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映画とライフデザイン

大好きな映画の感想、おいしい食べ物、本の話、素敵な街で感じたことなどつれづれなるままに歩きます。

映画「インサイド・ルーウィン・デイヴィス」 コーエン兄弟

2014-06-05 05:05:53 | 映画(洋画 2013年以降主演男性)
映画「インサイド・ルーウィン・デイヴィス」を映画館で見た。
久々の大好きなコーエン兄弟の監督作品
彼らの新作は必ず映画館に向かうことにしており、楽しみにしていた。


自分には今一つ面白くなかった。売れないフォークシンガーの八方ふさがりのドツボぶりを描く映画だが、期待したほどの切れ味がない。ルーウィン・デイヴィスの持ち歌は情感こもっていい歌だが、何か残るほどではない。ロードムービーとしての要素も中途半端だし、ちょっと残念

(作品情報より引用)
物語の舞台はまだマスコミやレコード会社などが発達していなかった1961年、NYのグリニッジ・ヴィレッジ。
ライブハウスで歌うフォーク・シンガーのルーウィン・デイヴィス(オスカーアイザック)は、最近何をやっても裏目に出てばかり。一文無しで知り合いの家を泊まり歩く日々。つい手を出した女友達(キャリー・マリガン)からは妊娠したことを告げられ、おまけに仕方なく預かるはめになった猫にも振り回される始末。

山積みになったトラブルから逃げ出すようにルーウィンはギターと猫を抱えて人生を見つめ直す旅に出る。ジャズ・ミュージシャン、ローランド(ジョン・グッドマン)との悪夢のようなドライブ、歌への信念を曲げれば成功するかもしれなかった有名プロデューサーのオーディション、年老いた父との再会の末、とうとう歌をやめて父と同じ船員に戻ろうと決意するが、それさえもうまくいかない。

旅から戻りあらゆることに苦しめられ打ち拉がれたルーウィンはまたNYのライブハウスにいた。

この不満足は何?と思ってしまう。
演奏の場面が長すぎるのではないか?フォークシンガーの生きざまに焦点を当てるわけであるから、彼の歌が何度も流れるのは仕方ない。コーエン兄弟の作品は総じて90~100分程度にまとまっている映画が多い。ここでもそうだ。その時間内に演奏を何曲もやってしまったら、時間が残り少なくなる。そうするとコーエン兄弟得意のブラックジョークの出番が短縮されるわけである。

1.ルーウィン・デイヴィス
今回はフォークシンガーのデイヴ・ヴァン・ロンクが書いた自伝を元につくられたらしい。八方ふさがりで、レコードがまったく売れず印税が入らない。家賃が払えないので知人の部屋を渡り歩き、ソファで夜を過ごす。それでもボブディランが憧れていたという。主演のオスカーアイザックの歌は確かに味がある。でも映画の中でライブハウスの店主が「フォークソングじゃ客は呼べないからなあ」と言っているセリフがある。その通りだ。味があってもするっと通り過ぎるだけになる。


2.キャリーマリガン
キャリーマリガンの出番は少ない。主人公の子供を懐妊したのに自分のステディの子かどっちの子なのかわからないと言う。でもアバズレじゃない。彼女が出る作品はほとんど観ている。「華麗なるギャツビー」の派手さはなく、「ドライヴ」で見せた哀愁感もない代わりに妙にかわいい。60年代前半の女性を意識したのかもしれない。なかなかいい感じで自分好みだ。



3.ジョングッドマン
ジョングッドマンコーエン兄弟の映画では欠かせない存在だ。「赤ちゃん泥棒」や「バートン・フィンク」でのパフォーマンスを想像するだけで吹き出してしまう。今回もセリフ少ないが、重要な存在だ。トイレで顔をフロアにくっつけてぶっ倒れている姿は笑える。いかにも身体が病的で実生活でも早くあの世に行ってしまわないか心配してしまう。



4.猫
名前がユリシーズというのは固有名詞にいつもこだわるコーエン兄弟らしい。
これがなかなかの活躍、よくてなづけたものだ。縦横無尽によく動く。
主人公と一緒に視線を動かすシーンには唸ってしまう。

最後店のステージにボブ・ディランらしきシンガーの姿がある。かすれ声にハーモニカで名前は出てこないが彼を意識している。彼の歴史を追っても人気が出るまでしばらくかかるようだ。
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映画「男と女」 クロード・ルルーシュ

