映画「MUD マッド」は2人のオスカースターの共演
「ダラスバイヤーズクラブ」でアカデミー賞主演男優賞を獲得したマシュー・マコノヒーの前作である。2012年のアメリカ映画だ。
全然ノーマークだった。予想を大きく超える傑作に出会えてうれしい。
脚本に重層性があり、ラストにかけて生まれるスリル感が実にいい感じだ。
ここにきて注目を浴びるマシュー・マコノヒーが例によって役作りに没頭している。そこに少年たちの青春ストーリーをうまくからませて、物語の深みが増す。本当に素晴らしい。
アメリカ南部アーカンソン州が舞台。
川岸のボートハウスに住む14歳のエリス(タイ・シェリダン)は親友のネック(ジェイコブ・ロフランド)とともにボートに乗り、ミシシッピ川に浮かぶ無人島に向かう。そこで2人は木の上に引っかかっているボートを見つける。ボートの中を見ると、新しいパンが置いてあり、このボートに誰かいることに気付く。
二人が川岸に出ると、ボートにあった足跡の主・マッドという男(マシュー・マコノヒー)と出会う。もともとこの辺りの出身で、エリスの対岸に住むトム・ブランケンシップ(サム・シェパード)のことも知っている。ここで人を待っているという。もし食糧を持ってきてくれるならあのボートは譲るという。素性が不気味なマッドにネックは警戒心を抱くが、エリスの目には魅力的に映っていた。
2人は食糧をもって島へ向かう。マッドはボートを隠れ家にして身を隠していた。マッドは待っているのはジュニパーという女で鳥のタトゥーをしているという。その後、町のスーパーでジュニパー(リース・ウィザースプーン)らしきタトゥーをした女を見つける。モーテルで暮らしているようだった。
エリスは母親と車に乗っている時、警察の検問でマッドが殺人の容疑で指名手配されていることを知る。すぐさまマッドに報告すると、恋していたジュニパーが虐待されたことに腹を立てある男を殺したという。きっと町は検問で身動きとれないからこのボートで逃げると言う。そのために、これを用意してほしいとリストを出す。あとトムに声をかけてくれという。マッドによれば、トムは暗殺者のようだ。エリスは彼に協力することにした。
エリスはマッドから預かったメモを持ってネックと一緒にモーテルへジュニパーを探しに行く。すると、ジュニパーが被害者の兄カーヴァー(ポール・スパークス)にマッドの行方はどこかと問い詰められているを目にする。ジュニパーに近づこうとしたエリスとネックボーンは目をつけられてしまう。
カーヴァーとその父親はマッドを殺すために賞金稼ぎを雇っている。
復讐者からのマッドへの追跡にエリアとネックはからんでしまうのであるが。。。
1.ミシシッピ川
川と言っても、日本の川とは規模が違う世界有数の大河だ。少年はその下流の川の側に住むボートハウスの人間だ。最近でこそ日本にはこういう生活者がいなくなったが、昭和40年代になるくらいまでは日本にも多数存在した。ある意味下流社会の物語でもある。ミシシッピ川を映しだす場面のいくつかは思いっきり開放感がありすばらしい。最初と最後のシーンに注目したい。
2.マシュー・マコノヒー
名を売ったのは「評決のとき」であるが、自分がより注目するようになったのは「リンカーン弁護士」からだ。この不良弁護士は絶妙にうまかった。「バーニー」「ペーパーボーイ」と続いてこの作品だ。「ダラスバイヤーズクラブ」のすごい減量でもわかるように役作りに没頭する。すごいプロ意識だ。
ここでも狂喜に迫るシーンがいくつもある。もしかして、現在の俳優で演技力№1と言ってもいい気がする。
あとは、渋い男を演じていたサム・シェパードが絶妙にうまい。でも彼の本職は脚本である。「パリテキサス」なんてロードムービーをまとめている。彼が出ているブラピ主演の「ジャッキーコーガン」はどうしようもなくつまらない映画だったが、この演技は渋すぎる。
基調は少年2人の青春の1コマだ。家庭はバラバラでうまくいかない。
年上の女の子に近づいていく青春物語が途中ほのかなテイストを生む。
終わりにかけては、追手に追いつめられるシーンが出てくる。ラスト直前のクライマックスの持っていき方が、予想もつかないのでどきどきしてしまう。絶体絶命になって撃ち殺されてもおかしくない。そのボートハウスをめぐる攻防に緊張感がある。ビーチボーイズのエンディングソング聴きながら、いい映画だったなと改めて思う。
(参考作品)
