永続のページ別館

愛知県岡崎市在住
永続のページ管理人の個人日記

日本の農政に立ち向かう人々

2008年04月27日 | ノンカテゴリー
テレビ朝日のサンデープロジェクトの特集を偶然見ました。


下記は番組ホームページの告知の引用です。

財部“農”シリーズ
農業を変えたい!
-脱・補助金 脱・農協-


担い手不足。増える耕作放棄地。
日本の農業は、今危機的状況を迎えている。
これに追い討ちをかけるのが、農水省の補助金による縛りや、農協が課す制約だ。
「自分の作ったみかんが(農協では)この評価か」
「農協っていう組織自体が何のためにあるのか」

元農協職員で、農業を営む片岡さんが日本の農業について語る。
「農業ってそもそもそんなに弱いもんじゃないと思うんですね。政治家の票集めや関連団体の居場所作りのような事に使われてしまってるって言うんですかね。」

そんな中、農業に新しい風が吹き始めている。
京都のスーパーを中心に始まった新・農業プロジェクト。そこには、生産から販売までを、農協に頼らず、自分たちの手で切り開くという“地産地消”をテーマとした、新しい流通システムがあった。
安心で安全、そして美味しい農産物を、一般的な値段で販売する画期的なシステムだ。
 そして、そのプロジェクトを、支えているのが、一切の化学物質を使用しない“驚異の自然農法”である。
スーパー幹部は言う。
「この農法が流通の中にのってくれば、凄い革命が起こせるんじゃないかなと思いましたね。」


低空飛行を続ける日本の農業へ、解決の糸口は見つけられるのか。
農業改革の可能性を秘めた新たなビジネスモデルを徹底取材した。


≪出演≫
財部 誠一 (経済ジャーナリスト)


◆◆ 一番美味しい部分を捨てる矛盾

みかんで一番甘いのは小玉。
でも農協の規格のSより小さいので行く先は『廃棄』

そこで出てきたのが
「自分の作ったみかんが(農協では)この評価か」
という言葉です。

農協に頼らずに自主的に販売ルートを開拓して頑張っておられました。


◆◆ 日本の農政の限界への提言

「農業ってそもそもそんなに弱いもんじゃないと思うんですね。政治家の票集めや関連団体の居場所作りのような事に使われてしまってるって言うんですかね。」

元農協職員で、今は農業を営む片岡さんの言葉です。
片岡さんは全ての制約を取り払うため、補助金をうけずに耕作をしています。
たくさんの機械を補助なしで購入して、1人でがんばっており、年収は2000万までになったとか。
経費を引くといくら残るかわかりませんが、このまま続けていって欲しいと思います。


◆◆ 新・農業プロジェクト

ビックリしましまた。
地産地消と生販分離のシステムを構築し、頑張っているスーパーさんと、農家さんの話です。


3年から5年かけて土をつくり、品種を改良し、農薬なし化学肥料なしの米作を実現。
一度の田んぼに入らずに米ができていまいました。
つくる米は指定品種でないので雑穀扱いで補助金なし。

いい米が雑穀とは、日本の農政はよくわかりません。
この米を昔ながらの天日干ししているシーンがありました。
ワラのついたままでさかさまにして干すあれです。
私が子どもの頃は普通にあったのですが、今ではほとんどみかけないはずです。

効率を追求し、いつのまにか、お日様の恵みを拒否しているのです。
それは、作り手の理論であって、食べての理論ではありません。
農家さんも、生きるために、作り手の理論で動かざるをえない常況に追いやられています。



『今の日本はも自然に言うことを聞かせる農法であり、それではダメ』

『自然を守り、自然に守られる農法』

印象的な言葉でした。


そして、さらに
アミノ酸を投入して収穫を増やしたらという支援先スーパーの専務さん(元大手出身のコンサルさん)の提言に対してノーといった時の言葉。

『売上を伸ばしても、消費者は喜ばない』

しびれました。
北川八郎さんの『餡を増やす』という言葉と同じ意味です。



これを支えるスーパーの社長さんは、収穫してから買い取っていては、農家が食えないといって、予定作付け量に対して作付けに入る際にお金を払うという大胆な行動に出ています。