2014-06-04 19:12:35 | 映画(フランス映画 )
映画「男と女」はクロードルルーシュ監督による不朽の名作である。

30代に差し掛かった世紀の美女アヌーク・エーメとジャン・ルイ・トランティニャンの共演である。1966年の作品でこの映画ができてから50年近くなろうとしている。フランシスレイによるテーマ曲があまりにも有名で、最近の若い人はこれ聴いたことあるという感覚だと思うが、少なくとも50代以降の人で曲名を知らない人はいないだろう。

もうこれで見るのが4回目である。時代を経るにつれてちがった見方ができる。映画のテーマ曲は小学校の時から知っていたけど、映画を初めてみたのは大学生になった後、どこかの名画座で見た。大学に入って友人になった男が自分の映画ベストは「男と女」だというのである。
残念ながら、最初に見た時寝てしまった。だるいムードと感じてしまう。まだ大人の恋がわからなかった。
それでもその後2回見た。徐々にこの映画の良さがわかるようになり、目線が上がってアヌークエーメの美貌にときめきを感じるようになる。粋なセリフが盛りだくさんで、いつ見ても新鮮な感激を持たせてくれる傑作である。

映画のスクリプターをしているアンヌ(アヌーク・エーメ)はパリで独り暮し。娘はドーヴィルにある寄宿舎にあずけてある。ある日曜日、娘の面会が長びきパリ行きの列車にのりそこなった。寄宿舎の玄関前でジャン・ルイ(ジャン・ルイ・トランティニャン)を寮長に紹介され、車で送ってもらうことになる。同じように息子を寄宿舎へ預けていた。

彼の運転する車でパリへ向う途中、ジャンヌはアンヌの夫(ピエール・バルー)のことを聞いた。スタントマンのようにリスキーな役ばかりしている俳優だという。帰り際、今度の日曜日ご主人も一緒に寄宿舎へ行こうと誘うと、ようやくすでに亡くなっていることをアンヌは告げる。来週はわからないので土曜日に電話が欲しいということだった。

一方ジャン・ルイはレーサーであった。妻は彼がレースで事故を起し危篤状態になったとき、ショックから自殺への道を選んでいた。世界大会の準備で忙しかったが、次の日曜に2人は一緒にドーヴィルへむかった。
アンヌ、ジャンと子供たちの4人は海辺で楽しいひと時を過ごした。二人に芽生えた愛が盛り上がった。モンテカルロラリーの過酷なレースを終えたとき、ジャン・ルイはアンヌからの電報を受ける。それには「Je vous aime」と書いてあった。彼はすぐにラリー車を運転してパリへ向かうが。。。

それぞれの回想シーンが2人の新しい恋のシーンの間に出てくる。映像がカラーとモノクロと使い分けている。現在の映像がモノクロになって、過去がカラーというように交互に区別している。重要なシーンと思しきいくつかのカットはいずれもモノクロだ。意図はわからない。

1.ムスタング
レーサーとしてジャンの姿をかなりの時間を使って映しだす。恋愛映画というイメージなので戸惑う人も多いだろう。ジャンがプライベートで乗るのは赤のムスタングである。オープンカーで幌をかぶせるタイプだ。フランス車と言えば、ルノーやシトロエンだが今回はフォードづくし。映画「ブリット」同様ムスタングがはえる。この映画では天候が不安定な設定で雨に降られるシーンが目立つ。ジャンがアンヌをドービルまで送る際、水溜りの中をムスタングが走り、通行人に水が跳ねるシーンがある。印象的だ。

2.モンテカルロラリー
フォーミュラタイプの車を運転するシーンもあるが、ジャンはラリー車を運転する。ここでは実際のレース場面がかなり挿入される。女性はワケがわからないのではないかな?悪路を猛スピードで運転する車は60年代半ばの代表的な車だ。それがクネクネした道を大胆に走り抜けるシーンは実に豪快だ。それにしても、電報を受け取ってから直ちにモンテカルロからパリに向けて走るジャンは劇中ながらまあよく走ること。20代ならできるけど、今の自分には到底無理

小学校低学年の頃、同じクラスにカメラメーカーの御曹司がいた。プロ用二眼レフのカメラでは世界的に有名ブランドだった。家にはポルシェのレーシングカーがあった。当時直接輸入していると聞いた覚えがある。この映画で躍動的にレースで走るレーシングカーを見て、当時彼の家にあった車を連想した。しかし、盛者必衰で豪邸に住んでいた彼もその後住居転々とした。

