映画とライフデザイン

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映画「無頼」井筒和幸

2021-01-09 08:03:23 | 映画(日本 2019年以降主演男性)
映画「無頼」を映画館で観てきました。


「無頼」井筒和幸監督にとっては黄金を抱いて翔べ以来8年ぶりの作品である。「この世界に残されて」という比較的薄味の映画で今年の映画館鑑賞をスタートしたので、井筒ブランドで一転ハードと思しき映画に行くことにした。上映している新宿K‘sシネマは元やくざ映画専門の地味な映画館新宿昭和館であったが、逆に建替えたk’sシネマは割ときれいで驚く。昔とイメージ違う。この映画では1人の極道者の人生を少年のころから還暦すぎるまでその時代を代表する出来事をちりばめながら追っていく。

井筒和幸監督作品では「パッチギ」とかは好きだし、前作黄金を抱いて翔べも傑作というわけではないけど楽しめたので期待していったが、正直イマイチだった。


1956年からスタートする約50年の時代推移において、登場人物が多い。ヤクザの組織などの名前も多い。オーディションで選ばれた俳優が多いようだ。主演とその他一部を除く誰も彼も無名なので誰が何をしているのかよくわからない。知っている顔だと頭でストーリーが整理される。話がよめていく。登場人物がみんな同じような顔に見えるので、1つの場面が次に繋がらない。次の場面でアレ?これ誰だっけ?といった感じだ。名作「仁義なき闘い」はそれぞれの登場人物にこれは誰だと示す字幕がある。それは確かに奥の手だが、ある意味観客には親切だ。

逆に不親切な映画ではないか。この映画はストーリーで観るというよりも、いくつかの過激なシーンを観るための映画かもしれない。

⒈印象に残るシーン
地名は出ない。浜松というセリフがあって、うなぎの養殖池が出てくるので結局静岡?なのかなあ?途中、山口組の抗争を思わせるシーンがあり、その後で深作欣二の名作「北陸代理戦争」で西村晃が雪の中で首だけ出しているシーンで映画の中の映画の手法を使う。でも、雪の中の首シーンは改めて撮り直している。登場人物が映画館でこの映画を見ながら「親分よくこれを映画化させてくれたな」なんてセリフあり、あれこの映画って北陸が舞台だったよなと思う。実在のモデルはいるというが、わざとそらしているかもしれない。


exileの松本主演、刺青で凄みでも怖さはまったくない。バキュームカーの汚物を融資を断った銀行内に撒き散らすシーンがずいぶんと激しい。よくあるヤクザ映画のように虫ケラのように射殺されるシーンは当然のごとく多い。組幹部がのんびりと露天風呂に入っているときに襲撃されるシーンなどもあるが、素人映画集団が遊んでいるようにしか見えないなあ。


⒉井筒和幸
前回作品黄金を抱いて翔べもブログにアップしているが、高村薫作品の映画化で設定に欠点が目立つけれどもアクションは楽しめるものであった。個人的には「パッチギ!」は面白いし、躍動感がある傑作だと思う。かなり在日朝鮮人をかばうが、「パッチギ!2」はちょっとやり過ぎ。赤羽線あたりで暴れまくる朝鮮学校の連中を映したりして、東京の一角でハチャメチャなことをした連中をかばいすぎだ。でもこれらの映画も沢尻エリカをはじめ普通の俳優を起用していて今回の映画のように誰が誰だかよくわからないという状況にはしていないので見やすい。


このころはTVでも世相を語ったり、映画評論の本を出版していたけど、最近はみなくなったなあ。ある意味、「パッチギ!2」あたりの思想の極端さが影響している気がする。岸和田愚連隊のように思想が露骨にでていないければいい味持っている人なのに残念。今回井筒和幸監督カメオ出演していたなあ。


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