理念ある人が集まって成立するものです。
日本に広めるとおっしゃっていたので、期待しています。
いや、お願いします。




みなさん。頑張ってください。
テレビ朝日さん。よくぞ紹介してくれた。

ビッグウェーブ到来

2008年04月25日 | 仕事
三月決算のお客様が多いので、毎年、4月の中旬から5月は大変忙しくなります。
個人の確定申告の時期と同じか、もっと大きいビッグウェーブがやってきます。


お客様のところへ伺って、細かいところまで(決算なので1円単位)であわせつつ、全体の決算書のバランスを会計基準に反しない範囲で整えます。整えきれない部分も、前年比などとくらべて、なぜ異常な数字があるか、原因を追究します。

これをするのとしないのとで、融資・監査・調査などでの対応に差がつきます。

お客様との契約は正しい税金の計算、正しい決算書の作成です。
正しい範囲での、より良い決算書の作成。
ここはプラスアルファの付加価値です。
契約外の余分な仕事ではなく、大切な仕事と捉えて臨みます。


毎晩遅くて大変な時期となりますが、相手をしてくださるお客様もそれは同じです。お互い、健康に気をつけて乗り切りましょう。


仕事がなくて困っていた時期を思えば、忙しいなんて、なんと贅沢な。
文句なんて言えません。
仕事があることに感謝します。

大看板『おせん』さん

2008年04月22日 | ノンカテゴリー
今日からドラマ「おせん」が始まるようです。

きくち正太さんの同名のマンガが原作です。

おせんさんがメガネかけていないし、グリコさんが帳場でなく板場の人間だし、第一回目はいきなり第五巻の話が飛び出したりするみたいだし、今後、どこまで原作を尊重し、どこまで原作から離れるかわかりませんが...。


原作は、『真心』『本質的な物の見方・考え方』に投げかけをくれる良い作品だと思います。特に『手間ひまをかける』という考え方は一貫して登場します。
テレビでも、このあたりを余すことなく伝えて欲しいと思います。



良寛さんがいたのが五合庵。
今回の話の舞台は一升庵。
心もスケールも、良寛和尚の倍ということでしょうか?


おせん 1 (1) (モーニングKC)
きくち 正太
講談社

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理念が共有できた瞬間

2008年04月21日 | 気づき
ある晩、食事の後片付けをしながら家内と話しをしていました。
(片付けているのは家内で、私はまだ飲んでいるのはもちろんです)
先月の初めごろだったかと思います。

そこででた話です。

近所に大変有名な企業の経営者さん一族のウチがあります。
このウチのことが話題にのぼりました。

車は車検前に買い替え
御用ききがくる
庭師さん定期的に入っています
などなど
非常に裕福そうに見えます。


「苦労(ほとんどは金のこと)がなくて、いいね」


通常ならそれをうらやみ、ひがむのが小市民の我々なのですが、その時はなぜか、


「でも、社員さんは幸せなのかなぁ?」


「私は人数が少なくても、みんなが幸せな会社の方がいい」


そんな言葉が家内から出てきました。


尊敬する沖縄教育出版の川畑さんが言う
「1000人で10人が幸せな会社より、100人で100人が幸せな会社がいい」

私のここ1~2年の変化として、このことを強く思うようになったことが挙げられます。
共に学び共に育ち共に幸せになる。
自分だけがよければという個人主義から大家族主義へ
でも、私はこのことは家内には話しをしていません。

それなのに上記の言葉が出てきたので、大変うれしかったです。
理念が共有できていると実感した瞬間です。


ご近所さんの経営をとやかく言うつもりは毛頭ありません。
ご近所さんも100人で100人が幸せな会社かもしれません。
言いたかったのは、こっちが言いたいことが相手の口から飛び出してきたことがうれしかったということです。

家内は今年度の個人目標として読書50冊をかかげています。
多くは私が買い集めた本を読むはずです。
どんな本に何を思い、気づくのか楽しみです。
感想・気づきを交換し合うことで、良い対話ができそうです。

措置法期限切れ悲喜こもごも

2008年04月18日 | 仕事
ガソリン税の問題が連日メディアに登場していますが、その裏に隠れているものがあります。


租税特別措置法は時限立法。
つまり、期間限定のものです。
それを毎年、3月ギリギリに国会で、『延長します』という取り決めをして、続いているものです。

それが、今回はご承知の通りの騒ぎで、延長されていません。
特に関係があると思われるものを紹介します。

◆◆ 交際費等の損金不算入

資本金1億円以下の法人について、年間400万円までの接待交際費のうち1割は損金不算入すなわち経費にできないことになっています。

これの有効期限は平成20年3月31日までに開始した事業年度です。

3月決算を先日迎えた法人は現在進行している事業年度は20年4月1日に開始しているので、この縛りをうけません。

従って、全額損金算入(経費)となります。
(あとあと、遡及して適用する法律ができない限り)