女性好みのフランス映画と評する人も多いが、レース場面が多く女性にはむしろ退屈じゃないのかな?一時代前の車好きにたまらないシーンが多いので、むしろ男性が好む映画だと思っている。


3.アヌークエーメ
この作品に出演したのは34歳の時だ。初めてみた時には自分も10代だったのでお母さん的感覚にしか見えなかった。30過ぎてから彼女の良さがわかるようになる。「モンパルナスの灯」で美女ぶりを世界に示した後、フェリーニ監督の「甘い生活」や「81/2ではむしろもう一人のヒロインの方がクローズアップされる。ここで再度主役を演じる彼女の美貌は凄すぎる。2人で戯れる有名なシーンでアップで映し出される彼女の表情が頭に焼きつく。

4.フランシスレイの思い出
初めてフランシスレイを知ったのは「白い恋人たち」だ。グルノーブルオリンピックではジャン・クロード・キリーが大活躍で日本でも大騒ぎだった。この映画は父と見に行った。凍りつくような冬の雰囲気がにじみ出ている素敵な曲で、シングルを何度も何度も聴いた。そのあと「流れ者」が好きでこれもシングルを持っていた。そしてある愛の詩は当時日本語訳の歌を含め、テレビでいやというほど流れていた。映画自体個人的にはそんなにいいとは思えないけど、テーマ曲でずいぶんと得をした気がする。

5.粋なセリフ
レストランに2人で入ってオーダーをする。ギャルソンがいったん立ち去った後もう一度呼び出し「部屋をお願い」この手を使ったバカな男たちはいったい何人いたことであろうか??


「13と17がレーサーにとって不吉な数字であること」(両方とも素数だ)
「139kmでカーブをまがるとレースに負けるけど、141kmで曲がるとスピンしてしまう。限界の見極めが難しい」
なんてセリフが改めて記憶に残る。

無駄なセリフを一切排して映像で表現するところがお見事。

男と女
クロードルルーシュ監督の不朽の名作


男と女 オリジナル・サウンドトラック 2016リマスター・エディション
ロードショーからちょうど50年
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映画「疑惑」 桃井かおり&岩下志麻

2014-06-01 22:33:34 | 映画(日本 昭和49~63年)
映画「疑惑」は松本清張原作の映画化で1982年度キネマ旬報日本映画4位となったサスペンス映画である。
松本清張といえば野村芳太郎監督である。まさに疑惑をかけられるのは桃井かおりで、弁護するのは岩下志麻である。

70年代後半から80年代にかけては、主演2人にとっては人気のピークである。ノリにのって芝居をしているという印象である。桃井かおり31歳、岩下志麻41歳である。桃井については被告人にもかかわらず、裁判の審議中にちゃちゃを入れるあばずれぶりが凄い。岩下志麻の弁護人ぶりもなかなか堂にいっている。中年にさしかかったころの美貌に目を奪われる。
最終の結末に疑問が残るけど退屈せず楽しめる。

富山の老舗酒造会社の社長夫妻がのる自動車が港の岸壁から海に突っ込んだ。妻は車から脱出したが、夫はそのまま海の中で車に閉じ込められ死亡する。
夫である酒造会社社長(仲谷昇)は元銀座ホステスの女(桃井かおり)と再婚したばかりで、妻の受取名義で3億の死亡保険金が掛けられていた。女は結婚前に犯罪歴があり、警察から保険金殺人を疑われる。妻は懸命に無罪を主張する。その後、事故現場周辺の目撃証言で逮捕される。
新聞や週刊誌などで悪女に仕立てられた妻には弁護人がつかない。結局引き受けたのは離婚歴のある弁護士(岩下志麻)であった。接見した弁護士と妻は一癖ある女同士いきなり衝突する。それでも弁護人は捜査資料を読み解き、妻の過去に注目するが。。。

1.桃井かおり
元銀座ホステスで、店に来た富山の金持から求愛を受け結婚する。金持ちの社長は7年前に妻と別れていて、さみしい社長の方から熱烈に求愛された。里子に出されていい育ち方はしていない。博多中州で水商売に入ったが、傷害事件を起こすなどまともな生活をしていなかった。

