映画とライフデザイン

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ニッポン無責任時代  植木等

2011-05-03 21:20:48 | 映画(日本 昭和35年~49年)
地震後の暗い世の中でパーと明るい雰囲気にしようとするならば、何はともあれクレイジー映画である。植木等の得意の歌が満載で数多くある映画の中でも代表作といえるのは37年の「ニッポン無責任時代」だろう。話の展開は相変わらずばかげているが、当時の東宝のコメディはどれもこれも高度成長時代の日本に相性の良いものだといえる。気楽にみるのがいいもんだ。



主人公の平均(たいらひとし)こと植木等は三流大学中退して、お気楽に会社を渡り歩いている男だ。下宿の家賃もたまりがち。そんな彼がなにか儲け話をゲットしようと銀座のバーに足を運ぶ。
そこで客がホステスと太平洋酒販の株が上がるよというを話を聞く。それを聞いた植木は太平洋酒販にちかづいていく。大ボラまがいの口上で死んだ政治家の知り合いと巧みに社長ことハナ肇に近づき、太平洋酒販の総務部に入社した。そこには総務部長の谷啓や犬塚弘、安田紳、桜井センリなどのメンバーがいた。植木は、大株主こと松村達雄を説得することであった。軍資金を用意させ、早速松村に会い、小切手1つで見事に成功したと思いきや、株の買占め側が大株主の松村を口説いたという噂が。。。。

こういうサラリーマンもの典型で、会社の支配権を得るための株式の買占め、それにつなげた夜の蝶たちとの関わりあい、ごますりと接待漬けなんていうことが最後まで次から次へと話のネタになる。森繁や小林圭樹、三木のり平といった駅前シリーズもクレイジー映画も基本的なパターンは変わりやしない。今もあるかもしれないが、日本経済というのはこういうサラリーマンの立ち回りでもってきたのかもしれない。女性陣は団令子、重山規子という常連で、まだ浜美枝はでていない。調子よく女性陣に斬り込んでいく植木等である。



この映画が数あるクレイジー映画の中でも注目すべきなのは、植木等の代表的な歌が収録されていることだと思う。
「無責任一代男」(おれはこの世で一番無責任と言われた男、ガキーのころから調子よく。。。。)、「ハイ、それまでョ」(てなこと言われてその気になって女房にしたのが大間違い。。。。)、「五万節」(学校出てから十余年今じゃしがないサラリーマン。。。。)、「ドント節」(サラリーマンは気楽な稼業ときたもんだ。。。。)
これらの歌を軽快に植木等が歌いまくる。平成2年の紅白歌合戦での大フィーバーぶりを思い出す。
青島幸男作詞の歌詞、それは最高だ。議員の青島は嫌いだが、脚本と歌作りにかけては天才だと思う。「タイミングにC調に無責任」そんな雰囲気で乗り切りたいものだ。

ニッポン無責任時代
植木等の代表曲が高らかに鳴り響く

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