◆◆ 少額減価償却資産の特例

「中小企業者等の少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例」も3月末で期限切れとなりました。

3月末では30万円以下なら一括で損金処理できたのが、4月以降に購入した場合は、通常の減価償却をしなくてはいけなくなってしまいました。


◆◆ 欠損金の繰り戻し還付

 欠損金の繰り戻し還付ができないという、停止をかける法律に停止がかかってしまったので、 欠損金の繰り戻し還付ができるようになってしまいました。



有利には働くこともあれば不利に働くこともはありますが、いつ復活し、しかも、事情が事情なだけに、通常有り得ないのですが、効力が遡及して発生するということも考えないといけません。

したがって、空白の一日ではありませんが、間隙を縫って無理なことをやるよりも、日常をまっとうする方が得策ではないかと、個人的には思っています。


でも、目の前の問題として、困っているお客様がいます。
政権争いもいいですが、世間のことも考えていただきたいものです。

ガソリン税の問題でも、使い方が悪いだけで、とるのが悪いこととは私は思いません。とらないと歳入が足らなくなるのはわかりきっています。

まずは出を制することに焦点を当てて欲しいと思います。



いずれにせよ、はやくなんとかして欲しいと思います。

社会を変える主体は自分

2008年04月14日 | 書評
「社会を変える」を仕事にする 社会起業家という生き方
駒崎弘樹
英治出版

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N垣さんが、NPO法人にどうやって貢献しようか考えておられます


私もNPO・NGOというか社会企業家の支援ができないかと考えています。
これら組織には、人格の高い人が集まっています。

金・金・金ではなく、素晴らしい理念があって、その実現に向けての活動資金を稼ぐ手段として営利事業もやる。目的と手段が明確になっているので、こちらとしても心地よい付き合いができ、応援をしたくなります。



日本と欧米の決定的な差は、社会をつくるという概念が日本人は薄く、それは官がやるもので、自分達はその恩恵にあずかるだけ、という発想です。

自分が社会を変える・創る活動に参画するとか、自分が社会に対して何ができるか?そんなことも考えないといけない。この本はそんな思いにさせてくれます。


税理士という仕事で貢献するもよし...
プロボラで貢献するもよし...
一人の人間として門外漢な部分に貢献するもよし...

企業に帰属して貢献している企業人は多いけど、社会に帰属して貢献している社会人はまだまだ少ないかも。

私も立派な社会人になりたいと思います。

日本でいちばん大切にしたい会社

2008年04月13日 | 書評
日本でいちばん大切にしたい会社
坂本 光司
あさ出版

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タイトルそのものです。

同友会ではおなじみの坂本光司先生の著書です。
日本でいちばん大切にしたい会社を五社とりあげています。

日本理化学工業さん、伊那食品工業さん、中村ブレイスさんは坂本先生のオススメの基本ベース。
柳月さんは先生の話では聞いたことがあります。
杉山フルーツさんはノーマークでした。


◆◆ 日本理化学工業

障害者雇用の先駆者。
人生の中に仕事があるのではなく、仕事の中に人生がある。
1.人に愛されること
2.人にほめられること
3.人の役に立つこと
4.人に必要とされること
このうち2~4の三つは働くことによって得られる。
人間にとって「生きる」とは必要とされて働き、それによって士分で稼いで自立すること。その場を提供することこそ、企業の存在価値であり社会的使命である。

◆◆ 伊那食品工業

いい会社をつくりましょう。でおなじみの理想の会社です。
「社員の幸せのための経営」を斜陽産業で実現した会社です。

◆◆ 中村ブレイス

日本で一番辺鄙な場所にある、人を支える会社。
責任が重く、手間がかかる仕事かに逃げずに真っ向から立ち向かっている会社。
「景気が悪い」「規模が小さい」「業種が悪い」「ロケーションが悪い」「大企業が悪い」
これらが、全て中小企業の悪しき逃げ口上であると思わせてくれる会社です。

◆◆ 柳月

地域に生き、人と人、心と心を結ぶ経営を貫く会社。
「五つの使命」に忠実に従った経営活動はすばらしいものです。

同友会の理念の一つ「地域とともに」の模範となる会社です。

おっと、
柳月グループ...
同友会の会員さんです。

おっと、
柳月グループ...
来年の青全交の開催地、帯広にスーイトピアガーデンがあります。

見学分科会でもやってくれないかなぁ...