「ダラスバイヤーズクラブ」でアカデミー賞主演男優賞を獲得したマシュー・マコノヒーの前作である。2012年のアメリカ映画だ。
全然ノーマークだった。予想を大きく超える傑作に出会えてうれしい。
脚本に重層性があり、ラストにかけて生まれるスリル感が実にいい感じだ。
ここにきて注目を浴びるマシュー・マコノヒーが例によって役作りに没頭している。そこに少年たちの青春ストーリーをうまくからませて、物語の深みが増す。本当に素晴らしい。
アメリカ南部アーカンソン州が舞台。
川岸のボートハウスに住む14歳のエリス(タイ・シェリダン)は親友のネック(ジェイコブ・ロフランド)とともにボートに乗り、ミシシッピ川に浮かぶ無人島に向かう。そこで2人は木の上に引っかかっているボートを見つける。ボートの中を見ると、新しいパンが置いてあり、このボートに誰かいることに気付く。
二人が川岸に出ると、ボートにあった足跡の主・マッドという男(マシュー・マコノヒー)と出会う。もともとこの辺りの出身で、エリスの対岸に住むトム・ブランケンシップ(サム・シェパード)のことも知っている。ここで人を待っているという。もし食糧を持ってきてくれるならあのボートは譲るという。素性が不気味なマッドにネックは警戒心を抱くが、エリスの目には魅力的に映っていた。
2人は食糧をもって島へ向かう。マッドはボートを隠れ家にして身を隠していた。マッドは待っているのはジュニパーという女で鳥のタトゥーをしているという。その後、町のスーパーでジュニパー(リース・ウィザースプーン)らしきタトゥーをした女を見つける。モーテルで暮らしているようだった。
エリスは母親と車に乗っている時、警察の検問でマッドが殺人の容疑で指名手配されていることを知る。すぐさまマッドに報告すると、恋していたジュニパーが虐待されたことに腹を立てある男を殺したという。きっと町は検問で身動きとれないからこのボートで逃げると言う。そのために、これを用意してほしいとリストを出す。あとトムに声をかけてくれという。マッドによれば、トムは暗殺者のようだ。エリスは彼に協力することにした。
エリスはマッドから預かったメモを持ってネックと一緒にモーテルへジュニパーを探しに行く。すると、ジュニパーが被害者の兄カーヴァー(ポール・スパークス)にマッドの行方はどこかと問い詰められているを目にする。ジュニパーに近づこうとしたエリスとネックボーンは目をつけられてしまう。
カーヴァーとその父親はマッドを殺すために賞金稼ぎを雇っている。
復讐者からのマッドへの追跡にエリアとネックはからんでしまうのであるが。。。
1.ミシシッピ川
川と言っても、日本の川とは規模が違う世界有数の大河だ。少年はその下流の川の側に住むボートハウスの人間だ。最近でこそ日本にはこういう生活者がいなくなったが、昭和40年代になるくらいまでは日本にも多数存在した。ある意味下流社会の物語でもある。ミシシッピ川を映しだす場面のいくつかは思いっきり開放感がありすばらしい。最初と最後のシーンに注目したい。
2.マシュー・マコノヒー
名を売ったのは「評決のとき」であるが、自分がより注目するようになったのは「リンカーン弁護士」からだ。この不良弁護士は絶妙にうまかった。「バーニー」「ペーパーボーイ」と続いてこの作品だ。「ダラスバイヤーズクラブ」のすごい減量でもわかるように役作りに没頭する。すごいプロ意識だ。
ここでも狂喜に迫るシーンがいくつもある。もしかして、現在の俳優で演技力№1と言ってもいい気がする。
あとは、渋い男を演じていたサム・シェパードが絶妙にうまい。でも彼の本職は脚本である。「パリテキサス」なんてロードムービーをまとめている。彼が出ているブラピ主演の「ジャッキーコーガン」はどうしようもなくつまらない映画だったが、この演技は渋すぎる。
基調は少年2人の青春の1コマだ。家庭はバラバラでうまくいかない。
年上の女の子に近づいていく青春物語が途中ほのかなテイストを生む。
終わりにかけては、追手に追いつめられるシーンが出てくる。ラスト直前のクライマックスの持っていき方が、予想もつかないのでどきどきしてしまう。絶体絶命になって撃ち殺されてもおかしくない。そのボートハウスをめぐる攻防に緊張感がある。ビーチボーイズのエンディングソング聴きながら、いい映画だったなと改めて思う。
(参考作品)
ダラス・バイヤーズクラブ | |
マシューマコノヒ―の大減量 | |