「前」 蕨市議会議員 おおしま公一活動報告

2015年5月31日。まさかの落選を果たした?「前」蕨市議会議員おおしま公一の修行の日々をお伝えしていきます。

第2回学校における柔道事故に関する勉強会

2012-02-07 13:00:00 | Weblog
今年度4月より始まる「中学校保健体育における武道の必修化について​」の勉強会(呼びかけ人:中根康浩衆院議員、初鹿明博衆院議員)が衆議院会館にて開催され、私も参加させていただきました。

本件については知見が薄かったので、今回の勉強会のご案内をいただいてから、蕨市における実施・準備の状況についても市教委幹部からお伺いしました。市内3校ある中学校では、既に柔道の事業を行っており、うち1校には柔道部があり専用の練習場もあるとのことでした。詳しくはご担当者から更にお聞きする必要がありそうです。

勉強会には多くの自治体議員も参加。マスコミの取材も多数ある中開催されました。講師としてスポーツドクターとして著名な野地雅人氏(神奈川県足柄上病院)を招き、「学校における柔道事故の現状と対策について」と言うテーマでご講演をいただきました。脳外科の視点から、日本における柔道指導の現場に、スポーツ医学的見地がまだまだ導入されていない状況というものを知ることができました。

その後、全国柔道被害者の会(会長:小林泰彦氏)からは、柔道の授業でお子様を亡くされた親御さんたちから意見表明がありました。会の方からは、「(4月からの武道必修化)は子どもを被害者にも加害者にもしてしまう可能性があり、現在の不十分な指導体制・協議環境では、とても安心して我が子に柔道の授業は受けられない。必修化は延期・再検討すべきでは?」という趣旨の発言もありました。

最後に、文部科学省スポーツ青少年局より武道必修化に向けた施策につき説明がありました。正直私も「このままの体制では延期が望ましい」と思いました。しかし、中教審の答申まで経た必修化の方向性は容易には変わらないというのも想像がつきます。国の支援・施策が不十分な状況ならば、市として必要な対応を最大限取る必要があると認識をしました。

質疑応答の時間にその点も含めお聞きをしようと思い挙手をしましたが、時間の関係もありお聞きすることができませんでした。指導者の養成、外部指導者の登用(スポーツドクターの知見をもった人材含め)、市教委及び学校現場での本件に関するリスクの認識喚起等が当面の課題であると思います。

18歳以下の学校管理下における柔道死亡事故は28年で114名。武道の精神・伝統と技術を学ぶ事は重要と考えますが、なぜ事故が減少していないか。問題の本質を検証する必要もありそうです。

柔道人口が3倍の仏では事故は1件も起きていないそうです。一方、日本では年間4人の死亡事故10件の重傷事故が起きています。未経験教諭への柔道研修は2日間のみで指導者認定証が与られるとのことで、指導者の養成も体制が貧弱であります。「柔道経験者=指導者」で無いという指摘も勉強会ではありました。安全と医学的知見に基づく指導基準も必要かと思います。