◆◆ 杉山フルーツ

「あなたのお客でよかった」と言わせる、シャッター商店街にある「家業」。
昼行灯だっと婿養子さん(本にはそう書いてありました)が生き残りをかけて実現した経営。
経営は「規模ではない」と教えてくれます。



是非、読んでみてください。
むしょうに現地へ行きたくなるのは私だけではないはずです。

使ってナンボ、動いてナンボ

2008年04月11日 | 名言・迷言
『知るだけでは十分でない。使用しなければならぬ。

意欲するだけでは十分でない。行動しなければならぬ。』


ゲーテの言葉らしいです。


知っていても使わなければ知らないと同じ。
いつも心にとめてはいるのですが、なかなかできません。



さらに私自身、今は、意欲が行動に結びつかないという壁にあたっている感じです。

健康の不安や、心配ごとや、あれやこれや...
意欲というエネルギーが行動というエンジンに伝わる伝導率がどうも思わしくなく腰が引けているいるのが自分でもわかります。

パソコンのように、電源切って、再起動すると、スムーズに動けばいいのですが...
再起動を試みます。

たまには、弱気な発言もいいでしょうか?

ふるさとガールズ

2008年04月09日 | ノンカテゴリー
ガイアの夜明け、見ることができました。

ふるさとガールズは素晴らしかったです。


◆◆ えちぜん鉄道 ローカル線ガールズ

とてもすがすがしい方達でした。

えちぜん鉄道を守りたいという気持ち。
お客様に喜んでいただきたいという気持ち。
ここから生まれる、気遣い・想いやり。

彼女たちに挫折を味わって欲しくないと想いました。
『えちぜん鉄道』さん、早く黒字になってください。


福井からは、日本経営品質賞の受賞企業が二社も出ています。
二社の訪問と観光を兼ねて行ってみたいものです。
もちろん、鉄道で。



◆◆ 想いやりファーム

無殺菌牛乳なんて知りませんでした。
一人でも多くの方の目にとまって欲しいので紹介します。

何を想いやるって、牛を想いやる。
人間でなく、牛の立場に立った酪農。


素晴らしい試みの結果生まれた素晴らしい牛乳。
牛乳を飲むとお腹がゴロゴロするので敬遠がちな私も飲めそうです。
飲んでみたいです。

市場に認知され、経営が成立し、もっと広まることを願います。

経営を助けるための<想いやりサポーター>募集中。
利息は牛乳でもらえるとのこと。
詳細はHPを見てあげてください。


理念
・ 人間の経済性・作業性・イメージを牛たちに押し付けない。
・ 牛たちにとってのベストを牛の目線・牛の立場で追求し続ける。
・ 牛の個性・牛のペースに合わせる。それぞれの個性を把握できなくなる増頭はしない。
・ 食べ物はすべて命であり、どんな命にも上下はない。
・ 乳は母親の血液であり、母親の健康・環境がすべて乳に出る。
・ 女性も生涯を賭ける職業として選択できる職場にする。命を育む女性の視点、消費者としての女性の視点を大切にする。
・ 牛も土も本来のありのままの姿に戻す努力を続ける。
     無農薬・無肥料・無配合飼料
社是
・ 牛達への想いやり
・ 顧客への想いやり
・ 環境への想いやり
・ 商品への想いやり
・ 仲間への想いやり



どうも帯広に近いみたい...
来年の青全交のときに寄れないかなぁ...
もちろん。牛さんにストレスの発生しない範囲での見学でいいので。


◆◆ 「中小企業家しんぶん」 2002年 9月 15日号より

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 食の生産・加工・流通関連企業の一連の不祥事が発覚し、企業の社会的責任が問われています。その一方で農業生産物を産地で消費するという「地産地消」の運動など、日本の農業を見直す動きもあります。今号より連載を始める本シリーズでは、農業経営に携わる同友会会員に農業への熱い思いを語ってもらい、日本の農業を共に考えていきます。


