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映画とライフデザイン

大好きな映画の感想、おいしい食べ物、本の話、素敵な街で感じたことなどつれづれなるままに歩きます。

映画「テロ,ライブ」 ハ・ジョンウ

2014-09-26 20:17:26 | 映画(韓国映画 2019年以前)
韓国映画「テロ,ライブ」を映画館で見てきました。
「悪魔は誰だ」とダブルヘッダーで見た。見る前は「テロライブ」より「悪魔は誰だ」の方が面白そうだったが、結果的にはいかにも韓国映画らしいのは「テロライブ」だ。


ハ・ジョンウの顔が前面に映る映画ポスターを見ると、衝撃的な作品の映像が脳裏を走る。「チェイサー」の変質殺人者で強烈な印象を残した後「哀しき獣」で中国朝鮮族の不法侵入者を演じた。釜山のやくざの黒幕役だった「悪いやつら」北朝鮮のスパイを演じた「ベルリンファイル」でも安定した活躍を見せた。韓国得意のクライムサスペンスには欠かせない存在となっている。

ポスターでは、アナウンサー役のようである。事前情報はあまりいれずに見に行く。密室劇のようだ。ヒッチコックにしても閉鎖空間の「ロープ」だけは肌が合わない自分からすると、一つの場所で繰り広げられる設定は苦手である。それでもCGによる爆破場面が連続して映され、次から次へと続く爆弾テロの首謀者との電話会話を実況中継するという設定が面白く。90分間飽きずに見つづける。

かつて国民的な人気を誇っていたアナウンサーのユン・ヨンファ(ハ・ジョンウ)は、不祥事を起こしたためにテレビ局からラジオ局に左遷となっていた。テレビ局に勤める妻とも離婚して不遇の状態だった。
視聴者の声をインタビューするラジオ番組の生放送中、突如電話の相手は、この電話を切ったら漢江にかかる橋を爆破するという。その場は、いたずらだと思い「やれるものならやってみろ」と相手にしていなかったが、電話を切った途端に大きな爆音が聞こえて、外を見ると橋が爆破されていた。


ヨンファは電話口に出た男による爆破テロだと確信する。警察に通知しなければ、もう一度自分あてに電話がかかってくると考えると確かにかかってきた。自分のテレビキャスター復帰に向けてチャンスとにらんだユンは、犯人との通話の独占生中継と引き換えに自分をテレビ局へ復帰させるよう報道局長(イ・ギョンヨン)に持ちかける。


犯人は独占放送するなら21億ウォンをよこせと交渉してくる。いくらなんでもと思ったら、結局会社がそれをのむ。
以前建設作業員だったという犯人は、無残に死んだ人たちへ大統領からの謝罪を要求する。犯人とのやり取りを進めるうちに、ヨンファは自分が装着しているイヤフォンに小型爆弾が仕掛けられていることを知るのであるが。。。。

この映画のあとになるが、韓国で修学旅行の高校生を大量に載せた船が転覆した。船長がいきなり乗客をおいて脱出するという行為に驚いた。日本人から見ると、あきれ返ってものが言えない状態だ。

この映画でもその無責任さと足の引っ張りあいがクローズアップされる。左遷、汚職というと日本にもある世界だけど、韓国や中国と比較すると比べ物にならない。

1.視聴率
テレビ局にとっては、何よりも視聴率が一番大事だ。それ自体は、日本と同じだ。テロの犯人は、金をくれないなら別の放送局に話をまわすよと脅かす。局はすぐさま受けてネット送金する。日本だったらありえないけど、大統領が次から次へと辞職後汚職で逮捕される韓国ならありえそうなことだと思ってしまう。報道局長も今視聴率が50%になったとか、70%を超えたと興奮しながらユンの実況を駆り立てる。でもこの報道局長は自分のことしか考えない。


2.予測がつかない韓国映画
自分が一番凄いと思っている韓国映画は「チェイサー」である。「殺人の記憶」も凄い迫力だが「チェイサー」のストーリー展開には仰天した。本当に救いようのない展開である。これもそれに近い部分もある。普通物語の定石をたどれば、主人公を散々な目にあわせて、これ以上ない悲惨な目にあわせても最後は救う。ところが韓国のクライムアクション映画は、ありきたりの結末にはしない。だからむちゃくちゃ面白い!!

