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まことの花の咲きよう

2023-09-29 06:40:40 | 日記

作家の佐藤愛子女史の気づきだ。

女史は別荘(山荘)を所有しているそうだ。

そしてそこには、毎年夏が来ると行くことにしている。

ある年に、例年とは異なる五月に所要があって山荘を訪れた。

そこで気づいたこととは。

 

◆まことの花のまことの咲きよう

 その山荘には、500mほども山道を登るそうだ。

 だからおそらく、佐藤家の人々以外は誰も訪れることはないはずだ。

 と、思いがけず庭の赤いものが目に入った。

 あっと思った、源平ウツギだった。

 いつだったか忘れてしまったのだが、知人に山荘の庭が寂しいと伝えたところ、

 これならいいでしょうと源平ウツギを植えてくれたのだ。

 そのウツギが、名前通りに赤と白の花を咲かせていたのだ。

 おそらくその後、どの年も毎年源平ウツギは律儀に花を咲かせていたのだろう。

 しかし、佐藤女史が山荘を訪れるのは夏だけだから、花を見たことは一度もなかったのだ。

 

 源平ウツギは誰もいない庭で、風にも負けず凍てにも負けず、

 季節の巡りにしたがって無心に花を咲かせていたのだ。

 そのウツギの健気さに胸を打たれる。

 花は人に見られようとして咲くわけではない。

 極めて当たり前のことを、改めて思い知った。

 花は人のためではなく、自分自身のために咲くのだ。

 誰もいない庭でひとり咲いて、ひとり散っていくのだ。

 このまことの花の咲きよう、人はどうだろう・・・

 

 →そう 人も同じなのかもしれませんね。

 

 

 

 


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