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女性が職業にできる農業に
品質で勝負する「無殺菌牛乳」
(有)中札内村レディースファーム 社長 長谷川竹彦氏(北海道)


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脱サラして酪農
 (有)中札内村(なかさつないむら)レディースファームは、帯広駅から車で45分、広大な十勝平野の一角にあります。26へクタールの農地に牧草が茂り、白い壁に赤い屋根の社屋が訪れる人を迎えてくれます。
 脱サラして11年目という長谷川竹彦社長は、北海道同友会帯広支部農業経営部会副部会長で、「同友会では異業種のみなさんに教えられ、今回の無殺菌牛乳でも後押しされ、販売に踏み切ることができたのです」と話します。

おいしい牛乳を追究してできた「無殺菌牛乳」
 「無殺菌牛乳」とは加熱処理していない牛乳のこと。レディースファームでは「想(おも)いやり牛乳」として、今年5月から十勝管内に1本150円で1日500本を直接消費者に届けています。

本当の牛乳の味
 お茶代わりに頂いた「想いやり牛乳」は、ほんのり甘くてあと口もさっぱり、まったくくせがありません。

 「みなさんが牛乳と思って飲んでいるものは、高温殺菌でタンパクが焦げた匂いがし、脂肪球がつぶされて均質化され、原乳からは質も変わっています。日本では当社だけが無殺菌で牛乳を販売しています。牛の健康を第1に考え、牛舎には糞を残さないように1日4時間かけて清掃し、搾乳室も3時間かけて洗浄しています。搾乳室へ牛を追わず、張ってきた乳を絞ってもらおうと自ら牛が搾入室に入ってくるのを待ちます。ストレスがかからないから搾乳中は糞をしないし、乳質も一番いい状態のものになる。おいしい牛乳をつくろうと思った結果が、殺菌しなくても安全な牛乳になったのです」

日本初、ここだけで
 「想いやり牛乳」は、「乳等省令」という法律で決められている「特別牛乳」(全国で6銘柄のみ認定)にあたり、施設の衛生基準や牛乳の成分・菌数等をクリアし、保健所の厳しい監視・指導が常時行われています。

 認可までには数年にわたり保健所との闘いがあったといいます。「牛乳を加熱殺菌せずに販売するなんて考えられない」というこれまでの常識を、独自検査や視察してもらうことを通じて払拭しました。

農業が育たない
 「北海道では、原乳はホクレンが酪農家から買い上げて、まとめてメーカーに売るので、牛乳の乳脂肪分や無脂乳固形分など成分に併せた価格が後から決まり、その分が農家の収入となります。ですから、牛乳はどこの農場でとれたものか明らかでなく、製品そのものを改善する努力が行われず、健康やおいしいなどの目先のイメージを変えることで売りこんできたのが現状です。これでは農業は育たない。独自に商品を売り出せる農家がいかにして消費者にアピールできるものを作っていくかの視点が大切です」と長谷川さん。

 「地産地消」の範囲については、「日本で作ったものを日本で消費する」という考え方であるとのこと。

職業にできる農業に
 「私自身は職業にできる農業であるべきと考えています。酪農は牛を育み、乳を採って営まれる仕事なので、命を生み育む女性ならではの視点が大切と、社名もレディースファームにし、力作業は機械化してスタッフは女性ばかり7名です。これまでは女性が農業をやろうと思ったら、農家の嫁になるしかなかった。大学で農学部を出ても農業に就くことはできなかったのです」とも言います。

 ここで働き始めて3年目という佐藤容代さん(26歳)は、「大阪出身ですが、この青い空のもとで、自然の中で働けることが何よりうれしい。私が担当している牛は『カタパン』っていう名前なんです。顔の半分がパンダに似てるから」と、にこやかな笑顔で取材に応じてくれました。

 農場では遠方からきた家族が牛乳とソフトクリームに舌鼓。おいしいひと時をすごしていました。

地方再生を担う女性たち

2008年04月07日 | ノンカテゴリー
鬼丸さんに紹介いただいたローカル線ガールズ。
そんな彼女たちが、明日、ガイアの夜明けに登場するようです。

是非、もてなしの本質を感じ取っていただきたいと思います。

ビデオが二台とも壊れている
誰か録画してくれないかなぁ...(^^;)