2.仲谷昇
富山の老舗酒造会社の跡取りで社長。妻とは死別していて、元妻との間に中学生の長男がいる。母親がまだ存命で、何かとうるさい。田舎では派手に遊べないけど、東京では大丈夫という感覚で桃井に言い寄る。気がつくと桃井に惚れて、お願いして富山に来てもらう。ところが桃井と家族とは合わない。財産は中学生の長男に贈与されることになり、その代わりに多額の保険に加入することになった。

焦点は車を運転していたのが誰かということ。
証人は妻が運転していると言うが、服装が微妙だ。現場には工具が置かれていた。警察は故意に妻が運転して海に突っ込んでフロントガラスを割って脱出したという。妻はそんな危険なことをわざわざするわけがないという。

岩下志麻が弁護士で出てくる。
配役的に?事件を解決してしまって勝訴は堅いだろうと自分は推測をたてるけど、桃井が証人にからんだり法廷で暴れまくる。桃井の元恋人がたまたま一度会った際に、エドワードケネディの自動車事故事件になぞらえて、保険金殺人を彼女が企んだと証言する。しかも、桃井かおりの法廷での心証は最悪である。岩下はどうするのであろう?


この映画ですごいなあと思うのは、実験を実際に何度もやっているということ
つまり、岸壁から海に向けて無人車を走らせ、フロントガラスがどうなるのか実験をする。普通はここまでしない。それによって、フロントガラスは車が海に突っ込んだ衝撃で割れたことが証明される。
なるほど、ではどういうことなの?
その伏線は映画の最初の方で見せていた。

最後まで気の強い同士の岩下志麻、桃井は争い合う。この演技合戦はすごい。
若き日の柄本明の新聞記者がいやらしく主人公と敵対し、「料理の鉄人」より10年以上前の鹿賀丈史のチンピラぶりも絶妙だ。戦後映画界を支えた多くの俳優が出演している。北林谷栄、小沢栄太郎、名古屋章なんかはなつかしい。山田五十鈴がみせる銀座のママ役の貫禄はさすがといったところだ。

でも元夫との間にいる夫側に育てられている1人娘の件が最後まで話題になる。これってストーリー全体に必要なのかしら?あとは保険金の扱いもちょっと疑問?あれほど騒いだのが何?という感じだけど

とはいうものの全盛時の大女優2人による良質のサスペンスである。

疑惑
岩下、桃井の演技合戦
コメント (1)
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5月を終えて

2014-06-01 12:44:15 | Weblog
5月は9回飲みに行った。
そのうち7回はオフィシャルな会合である。年度が変わってさまざまな総会的な行事がある。
普通の人はその会合だけで帰るのであろう。
1次会ではなかなか帰れない。いい年になったのだから本来はもっと早く帰るべきだろう。
気がつくと2軒目に向っている。それでも済まない。翌朝はほぼ撃沈である。

9回中7回はタクシーで帰っている。
サラリーマンだからできることだけど、リタイアしたら無理だよね。

今週の木曜も気がつくと4軒いく。中華、バー2軒、すし屋(最後の店寄ったのを思い出したのは翌日夕方)
翌朝家人に起こされて、「今日は休みだ」と寝ぼけていってしまったが、すぐ違う事に気づく。
毎週定例の会議の日である。何が何でも行かねばならない。
普段は早めの電車に乗って早く会社についているのであるがそうならない。
胃が痛む。アルコールが胃の中に残って悪い作用をしたのか?胃薬飲んでも治らない。
電車は2駅進んで途中で座れた。でも本当に胃が痛い。
でも降りるわけにはいかない。辛抱強く座ってようやく駅に着く。
駅のホームで会社の女の子にあう。「顔色悪いですよ」そう言われる。
「え!そうか」悪いに決まっているなと思いながらトイレに向う。きつい!

会議でしゃべっているうちに胃痛は少しづつ治まっていた。
昼飯はサイゼリアの500円ランチで青豆リゾットをたべる。これは胃にやさしい。ランチスープは2杯飲む。
午後は体調戻ってきた。最近は午後になっても調子が出ないことがある。
最後の一軒はいつも余計だとわかっているけど、やめられない。

知的活動に酒がよくないのは理解している。家では酒を飲まない。
二日酔いでは本が読めないし、頭の切れが悪い。ブログも書けない。
そんな状態なのに6月の日程がまた埋まっていく。

5月末現在映画鑑賞124本、読書95冊 完了
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