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愛知県岡崎市在住
永続のページ管理人の個人日記

「星の王子さまと私」と私

2007年06月10日 | ノンカテゴリー
NHK教育にて「ETV特集~星の王子様と私」が放送されていました。
どうも再放送のようです。

著作権が切れて、最近は新訳が続々出されているそうです。

NHKの番組紹介


番組では、「ことば」に着目して、いろいろな視点から分析をしていました。特に、キツネとの会話で繰り返しでてくる「apprivoiser」アプリボワゼということばについて訳者により表現が違うことについて取り上げていました。


ためしに検索してみたら、あちこちでブログが見つかりましたが、天使ママのひとりごと♪さんの記事が客観的にまとまっていると思います。

・一番最初の訳者内藤濯さんはいくつかに使い分けていました。
・作家の池澤夏樹さん(フランス在住)はフランス文化に照らし合わせて農業国であるフランスの飼いならされた自然を捉え、「飼いならす」が一番適切と解釈しています。
・サン = テグジュペリの研究の第一人者の山崎庸一郎さんは作者本人の心情に照らして訳しています。

それぞれに面白い視点があって、どれも納得の理由です。
フランスの子供に「apprivoiser」の例をきくと、動物と親しい関係をつくるという意味でつかってきます。

意味としては、番組で紹介していた
「時間をかけて目には見えない精神的な関係をつくること」
というのが私個人は一番しっくりきます。

で、これを一言で表現することばはあるの...

難しいです。私はその場に応じた使い分け派でしょうね。

本人がいない今。解明できない謎です。

国語のテストで「このとき作者はどのように考えていたでしょうか」という問いに「作者の私でも分からない」とある作家さんがこたえているのを見たことがあります。「星の王子さま」を国語の問題に出したら、大変なことになりそうですね...
本人がいたとしても、複雑に絡んだその時の心境を自身で客観的に再現・分析できないので答えはでないかもしれません。

読み手の側が、いろいろ思いをはせて楽しみましょう。


◆◆ 飼いならす

飼いならすという表現についても、日本でいう飼いならす(日本というか私は服従を連想してしまいますが)とは違い、「こちらから」働きかけて仲良くすることだそうです。

イコール → 二人の間に良い関係をつくること
Not イコール → ペットになること


◆◆ いずれにしても

自分の時間を分け与え、手間ひまかけること、最後までかけつづけることの大切さを説いているようです。

・心で見なくちゃよく見えない。大切なことは目には見えないんだよ
・きみのバラをそんなにも大切なものにしたのは、きみがきみのバラのためにかけた時間だ
・きみは自分が飼いならしたものに永遠に責任を負うことになる


◆◆ 大切なことは目に見えない

これをいち早く理解し、企業力につなげているのがネッツトヨタ南国さんです。
売上でなく、社員満足、顧客満足・・・目に見えないものを大切にし続けて発展を続けています。


◆◆ 今日の感謝

星の王子さまという名著に出会えたことに感謝します。
偶然ETV特集で取り上げられ、偶然見たことに感謝します。