ローカル線ガールズ
嶋田郁美
メディアファクトリー

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日経スペシャル「ガイアの夜明け」 4月8日放送 第309回

ふるさとガールズ ~地方再生を担う女性たち~

都市に若者たちが集まる一方で、高齢化、過疎化の進む地方。多くの若者たちは仕事と高賃金を求めて都会へと出て行く。高校卒業時、就職のために「ふるさと」を離れる若者たちは、平成19年、全国で4万3000人いた。そのうち、東京、名古屋、大阪を中心とする3大都市圏に行った人たちは2万9000人と67%に上る。
しかし、そうした中、あえて「ふるさと」で地方再生に挑む女性たちがいる。
廃線寸前だった北陸の赤字ローカル線を、無人駅が多いことを逆手にとり、「車内アテンダント」という新しい試みで再生へと導こうとしている女性たち。
地元出身の12名だ。街で唯一の鉄道が廃線となってしまっては、ますます「ふるさと」は衰退していってしまう・・・そんな危機感から徹底した車内サービスと観光案内で乗客アップを狙っている。
一方、深刻な危機に直面している北海道の酪農業界で、他にはない牛乳を作ろうと試みる、ある牧場の女性たち。
その牧場では14名中12名が女性。多くが地元の出身だ。殺菌をせずに自然のままの状態で牛乳を作り、牛乳離れを食い止めようというのだ。
一昨年、衰退する東北の炭鉱の町をフラダンスで救おうとした女性たち実話を元に“フラガール”という映画が作られ人気を博したが、番組では、そんな現代版「フラガール」、 地方再生を目指す「ふるさとガールズ」たちを追う。



【目指せ赤字解消!ローカル線の女性アテンダントたち】
福井県北部を走る「えちぜん鉄道」。かつては京都に本社を置く京福電気鉄道だったが、2000年の12月と、2001年の6月に2度の正面衝突事故をおこし一度廃線が決定される・・・。しかし、終着駅がある勝山市などの沿線住民にとって唯一の鉄道が断たれることになる。そこで、当時の勝山市長は市民の足を復活させようと、沿線の自治体や地元企業に出資をつのり、第3セクターとして2002年9月に「えちぜん鉄道」を発足させた。
だが、コストはかけられず、沿線の駅のほとんどは無人駅のまま。しかも乗客数アップを目指さなければいけない。そこで始めた新たな試みが「車内アテンダント」だった。切符切りなどの役目をこなしながら、さらに高齢者の乗り降りの手伝い、お手洗いへの誘導、観光地の紹介など乗客に対するサービスをすべてこなす。施設などのハードにコストをかけられないなら、ソフトを充実させて乗客アップを目指そうという発想だ。
現在、「車内アテンダント」は12人。全員、地元福井県出身の女性たちだ。ふるさとの鉄道が二度と廃線の危機を迎えないよう、サービスの徹底を図っている。乗客の意見や苦情は、毎日「情報ノート」に記して引き継ぎ、アテンダント全員で共有する。沿線住民が利用しやすいようにするための改善は日々欠かさない。観光客を増やすためには、ふるさとの観光名所を自分たちの足を使って掘り起こす。そして、この春、乗客誘致のための新しい企画にも取り組み始めた。




【女性たちの“無殺菌牛乳”は酪農を救えるか?】
穀物飼料の高騰や、牛乳の国内消費の低下で今、酪農業界は厳しい状況にある。そんな中、酪農を元気にしたいと新たな試みを行っている女性たちがいる。北海道・中札内村にある「想いやりファーム」。従業員14人中12人が女性の牧場だ。ここでは日本で唯一、「無殺菌」の牛乳を販売している。加熱殺菌をせずに、搾りたてのまま瓶詰めする生乳。加熱しないので一般の牛乳のような臭みもなく飲みやすいという。女性たちは、牛を単なる家畜として扱わず、乳児を育てるように手間をかける。それが加熱殺菌の必要のない生乳を出す牛を育てる秘訣だという。エサも配合飼料は使用せず、牧草で育てるので、飼料高騰の影響も受けない。
しかし、手間がかかる分、コストはかかる。周辺の酪農家からは、経営が成り立たないのではと疑問の声が聞かれる。そこで「想いやりファーム」では売り上げを伸ばして、将来的な酪農再生のモデルを形づくろうと女性たちが奮闘する。果たして、酪農再生のヒントとなるのか?