まで歩いて、
その先でバスが拾い下諏訪までバスで行って温泉で泊まる。コースらしい。
22kmの山道全部を歩くとなるとかなりの疲労になるし、
歩道の無い自動車道を歩くのは危険極まりない。
カミサン連れではこの方がよかったかと今更ながら悔やまれる。
これだけ登ってきて、さらにこれからが急坂で大変と思うと、
場所によってはバスで行ったほうが良かったかと泣きが入る。
東餅屋を後に国道に沿って歩くと、草の旧街道が見える。
(旧街道が口を開けて待っている)