映画とライフデザイン

大好きな映画の感想、おいしい食べ物、本の話、素敵な街で感じたことなどつれづれなるままに歩きます。

デンジャラス・ラン デンゼルワシントン

2012-09-09 21:29:27 | 映画(洋画 2010年以降主演男性)
映画「デンジャラス・ラン」を劇場で見た。
黒人オスカー俳優デンゼル・ワシントンと若手有望株ライアンレイノルズの共演である。

「グローリー」「トレーニング デイ」で2度アカデミー賞を獲得したデンゼル・ワシントンが、世界中で指名手配されている元CIAエージェントを演じたスリリングなアクション映画だ。アクション映画といえば、今年に入って映画「ドライブ」を見た。鋭いカーアクションが売り物のスピード感あふれる傑作であった。しかし、これはその作品をスピード感で上回る凄まじいアクション映画だ。末梢神経にもグイグイ触れていくシーンが続き、2時間を全速力で駆け抜ける。
日本では絶対に制作不能の凄い映画だ。

CIAが世界中に設置している、重要情報保持者の身柄を確保して尋問するための隠れ家がある。それを「SAFE HOUSE」という。それが原題だ。
南アフリカのケープタウンが舞台だ。
映像は一人のCIA職員マット(ライアンレイノルズ)を映す。彼はケープタウンで一人その「SAFE HOUSE」の管理を任されていた。普段は仕事がなく、恋人と遊び呆けていた。
そのケープタウンの米国領事館に、一人の男が出頭した。

敵国に機密情報を流したとされる、36ヶ国で指名手配を受けた世界的犯罪者トビン・フロスト(デンゼル・ワシントン)だ。彼はかつてCIAの中でも屈指の腕を持つ伝説のエージェントであった。天才的な頭脳を持ち話術に長け、暗殺の腕も超一流という。
その彼がCIAの隠れ家にゲストとして連行され、取り調べの拷問がはじまった途端、鉄壁のはずの隠れ家が重装備の何者かにより襲撃される。味方が次々殺される中、隠れ家を管理している新米CIAのマットは、フロストから選択を迫られ、やむなく隠れ家から一緒に脱出する。

こうしてマットは危険すぎる男フロストの身柄を守るために彼とともに逃走を繰り広げる。

迫力あるカーチェイスもさることながら、格闘シーンも出演者が大けがをしてしまうのではと心配するくらい強烈な激しさだ。途中で味方と敵の境目がわからなくなる。それにつれ登場人物の精神が錯乱する。それでも、デンゼルの頭脳が先を読む。わけのわからない敵に加えて、CIAの本部も攻撃のミッションを出し続ける中、息もつかせない緊迫の心理戦も見どころだ。アクション映画といいながら、脚本のうまさも絶妙だ。

オスカー受賞作品「トレーニングデイ」のデンゼルワシントンはロス警察の悪徳警官を演じた。あのときも交通係からまわった新米刑事イーサンホンクとのコンビであった。そのパターンは一緒だが、今回先輩後輩といってもデンゼルワシントンはCIAに追われる身だ。それでも新鋭ライアンレイノルズをずっと引っ張り続ける。プロと新米の対比は「リーサルウェポン」や黒澤明の「野良犬」同様警察アクションの定番に近いが全くイコールでないのがミソだ。裏にはCIAの汚職問題が顕在する。

この監督ダニエル・エスピノーサの手腕は凄い。それに加えて「ボーン」シリーズの撮影監督オリバー・ウッドと編集リチャード・ピアソンが加わる。この両者がスタッフとしているのが大きい。
この仕事はまさにプロ集団の結晶だ。
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ロボジー ミッキーカーチス

2012-09-09 05:57:35 | 映画(日本 2011年以降主演男性)
映画「ロボジー」は「スウィングガールズ」「ウォーターボーイズ」の矢口史靖監督による今年初め公開のコメディ作品だ。

映画の宣伝ポスターをみて、ロボットという文字に一瞬近未来物という連想が入った。ポスターにはロボットの顔しかなかったからだ。むしろハイテク映画の印象を持つ。でも実際にはまったく違ったテイストだった。要は着ぐるみのように中に老人が入り込むお笑い物だ。これは面白い。
映画を見ていて、次どうなるんだろうなあと思わせ、飽きさせない。主人公は五十嵐信次郎ということだが、実は往年のロカビリーの帝王で音楽プロデューサーだったミッキーカーチスの本名だ。彼はスットボケた老人を演じさせたら天下一品だ。その演技と木村電器社員3人の取り合わせが実にうまく楽しいコメディになっている。

家電メーカー木村電器の社員小林(濱田岳)、太田(川合正悟)、長井(川島潤哉)は「長太短」のヘッポコ3人組だ。木村社長(小野武彦)から流行の二足歩行ロボット開発を命じられる。近く開催されるロボット博での企業広告が目的だった。しかし、彼らは家電の知識はあってもロボット開発の知識などなかった。ロボット博まであと1週間という時期になって、制作途中のロボット「ニュー潮風」が勝手に動き出し、窓から階下に転落して大破してしまう。
そこで思いついたのはロボットの中に人間を入れてごまかす計画。ロボットの外装にぴったり収まる人間を探すため、チラシで着ぐるみの募集をした。ところが合格採用した男には金属アレルギーがあった。そして独り暮らしの老人73歳の鈴木重光(五十嵐信次郎)が選ばれる。
ロボット博では各社から様々なロボットが出品されていた。そんな中「ニュー潮風」が登場、木村電器の社員の期待とは反対にロボットは様々なパフォーマンスをしてしまう。ロボットオタクの女子学生・葉子(吉高由里子)はローカルテレビのバイトで来ていたが、撮影時の混乱で事故に巻き込まれそうになる。そこを助けたのがロボット「ニュー潮風」だ。マスコミに報道されて一気に有名になるが。。。。

先週ヤザワのコンサートの感想を書いたら、ものすごいアクセスがあった。そのあとに「ロボジー」を見て、アップしようとしたら、ミッキーカーチスと矢沢永吉の関係を思い出し、ヤザワファンに怒られるのでは?と妙に気遅れしてしまった。40年前フジテレビの「リブヤング」を見ていた音楽プロデューサーミッキーカーチスは、キャロルの演奏を一目見て気に入り彼らをデビューさせる。当時ミッキーカーチスの名は知られていたから、メンバーは大喜びであった。しかし、後年その契約内容があまりにもメンバーに不利な内容で問題となる。コンサートでいう40年というのはミッキーカーチスによってはじめられた40年だったのだ。

そんな彼がこの映画に登場するとは全く知らなかった。

反則を犯した主人公がひやひやもので諸事を切り抜けるパターンはたまにある。当然そのドラマはスリルと笑い両方を盛り込むことができる。この反則が「殺人」とかであれば、もっと暗い。いずれどうやってばれるかともっとひやひやするが、これはそんな大それたものではない。それでも結末をどうもってくるのか、意外に予測が立たないものだ。目が離せない。そしてスマートな展開に持っていく。実にうまい。

ここでは吉高由里子の使い方がうまかったと思う。途中から彼女の動きが映画のストーリーのキーポイントになる。ロボット工学の講義の話や本気で木村電器の3人がロボットを作ろうとする姿にはニヤニヤさせられた。
楽しい作品である。
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