映画とライフデザイン

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麻雀放浪記  阿佐田哲也

2008-12-29 21:43:27 | 映画(日本 昭和49~63年)
阿佐田哲也の風貌は週刊誌のマージャン観戦記でよく見ていたが、何せ百戦錬磨を地でいっている恐ろしい顔だと子供のころ思っていた。
当然ものすごく強い人かと

マージャンを覚えたのが高校に入ってから、本当によくやった。大学でも然りである。11PMの大橋巨泉のマージャン教室は楽しみで仕方なかった。実際本当に面白かった。巨泉、小島武夫、畑正憲、阿佐田哲也の対戦は実にすばらしい戦いであった。2000点の上がりを見逃して、手を崩して、手を大きくしてハネ満をあがった阿佐田哲也のうち回しはあれから30年以上たつけれど忘れられない。学校でも大騒ぎになった記憶がある。

ただ、麻雀放浪記はなんか暗くて高校生の自分にはなじめなかった。戦中派には共感できる人も多かったと思うが、自分にとっては暗すぎた。(ちなみに巨人の星の前半も苦手である。)役満を上がりまくるのも不自然な気がした。でも年齢を経るにしたがって小説がなじめるようになって来た。

18歳から19歳になるにもかかわらず、定職につかずぶらぶらしている坊や哲を囲んで、料理の鉄人鹿賀演じる「どさ健」、アクション映画脇役の重鎮高品演じる「出目徳」を中心に役者が勢ぞろいする。家の権利書や大竹しのぶの吉原への質があっちにいき、こっちにいきする。時代をしのばせる何かがあるがそこに流れるのは本当に暗い世界である。ヒロポンを打ちながら、連夜の勝負をするのは、映画でいうとポールニューマンの「ハスラー」でのファッツとの死闘を思い起こさせる。

阿佐田哲也は麻雀を美しい世界にわざと昇華していた感じである。
であるから飛び切り強かったかというとそうでないきもする。色川が阿佐田を演じるのに固執するところがあったからだ。でも美しい麻雀譜を残してくれた。
今でも阿佐田を敬愛する有名人が多い。五味康祐はあれほどまでに好かれていたであろうか?
人徳であろう。

出目徳は九連宝燈をあがって死ぬ。張作霖が日本軍の謀略で死んだとき、九連宝燈をあがっていたといわれる。私も高校のとき自宅で同級生との対局であがったことがある。でもとりあえず、その後30年生きている。


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