3.監督は警察嫌い??
主人公は最初警察に言わずに、犯人の肉声をオンエアーしようとする。初動が少し遅れてしまう。それでも、事件であるからテロ対策の専門家や警察庁長官がしゃしゃり出てくる。それでも大統領を出せといい続ける犯人だ。


ここではテロ専門家や警察庁長官をまったく活躍させない。おそらく、監督兼脚本のキム・ビョンウは警察が嫌いなんだろう。それが肌で感じられる。まったく警察をあてにしていないようだ。
それにしても、監督は韓国映画独特の無情さや残虐さを十分わかっている感じだ。次から次へと登場人物を消しゴムみたいに消していく。いやー!ワルだな、監督は。

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韓国映画「悪魔は誰だ」 キム・サンギョン&オム・ジョンファ

2014-09-26 06:28:07 | 映画(韓国映画 2019年以前)
韓国映画「悪魔は誰だ」を映画館で見てきました。


韓国のクライムサスペンス映画の水準は極めて高い。
残念ながら、このジャンルについては日本映画が韓国の水準まで達していない。作品数も多い。日本の推理小説家の作品も次々韓国で取り上げられているくらいだ。
この映画も評判がよさそうだ。韓国映画ベスト3に入る傑作「殺人の記憶」に出ていたキム・サンギョンも出演している。足が自然と映画館に向く。

15年前の誘拐殺人事件が時効になる寸前に、犯人らしき男が現場周辺を動く気配がある。担当刑事は懸命に捕まえようとするが失敗する。ところが、まったく同じような手口を使う誘拐事件が起きるのである。何から何まで一緒で、身代金の受理場所まで同じなのである。犯人はいったい何を考えているのか?

ハギョン(オム・ジョンファ)は15年前の誘拐事件で幼い娘を失い、犯人が見つからない中、自らも長年情報を集めていた。事件の担当刑事チョンホ(キム・サンギョン)は、事件が公訴時効を迎えるにあたりハギョンのもとを訪ねるが、犯人逮捕を願っていた彼女は、やりきれない怒りをチョンホにぶつける。


時効まで残り5日と迫ったその日、事件現場を訪れたチョンホは、そこに手向けられた1輪の花を見つける。現場の監視カメラを調べると、深夜に何者かが花を置く姿が映っていた。チョンホは、それらの手掛かりを元に捜査を再開する。時効まであと数時間のところで犯人を視界に捉えるが、追跡も及ばず再び取り逃してしまう。結局事件は時効を迎え、責任を感じたチョンホは刑事を辞めることを決意する。そんな折、新たな誘拐事件が発生。


その犯行の手口は15年前のものと酷似していたが。。。(作品情報より)

結果としては、韓国クライム映画らしい残虐さが薄いと感じた。最近日本でも話題になっている幼児の殺人事件がテーマで、誘拐もからむ。謎解きの部分もあり、誘拐のトリックとしてはうまいとも感じる。でも15年後に同じ時間に兵隊さんが同じ電車に乗ったりする??


韓国映画らしいハチャメチャさに欠けている。日本でつくられているサスペンスのような肌合いで、自分には物足りない映画であった。ただ、キム・サンギョンとオム・ジョンファは悪くはない。

ツッコミいれたくなる。
1.犯人が時効寸前に自分が捕まるようなところ行く??
15年の時効寸前に犯行現場に花を添えるなんて、捜査対象になってもおかしくないはず。
こんなバカなことってする?

2.車種を特定して、犯人らしき不審者を見つける。これを普通取り逃がすか??
犯人らしき人間がのっている車種が特定され、街で発見される。刑事は追いかける。でもこれって応援を頼んでもいいんじゃない。いかにもヒッチコックの「海外特派員」における傘の群れのような場面を導き出して犯人が逃げやすいような設定にしているけど、普通であれば逃げられないよ。

3.真犯人あんなに機敏に逃げられる?
時効前の動きといい、第2の事件の時といいこの真犯人かなり運動神経がいいように描かれているが、とてもそうは見えないんだけど。街の路地裏を走りまくったり、列車の下に潜り込んだりするのは、若くないとできないでしょ。この間、兵庫の県会議員が報道陣のカメラに追いかけられて懸命に走っていたっけ。でも老人くさかったなあ。この真犯人は機敏だよ。


最後は日本的浪花節でしめようとする。
これって韓国映画らしくない。この間の沈没船の話でもわかるけど、韓国人には自分だけよければいいという人が多い。ある取引が介在したけど、この結末のようになる人っているの?しかもあの面会ってありうるの?

色々言ったけど、映画を見ている途中に真相はわかっていなかった。先入観なしで見た人は予測がつかなかっただろう。
トリックも各種用意されていてなるほどうまいなあと感じた作品ではあった。

(参考作品)
殺人の疑惑
同じイ・ヒョンホ誘拐殺人事件が題材になる


悪魔は誰だ
トリック満載のクライムサスペンス


チェイサー
韓国クライムサスペンスの最高傑作(参考記事)
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