映画とライフデザイン

大好きな映画の感想、おいしい食べ物、本の話、素敵な街で感じたことなどつれづれなるままに歩きます。

美しすぎる母 ジュリアン・ムーア

2010-02-07 15:31:28 | 映画(洋画:2006年以降主演女性)


「エデンの彼方に」を観て気がついてみるとジュリアン・ムーア作品をまた借りてしまった。上映時なんか異常な近親愛モノのように見えて関心持たなかった。実際のところ、そんなに良い作品とも思えない。

ニューヨークの上流家庭であるジュリアン・ムーア夫妻に息子が誕生するところから映画はスタートする。彼は社交的な母と数ヶ国語に堪能である父の間に生まれる。やがて彼は住まいをパリに移す。母は息子に強い愛情を注いだ。そんな彼が青年になったとき、美しいスペイン娘に関心を持ち付き合うようになる。同時に彼女はジュリアンの家庭にも出入りするようになる。ところが、息子の彼女にジュリアンの夫が手を出してしまう。。。。。

もう40も後半に差し掛かったジュリアンは美しいけれど、白人なので若干体の色素に年齢を感じるところがある。比較的日差しの強いところでのロケが多かったせいか、彼女の年齢が際立ってしまう印象だ。むしろ息子の彼女スペイン女優エレナ・アナヤの方がいい。途中息子とのベッドシーンで美しい裸体をあらわにする。

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8mile エミネム

2010-02-07 07:32:56 | 映画(洋画 2006年以降主演男性)
奇才カーティス・ハンソン監督がラップを取り上げる。現役ラッパーのエミネムがデトロイトの貧民街から這い上がっていこうとする姿を描く。8mileとはデトロイトの貧富を分け隔てた場所にある通りのことである。定跡どおり最後にコンテストで盛り上げていく構図だが、単にそれだけにスポットが当てられているだけではない。

デトロイトの貧民街で主人公エミネムの母キムベイシンガーが若いヒモを連れ込み主人公の幼い妹と一緒に暮らしていた。主人公は恋人とも別れトレイラーハウスというキャンピングカーのような家に戻ってきた。母キムは酒びたりの自堕落な生活をしていて、若い男におぼれていた。白人の主人公はラップが得意。黒人の4人の仲間とつるんでいた。街のラップバトルに出演するが、相手に圧倒され声も出ずに負けてしまい。会場の若者たちの嘲笑を浴びる。生活のために工場に働きに出る。そんなときに新しいモデル志望の女の子ブリタニー・マーフィーと知り合うが。。。。

そもそもラップは黒人を中心にした音楽。白人がそのリズムをとるのは困難であるというのが全ての前提である。主人公はそういうギャップの中はい上がっていくというのが根本的テーマである。主人公は常に不機嫌そうな顔をしている。同時に何かに挑戦していこうとする目つきをしている。エミネム本人の現実の話もモデルになっているからそういう顔つきがリアルに出るのであろう。リズム取りとうまさのラップのセリフのヴォキャブラリーの深さはなかなかやるなといった印象だ。

主人公の仲間たちがいかにも秩序のなく不道理な連中たちである。黒人だけでなく白人もいる。オンボロ車に乗って街の中をいたずらしまくる。実にハチャメチャで気分が悪くなるくらいだ。お決まりのように対抗勢力がいる。これもまったく同じ類の連中たちだ。「ウェストサイド・ストーリー」にもいたように必ず対比する勢力をもってくるのが映画の定跡である。相手のリーダーは黒人でも金持ちの息子ということにしている。

この映画の背景にあるのがデトロイトの貧民街である。ここは「ウェストサイドストーリー」や「サタデイナイトフィーバー」の描くニューヨークのアバズレ街よりもはるかにたちは悪い。母親キムは家賃滞納で立ち退きを迫られていてどん底の生活だ。しかも変な若い男がうじ虫のように寄り付いている。母親キムはその男にはまっている。キム・ベイシンガーの自堕落な役も適役だ。こんな役日本でいえば夏木マリがはまりそうだ。主人公もいやで仕方ないがそこで生活するしか糧がない。でも観ていると、不思議とキムベイシンガーの出ているシーンの方が普通の映画らしく思えてくる。それは主人公の仲間たちのあまりに不秩序なふるまいを、観ている人間が不快に感じるくらいにカーティスハンソン監督が強調しているせいか?

青春映画のようで奥行きを持たせるのはさすがカーティスハンソン監督だと思う。個人的に大好きなのはメリル・ストリ-プに思いっきりカヌーを焦がせた「激流」だ。「LAコンフィデンシャル」も「イン・ハー・シューズ」も抜群である。苦手なのは「ワンダーボーイズ」くらいかな?最近のポーカー映画「ラッキーユー」は普通に見えた。

ラップの持つイメージ以上に深みがある映画だと思う。
コメント (2)
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